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【体験記】ウクライナ難民支援の「最前線」で見たもの
NewsPicks編集部
塩崎 悠輝静岡県立大学国際関係学部 准教授
ボランティアは、効率的に配置され、運用されることで、より大きく貢献できます。各地から送られてくる物資についても同じことがいえます。  亡くなったウクライナ人のためにずっと墓掘りと埋葬をしている米国人のボランティアという人がいましたが、こういう重要なボランティアも、いきなり訪ねて行ってやらせてもらえるわけではありません。ウクライナ政府などからのしかるべき斡旋が必要です。  ウクライナの場合、非常に好意的で、財政的に無理をしてでも支援してくれる、ポーランドという隣国があります。そして何より、ボランティアの斡旋にまで手が回るウクライナ政府が健在です。  ソマリアやイエメンといった、中央政府が健在ではなく、安全な隣国も無い紛争地の場合は、こういうボランティアの斡旋はできません。  台湾で事が起きた時は、ポーランドの立場になれる国は日本以外には無く、沖縄県でこういう後方支援や難民受け入れが非常に大規模で行われる必要が想定されます。 ミャンマーの場合、隣国のタイ、バングラデシュ、インドが、難民受け入れの役割を果たしています。いずれの国も、ミャンマー人全般にそれほど好意的ではなく、外国人のボランティアなどもかなり制限しています。  ミャンマー国内については、国軍と国民統一政府、その他の少数民族組織が割拠して内戦を続けている状況で、支援を受け入れる体制は整っていません。  実のところ、ミャンマー難民は世界各地に200万人はいますが、米国やカナダでも、受け入れるのは数万人までです。もちろん、日本よりは圧倒的に多いですが。  結局、大多数のミャンマー難民は、タイかバングラデシュにいます。先進国がする必要があるのは、これらの国での難民の衣食住や教育、医療を支援することで、米国はバングラデシュのロヒンギャ難民キャンプに対してだけでも、過去5年間で19億ドルを支出しています。
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ゼミに入れないのは「学習権の侵害」女子学生は声を上げた 開講減らした大学に改善迫る
京都新聞
【3コマ解説】難民が「1億人」を超えたのを知っていますか
NewsPicks編集部
塩崎 悠輝静岡県立大学国際関係学部 准教授
「難民」というのは、いくつかの用語やカテゴリーがあり、内訳を見ないと、理解がややこしくなります。  日本に難民が少ない、というのは、難民認定数が少ない、ということですが、これはいい方を変えると、難民条約に基づいて日本政府が認定した難民(条約難民)が少ない、ということです。  世界には、実質は難民の状態にあっても、どこの政府からも難民として認めらていない人々もいます。難民条約に加盟していない国もあります。加盟国は143ヵ国なので、60ヵ国くらいは加盟していません。加盟していない国にも、実質難民の人々が雪崩れ込む、という場合もかなりあります。  さらにいえば、より悲惨な状態にあるのは、外国に移動する能力がない高齢者や障がい者、孤児などであり、最も悲惨なのは、移動できないためにすでに殺されてしまった人々です。 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の数え方だと、2021年末の時点で、 ・意に反して居住地から移動せざるをえなかった人々の全世界での合計:8930万人  内訳は、 国内避難民:5320万人 難民:   2710万人 https://www.unhcr.org/refugee-statistics/ 難民は外国に逃れた人ですが、国内にいては命の危険があるから外国に逃れたともいえますし、国内避難民は外国に逃れる金や伝手や身体能力が無いから外国へ行けない、という場合もあります。  一概に、どちらの方が困難な状態にあるとはいえません。 日本へ歴史上、最も多くの難民が来たのは、朝鮮戦争(1950~53年)の前後です。密入国も多く、当時の日本政府にも推定の数字しかありませんが、40万人前後と見られてています。  次いで多かったのは、ベトナム戦争終結の後で、1970年代後半に1万1000人余りを受け入れました。  いずれも日本の難民条約加盟(1981年)以前のことです。  これらの事例は、どういう経緯で難民が自国に入ってくるのか、日本人でも想像しやすいと思います。  まず近隣国で紛争が起きた時、そして彼らの出身国との歴史的な関係や米国との同盟関係から受け入れざるをえない場合です。人道意識が高いから難民をたくさん受け入れるという単純な話ではなく、国際関係上のやむをえない経緯で、難民が入ってくる場合が多いです。  当面、そういう経緯が発生しかねないのは、やはり台湾でしょう。
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ロシア、投降や不服従を厳罰化 法案可決、戦況劣勢で引き締め
共同通信
塩崎 悠輝静岡県立大学国際関係学部 准教授
