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植田日銀総裁の異例の長い沈黙、決定会合前の利上げ思惑交錯の要因に
Bloomberg
辛坊 正記(株)TOASU特別研究員(経済評論家・コンサルタント)
3月の政策修正時が一つの典型ですが、植田総裁は、金融政策決定会合に向けて中央銀行総裁としては異例なくらい緻密な情報発信をして市場を驚かせないよう努めてこられたように感じます。その結果、長期金利も円相場も会合を受けて良くも悪しくも大きくは動きませんでした。それを踏まえると今回は確かに様子が違うかも。植田総裁の胸中を推し量る術はこれっぽっちも持ち合わせていませんが、仮に円安傾向に止めを打って過剰なインフレ圧力を和らげたいと内心思われているならば、事前に情報を流さず、サプライズを起こす方がインパクトは強いかもしれません。  国債購入量の減額計画をそれなりの規模で示すと日銀は前回の会合で公言していますけど、年間200兆円以上も国債を消化しなければならない我が国で国債購入量の大幅減額は劇薬で長期金利に上昇圧力が掛るのは必至でしょうし、政策金利の引き上げを同時にやるとなったら衝撃は更に大きそう。 政府が1200兆円の借金を抱え日銀が600兆円の国債を抱え、低金利下で家計と企業が低利の変動金利の調達を増やし、利上げ出来ない構図に陥った日本経済と、利上げしなければ止まりそうもない円安起因のインフレとを前に、日銀は果たしてどんな一手を繰り出すものか・・・ ショック療法で円安が止っても、景気が一気に悪化したら元も子もありません。植田総裁も悩んでいらっしゃるんじゃないのかな、知らんけど f(^^;
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政府、25年度財政黒字化の試算 物価高で税収増、目標達成が視野
共同通信
日本のクルマの税金はアメリカの「29倍」...!!《過去最高の税収》を4年連続更新している日本政府が無視し続ける「ドライバーたちの叫び」
現代ビジネス
東京消費者物価は2カ月連続2%台、利上げで慎重な判断迫られる日銀
Bloomberg
辛坊 正記(株)TOASU特別研究員(経済評論家・コンサルタント)
インフレ心理に火が付くと簡単には収まらず、資源配分を歪めて庶民の生活を圧迫する、というのが人生で何度かインフレ局面を経験した私の実感です。政府と日銀はインフレを一時的なものと見做して直ぐ収まるようなことを言い続けて来ましたが、そう簡単に収まるはずがないと私は当初から感じておりました。 インフレ率は遠からず低下するとの楽観的な見通しを日銀が出し続け、予測の期限が迫るたびに上昇修正せざるを得なかったところに、一旦生じたインフレ心理を止めることの難しさが端的に表れています。インフレに金利が追い付かず蓄えた預金の価値(≒購買力)が目減りし、実質賃金が26ヵ月連続で減少し、累進的に増える所得税と社会保険料が追い打ちを掛けたことで、資源配分の歪みが庶民を貧しくすることもはっきりしたんじゃないのかな (・・? インフレ・デフレが予測の範囲内にあって賃金も年金も金利も物価もそれに応じて安定していれば、インフレ・デフレが実体経済に大きな影響を及ぼすことはありません。インフレ目標はもともと想定外に嵩じたフレを抑制するためのもので、インフレを起こすために設けるものではありませんでした。そこに異を唱えたのがインフレ・デフレは貨幣的な現象だからベースマネーを増やしてインフレ期待を高めれば実体経済が改善して国民が豊かになると主張する”理論”です。円をジャブジャブばら撒いたところで資源価格が上昇してインフレ心理に火が付いたのですから堪りません。 前年比10%近く上昇して一旦0%近傍に下がった企業物価指数(≒企業が仕入れるモノの値段)が再び騰勢を強めて2.9%に達し、企業向けサービス価格もじわじわ上がり続けて3%に達しています。庶民を苦しめるインフレが簡単に止まることはないでしょう。 安定状態にあると評価して然るべきほぼゼロパーセント近傍の価格下落をデフレと称して過大に問題視し、円安でインフレを起こせば国民が豊かになるとの幻想を振りまいたこれが帰結であるような気がします。日本を成長させてデマンドプルのインフレを起こすには、生産性の向上で企業が儲かり、それが賃金と更なる生産性向上投資に回る好循環を起こすほかありません。 2%というインフレ目標を掲げて円安とインフレを起こす施策が本当に日本を成長させて国民を豊かにするものか、あたらめて考えてみる必要がありそうな・・・ (・・;
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米GDP 2.8%成長に加速 8期連続でプラス 米経済はソフトランディング軌道
TBS NEWS DIG
辛坊 正記(株)TOASU特別研究員(経済評論家・コンサルタント)
