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ボーイング宇宙船、有人帰還断念 機体不調、飛行士は2月に地球へ
共同通信
小野 雅裕NASA Jet Propulsion Laboratory 技術者・作家
これは合理的な判断だったと思います。スターライナーはヘリウム漏れにスラスタの異常とトラブル続き。このまま帰還しても99%大丈夫だったとは思いますが、人の命がかかっている上、安全な代替手段があるのだから、無理にリスクを取る必要はありません。 9月24日にSpaceXのCrew-9ミッションが打ち上げられます。元々4人乗るつもりでしたが、2人乗りで打ち上げ、2月に帰還するときにこの二人も乗せて帰る、と言う算段でしょう。6人乗せることも可能だそうですが。 スターライナーの二人は、元々2週間の滞在予定が8ヶ月になってしまいました。とはいえ二人とも宇宙ステーションの長期滞在の経験があるそうなので、元々のCrew-9のミッションスペシャリストがこなす予定だった作業は概ね代替できるのでしょう。Crew-9で宇宙に行く予定だった宇宙飛行士はがっかりでしょうね。 さて、ここまでは大きな驚きはありませんでした。 この先の最大の疑問符は、スターライナーの運命です。1度目の無人試験の際もトラブルでISSのドッキングに失敗しました。こうも失敗が続いては、一般乗客ならとてもじゃないけど乗りたがらないでしょう。とはいえ、アメリカに2種類の有人宇宙飛行戦を確保しておくメリットは大きい。スターライナー生き残りの絶対条件は、無人の帰還をトラブルなく成功させることです。 もちろん、ボーイングは民間企業なので、NASAが手を引いても自前で開発・運用を続けることは可能です。ですがこの有様では、当面はNASA以外のカスタマーが着くとは思えません。   737 MAXのトラブル。SLSコアモジュールの酷い遅延。そしてスターライナー。ボーイングも堕ちたものです。
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【5選】アメリカの選挙は、「最後までわからない」
NewsPicks編集部
小野 雅裕NASA Jet Propulsion Laboratory 技術者・作家
2016のサプライズがなぜ起きたか。 あの時はまだ、アメリカでは「トランプ支持」を公言するのが憚られた空気があったからです。僕はその時にいたので知っています。世論調査の無作為抽出の電話がかかってきて、家族がいる前で「トランプ支持」というと白い目で見られるから言わなかった。ネットの調査ですらいえなかった。そんな空気感から、世論調査でのトランプの数字が低く出たのでしょう。ハリー・ポッターではみんな「ヴォルデモート」の名を呼ぶことすら憚りますが、そんな空気感でした。 そしてトランプが大統領になり、すっかりMAGAが共和党を乗っ取りました。もう、トランプ支持を公言することが憚られる空気はありません。昔の「隠れMAGA」は今では堂々とMAGA帽子を被り、MAGAにあらずんば人にあらずとでも言うように大通りの真ん中を闊歩しています。実際、超リベラルな僕の周囲でも、トランプ支持を公言する人が何人かいます。8年前は誰一人いませんでした。 ですから、2016と同じサプライズが起きるとは思いません。ですが、何か他の種類のサプライズが起きる可能性は大いにあります。目下、ちょうど今日のハリスの受諾演説と、翌日のRFKのトランプ支持表明で世論がどう動くかに注目です。そして9月のディベートが大きな山場でしょう。
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