新着Pick
ルノー、日産に統合再提案 日産は拒否へ
日本経済新聞
安東 泰志ニューホライズンキャピタル株式会社 CEO
ルノーは既に日産の議決権の43.4%を保有しており、取締役も派遣しているので、日産は事実上ルノーの子会社である。しかも、総会での議決権行使率等を勘案すれば、株主総会の議決ではルノーは事実上過半数を握っている。すなわち、ルノーさえその気になれば、ルノーは日産の取締役を全取っ替えすることも可能な状態が続いているという現実がある。仮に経営統合を強行しようとするなら、取締役会を支配した上で、総会で重要事項を決議する3分の2の多数を得ることも十分可能な状態とも言える。そして、こういう状態は、もともと日産が経営危機に陥った際に国内企業やファンドが救済に乗り出さず、ルノーに頼らざるを得なかったことの代償として日産は受け入れなければならない。 親子上場の状態にあることは、日産の少数(一般)株主にとっては大株主との利益相反の状態にあることを意味する。本来であればルノーが日産を完全に支配する形での経営統合の方が当該利益相反の解消に繋がるものだ。とはいえ、なぜルノーがそれをしないかと言えば、いまだ日本に大きな基盤がありルノー=日産の企業価値創造の大半を担っている日産の役職員のモラルの問題、雇用を巡る政治的な問題などを慎重に見極めているからに他ならない。 日産側にも、今時点の取締役会構成なら、ルノー株の買い増し(10%以上買い増せばルノーの議決権が消える)とか、授権資本の範囲での増資などの対抗手段はあるが、お互いが最終兵器を持ち出していがみ合うと、結局アライアンスの実が上がらなくなって元も子もない。平凡な結論だが、有効裏に話し合い、相互が納得できる解決策を模索する以外にないのだ。 なお、余談ながら付け加えると、日産のガバナンスがなっていないとのコメントがあるが、少し違和感がある。ガバナンスがなっていなかった根本的な原因はルノーによる親子上場状態の放置である。それ故にゴーン氏に誰も口が出せなくなっていたわけである。それによって生じている少数株主との利益相反をどう解消するかだが、完全子会社化以外にも、もちろん手段はある。
154Picks