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【正論】変質するCOPと化石賞の化石化 国際環境経済研究所理事・竹内純子
産経ニュース
竹内 純子国際環境経済研究所 理事・主席研究員
COP27の報告と、日本に期待される貢献を書きました。 日本に期待される貢献としては、①透明性あるデータの取得、②防災技術、③高効率技術の普及による削減貢献を三本柱になると思っています。 まず、データですが、途上国はエネルギー使用量やCO2排出量のデータ取得に関する知見はほとんど持っていません。世界最大の排出国である中国は、企業の排出データは国家管理されていて、国際的な業界組織にも一切提供を拒むとのこと。透明性あるデータは共同歩調の第一歩です。実は、日本が打ち上げた衛星いぶき2号は、発電所など大排出拠点の、排出量を高精度センサを用いて宇宙から観測できるといいますので、こうしたデータ取得の貢献価値は非常に高いのです。 防災については、災害大国日本には様々な防災技術も保険などのサービスのノウハウもあります。基金に単にお金を入れるということでなく、実際の被害を最小化するところに貢献できるでしょう。 高効率技術による世界の排出削減への貢献ですが、ウクライナ紛争でエネルギー供給危機に直面する世界で、エネルギー消費そのものを抑制する日本の省エネ技術への期待が高いことを実感します。日本の排出量を減らすというのも大事ですが、世界全体の排出量の3%をゼロにしても気候変動全く解決しないですし、「環境と経済の両立」をめざすことで貢献できると考えています。 というあたりを書きました。 無料で登録できて読めると思いますのでよろしければお目通しください
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日本がCOP27で「化石賞」をまた受賞。岸田首相にも痛烈な皮肉
ハフポスト日本版
竹内 純子国際環境経済研究所 理事・主席研究員
竹内@シャルム・エル・シェイクです。10日夜に成田を出て、27時間かけてたどり着きました。昨日会場に行ってみましたが、いやなんというか、COPの見本市化というか文化祭化が激しいです。 以前は、国家間の交渉の場であったCOPが、パリ協定という「各国が自主的な目標を掲げて、その進捗を適宜報告し、前向きに取り組み続ける」という仕組みができたことで、COPの役割が変質した(交渉することが減り、自分たちがどれだけやっているかのアピールの場になる)ということは、パリ協定が採択された直後から指摘していたことですが、それが急速に進んでいるという実感です。 もちろん、まだ詳細ルールなど交渉することは残っており、その交渉に当たっている政府関係者の方には大変重要な仕事をされているわけですし、交渉だけでなく日本の貢献について政府からの発信を増やそうという動きになっているのは非常に前向きな変化です。 ただCOP会場を見回して今昔の比較をすると、昔は、交渉が主役でその周りでイベントが行われていたのですが、いまやイベントがほとんどになっているという印象です。これを2週間もやる意義が今もあるのかは疑問。 さて化石賞ですが、こちらは彼らの存在アピールです。特に取り上げる必要があるだろうかとも思いますが、相変わらず記事になっているので、こちらもコメントし続けますと、アンモニア(水素)による火力発電の低炭素化に取り組む、といったことを理由に化石賞を出されたことが、本当に「痛烈な皮肉」を受けたことになるのか。ちったぁ考えてから書いてほしい。アジア各国などは今後も経済成長に伴い、エネルギー使用量は増えるに決まっています。火力発電の低炭素化技術として期待も高いものです。(コストなどの観点から、期待されるほど普及するだろうかという疑問は私もありますが、その技術が温暖化に対してネガティブというのは違う) 日本の環境NGOの方に、「日本は外圧によって動く国なので、日本に化石賞を出してほしいといっている」と伺ったこともあり、まぁそういうものなのだろうなと思いますが、もうちょっと笑いの要素や前向きな動きはほめるといったことがあれば、こういうのもあってもいいよねと思うのですが・・。 解決策も示さず、笑いもなく、低炭素化に向けた技術開発に取り組む人すら揶揄する、化石賞の化石化。
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排出ゼロ宣言、国連が指針公表 企業活動の「見せかけ」排除
共同通信
竹内 純子国際環境経済研究所 理事・主席研究員
