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東大合格者は毎年500人以上! 鉄緑会「公式ノート」が地味にスゴい
奥山 輝大東京大学 脳神経科学研究者
学生として6年間通い、講師として7年間お世話になった鉄緑会から今回、「公式ノート」が発売されるようです(僕の大学生活は鉄緑生物科主任の仕事と常に共にあったと言っても過言ではないです!笑)
鉄緑会の宣伝みたいになってしまいますが、あの塾のすごいところは、ただただ受験に際した「効率化」を突き詰めているところにあります。
出題される入試問題をシステマティックに分解する方法や、戦略的にどのタイミングでどのような能力を付けていると無理と無駄がなく受験日を迎えられるかなどを、徹底的に検証して授業プログラムが作られています。(僕も毎年、日本のほぼ全ての大学の生物入試問題を解いていました笑)
授業内容が塾コンテンツのソフト面だとすると、ハード面は「教科書」と「ノート」になります。実際のところ、教科書は講師陣が用意できるわけですが、本人に最もフィットするようパーソナライズされたハードコンテンツである「ノート」は講師の手の外側にあります。
板書の中身だけでなく、ノートの形状そのものを吟味するのは、とても鉄緑会らしい効率化のやり方だなぁと感心しました。

【奥山輝大】脳科学が解き明かす「多様性」の本当の意味
奥山 輝大東京大学 脳神経科学研究者
私たちの研究について紹介して頂きました。
実は、一番訴えたいメッセージは、「サイエンスが新しい世界を開拓することで、私たちの世界も変わりうる」という点です。記事のなかで、色覚異常や自閉症関連遺伝子についてお話しましたが、研究が進むほど「世界の捉え方にも個人差がある」ことを知り、その結果、私たちの中のダイバーシティ感にも影響を与えうります。
自閉症研究が、自閉症で苦しむ多くの人の助けとなってほしいという強い思いと共に、一方で、多くの自閉症とは無縁である方々にとっても、サイエンスが切り開いた世界を垣間見ることで、世界観が変わることもあると知って欲しいと思うのです。(そして自分自身が進めている研究が、その一端を担えれば嬉しい限りです!)
脳インプラント装着の男性、コンピューター通じ「話せる」ように 米研究
奥山 輝大東京大学 脳神経科学研究者
先日、Neuralinkの「脳にチップを埋め込んだサルが、思考だけでゲームをプレイする」という記事にコメントしましたが、本質的には同様の技術の応用で様々なことが可能になります。
https://newspicks.com/news/5752633?ref=user_6497724
わたし達の脳は普段、「感覚入力(視覚や聴覚など)→脳内での情報処理(思考など)→行動出力(ゲームする、しゃべるなど)」という計算をしているわけですが、その中間にいる「脳内での情報処理」は、多くの神経細胞の複雑な活動で成り立っています。その活動はあまりに複雑すぎて、もはや暗号です。
近年になって、多くの神経細胞の活動を記録する神経科学の技術開発が行われたことと、深層学習を初めとしたコンピュータサイエンスの発展により、この「脳内での情報処理」の暗号そのものにアプローチすることが可能になりました。
ものすごく簡単に説明すると、多くの細胞の複雑な活動パターンを記録し(レコーディング)、そこにある暗号情報を読み解く(デコーディング)することで、脳が何を出力しようとしているのか(ハロー!としゃべりたいのか、ゲームでどう操作したいのか)を人間にわかる形で解釈できるようになったわけです。
とは言っても、まだ記録できる領域は多くても数領域(そのなかにも無数の神経細胞がいるわけですが…)で、現状の課題の一つは「果たして、脳内の数多ある神経細胞のどこまでを記録できるのか?」です。きっと、同時に記録できる領域が拡張すれば拡張するほど、紐解ける暗号はより複雑になり、記憶などの高次情報までもがスコープに入ります。
もう一つは、これまでは「情報処理→出力」に注目していたわけですが、「入力→情報処理」の方は制御できるのか?です。ここが可能になると、脳に人工的な感覚情報を入力することができるので、まさにマトリックスやソードアートオンラインの世界が可能になります。
わたし達の、思考も感情も行動も何もかもが、脳によって作り出されています。極論すれば、そう考えるこの思考でさえも脳が作り出しています。これから数十年で神経科学とコンピュータサイエンスがどのように協調的に発展していくのか、想像するだけで胸躍ります。
ゲノム編集研究「登録制に」…WHO諮問委 通報制度推奨
奥山 輝大東京大学 脳神経科学研究者
「普遍性」があると信じられてきたゲノム情報もCRISPR/Cas9の登場で、様々な動物種において簡便に書き換えられる時代となりました。その影響は当然ヒトにも及び、中国の賀建奎博士によるデザイナーズベイビー作成のニュースは記憶に新しいところと思います。それでは、どのようにして研究者コミュニティは、このような「研究者の暴走」を食い止めているのでしょうか。
研究の倫理的制約は、国の法律に従うだけでなく、所属機関(大学や研究所など)の規定するガイドラインを遵守し、さらに詳細な実験倫理面については所属機関の設置する倫理委員会の審査を通過する必要性によって担保されています。
さらにPracticalな面を挙げると、倫理規定は主に「研究予算獲得」と「研究論文発表」という側面で暴走を食い止めているとも言えます。どんな予算、どんな論文ジャーナルにも、必ずどのような倫理審査を通過しているかを明確に記載するコーナーがあり、その記載が不十分だと一発レッドカードで退場です。
ただ逆説的に言えば、「遵法的に倫理委員会を通過した」場合、このような抑止力が機能しなくなります。もっと具体的に言えば、アメリカよりも中国の方が一般的に倫理規定の制約は弱く、アメリカの研究者が行えない一部の研究が、中国でならば行えるという状況が続いてきました。
今回のWHOでの「登録性」、すなわち倫理規定の画一化は非常に有用だと思いますし、この流れに各国教育省や、Elsevier、Springer Nature、Cell Pressといったトップジャーナルを抱える出版社をどこまで従わせられるかが、実効性のキモになるように思います。

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