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トヨタ時価総額60兆円、日本企業初 3週間で10兆円増
平岡 乾NewsPicks ジャーナリスト
トヨタはHVもPHVもEVもFCVも水素エンジン車も全て開発リソースを割く全方位でやっています。
かつてはコングロマリットディスカウントのように、全方位ディスカウントがあったかのような印象もありました。
今は、不確実性が高い中であらゆる可能性を残しておく、またはHVのように稼げるラインアップを持ち、利益を原資に次世代のクルマ開発に充てていくサイクルが確立されている会社が注目されているのかもしれません。
ちなみにトヨタは昨秋に1000億円の自社株買いを発表しています。これは、想定上に利益水準が高まったので、それを原資に株主還元に充てたと解釈しています。
PBR対策、それも小手先の対策として自社株買いをする企業もある中で、利益と投資の正のサイクルを確立することを優先する。そのうえで利益の一部を株主還元することが本質だと考えています。
【直撃】フィグマCEO、生成AI時代はデザインが勝敗を決める
平岡 乾NewsPicks ジャーナリスト
車輪の再発明──
これは、すでに存在している設計やデザインを別の人が一から作ることの無駄のことを意味します。もちろんご存じの方も多いでしょう。
2022年にフィグマを取材して以来、デザインについては門外漢であったことで苦労もしましたが、学びだらけでした。その一つが車輪の再発明をやめよ。
確かにその通りで、我々もデジタルベースのメディアなので、一回作ったコンテンツはコピペで再利用できる。全部でなくとも、図や一部の文章は再利用する。
この再利用率が3割程度であれば、読者にとってもむしろ復讐になる、作り手にとっては仕事が即終わるとウィン-ウィンだと仮定して今日に至っています。そして、この仮定は今も生きています。
日本はデジタル活用が弱いとよく言われますが、単にITツールを導入したり、プログラミングを学んだりする以前に、デジタルの世界は一度作れば複製無料(いわゆる限界費用ゼロ)であるという発想転換から始めるべきだと思っています。
そして、Figmaをはじめとするソフトはほぼ海外製がほとんど。DX赤字とも言われていますが、その現状の背景には、技術よりも、「本当に価値を生むもの以外はコピペするくらい割り切る」くらいの仕事の発想転換が不十分だからだと思っています。
余談ですが、日本代表の川延さんのよれば、フィグマ日本法人の役割として、日本独自の「稟議」というプロセスを攻略しないとならない。こうしたJTCの慣習について改めて気づきを得たのも印象的です。
【続・北尾】だから僕は「金融の次は半導体」に決めた
平岡 乾NewsPicks ジャーナリスト
好況よし、不況さらによし──。
インタビューで北尾さんが言及された松下幸之助翁の金言。私も幸之助語録で一番好きです。
不況時こそ、自社の課題を見つめ直す機会であるというある意味で発送のコペルニクス的転回です。
個人にとっても、うまくいってない時、または失敗したときこそ、謙虚になって反省して、それを受け入れるという意味では当てはまるのではないでしょうか。
ちなみに、駆け出し時代、ある中古機械業者が、「うちは投資が下手な会社で成り立っている。好況時に設備投資をして、投資が終わった時にはすでに不況。投資時の負債を返すため、せっかく買った機械を売りに売りにくる。逆に、好況時に投資を我慢して、不況になってからその機械を買う企業もある」と、赤裸々に語っていたことを今でも覚えています。
そう考えると、好況時に浮かれないことを含めて、「不況さらによし」となる。個人にとっても大変示唆に富むのため、頭に刻むようにしています。
インタビューとあまり関係のないコメントですみません笑
【ブーム→危機】「定員割れ」マラソンの再生に必要なこと
平岡 乾NewsPicks ジャーナリスト
晩秋の富士を車窓から眺め、「今年はよき1年だった」と。
それは10年ほど前、11月後半開催の神戸マラソンからの帰りの東海道新幹線でのこと。
