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【必見】コロナで心が疲れているあなたに、伝えたいこと
松木 隆志マウントサイナイ医科大学 精神科 助教授
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自己肯定感が高い人の4大特徴が明らかに!
松木 隆志マウントサイナイ医科大学 精神科 助教授
自己肯定感・自尊心(セルフエスティーム)は心理的な安定感の根幹となるもので、小児期に親や養育者に自己の存在を無条件に肯定される体験を積み重ねることによって涵養されます。こうした体験が乏しいと自己肯定感・自尊心が低くなりがちで、自分で自分を承認できないため、心の安定の拠り所として他者からの承認を追い求め続けることになります。そのため、自分を犠牲にして過剰に他者の期待に応えようとしたり、逆に他者を卑下することで自分の優位性を認識しようとしたりします。
日本では謙虚さを尊ぶ文化から自己肯定感・自尊心が高いことがよくないことのようにみなされる向きもありますが、自己肯定ができる人は他者も肯定できるので自己肯定感・自尊心の高さは謙虚さと二律背反ではありません。
また、よくプライドと自己肯定感・自尊心が混同されますが、これは似て非なるものです。プライド(虚栄心)が高い人はプライドという鎧=防衛機制で低い自尊心が傷つくことを守っているため、他者に対し否定的になったり攻撃的になることが多いです。プライドの高さは実は自己肯定感の低さの裏返しです。
「部下のメンタル不調」を見抜く3つのサイン
松木 隆志マウントサイナイ医科大学 精神科 助教授
私は精神科医として日系企業の米国駐在員の方を数多く診察していますが、メンタルヘルスの不調を上司や会社に知られると人事評価や出世に悪影響が出るのではと懸念し、心身ともにかなり状態が悪くなっても会社では気丈に振る舞って周りに気づかれないようにしている方がかなり多いです。
たとえ上司が部下の不調に気づいたとしても、本人が頑なにそれを認めないケースも多いかと思います。辛い時には我慢せず気軽に相談できるようなカルチャーを会社組織として醸成し、メンタルヘルスの不調での休職や業務負荷の調整が人事評価や出世には影響しないというメッセージを常日頃から従業員に向けて発信していく取り組みが必要だと思います。早期介入によりメンタルヘルスの不調はかなり予防できます。
誰でも一定以上の精神的・肉体的負荷が掛かれば遅かれ早かれ心身の不調をきたします。そもそも真面目で我慢強く、職場で優秀とされる人ほど仕事を抱え込み、ストレスを溜め込んで限界まで我慢してしまい、メンタルヘルスの不調を来しがちです。こうした従業員をメンタルヘルス不調で失うのは企業としても大きな損失だと思います。
1人で悩まないで 緊急事態宣言下での妊婦さんへのメンタルケア、ポイントは
松木 隆志マウントサイナイ医科大学 精神科 助教授
産前産後の周産期うつの発症率はただでさえ平時でもとても多く、実に7人に1人の割合で発症すると言われています。目下のコロナ禍においては、社会的孤立、経済的困窮、感染に対する恐怖などのストレスが加わり、発症率が更に高くなることは想像に難くありません。
母親の健康、生命だけでなく、子供の成長発達に対する産後うつの悪影響を避けるためにも、より積極的な産後うつスクリーニングを実施する必要があると考えます。
スクリーニングのためにはエジンバラ産後うつ病質問票は簡便で、メンタルヘルスの専門家でなくても誰にでも手軽に使用できます。
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/kodomo/koho/youshien_guideline.files/youshien_guideline_2-2-2.pdf
妊娠中、授乳中でも安全に使える抗うつ薬もたくさんあり、多くの場合は治療で症状が軽快します。上記質問票で産前産後うつが疑われる場合は、躊躇わずに精神科専門医を受診して欲しいです。
また、自宅にいながらにして受診できる遠隔診療が普及すれば精神科医への受診の敷居を下げられることが期待できます。日本での遠隔診療の普及推進は喫緊の課題だと思います。
児童虐待、その背後に潜む性的被害 隠れた傷、苦しみ長期に
松木 隆志マウントサイナイ医科大学 精神科 助教授
性的虐待は発覚するのは氷山の一角に過ぎません。
別記事でも紹介した逆境的小児期体験(Adverse Childhood Experiences: ACEs)スコアを用いた米国の大規模調査では、18歳以下で性的虐待を受けたことがあると回答した人は20%以上に上ります。
https://vetoviolence.cdc.gov/apps/phl/resource_center_infographic.html
