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「市場の洗礼を浴びている」日経平均株価が一時2000円急落 石破新総裁の誕生受け
TBS NEWS DIG
安東 泰志ニューホライズンキャピタル株式会社 CEO
石破総裁になって株価が下げていることをとやかく言う向きもあるが、そもそもこれまでのアベノミクスとやらが異常だったわけで、それがいよいよ見直されるのは素晴らしいことだ。 経済学の常識である流動性の罠を無視して、禁じ手である国債の直接引受とほぼ同じやり方で無茶苦茶な量的緩和と金利抑制を行ない、その低金利を悪用して乗数効果に乏しい無茶苦茶な財政出動をする。財政健全化を無視してカネをばら撒けばGDPは当然少しは上がるので(しかもGPDPの定義を見直して大幅に嵩上げして)「戦後最長の景気拡大」とやらを演出。 これによる副作用で円安が進み、財政は先進国でダントツの危機的状況になっている。そのため国民の購買力は低下し、「買う日本」から「買われる日本」に転落。実質所得は低下を続け、日本人は貧しくなった。 企業は円安分を下請と消費者に転嫁したので最高益が続出し、しかも日銀が異常な額の株買い支えをしたために(今や多くの上場企業の筆頭株主が日銀だ)株価は上がったが、輸出数量は全く増えておらず、よって雇用も増えず賃金は物価上昇ほどは上がらない。株価が上がって得したのは金融資産が多い富裕層と外国人であり、庶民の暮らしは苦しくなった(なお、雇用が逼迫しているように見えるのは、少子高齢化と円安・政府の外国人排斥姿勢により外国人労働者が抑制されているからに過ぎない)。また円安で交易条件が悪化し、膨大な貿易赤字が続いている。 企業も円安に甘えて技術開発や生産性向上を怠り、今や米国や中国の背中は遠くなった。日本ではiPhoneは作れず、日本人は高い米国や中国のものを買わされているのだ。賃上げの原資は生産性の向上分であって、それ以外にはあり得ないのだから、日本人の賃金は上がらないのだ。 石破さんには、生産性を上げるための規制緩和と既得権益の打破に動いて欲しい。株価が下がって困るのは少数の富裕層だけあり、円高になることは国民の利益である。そして生産性の向上の成果を賃上げに結びつけて欲しい。 なお石破さんの愛読書の一つが「人新生の資本論」であると聞く。ピケティが言うようにr >gであれば、金融所得で貧富の差は拡大するのだから、NISAやiDeCoを拡充した上で、それ以上の金融資産の持ち主の金融所得は総合課税にして良いと思う。
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