「目標はサブスリー(3時間切り)。未達なら坊主」とかなんとかをランニング仲間に宣言して挑んだところ、本人も「まさか」の達成してしまいました。
達成が現実的になった35km以降は、「足がもげてでも走り切る。ようやくつかんだチャンスなんだ(スラムダンクの一節的)」と無駄に意気込んでいました笑
私にとってマラソンは第二の青春です。
「そこまでマラソンにハマるのは人生の無駄」とよく言われました。それは経済合理性からすれば「もっとも」なこと。
なので、反論することはあまりありませんでした。とはいえ、人生100年時代に、経済合理性とは真逆な趣味に命をかけることも悪くない。「たった一度の人生なのだから」とも思っています。
ちなみに、マラソンでの出会いから、その後の仕事で恩恵を受けたことが大いにあります。「ガチランナー」は何でも本気。なのでビジネスの一線にいる人多し。
もっと言うと、年に1、2回しかない本命レースで結果を出すことで、「絶対に負けられない」場面でのプレッシャーにも強くなりました。
人生、楽しみも苦しさもやりがいもいろいろ、です。
【教養】なぜ優れたビジネスは「引き算」されているのか
平岡 乾NewsPicks ジャーナリスト
変化対応力が求められる時代とされています。しかしながら、「根なし」(?)の変化一辺倒でも限界があると思っています。
その原点は記者の駆け出し時代。ある中小企業を取材したところ、社長が興奮気味に「自動車産業はこれまでとは劇的に異なる」と話していました。
その会社は、家電のプラスチック部品を主に手がけてきました。家電生産の国内空洞化を受けて、新たに自動車部品に参入したとのこと。
家電部品は一気に作っては生産が終わり、また新しい部品を一気に作るの繰り返し。一方、自動車部品は一定量を作り続ける。別の文化と呼べるほどの違いだそうです。
同様の経験を繊維産業の取材でもしました。
ある企業の社長が、自動車シート部品の縫製に進出したところ、アパレルならではの瞬間的に大量発注が来てはまた別の発注に変わるのに対し、車では同じ部品を作り続けるのを目の当たりにしたとのこと。
「だから、自動車産業ではカイゼン活動ができるのか」と話していました。
ちなみに、当時の所属は群馬県。群馬県桐生市は西の西陣(京都)、東の桐生と呼ばれ、大正時代のGNPの1割を担うほどの繊維産業の集積地。横浜港を通じて輸出していたので、横浜銀行の支店もあったほどです。
さてさて、私たちNP記者も狩猟民族的な時代変化(?)への対応が求められます。一方、農耕民族的(?)に、「コツコツ」と改善していくことも忘れないようにしたいと思う今日この頃です。
【復活へ】パナ社長が賭ける「値引きしない」家電の勝算
平岡 乾NewsPicks ジャーナリスト
私には「B2Bの血が流れている」...と(勝手に)思っています。
これまでも、自動車部品加工に始まり、半導体製造材料や産業機械などのB2B領域の取材を主にやってきました。
社内でも、法人向けSaaSプロダクトを担当している他部署の人と話すと、むしろウマが会うこともしばしばあります。
電機業界を取材している中で、例外的に家電だけは「B2C」系の領域でした。
と、思っていたものの、実際には「B2C」ではなく「B2B2C」だとすぐに理解しました。つまり、直接の顧客は家電量販店のような流通系の企業であり、その先にユーザーがいるのでした。
私自身は家電の専門記者ではありませんが、家電メーカーの悩みは「じかにユーザーとつながっていない」ことだとたびたび認識させられました。
(もちろん、マイナーチェンジ地獄の中で、新製品の目玉機能が「左右のどちらからでも開閉できる」だとか「泡立ちがいい」だとかで、記事の見出しを立てるのに苦労したこともありました)
ちなみに、私自身は駆け出し時代に支局にいた時は、取材先の中小企業経営者が読者でもあったので、記事のフィードバックをじかにいただきました。それもあって、本社配属時代よりもモチベーション高く仕事していたのはここだけの話。
NewsPicksでも、コメントをはじめとするフィードバックがじかにあることが最大のモチベーションです。
