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【独自】プッチンプリン出荷停止の「主犯」はデロイト!グリコのシステム刷新で1年遅延の末に障害発生“ボロボロ案件”の実態 - コンサル大解剖
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小山内 怜治小山内行政書士事務所 代表
さて、この障害、どちらの責任で、どこまでの損害が賠償責任の対象となるのでしょうか。 システム開発の責任の所在は、開発手法(主にウォーターフォール開発・アジャイル開発の別)の違いによって変わってきます(もちろん、最終的には契約内容次第です)。 これほど大規模な影響が出るということは、開発対象は基幹システムやエンタープライズシステムなのでしょう。こうしたシステム開発の場合は、ウォーターフォール開発である場合が多く、その場合は、主に開発側に(プロジェクトマネジメントの)責任が生じやすいです。 他方で、もし本件がアジャイル開発である場合は、発注側にも一定程度の(プロダクトオーナーとしての)責任が発生する場合もあり得ます。 そして、肝心な点が、そもそも開発側に損害賠償責任が発生するのか、という点です。 一般的なシステム開発の契約の場合は、こうした際限の無い損害の発生に備えて、開発側の損害賠償責任を制限したり、場合によっては完全に免責する契約条項が規定されることすらあります。 このような基幹システム・エンタープライズシステムの開発の契約において、完全に免責とする契約条項を発注側が飲み込むとは考えづらいですが、他方で、これほどの障害が予想されたからこそ、完全に免責でないと開発側も引き受けない、とも考えられます。 さらに、完全に免責でなかった場合は、損害の対象がどこまで広がるかが焦点になります。 記事にある点で言えば、「小売店の『棚』を失うこと」のような、いわゆる「逸失利益」が損害賠償の対象となるのかどうかなどが、問題となるでしょう。 こういった損害の範囲についても、通常損害のみなのか特別損害も含むのか、直接損害のみなのか間接損害(いずれも法的な定義はあいまいです)も含むのか、現実に発生したもののみなのか発生していないものを含むのか、等の論点があります。 いずれにせよ、おそらく最終的には訴訟によって解決されるでしょうから、その際の判決には注目したいところです。
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