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NHK、不正な受信料未払いに2倍の「割増金」 受信規約見直しで意見募集
太田 直樹New Stories代表 Code for Japan理事
公共放送として、NHKがどの程度必要とされているかが論点ですが、基礎的な経営データから見直す必要があります。例えば、受信料について国民がいくらなら妥当だと考えているか。
2000年代前半に、NHKで不祥事が相次ぎ、受信料の不払いが増えたことで、当時の会長が辞任することになりました。そのとき、対応の一つとして、NHKの番組についてどれだけの価値を感じているか、要は月にいくら支払いますかという調査が行われました。
最初に調査が行われた2006年の結果は、地上放送については平均1,780円の支払い意思が確認され、当時の受信料(1,395円)を上回りました。この調査は2010年代前半で途切れています。ちょうど、スマホが普及し、動画サービスが伸びていたころです。
2022年に調査をすれば、支払い意思額が下がっていることが想定されます。果たして受信料を下回っているでしょうか。
すると、論点は、番組の価値を高めるために何ができるか、そして、逆に支払い意思額に合うレベルまでどのように公共放送の範囲を見直すか、などに具体化できます。
英国では、BBCについて、上記のような検討を定期的に行っており、NHKについて、経営データを整えて、検討を深める余地が大きいと思います。
免許証、マイナカード一体前倒し 現行保険証24年秋廃止
太田 直樹New Stories代表 Code for Japan理事
マイナカード立ち上げの仕事をしたので、コメントします。
マイナカードは対面とデジタルの本人確認手段です。デジタルの本人確認には、3段階の国際的な信用レベルの基準があります。マイナカードは最も高いレベル3です。よくある「免許証コピーの表裏を送る」はレベル1になります。
デジタルの本人確認ガイドラインは、行政については作られていて、多くの行政手続きはレベル2以上が必要になります。民間にはガイドラインはなく、なりすましや詐欺が年々増加しています。
現時点で、マイナカードは、信用レベルと普及度において「最強の本人確認手段」と言って良いと思います。最近、メルカリなど民間サービスでも利用されています。今後、民間利用は拡大していくと思います。
課題は、交付や更新の手続き、子育てワンストップや病院での保険資格確認などサービス利用において使い勝手が悪いことです。ここはデジタル庁が中心になって改善のプロジェクトが動いています。
また「持ち歩くのが不安」という声が多いのも課題です。単純な解決案はありませんが、券面の個人番号は無くしても良いと思います。券面の番号は対面の本人確認には不要にできますし、デジタルには全く関係がありません。
マイナンバーと混同した議論や不安も相変わらずなので、名前も変えた方が良いと思います。
追記:今年度、スマホに実装されるので、マイナカードを持ち歩く必要がなくなりますが、iPhoneで使えない、マイナカードと連携した民間の本人確認手段(デジタルID)との関係をどうするかなどいくつか論点が残っています。
トヨタ、実験都市の建物着工へ 11月、静岡県裾野市
太田 直樹New Stories代表 Code for Japan理事
日本のスマートシティは行政が主導する形になっていますが、それによる弊害(補助金ありき、予算による短期志向など)もあり、民間主体の事業として注目されます。
Purpose(Why)、Vision(What)、Mission(How)が発表されていますが、以下のような点が気になります。
Purposeについては「幸せの量産」の「量産」が、(トヨタが考える)最大公約数みたいなものではなく、それぞれ違っていい、というWell-Beingの最新の研究・理解を生かしたものになるかどうか。
Visionについては「モビリティの拡張」が、技術中心でサービスをつくるものではなく、人間中心になるかどうか。モビリティは車や輸送という枠を超えて暮らしや社会を変える力があるのは、例えばジョン・アーリの『モビリティーズ』にあるようにこれまで研究されています。アーリは、モビリティのシステムが人間の主体性を奪う暗い未来の可能性も示しており、裾野でどんな暮らしが立ち現れるのか楽しみです。