ルネサストップがNewsPicksだけに語った1兆円級買収の狙い
平岡 乾NewsPicks ジャーナリスト
KPIを「量」から「質」へ──。
3年前にCEOの柴田さんに取材した際、そのような社内変革についてもお聞きしました。
つまり、2018年ごろから受注金額の絶対額という量だけでなく、その顧客企業の将来の成長性などを踏まえた質を重視したとのことです。
といった内容を3年ほど前の記事にもコメントしました。
その後、テスラのトップ、マスク氏が「ルネサスの半導体の供給が足りていないので、自社のEV生産が引き上げられない」といった趣旨の「つぶやき」がありました。
もしかしたら、2018年時点では今のような成長を実現すると予測されていなかったテスラのような顧客企業を積極開拓したことを指していたのかもしれません。
ちなみに今回、どうしても外せなかったのがファイナンス。しかも、キャッシュフローという指標。ルネサスのような買収においても、企業再建においても、キャッシュフローが原点であると考えています。売上高や利益だけでは見えてこない、企業の底力を垣間見るきっかけになれば幸いです。
【野中郁次郎】誰も新たな「日本的経営」創造の担い手たれ
平岡 乾NewsPicks ジャーナリスト
昨年、イチロー氏が、「叱ってくれる人がいない」ことが今の若い世代が逆に「酷」だという旨の話をしていたことが話題になりました。私自身、とても印象的で時々ふと思い起こします。
一方で、昭和から令和へタイムスリップし、コンプラ意識ゼロ、不適切発現のオンパレードを繰り広げるドラマが人気を博しているようです。
したがって、過去の昭和時代が良かったわけではないものの、「失われた何か」はあるのだろうなと思っています。
関連して、ずっと気になっていたことがあります。それは名著「知識創造論」の冒頭で、
不確実性の世界で生きてきたことが、日本企業に幸いし、変化を予測しながら、過去の成功体験を捨て去る潔さで未来を構想してきた。
と書かれているのです。
これまでも、
・昭和時代はハード中心で「作れば売れた」
・韓国や台湾、中国などのライバルが不在で、欧米企業だけ見て戦えばよかった
→つまり、今よりも貧しかろうとも、未来が見通しやすかった。
しかし、30年くらい前から、デジタル技術の誕生などによって「不確実性」の時代に入った
そして不確実性に弱い日本企業は競争力を失った
と耳にタコができるほど聞かされてきました。(皆さんもそう聞かされていると思います)
こうした一見「分かりやすい」前提が、実は「不正確」かもしれないということです。
そんな問題意識を持ちながら、あの野中郁次郎さんにお話を聞く機会をいただきました。
【復活の本質】ソニー改革は、脱「日本的経営」ではない
平岡 乾NewsPicks ジャーナリスト
勝てば官軍、負ければ賊軍──
ソニーほど、業績に応じて叩かれたり、称賛されたりしてきた企業はないと思っています。もし東芝も再生したら、ジェットコースターのように評価が、下がってからまた上がるのでしょうか。
(このことわざは、昨年ヒットした「スラムダンク」の漫画で覚えました)
極端に例えると、「最近のソニーの復活は『鬼滅の刃」をはじめとするヒットがあったから」のような、もはやトートロジーのような解説もあり、ずっと気になっているところです。
そんな問題意識から、「再現性のある経済記事」というものを模索し続けています。
例えば、ファイナンスや人事といった制度改革の進展は、再現性が高いと思っています。ただし、あくまでも制度は手段。目的は何か、ということが重要だと学んできました。
わりと「PL経営」で5兆円のトヨタや、監督と執行の一体化ガバナンスとメンバーシップ型で売上1兆円アップのダイキン。
経営の道はいろいろです。今回は、割と世界標準を行くとみられているソニーの改革が、スタンダードにcomply(従う)のではなく、ソニーの不易流行に基づくものだとexplain(説明)してもらいました。
ちなみに安部さんには、2年近く前に取材した後、「良い時も厳しい意見を言ってほしい」と言われたことが印象的です。