既存の技術よりはまだ少し高コストだけれど代替技術自体はある、という中でこうしたプレッシャーをかけたり、両者の値差を適切に補填するためにカーボンプライス(炭素価格)を導入するのは有効ですが、そういう技術が無い中でこうしたプレッシャーをかけると、さまざまな歪みをもたらします。 例えば火力発電という既存技術と再エネという代替新技術の比較をすると、火力発電は安定して大量の電気を創ることができますし、人間が出力を調整できます。再エネは脱炭素の電気は作れますが、安定しないこと、出力を調整しないので、結局火力発電による調整機能を必要とします。 火力発電が必要という状況は変わらないのに、「温暖化するから開発止めろ」というプレッシャーをかけるとどうなるかと言えば、上場していて市場の評判が気になる企業が撤退して、市場の監視が行き届かないローカルの企業などが、より環境配慮をせずに開発するということになったりします。必要だけど表立って資金がつきづらいということになれば、リスクマネー化するので、結局消費者のコスト負担が上がるということになります。 このウクライナ危機で、これまでさんざん「温暖化のためにやめる」と言っていた石炭火力などをやめられないことを体験しているわけですが、頭をすっかり切り替えて、温暖化の話「だけ」議論するというのがCOPです。 見せかけのイメージ戦略で「やってるふり」をするというのは排除されなければなりませんが、あと30年弱で温室効果ガス排出実質ゼロというあまりに短い時間軸での大転換を目標としてピン止めすれば、成り立つはずのないシナリオを描くということにもなるでしょう。 誰が「嘘つき」と言われるババを引くか、になっているようにも見えて、もう少し現実とのブリッジを考えたいと思うのですが・・。
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灯油高騰、原油高と円安が重荷 札幌は1割高
日本経済新聞
竹内 純子国際環境経済研究所 理事・主席研究員
エネルギーが高騰すると、寒冷地、かつ、車を利用せざるを得ない地方が一番ダメージを受けます。 2010年の分析ですが、経団連の21世紀政策研究所が、当時の民主党政権が掲げた「2020年には1990年比▲25%削減」という非常に野心的な(野心的と書いて無理と読みます)温暖化目標を達成するための炭素価格が導入された場合に、都道府県や所得階層毎の費用負担を分析して、冨山、青森、山形が他と比較して負担大であると示しました。(当時の条件の下ですが、1世帯年間30万にのぼる。条件が現在とは全く異なるので金額はさておきですが、地域によって痛みが違うということが重要) http://www.21ppi.org/pdf/thesis/101117_02.pdf 現在政府は、激変緩和措置としてガソリン補助を講じ、これから電気代やガス代にも補助を講じる予定ですが、脱炭素に向けては、化石燃料には、CO2のコストをのせて(=炭素価格)使用を抑制していくべきだとされます。 脱炭素を費用対効果よく実現するためには炭素価格を導入すべきというのは議論の余地がほとんどないところですが、実際に導入するにあたっては、エネルギーコストの上昇による痛みには、地域や所得階層による「差」があることも含めて考える必要があります。 (エネルギーは必需品なので「逆進性が高い」と表現される通り、低所得の方ほどその値上がりが痛いのです。消費税と同じです)
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炭素税と排出量取引の両方導入、首相が検討指示
産経ニュース
竹内 純子国際環境経済研究所 理事・主席研究員
お待たせしましたMatsunagaさん笑。ありがとうございます。 カーボンプライス(以下、CP)については、どこからどうお話するかが悩ましく投稿が遅れました。本件あまり報道されていないのですが(前回の原子力に関する方針表明と比べると、かなりローテンション)、相当大きな&踏み込んだ判断です。 脱炭素化に向けたコストを最小化するためにCPの導入が有効であることは、経済学的には議論の余地が無いところでしょう。ただ、それは様々なバランスを必要とします。 エネルギー政策において実現すべき価値は脱炭素だけではないので、エネルギー安全保障の価値の確保などが置き去りにならないようにせねばなりませんし、技術中立のCPによって安価な低炭素技術から導入が進み、社会の脱炭素コストを抑制してくれることが期待されますが、一方で脱炭素に向けて必要とされる技術の進み具合には大きな幅があり、CPによる技術中立的な支援と個別的な支援策の両方を講じないと結局成り立ちません。 また、当たり前ですがカーボンプライスはエネルギーの使用に係るコスト負担を上昇させます。国内で高額のCPを導入すれば、国際競争力を歪ませてしまいます。世界の多くの国で排出量取引が導入されている!とも言われるのですが、排出枠の設定が甘ければ補助なので、どの程度の限界削減費用を必要とする目標なのかが重要です。本当は世界共通のCPが導入されれば、CPを理由とした産業の流出なども起きませんので理想的ではあるのですが、温暖化の国際交渉見てきた立場から言わせていただけば、そんなものが導入される見通しは絶対に無いです。 炭素税か排出量取引かといった手法は、それぞれ一長一短ありますが、排出量取引は、政府が業界の経済活動量を決めるThe計画経済なのと、行政が肥大化すること、ロビーイングの塊になること、取引価格の変動が大きいので予見性をもって脱炭素化に取り組むことが難しいといった欠点があります。税の方が予見性などの点では優れていますが、日本だと特に硬直的になるといった欠点もあります。 日本の製造業のライバルである米国のインフレ抑制法は、法人税の最低税率導入や処方箋薬価の改訂など今取り損ねている収入を確保したり支出を減らしたりして、それをグリーン産業の成長につぎ込むものです。よくできた制度でここに学んで制度設計されればと期待しています。
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