Missionについては、上手く失敗できるか、フラットかつオープンな他者との共創ができるかといった、日本の優良企業が必ずしも得意でない行動が問われます。「リビング・ラボ」といいながら、社内で企画を通すために無難な落とし所が最初から決まっていたり、逆に、挑戦すると組織と戦って消耗する、というのは何度も見ています。これは精神論では難しく、人事や知財や経理などのルールを変える必要があります。
【直談】NEC社長、両利き経営の「等身大」を大いに語る
太田 直樹New Stories代表 Code for Japan理事
両利きの経営と越境人材(Boundary Spanner)は相性がよく、逆に、経営は両利きを志向しながら、社員は社内や取引先としか接点がないようでは、頭でっかちで終わってしまいます。
NECは越境人材が若手から中堅に多く、それが経営とつながってくると面白くなると思っています。例えば、社会起業家をおそらく最も多く輩出しているETICの社会起業家育成のプログラムには、10年以上にわたってNECの社員の方が伴走しています。
本業に近いところでは、オープンソースコミュニティ、例えばGithubにNECのエンジニアが越境していくかに注目しています。マイクロソフトの変革の中で、オープンソースコミュニティで存在感が増していたのですが(のちにGithubを買収しました)、それがカルチャーを変えることにもつながっていたと思います。
デジタル人材育成に3年で4000億円 首相表明
太田 直樹New Stories代表 Code for Japan理事
デジタル人材にもいろいろありますが、約100万人のIT人材について言えば、課題は明らかになっています。表に見えるところで言えば、給与です。米国の半分の水準で、中国やインドに抜かれつつあります。そしてモチベーション。米国とインドは9割、中国では7割がITの仕事に望んで就いていますが、日本は3割です。理由は給与だけではありません。
処方箋については、会津に行くことをお勧めします。93年設立の会津大学は、ITに特化し、教員の半数以上が外国人で、生徒の人数あたりの起業は全国一位の公立大学です。競技プログラミングのメッカであり、学生は本名ではなくハンドルネームで呼び合っています(本名を知らないことも多い)。会津はシビックテックが盛んな地域でもあり、“ともに考え、ともに作る“という文化が醸成され、学生だけでなく、行政や企業にも広がっています。流行り言葉を使えば、地域全体がアジャイルなのです。ここに未来の鍵があると思います。
マイナポイント、段階ごとに最大2万円付与 自公が最終調整
太田 直樹New Stories代表 Code for Japan理事
次世代マイナンバーカードについて、検討が始まっています。国民全員にICカードを配ることが必須なのか。技術や制度の変化を踏まえた議論が求められていると思います。
米国にはICカードはありませんし、英国はIDカード法を廃案にしています。日本がよく参照する欧州もカードはあるものの、FIDO等の生体認証やリモート署名の普及に伴って、カードではなく、スマホがデジタルサービスの接点になってきています。
最終的な姿は、スマホやタブレットを入り口としてある程度の頻度で公的サービスを使う人、ICカードを持っていて災害等でデジタルを活かした支援を受けたい人、対面しか使いたくない人(但し、公的サービスの裏側はデジタル化されて便利になっています)に分かれていくのではないでしょうか。
デジタル庁「デジタル社会構想会議」有識者委員に元MIT伊藤穣一氏
太田 直樹New Stories代表 Code for Japan理事
テクノロジーの民主化と”人間中心”の一歩先が、自分の役割だと思って参加します。ここ数年、デジタルに対する不安や不満が、日本だけでなく、世界中で高まっています。
そして、こうした大きなテーマは意識しつつも、意思のある人が具体的に仕掛けられるような政策の実現に、一つでも多くつなげるよう、民と公の経験を活かしたいと思います。
例えば、最近通達が出された「地番データ」の活用。行政個人情報保護法の運用の壁と省庁縦割りの壁がありましたが、このデータによって、農地に関するデータの活用が進み、農業の生産性向上だけでなく、炭素固定や生態系への影響など、意思がある人の取組みを後押しします。とても地味な取り組みですが、一歩先の未来につながります。
91年に社会人になって初めての仕事は通信ネットワークのデジタル化でした。海外のプロジェクトも多く、その間、日本のテクノロジー産業は地盤沈下が続いていましたが、この数年は意外なところで未来の兆しがあることを知りました。すぐにユニコーンや数千億の新規事業というわけにはいきませんが、インパクトはあると思います。