なお書ききれなかったこととして、ソニーでは労組も変わりつつあるようです。組成率が下がる中、またはサーベイなど人事テックで経営側と従業員側でデータがつながれるようになる中、経営とは独立して社員の意見をまとめ上げ、経営側に提示する組織へと変革を目指しているようです。
【データ初公開】組織スコアが伸びたJTC15社ランキング
平岡 乾NewsPicks ジャーナリスト
今回、惜しくも描き切れなかったテーマがあります。それが日本の伝統的な人事である「ガチャの功罪」。ガチャとは配属や人事が会社都合で行われること。要は人事ローテーションに他なりません。
例えば、新卒社員が評価する「チームワークに優れた日系大手企業ランキング」でも、ガチャがチームワークに一定の貢献している可能性が示唆されたからです。
https://www.openwork.jp/hatarakigai/vol_113
風通しが良いことは、部署間連携が活発でセクショナリズムの防止にも一役買っているかもしれません。例えばこのようなコメントがありました。
「ジョブローテーションが人事の基本指針で実際に2-5年のペースでローテーションが実施されるので部署間の異動が非常に多く、組織内の空気が業務・人間関係含めて滞留せず常に循環している。
ジョブローテーションを経て社内で接点を持つ人も増えることで会社に風通しの良い環境が形成されていっているようにも感じる。
デメリットとしてはモチベーション高く働ける上司・同僚も同様にいつか異動してしまう側面もある。(中略)各部門に於ける商売の知見蓄積の観点では課題を感じる」
このように、ポジティブな意見もありつつも、ネガティブな意見もあります。おそらく、風通しの良さに一役買いつつも、20代の成長環境などには負のインパクトを与えている印象です。
私自身、かつて「ガチャガチャ」なキャリアでした。
短期的には成長を犠牲にしつつ、培ってきた多様な経験はスティーブ・ジョブズが表現する「コネクティング・ドット」でいうと、長期的にはつながり、相乗効果をもたらしていると感じているので。
そうした仮説をベースに、今後知見を深めていきたいと思っている次第です。
【社長に訊く】1兆円成長した日本的企業は何が「違う」のか
平岡 乾NewsPicks ジャーナリスト
昔読んで印象深かった書籍に「How Google Works」があります。これはとても学びが多い書籍で、お勧めする一冊です。
ただし、あくまでも「天才・秀才による、天才・秀才のため組織づくり」です。「疑わしきは採用せず」(いくら優秀に見えても自社の価値観にフィットしそうにない人は採用するな)なるポリシーを貫けるのも、グーグル(当時)ならでは。
日本の企業のほとんどは、優秀な人材ばかりを集められるわけがありません。
ダイキンもその一社。かつては売上高3000億円台で、関西なら松下電器や(関西の拠点を数多く持つ)三菱電機などに「入社できなかった」人がダイキンで頑張るしかない。これまで何人もの方々とインタビューしてき他ところ、常々そういう風な「一致団結感(?)」感じます。
そんな今年100周年老舗が21世紀に入ってコロナ禍の混乱で爆成長し、「まさかの1兆円増収」をやってのけました。決算を見た時は「スタートアップかよ」のあきれるくらいに(笑)
ちなみに今回のインタビュー会場はダイキンの新本社大阪梅田ツインタワーズ・サウス内で実施。そこは大阪城をはじめ、大阪の街並みを一望できる「圧巻のビュー」。
30年前まで関西の一中堅企業が急成長を遂げ、関西トップ級企業に上り詰める様とこの眺めを重ね合わせ、「夢がある」と感じました。
同社のように、おそらく昭和の時代には、成長が次の成長へのモチベーションを産む正のスパイラルがあったはず。その空気がタイムカプセル、または生きた化石シーラカンスのように今も残しているのではないかと感じている次第です。
【待望】2024年、日本の伝統的大企業は「覚醒」するのか
平岡 乾NewsPicks ジャーナリスト
「JTC」を聞いたことがありますか?