ロシアの「特別軍事作戦」で問題だったことの1つは、従軍を拒否する契約兵士を厳罰に処すことができないでいたことでした。  戦争中に命令を拒否した兵士を処罰する法律はあります。  しかし、法律上は特に定められていない「特別軍事作戦」であって戦争ではない、ということなので、平常時以上の刑罰を与える法律がありませんでした。  この法律で、「特別軍事作戦」においても、命令を拒否すれば厳罰に処せるようになります。 「自発的な投降」が刑罰の対象となる、とされていますが、「自発的な投降」が何を意味するか、明確ではありません。  弾薬も食料も尽きたからウクライナ軍に降伏する、というのであれば、国際法上は捕虜としての待遇を受けられます。  もしこれが、後で捕虜交換などで処罰の対象になるというのであれば、降伏することも難しくなります。 待遇が悪く、士気の低い兵士は、刑罰で脅して戦わせるしかありません。戦わないとひどい目にあわされるなら、戦ってひどい目にあうかどうかわからないが戦うしかない、という損得勘定になります。  兵士が自発的に戦う強い意志を持っていた方が、軍隊としては強くなりますが、ロシア(ソ連)はもともと、刑罰で後ろから脅しながらかき集めた兵士を大量に投入していく、という戦い方をするので、ロシアとしては、本来のスタイルともいえます。
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ロシア発航空便に予約殺到 プーチン氏の動員令受け
AFP
塩崎 悠輝静岡県立大学国際関係学部 准教授
ロシア政府はすでに18歳から65歳までの男性への航空券販売を禁止したとのことです。 召集令状が来たらどうするか、というと、来てしまったらもうどうしようもないので(行かない、と言っても、逮捕されるだけです。逃れる方法は山奥や森林に隠れ住むか、密出国するくらい)、召集令状が来る前に避ける方が、まだ犯罪としては軽くなります。  避けるといっても、方法は限られていて、今のロシアの場合、国会議員になるとか、キャリア公務員になれば召集されません。  結局、先週までに外国に移住できた18歳から35歳までの男性が、召集を逃れられる、ということになります。  そうはいっても、今のところ30万人なので、当たらない人の方が多いです。よほど外国で生きていける要件を持っている人ならともかく、だいたいの人は、当たらないことを祈るしかないでしょう。 反戦デモをしたら召集されなくなるかというと、第2次世界大戦中の日本のことを考えたらすぐにわかるはずですが、もちろんそんなことはありません。  デモをして捕まった人は、優先的に軍隊に入れられます。 9月21日に反戦デモをして連行される人 https://twitter.com/ChristopherJM/status/1572644219264856066
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プーチン大統領 “予備役”の部分的動員表明 ウクライナ侵攻で
NHKニュース
塩崎 悠輝静岡県立大学国際関係学部 准教授
情報量の多い演説でしたが、 ・30万人を動員する (ショイグ国防相によれば、全力ならば2500万人の成人男性の動員が可能でしたが、まずその内1.2%を動員する。これは第1陣である) ↑ あくまで「第1陣」であり、「部分的動員」であるということは特に言っていないです。  30万人を召集して配置するだけでも、2週間やそこらではできるはずがなく、配置が完了するとしても冬になるのではないでしょうか。  30万人のうち少なくとも10万人程度はロジスティクスなどに関わる技能職が重視されて、鉄道や運転、電力、医療、などで侵攻を支えることになるでしょう。  配置する前に、訓練を行うはずで、それだけでも短くても1か月はかかるでしょう。  最初は35歳以下の予備役から、軍務経験や軍事教育の経験者から優先で召集されるとのことです。  なお、召集に応じなかった場合は、懲役10年以下の処罰が課されます。  動員対象となりうる2500万人の成人男性は、今後、各地の徴兵事務所の許可なく居住地から離れることを禁じられます。 ・ショイグ国防相「開戦以来のウクライナ軍の戦死者は6万1207人、ロシア軍の戦死者は5937人である」 ↑ これは、ウクライナ軍の方はともかく、ロシア軍については数字が小さすぎるでしょう。たとえ、民間軍事会社ワグナー社や、強制徴兵されているウクライナ東部のウクライナ人を含めないで、正規のロシア軍に限ったとしても、です。  ロシア政府がこれほど明確に戦死者数を発表することはめずらしいですが、どのみち信用できる数字は出てきません。 ・プーチン大統領「ロシアの領土を守るために核兵器を含むあらゆる手段を使用する」 ↑ ロシアの領土には、「住民投票」によってロシア連邦に編入されることになるドネツク州、ルハンスク州、へルソン州など新領土、つまりウクライナの領土も含まれるということです。  それらの新領土がウクライナ軍に脅かされれば本当に核兵器を使うのか、これは何とも言えませんが、脅しに過ぎないとしても、こういう脅しは下手をすれば自分の手足を縛ります。  ロシアが核兵器を使わないままウクライナ軍が領土を奪回していけば、ロシア国民にとって、プーチン大統領はハッタリをかますだけで何もできずに負けた政治家、ということになります。そうなる前に使わざるをえない状況に自らを追い込んでいます。
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ミャンマー、「いいね」で禁錮刑 民主派SNS巡り国軍が警告
共同通信