性的虐待のような辛い体験は、記憶の奥底の無意識下に抑圧されてしまうこと多く、自分でも覚えていない、あるいはそもそも虐待と自覚していないケースも多々あり、実際の被害はもっと多いと思われます。
米国と日本では多少事情が異なるとは思いますが、かなり多くの未成年の方が性的虐待の被害を受けているものと思われます。
性的虐待はメンタルヘルスに深刻かつ長期的な悪影響を及ぼします。私の患者さんでも、小児期の性的トラウマに大人になってからも苦しめられている方がたくさんいらっしゃいます。
日本では行政・警察はまだまだ民事不介入の傾向が強いかと思いますが、児童虐待についてはもっと積極的に介入できるような制度・法整備が必要と考えます。
親から虐待受けた女性は肥満リスク1.6倍 男性は関連見られず 神戸大
松木 隆志マウントサイナイ医科大学 精神科 助教授
この論文だけから「女性のほうが周囲の環境に影響を受けやすい」と推論するのは早計だと考えます。小児機の虐待は男女問わず生涯に渡り心身の健康に悪影響を及ぼし得ます。
虐待と健康リスクの関係はすでに米国で大規模な研究が行われ、その関連が証明されています。男女問わず、虐待は肥満のリスクとなります。
虐待の長期的な心身への悪影響については逆境的小児期体験(Adverse Childhood Experiences: ACEs)スコアを用いた米国の大規模調査が有名です。このスコアが高くなればなるほど、心身の健康へのリスクが大きくなり、平均余命も短くなることが示されています。
https://vetoviolence.cdc.gov/apps/phl/resource_center_infographic.html
虐待防止は社会として本腰を入れて取り組む必要があります。
ACEスコア日本語版
https://www.acesaware.org/wp-content/uploads/2020/06/ACE-Questionnaire-for-Adults-De-Identified-Japanese.pdf
子どもの自殺大幅増加 コロナによる生活変化が影響か
松木 隆志マウントサイナイ医科大学 精神科 助教授
「死にたい」という気持ちを抱いている子供は実はかなり多く、思春期の子供の実に25%近くが希死念慮を抱いたことがあるというデータもあります。
自殺は15歳から39歳の死因の一位であり、10歳から14歳でも二位を占めるほど子供にとっても深刻な問題です。
自殺は衝動的な行為であることが多く、専門家でも事前に予知するのは困難です。特に子供は大人に比べて衝動性が高いため、希死念慮を実行に移してしまうリスクが高いです。
子供が自殺をほのめかしたり、死にたいという気持ちを表現している場合、周囲の大人は決してそれを無視したり軽視してはいけません。本人の気持ちを受け止め、傾聴する必要があるのはもちろんのこと、直ちにメンタルヘルスの専門家に相談する必要があります。
新型コロナ感染者、5人に1人が3カ月内に精神疾患発症
松木 隆志マウントサイナイ医科大学 精神科 助教授
コロナウイルス自体が精神疾患の直接的な原因になると誤解しないように注意が必要です。ウイルスが脳に直接与えるダメージによって多くの患者さんに精神疾患が引き起こされるという証拠は現時点では存在しません。
精神疾患は様々な生物学的・心理的・社会的なストレス因子が複雑に絡み合って発症するため、単一の原因だけで引き起こされるものではありません。
感染による肉体的なダメージに伴う生物学的ストレス因子、ウイルスに対する恐怖感、感染したことへの羞恥心や罪悪感、周囲からの偏見などの心理的ストレス因子、感染に伴う社会的孤立や経済的損失などの社会的ストレス因子が複雑に重なり合い精神疾患のリスクが高まるものと想像されます。
感染による生物学的ストレス因子を減らすことは難しいかもしれませんが、心理的、社会的なストレス因子を減らすための取り組みは可能だと思われます。
「過労自殺」60%は医療機関の受診歴なし ストレス早期把握を
松木 隆志マウントサイナイ医科大学 精神科 助教授
自殺原因のトップであるうつ病は1-2割の人が少なくとも一生に1度は経験するといわれており、ごく一般的な疾患ですが、実際に診断を受けるのは半数程度と少なく、適切な治療を受けている人は患者全体の2割以下とさらに少数です。
うつ病は自殺率が高く、自殺の約80%がうつ病を原因とするものであり、未治療のうつ病患者の実に15%が最終的に自殺により死亡するとする統計もあります。
うつ病を初めて発症した方の場合、本人にうつ状態であるという自覚が乏しいことが多く、症状が客観的にはわかりにくいこともあり、重症になるまでなかなか受診につながらないこともあります。本人の様子がおかしい、いつもと違う思った場合は早めに専門家に相談するように促すことが早期受診、早期治療につながります。
