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エビの殻や藻から作られる美しき新素材─進化する「サステナブル・ファッション」の最前線
千葉 知世大阪公立大学 准教授
エビの生産量はここ50年ほどで7倍以上増加しています。この増加の大半は養殖によるもので、その増産を担ったのは主に中国、東南アジア・南アジアです。エビの養殖技術は他の水産資源と比較すると容易で、途上国でも短期間で供給力をつけられるため、アジアの経済発展に大きな役割を果たしています。
石油に代わって、大量に廃棄されるエビの殻を使うというのはアイディアだと思いますが、エビの養殖過程で様々な環境破壊が引き起こされていることも考慮せねばなりません。例えば、希少生物が多く生息する東南アジアのマングローブ林は、エビ養殖池への転換によって激減しました。養殖・加工に用いられる様々な化学物質が養殖場の外に流出し、周辺環境に悪影響を与えていることも知られています。
どうせ捨てられるモノだから良いという単純な話ではなく、ライフサイクル全体で見た環境負荷がマイナスになる必要があります。
クリーンエネルギー、日本では35年に9割達成可能=米国立研究所
千葉 知世大阪公立大学 准教授
日本語版のサマリーがありましたので是非ご参考に。
https://eta-publications.lbl.gov/sites/default/files/lbnl_2035_japan_executive_summary_japanese_02.27.pdf
「90%クリーンな電力システムは化石燃料輸入を85%削減し、日本のエネルギー安全保障を大幅に強化できる」など、日本にとって明るい研究結果が示されています。
ただし、そのためには「政策、市場および土地利用に関する障壁を取り除く」ことが必要。
具体的な課題が簡潔に提言されていてとても勉強になります。
以下一部抜粋です。
• フィードインプレミアム(FIP)を含むFITやオークションの強化
• 石炭火力発電の段階的廃止を加速させるための炭素価格の釣り上げ
• カーボンプライシングによる収入の一部を、電力システムの脱炭素化に必要な研究開発・実証に投資
・地形および土地利用区分から見て適格な再生可能エネルギーゾーン(REZ)を設定、許認可と再エネ導入の遅延を避ける
• 送電網の整備計画に当該ゾーニングのプロセスを統合する
• 計画段階早期からステークホルダーの参加を得て、市民の意見を取り入れ、支持が得られるよう努める
LCC ジップエア 代替燃料「SAF」で二酸化炭素排出 実質ゼロへ
千葉 知世大阪公立大学 准教授
2030年までにはSAF=Sustainable Aviation Fuelを全航空燃料の10%に置き換える目標が立てられています。
もちろん、SAFも燃やせばCO2を出しますが、出したCO2は原料となる植物が成長過程で大気から吸収したものなので、原理的には空気中のCO2を増やさない、という理屈になってます。
(自動車に適用されている電気や水素は航空機には応用が難しいなか、)従来の燃料と同様にパラフィン構造の液体燃料なので、これまでの燃料タンクにそのまま入れて使えるのも大きな利点と言われています。
課題はコストで、従来の燃料に比して少なくとも2倍以上。また、今の原料のメインは廃食油ですが、そんなに供給量が多いものでもない。原材料の国内での安定供給(都市ゴミ、排ガスなども期待されています)、それによる生産体制の安定化、コスト減が期待されるところですね!
日銀正副総裁に初の女性登用なるか、ダイバーシティー推進の試金石に
千葉 知世大阪公立大学 准教授
「性別ではなく実力で選ぶべき」とのご意見は当然そうで、中央銀行のトップ層になるには高度な専門知識と相応レベルの資質が求められるのであり、これは性別は関係ない。そもそも候補に上がる数がかなり限られるので、候補の中に女性の数が最初から少ないため、女性が選ばれなくても仕方ない、と考えることもできる。
一方、圧倒的な男性優位の伝統の中で、女性が経験を積み、能力を鍛える機会さえ十分に与えられてこなかったとすればどうか。候補が少ないことの原因は女性の能力不足なのか。
伝統を打破するというのはそう簡単なことではない。日銀のような巨大組織はなおさら経路依存性が強いでしょう。意思決定を男性だけがしている限り変わらないわけで、意思決定者の中に女性を入れて、機会不均等の現状を変えていくための実績や土台をまずは作っていくべき。と個人的には思います。

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