この会議は、事務局が資料を読み上げて「お一人発言を2分でお願いします」というようなものではなく、朝7時からオンラインで雑談するような、これまでとは一味違ったものになると想定しています。
【太田直樹】地域は「一極集中のオルタナティブ」を創出せよ
太田 直樹New Stories代表 Code for Japan理事
最近、ある企業で「越境人材」についてお話をしました。こんなリアクションが印象に残っています。
・若手:やってみたいけれど、この会社では正直難しい。
・人事:我が社は、多様な人材が豊富です(人事はしっかりやってる)。
・経営トップ:正直自分にはよく分からない。ただ、それでは未来が掴めないことが分かった。
現実の姿のひとつだと思います。
事務局からは、かつてないほどのコメントと質問がきた、と聞きました。何かが変わろうとしているのかもしれません。
越境人材は、一見「何をやっているかよく分かりません」
そこからイノベーションが生まれます。テーマとして「自然/生態系xテック」は、これから才能と情熱が集まると思います。
そして、越境して新しいことを仕掛ける最高のフィールドは地方です。
ただ、全ての地域ではありません。
そのことが、伝わればと思ってお話しました。
マイナンバーカード申請数 先月末人口の4割に 水準維持が課題
太田 直樹New Stories代表 Code for Japan理事
いまだにマイナンバーとの混同がなくならないマイナンバーカード(≒デジタルID)ですが、デジタル社会の基本インフラとして、費用に対する効果の検証が必要だと思います。
ほぼ同じ時期に導入された英国のデジタルID、Verifyは、目指していた普及率、利用可能サービス数、費用対効果が達成できなかったため、導入5年で民間に譲渡されることになりました。マイナンバーカードには合計8800億円が投入されたことが、3月に国会で議論されています。課題指摘するだけでなく、どうしたらよいのかが議論されていないのが、残念ではありますが。
またデジタルIDでは、運転免許証やパスポートのグローバルなデファクトができつつあり、日本の規模や技術力で独自路線を行くと、直接・間接コストで跳ね返ってきます。
【超図解】GAFAの次を担う、「最強SaaS企業」の全貌
太田 直樹New Stories代表 Code for Japan理事
SaaSのインパクトが分かるよい記事ですね。「個人情報」という補助線を引くと、また見える景色が変わります。米国には、国レベルでは個人情報保護法がありません。米国発のモデルでグローバル市場を塗りつぶすのは難しくなってきています。
その代表的な動きが、2018年から運用が開始された欧州のGDPRです。当初は、米国企業の攻勢に対する時間稼ぎ、と揶揄する声が欧州内でもありました。ただ、ここにきて記事の第1世代に相当するサービスとしてGAIA-Xなどの開発・運用が進んでいます。欧州発のプライベートクラウドも伸びています。
個人情報では、日本は米国と欧州の間にありますが、どのように進展するのでしょうか。気になるのは、個人情報保護のルールが厳格な行政、医療、教育などの分野です。欧州のような代替案がないままルールだけが先行すると、10年の遅れが、20年に拡大します。
【津賀一宏】経営危機からイーロン・マスクまで、戦いの9年間
新型コロナ水際対策の入国後の健康確認 LINE利用停止 厚労省
太田 直樹New Stories代表 Code for Japan理事
基準や考え方を示さずに、何となく雰囲気で停止を決める連鎖が広がっているように見えます。国税庁公式LINEアカウントの、確定申告会場の入場整理券発行がどうなるかが注目されます。デジタルは、道路や水道といった社会インフラになりつつあり、だからこそ信頼性が大事なのですが、同時に雰囲気で運用すると大変な混乱や利用者の不利益を招きます。
利用再開までの舵取りにおけるリーダーシップが大切です。クラウドファーストやDFFTを謳っているのに、「これはオンプレ」「これはデータはもちろん、開発や運用は国内に限る」といった雰囲気の運用ルールができて原則が形骸化するのか。関係者の皆さんは大変だと思いますが、デジタル改革が進む方向に、この事案を乗り越えてほしいと期待しています。
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