新型コロナウィルスが襲った瞬間、僅か2か月で米国の失業率は4%から14%まで一気に駆け上がり、仕事が無くなった企業と産業から仕事が増えた企業と産業に人が移って今の失業率はコロナ禍前に戻っています。一方、我が国では失業率は殆ど上がらず、一気に増えたのは雇用調整助成金を受け取るなどして雇われ続けているけど仕事がない社内失業状態の人たちで、厚労省はこれが600万人に達したと見ています。失業率に換算すると10%程度に相当しますから、日本でも米国並みに仕事が消えていたのです。米国並みに経済活動を止めたのですから当然です。その後我が国では、元の企業と産業が残業を減らす、ボーナスを減らす、出向先を捜すといった形で労働力を吸収して行きました。欧州辺りはその中間といったところでしょうか・・・ 結局のところ、良くも悪しくも自由度が高く企業と産業の新陳代謝が進む米国の経済が強烈に強く、規制と保護で安心安全を求める欧州と我が国、とりわけそうした傾向が強い我が国の立ち遅れが顕著で円の価値も落ちました。円安の背景にあるのは彼我の金融政策の違いだけではないことを、米国の強さにあらためて感じないでもありません (・・;
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景気判断「足踏みみられるが緩やかに回復」で据え置き、輸出を下方修正=7月月例報告
Reuters
辛坊 正記(株)TOASU特別研究員(経済評論家・コンサルタント)
2020年のコロナ禍中で米欧並みに経済活動を止めて我が国のGDPは米欧並みに落ち込みました。2021年に入ると米欧はワクチン接種をしっかりやって社会経済活動を正常化する方向に舵を切り始め、2022年にオミクロン株が拡がると、感染しても気にしない普通の病気として扱うようになりました。この結果、米欧は2021年にコロナ禍前の経済規模を取り戻し、2022年に大きく積上げました。 片や我が国は2021年に入ってもワクチン接種が間に合わない、医療体制が崩壊すると主張して緊急事態宣言とまん延防止等重点措置を繰り返し、2022年に入っても、感染症対策はやり過ぎくらいが良いと就任早々の岸田総理がおっしゃって前半はまん延防止等重点措置を繰り返し、後半に入ってからも政府の専門家という人達が、第7波が来た、第8波が来ると大騒ぎして水際対策を含め社会経済活動を止め続けました。その結果、我が国だけが2022年になってさえ、コロナ禍前の経済規模を取り戻せない事態になったのです。 2023年に入ると流石に我が国も通常に動き出し、コロナ禍中に蓄えた貯蓄が取り崩されて家計の消費が盛り上がる、コロナ禍中で抑制された設備投資もデジタル化と省力化を目的に盛り上がる、外国からのお客さんも回復するなど、日本は遅れて来たリバウンドで力強い回復が続く、と期待されたのに、個人消費は23年のゴールデンウィーク明けに旅行と飲食で盛り上がったのち円安とインフレと国民負担への警戒感で落ち込んで、企業の設備投資も意欲先行で実際には進みません。インバウンド需要こそ盛り上がったものの、民間主導で日本が力強く成長する気配は見えません。 コロナ禍で前年比▲3.9%も一気に落ち込んだのですから回復がゆっくりで良い筈がありません。本年度の政府の成長率見通しが0.9%であるのに対し、民間エコノミストの平均は0.4%程度といったところです。円安とインフレと積み上がった政府の借金が重しになっているのは明らかじゃないのかな (・・? 新型コロナの第11波が来たと喧伝する向きがあり、病院に行っても先ずは体温測定、というところが今なお多く残っているようです。新型コロナの5類への見直しが遅れに遅れ、漸く見直した今にになってさえ11波なんて騒ぎを演じているようじゃ、一時が万事、国民が元気になれるはずがない・・・ (・・;
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サービス価格指数、3.0%上昇 6月、実質33年ぶり伸び率
共同通信
辛坊 正記(株)TOASU特別研究員(経済評論家・コンサルタント)
一時は10%を超えるほど上昇したのち0%台まで下がった企業物価指数(≒企業向けのモノの値段)も今年に入って1月0.3%、2月0.7%、3月0.9%、4月1.2%、5月2.6%、6月2.9%と再び騰勢を強めています。かてて加えて、賃金の影響を受け易い企業向けサービス価格も遂に3%に達したわけですね。企業向け物価の過去の値上がり分が消費者物価に十分織り込まれないうち再度の企業物価の上昇が始まって、企業向けサービス価格も3%まで上がって来ると、消費者物価の上昇が簡単に止まることはなさそうです。 今の日本は明らかにインフレ状態で、消費者物価の上昇圧力は欧米に勝るとも劣らぬ勢いです。物価に責任を負う日銀は金利を引き上げ円の価値を高めてインフレを止める必要があるはずですが、1200兆円に達する政府の借金、600兆円に迫る日銀保有の国債、低利の資金で生き延びる企業群、バブル的に上がったマンションを低利の変動金利ローンで買った家計等々への悪影響を考えると、金利を安易に引き上げるわけには行きません。 