塩崎 悠輝静岡県立大学国際関係学部 准教授
国民統一政府側の見解では、「2021年9月7日からの1年間で、国軍側の死者が2万150人」です。  戦闘はそれ以前から続いているので、この見解では、国軍の死者の総計は3万人を超え、実質的な兵力の1割が戦死、ということになるでしょう。  国民統一政府は、自分たちの側のこの1年間での戦死者は「1500人」と述べていますが、これはやや少ないように見えます。  もっとも、国軍側も、国民統一政府側も、その兵力は正規軍以外にも雑多で、少数民族の武装勢力、住民の武装組織、警官、私服の諜報員、等々が双方にいるので、どこまでを戦死者に含めるかは、数え方によります。 フェイスブックで投稿に「いいね!」したりコメントすると懲役10年の実刑になる、というのは、「扇動罪と反テロ法の対象になるから、というのが国軍の言い分です。  フェイスブックの投稿をシェアした人には、すでに実際に扇動罪が適用されていて、収監されている人々も多数います。  もっとも、投稿をシェアした人など何百万人もいるので、全員を逮捕できるわけではなく、活動家とか芸能人などに絞って逮捕しています。  こんな脅しをわざわざテレビ放送で繰り返しているのですから、対応策が無いのでしょう。インターネットを全面遮断などすれば、経済が半世紀は後退するでしょうし。フェイスブックは国民生活の大きな部分を占めているので、使えなくしたら反発が物凄いでしょう。 https://www.mizzima.com/article/1500-anti-junta-fighters-have-died-past-year#.Yxr1XDp8vEE.twitter
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ウクライナ東部・南部、ロシア編入問う住民投票を23〜27日に実施
AFP
塩崎 悠輝静岡県立大学国際関係学部 准教授
やや複雑で、 ・「ドネツク人民共和国」、「ルハンスク人民共和国」「へルソン軍民政府」はロシア連邦への編入を問う投票を ・「ザポロージェ軍民政府」は、独立を問う投票を 行うとされています。 つまり、全て可決されると、ドネツク、ルハンスク、へルソンの3州は、ロシア連邦への編入を希望する「民意」を表明したことになります。  これはあくまで、3州側の意向表明で、編入には、ロシア政府が編入を承認する必要があります。  ザポロージェ州については、「ザポロージェ人民共和国」が成立することになります。ザポロージェは、州都もウクライナ軍の勢力下にあり、実質は州の南半分になります。ロシア連邦に併合するための前準備ともとれます。なお、投票は「軍民政府」のスタッフが戸別訪問して集めて回るそうです。反対投票した住民の安全が懸念されます。 ドネツク、ルハンスク、へルソンの3州がロシア連邦に編入されると、ロシアは「自国の領土がウクライナに侵略されている」と主張するかたちが整います。  戦争を仕掛けてから、占領地を自国の領土ということにして「侵略を受けている」と言い張るのですから、相当無茶な言い分ですが。  かたちとしては、国土防衛ということになり、これまでの外国で行っていた「特別軍事作戦」とは異なり、総動員体制に入る(召集令状を送る)要件が整います。
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スペースXの衛星通信事業、対イラン制裁免除要請へ=マスク氏
Reuters
塩崎 悠輝静岡県立大学国際関係学部 准教授
イランでは、9月19日から、西部などでインターネットが遮断されています。  1人の女性の死に端を発した事態で、 9月13日:クルディスタン州で、女性が、髪の覆い方が適切ではないという理由で指導パトロールに拘束される。同日、女性は「教育センター」にて、頭部への殴打などにより脳死状態に。 9月16日:女性が死亡。葬儀からクルディスタン州を中心に抗議が拡大、テヘランなど各地で抗議が継続中 イラン政府がインターネットを遮断しているのは確かですが、経済制裁を解除すれば、スターリンクがイランで使えるようになるかというと、そうはならないのではないでしょうか。  営業許可を出すのも、地上局設置の許可を出すのも、イラン政府です。端末を流通させるのも、イラン政府の許可が必要になります。  本当にイラン政府に阻止できないインターネットアクセスを提供するなら、イラン政府に把握できないように提供することが必要で、イラン政府にかけている経済制裁を解除する、というのは、有効ではなさそうです。  求められているのは、イラン政府の法律を破って、イランの人々にインターネットアクセスを提供することでしょう。 Mahsa Amini: Women take headscarves off in protest at funeral https://www.bbc.com/news/world-middle-east-62940907?at_custom2=twitter&at_custom3=%40BBCWorld&at_custom4=55365250-36B1-11ED-BFAD-C6332152A482&at_campaign=64&at_medium=custom7&at_custom1=%5Bpost+type%5D
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