と、この3カ月ほど、取材対象者含めてさまざまな人に聞いてまいりました。
20代にはかなり浸透しています。一方、知らない方も一定比率でいることも判明しました。
しかしながら、知らない人であっても、一度聞いたが最後、JTCが頭から離れない...
例えば、初めて聞いたという人が、取材中に何度もJTCに言及していました。
3文字で覚えやすいうえ、「ジェーティーシー」の響きが良い。
最近はJTCに該当する企業のイメージが下がっているものの、なんか憎めない愛すべき存在。そして、多くの人々は、単に欧米礼讃に日本の未来がないことも無意識的にわかっている。
そんな感情がない交ぜになって「JTC」が使われだしているのでしょう。
私自身は株主資本主義一辺倒の世界に未来を感じていません。資産を「持つ者」がますます富み、「持たざる者」が取り残される世界に未来はないと思っています。
ただし、いくら日本が「三方よし」のステークホルダー経営を標ぼうしようにも、アメリカのお金のダイナミズムとそこから生まれるイノベーションの影響力は無視できない思うに至っています。
例えると、日本企業は成長していないので、パイ(利益の果実)のサイズそのものが小さい。それではステークホルダー経営をいくら標ぼうしようにも、できることが限られている。そんな危機意識を持つに至っています。
それだけに株式市場からの、そして人材からの「成長期待」に応える企業が増えつつある今年こそ、JTCが「面白い」、JTCが「来る」、と思っています。
【提言】MBA、コンサル、KPI...の前に、社員を信じよう
平岡 乾NewsPicks ジャーナリスト
2024年は「JTC(ジェイ・ティー・シー」がさらに浸透するのではないかと思っています。
それは「Japanese Traditional Conmany」、つまり、伝統的な日本企業を指します。多くの場合、時代遅れの制度や慣習を抱えつつも「変わりたくても、変われない」ネガティブな印象を持った用語です。
とはいえ、日本企業の何が問題なのかは、経営者の暴走を抑えられなかった、または、経営者がリスク回避で投資しないなど、今一つあいまいで、腹落ちできるものばかりではありません。もっと言うと、「勝てば官軍、負ければ賊軍」に近いものがあります。
そして、トヨタをはじめ、欧米流を何でも取り入れる企業ではない企業(要はJTC)が今なお強いのも事実。日本型の経営をベースに時代に合わせて愚直に仕組みを見直していく...そうした企業が強いのでしょう。
相対的に海外が伸び悩む中で、堅調さも際立つ日本企業。そんな今だからこそ、JTCが本当に変えるべき部分と、そうでない部分は何か。「不易流行」の考えの下、深掘りしたいと思っています。
はい、これをもって新年の抱負とさせていただきます。
富士通「ポスティング2万人」で判明、本当のやりがいある仕事
平岡 乾NewsPicks ジャーナリスト
「配属ガチャ」と呼ばれる言葉が広がっています。日立製作所は「配属ガチャ解消」とガチャを公式サイトでも明言しているほどです。
私自身はこの配属ガチャについて、日本企業の多くで、4つの環境を選べない。それが「PPBJ」ガチャだと指摘してきました。
P…People(上司や部下)
P…Place(要は転勤)
B…Business(担当するビジネス領域)
J…Job(職種)
今、配属ガチャは若い世代から嫌われるようになっていますし、離職の最大の一つです。
おそらくガチャは減っていく流れは変わらないと思います。
そこで改めて思うことは、「青天の霹靂の異動(要は配属ガチャ)があったから、自分のキャリアの発展があった」という人もまた多いこと。私自身もそうでした。