日銀と政府は賃金と物価の好循環がまだ定着していない、基調的インフレ率は2%を超えていない、などと称して脱デフレを宣言避けていますけど、資源価格の上昇と円安で交易条件が悪化して企業が生産する富の一部が外国に流出していますから、一時的にはともかく、インフレを上回る賃金上昇が恒常的に起きるはずがありません。恒常的な”賃金と物価の好循”を待っていたら、いつになるか知れたものではありません。3年近くも続く高インフレを前に基調的インフレ率が2%を超えていないなどというのも、利上げしないための方便にしか私には思えません。 ”インフレ税”で国民が貧しくなり続ける状況は、簡単には収まりそうもないですね・・・ (・・;ウーン
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地方交付税「不交付」3年連続増 24年度83自治体、景気好調で
共同通信
辛坊 正記(株)TOASU特別研究員(経済評論家・コンサルタント)
「好調な企業業績や給与所得の上昇で税収増が見込まれている」(@@。 ドルで商売する大企業を中心に円安で利益が増え、円安に起因するインフレで物価が上がって消費税が増え、インフレに押されて賃金も上がっているので累進課税の所得税が増えてそれに連動する地方税も累進的に増加しています。物価の上昇に賃金が追い付かず労働分配率が下がって実質賃金が26カ月減っていることも、企業の利益の増加を通じて法人税の増加に繋がります。 要は、円安を通じて実質的なインフレ税が徴収されている訳で、地方自治体の財政が健全になったと喜んでばかりもいられません。円安で無理やり起こすインフレは真綿で首を絞めるように国民を貧しくすると言い続けてきましたが、インフレ税もその一つ。 インフレで地方を含む政府の支出も増えますから税収増を全て庶民に還元しろとまでは言いませんが、名目賃金が上がって累進的に増えた所得税部分くらいは課税区分を見直して国民に還元して然るべし。しかし、お金を使うことに熱心で大きな赤字を作った政府がそんなことをするはずはないですね、たぶん。インフレが借金の多い政府の財政を潤し国民を貧しくしていることは確かです。なんだかなぁ ( 一一)
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農産物よ、おまえもか―。野菜にも及び始めた値上げの波 価格高騰は勘弁、でも農家廃業も避けたいジレンマに消費者104人が出した答えは
47NEWS
辛坊 正記(株)TOASU特別研究員(経済評論家・コンサルタント)
「最多の回答は『政府が補助金を出す』で51人」 (@@。 規制と補助金にどっぷり浸かって競争力を失ったのが日本の農業なのに、こういう発想が最多を占めますか・・・ 3年前と比べて肉類は40%、野菜は47%値上がりしています。生産に必要な石油も肥料も飼料も輸入に頼る日本でドル円相場が4割以上円安に傾いているのですから当然の結果です。農産物、畜産物に限らず、いろんなものが値上がりします。覚悟を決めて日本経済の土台を強くして円の価値を取り戻すなり、価格の変化を受け入れて日本の消費構造と産業構造を変えるなりするほかないのが、衰退を続ける我が国が直面する厳しい現実です。 農水省を中心に食料自給率の低さを殊更強調するキャンペーンが張られているので農業に補助金を出して維持したくなる気持ちは分からないでもないですが、石油も天然ガスも鉄鉱石も肥料も飼料も食料も輸入に頼る我が国で農業と畜産業だけ保護しても、いざ輸入が止まったら、どうなるものでもありません。米と野菜と畜産物を生産する農家を補助金で守っても、国力が衰えて石油と肥料を飼料を買い負けたら、米も野菜も肉も生産できません。日本と国民を守るために本当に必要なのは、資源を買い負けることのない国力です。 戦後復興の意欲に燃えた人たちが焼け野原の中でナベ、釜、ミシン等々を作り始め、自律的に創意工夫を凝らして国に頼らず必死に働き、世界に冠たる豊かな国に育てたのが日本です。政府は税収の範囲内で支出を賄って赤字国債を発行することはなく、国民にも補助金に頼る発想はなかったように思います。 高度経済成長が始まる年に小学校に入学し、オイルショックでそれが終わって中成長に移る年に働き始めた化石世代のオジイの戯言と思われるかもしれませんけれど、政府が出す補助金の原資は今と未来の国民が負担する税金です。安易に補助金に頼ることをせず、如何にすれば規制と補助金にどっぷり浸かって衰退した農業を産業として立て直すことが出来るのか、真剣に考える必要がありそうに思います。 最近、大和盆地にある農地と山林の処分に関わる機会を得ましたが、こんなことをしていたら、農林業が衰退するのは当然だろうというのが実感でした。f(^^;
48Picks
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