なお、周囲に死ぬことをほのめかすようになった場合は自殺の危険が非常に高いため、決して軽くあしらったり見て見ぬ振りをしたりせず、医療機関に緊急で受診させる必要があります。
竹内結子さん死去 40歳 ドラマ「ストロベリーナイト」、朝ドラ「あすか」 映画、舞台でも活躍
松木 隆志マウントサイナイ医科大学 精神科 助教授
また痛ましいニュースです... 憶測は避けたいですが、1月に出産されていることを考えると、産後うつの可能性も否定できません。
産後うつの発症率は約7人に1人とされています。また、産後の女性の死因のトップが自殺です。ホルモンバランスの変動、妊娠・出産・子育てによる肉体的・心理的なストレスの増大により産前産後はうつ病の発症リスクが高く、うつ症状をすでに産前から発症しているケースも多いですが、残念ながらそうした方のほとんどが精神科専門医による診断、治療を受けていません。
母親の健康、生命だけでなく、子供の成長発達に対する産後うつの悪影響を避けるためにも、周産期医療・福祉の現場や乳幼児検診でもっと積極的な産後うつスクリーニングが実施されることを希望します。
スクリーニングのためにはエジンバラ産後うつ病質問票は簡便で、誰にでも手軽に使用できます。
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/kodomo/koho/youshien_guideline.files/youshien_guideline_2-2-2.pdf
妊娠中、授乳中でも安全に使える抗うつ薬もたくさんあり、多くの場合は治療で症状が軽快します。上記質問票で産前産後うつが疑われる場合は、躊躇わずに精神科専門医を受診して欲しいです。
養老孟司さんに聞きました「“死”は怖くないですか?」
松木 隆志マウントサイナイ医科大学 精神科 助教授
養老先生の死生観に異論を挟む意図は全くありませんが、自殺、メンタルヘルスに関しては非常にミスリーディングな記事であると考えます。
特に下記引用にある「都会」に対する根拠なきディストピア観、及び「田舎」や「昔」に対するユートピア的理想化には危うさを感じます。
>子どもの自殺はいじめが原因とかよく言われるけど、対人ですよね。そんな時、僕は「山に行きなさい」とよく言っています。人の顔ばっかり見ているんじゃなくて。山は「炎上」したりしませんから。「いいね」「わるいね」なんて言いませんよ。>
>物との関係をもっと大きくしたらどうですか。ただ、都会はそれがなかなかできない。僕なんかが子どもの頃だったら、山へ虫捕りに行っちゃう。都会は子育てに向かないんですね。>
この記事は、地方の方が都会よりもメンタルヘルスに有益であるかのような印象を与えますが、地方の方が都会よりも有意に自殺率が高いことは統計的にも裏付けられています。
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/tokusyu/suicide04/7.html
https://www.cdc.gov/media/releases/2017/p1005-rural-suicide-rates.html
精神科臨床医としては、地方の閉鎖的共同体、因習的価値観がメンタルヘルスに与え得る悪影響は決して無視できないと感じます。
山に行くだけで自殺が防げるとしたら精神科医は苦労しません。
新型コロナの後遺症 記憶障害、脱毛、集中力低下など様々な症状が明らかに
松木 隆志マウントサイナイ医科大学 精神科 助教授
フランスからの報告によると、記憶障害、睡眠障害、集中力低下が新型コロナの「後遺症」として高率にあるとのことですが、この報告には様々な欠陥があります。
まず、これはコロナウイルス感染により入院した人のみを対象としていること、そして電話によるアンケート調査による主観的な報告のみに基づいており、客観的な認知機能検査などを行った結果に基づいたものではないことが挙げられます。
コロナウイルスの直接的な影響により記憶障害や認知機能低下が生じることは現時点では考えにくいです。
コロナウイルスに限らず、入院を要するほどの大病をすれば入院中はせん妄などの一過性の意識障害を生じるリスクは高いです。また、退院後も二次的に抑うつ症状、不安症状などを発症し、それに伴う不眠や、主観的な記憶力低下・集中力低下などの症状を自覚する可能性も高いですが、これはコロナウイルスに限った話ではないと思います。
身体的な後遺症については各専門科の先生方に議論を譲りたいと思います。

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