確かに「自分自身が何が向いているのか」なんて、自分自身で完全に理解しているわけではありません。もしかしたら、周囲の人の方が第三者の目で客観的にその人の向き不向きを掴んでいるかもしれません。
また、「これまでの成功体験が通用しない環境に身を置くこと」を定期的に繰り返す方が、視野が広がり、あらゆる状況にも困難を乗り越えられる人になれるでしょう。
本人が納得する形での配属ガチャ(会社主導の人事異動)を実現することも今後の課題だと思っています。
さて、コロナ禍を端にした一連の改革からはや4年。それらを総括する時期が2024年かもしれません。
「DX・イノベーション全盛」の中、今回のインタビューでも、決してキラキラしていない仕事の価値が改めて浮き彫りになり、「ワクワク感」のような類だけでなく、地味だったり泥臭いことであっても、覚悟や決意といったことが改めて浮き彫りになってきたことが最大の印象でした。
【新常識】日本に希望を灯す、「リストラ事業」の大逆転劇
平岡 乾NewsPicks ジャーナリスト
先日、トヨタの決算記事を書いたところ、ある方がこのようにコメントしてくださいました↓
かつては三河地域の地方の企業として格下に見られていた。決して東京では日の目を見る存在でもなく、今いる人々を大切にしてきた。
こうして世界のトヨタに成長していったとか。
今成長している企業も、当時の名門企業を仰ぎ見るような格下であった。それ故に入ってきてくれた人材でやり切る、他社とは一線を画す何かで勝負する。こうして、当時の「エリート」企業に対して、それこそ「下剋上」にも映るほどの大逆転を果たす、といったところでしょうか。
さてさて、今回はこれまで必ずしも日の目を見る存在ではなかった企業の大躍進にして、ある意味で大逆転ドラマです。
本当にここ1,2年で急成長したうえ、部品や装置などの産業系B2Bなので、一般の知名度はゼロ。先日も僕が尊敬する経営の有識者とお会いした時も、存じていない企業ばかり。
10年以上前は、名門企業から切り離された事業は、ともすると「悲劇」扱い。今や「コペルニクス的転回」が起き、むしろチャンスとなりました。
これまで、日立やパナソニック、富士通のような「選択と集中」をする企業と、「選択された」中核事業が世の中の関心の主役でした。
一方、日の目を見なかった「選択されなかった」側が、実は急成長している。
今後、このような企業に世間のスポットライトが当たれば、日本はもっと面白くなるでしょう。とりわけ、スピンアウト、事業切り出し、といった流れは強まっているので。
先日、富士通が子会社の新光電気工業という、半導体「後工程」の部材メーカーを売却すると発表しました。この件は、明日のインタビューで触れます。
【直撃】新規事業が期待先行で終わらないためにやるべきこと
平岡 乾NewsPicks ジャーナリスト
背水の陣だけど逃げる船もある。強い企業、強い人は、そのような点が備わっていると思ったことがあります。
趣味の話ですが、「今シーズンはフルマラソン3時間切りを果たすでござる。未達なら坊主でござる」的な話をしました。しかも、実際に達成!
強気の宣言をすると、周囲は注目してくれるし、達成するとヒーロー扱いと、一粒で二度おいしい。
それに味を占め、翌年も強気な目標を宣言をしましたが、目標達成未達。すると先が続かなくなります。
以来、情熱の冷静のはざま、ならぬ、強気と逃げ道を兼ね備えていることを心がけました。
さてさて、企業活動ではあるあるの「あの件、どうなったんだ」と、何かに挑戦したり、その総括について聞かれるでしょう。そんな時に、今回取材した小笠原社長のように、永遠にはぐらかす覚悟を学びたいです(笑)
NORMAL
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