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米住宅市場、今春シーズンは12年ぶりの低調-利下げで回復導けるか
木下 智博追手門学院大学 経済学部 教授 兼 経営・経済研究科 教授
今春の米国の住宅販売不振は、異常でした。
高金利の住宅ローンが購入を抑制したという「需要」サイドの要因のほかに、コロナ期の2020~21年にFRBが金融緩和を長引かせたことを背景に、低金利での借換えに成功した住宅所有者がせっかくの低金利の恩恵を手離したくないために売り惜しみをする結果、中古物件価格が高騰したという「供給」サイドの要因もあります。
前者の需要サイドの要因は説明がわかりやすいのですが、後者の供給サイドの要因はとてもわかりにくいですね。FRBによる金融緩和が2022年まで必要以上に長引いた失敗の弊害が、2024年まで尾を引いたとみることができます。
果たして、かつて低金利の恩恵を受けた家計が、中古住宅の売り惜しみをしない程度、つまり買い換えと転居のお得感が出てくるレベルにまで、2025年の住宅ローン金利は低下するでしょうか。米国のインフレ率が2%程度に収束していくことが鍵になりましょう。
FRBの利下げ開始待つ世界の中銀-日銀総裁会見まで市場の緊張続く
木下 智博追手門学院大学 経済学部 教授 兼 経営・経済研究科 教授
日銀については、今回利上げするかどうかよりも、今後の政策金利運営に関する日銀政策委員会のどこまで、いつという見通しを、植田総裁が市場関係者にどれだけ丁寧に説明できるかに注目が集まります。個人的には、展望レポートに、FRBのようなドットチャートを着けて発表すれば良いのに、と思っています。
2年前のこの週には、日米欧英の中央銀行の政策決定会合が集中していたうえに、9月22日に政府・日銀が数十年ぶりの円買いドル売り介入を実行するなど、イベントが盛り沢山でした。
今回は、欧州が先行した代わりに、経済低迷が長引く中国も加わるのですね。忙しい週になりそうです。
米、銀行規制強化案を緩和 FRB、大手行の負担半減
木下 智博追手門学院大学 経済学部 教授 兼 経営・経済研究科 教授
改定案では、大手行の資本増強幅が19%から9%に引き下げられたということです。したがって、「かなり大幅」な資本増強案が「大幅」な資本増強案に修正された、ということに過ぎません。
昨春に相次いだ米地銀の倒産では、固定利付き債券の評価損が、巨額の預金流出を招きました。この反省を踏まえて、米国の金融監督当局が昨秋に提示した自己資本規制の強化案は、債券の評価損を自己資本比率の計算に反映させるようにしました。この一番大事なポイントは、今回の改定案でも、大手行、大手以外の銀行の両方において維持され、数%の自己資本増強が必要と見込まれています。ご注意ください。
なお、バーFRB副議長は、この講演の中で、今回改定された以外の部分を含め、自己資本規制の強化案の全体につき市中協議は続いていると強調しています。
「日本人滅びる」論争、柳井氏発言に賛否 前沢氏、三木谷氏らが見解
銀行って何だろう?
木下 智博追手門学院大学 経済学部 教授 兼 経営・経済研究科 教授
Minahaさんが、バジョットの名著ロンバードストリートの原書を精読してくださったこと自体、とても嬉しいです。日本でこれを読んだことのある人は、Minahaんのほかにほんの一握りのように思います。
そうです。Minahaさんがお書きのとおり、お金や預金などない太古の時代から、遠く離れた売り手と買い手の間で、経済取引、交易は行われていました。このために必要なのは、送金手段と、掛け売り信用ですよね。銀行の存在意義はそこにあります。
池上さんの一見するとわかりやすい説明を突破して、その奥まで深掘りしていった先に「真理」が隠れています。ちせいとは、素晴らしいです。
米利下げ幅0.25ポイントで十分か、判断迫られるFRB-議論白熱化へ
木下 智博追手門学院大学 経済学部 教授 兼 経営・経済研究科 教授
FRBが、景気後退や経済・金融危機がないのに利下げした前例は、今世紀にはなく、1998年9月の0.25%利下げにまでさかのぼります。目的は、アジア通貨危機など海外経済が米国に悪影響を与えることを予防するものでした。その後、10月、11月にも0.25%引き下げましたので、3回連続の利下げとなりました。
ところが、翌年1999年6月には、0.25%に転じています。1998年後半の連続利下げの効果が不必要と判断されたからかもしれません。この時期は、現在とは異なり、労働生産性の伸びがインフレ率を低下させるという「ニューエコノミー」論が盛んな時代でした。
さて、今回はどうなるでしょう。米国のマーケットエコノミストは、しきりにサームルールを持ち出していますが、その割には、古いことを都合よく忘れてしまっているようにも見えます。
米雇用統計、8月の非農業部門雇用者数は14.2万人増-失業率4.2%
木下 智博追手門学院大学 経済学部 教授 兼 経営・経済研究科 教授
雇用者数は、6月と7月の数字が合わせて8万人余りも下方修正されており、これに8月分の市場予想比の下振れ分を加えると、事前予想を10万人余りも下回った計算になります。先日も、過去に遡っての大幅なベンチマーク修正があったばかりですが、米国労働統計局の事業所調査の信頼性に疑問符が付きます。
一方、家計調査ベースの失業率や、平均時給の数字は、労働需給の逼迫が緩和されたとは言え、まだ若干のタイト感が残っていることを示しています。
FRBは9月に「お約束」の0.25%利下げをした後、しばらく様子を見て、12月にも利下げするかどうかはデータ次第となるのではないでしょうか。年内に合計1%の利下げまでは必要なさそうに思います。
日銀の次回利上げ、市場予想より前倒しの可能性-渡辺東大教授
木下 智博追手門学院大学 経済学部 教授 兼 経営・経済研究科 教授
渡辺教授は「見通し実現の場合に利上げする」という日銀の理論について、「なぜオントラック(順調)だったら利上げするのかということが全く分からない」と話す、と記事にはあります。
日銀がその理屈を十分に説明できていないというのは渡辺先生のおっしゃるとおりですが、基調的なインフレ率や予想インフレ率がオントラックで上昇していった場合に、政策金利を引き上げないと、実質マイナス金利の深掘りになるという問題は、どう考えれば良いのでしょうか?
筋書きどおりのコメントが取れてホッとしたのでしょうが、こうしたところで、ブルムバーグの記者さんの質問力が試されています。
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