【意外】「構造不況」の出版市場は、実は下げ止まっていた
出版市場は、「構造不況」というイメージをもたれやすい。実際にグラフ内の紙の書籍・雑誌の合計販売金額は2014年の1兆6,000億円から2023年の1兆1,000億円まで落ち込み、ピークの1996年からは約6割も減少した。
しかし、市場全体の販売金額は下げ止まっている。
けん引役は電子書籍だ。販売金額は2014年の1,100億円から、2023年の5,400億円まで拡大。その9割を電子マンガが占める。
なぜ?:浮いたコストを顧客獲得に回して急成長
電子書籍は印刷・物流コストが不要のため、紙媒体より大幅にコストを削減可能だ。
浮いたコストは無料キャンペーンなどの施策に回り、読者層の広がりとともにマンガを読む頻度も増加。マンガは大人の趣味として確立した。自身はマンガを読まないという方も、スマホでマンガを読む30代や40代を通勤電車で目にした経験があるだろう。