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【新常識】学べば売上5倍?激アツ「気象ビジネス」の最前線
NewsPicks編集部
谷村 研人国内航空会社 気象予報士
気象予報士や気象データサイエンティストが求められている背景は記事の通りです。気象ビジネス推進コンソーシアムという枠組みもあり、気象データアナリスト養成講座こそないのですが人材育成WGを中心に体験型の講座を年に数回開いてくれています。気象データアナリストの訓練は職業訓練にも分類されるのでウン十万円の受講料もだいぶ安くはなるのですが、、資格を取るとまでいくとまだ門戸は狭い印象です。 もとより、気象を生かす場面はさまざまな業種でたくさんあるのですが、では気象予報士やデータサイエンティストが入れれば魔法のようにさらにビジネスが広がるかというとそうでもありません。むしろこれから必要なのは、今あるそれぞれの業種に詳しい人がプラスアルファとして気象にも詳しくなることでしょう。 例えば食料品メーカーの人が季節ごとの出荷商品のバランスを考えたり、小売店の店先をどうデザインするかというときに天気の傾向とそれによる購買意欲の変化を捉えようとしたりすることです。私も気象予報士ですが、いきなり自動販売機の担当者に「いつごろからホットドリンクのラインナップを増やせばいいか教えてほしい」といわれてもデータも知識も持ち合わせていません。いまそうしたビジネスをやられている方のほうが100倍詳しいわけで、その人が気象の知識を少し持つほうが効果は高いです(脱線しますが世にいうコンサルティング関係のビジネスも本質はこんなものなのかもしれません)。 ところで地表面にやってくる太陽エネルギーの話ですが、温暖化防止という意味では熱になる前の光エネルギーのうちに反射させるのが基本となります。氷河期がやってくると加速度的に気温が下がるのは、雪や氷が光を反射して太陽エネルギーが熱に変わる量が減っていくからで、温暖化になるとこの逆でさらに熱が貯まることが一つの問題となっています。どうやって太陽光が地表に到達する前に反射させるか?ということをまじめに考えている人も大勢いて、気候工学と呼ばれています。
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日テレNEWS NNN
谷村 研人国内航空会社 気象予報士
27日は台風16号由来の暖かく湿った空気を持った低気圧が伊豆諸島付近に発生する、、というのは各国の数値予報モデルでおおむね共通しているところで、それについてはほぼ確実とみてよいでしょう。ただし雨量についてはだいぶばらつきが大きいのが実態です。 最も過激なのは日本の短期予報向けのMSMというモデルで、関東へこの低気圧が上陸してくるとみており雨量が大きく増えるとみています。ところが同じ日本でも地球全体をシミュレーションしているGSMというモデルでは関東の海岸線に近いところをなぞるように通過するとみており、沿岸部や伊豆諸島では大雨となるもののいわゆる関東南部の都市部については大雨とまではいかない状況も大いにあり得る状況です。 また28日には台風16号から崩れた低気圧そのものが関東南岸に接近するとみられており、これも関東へ上陸してくるのかそうでないのかで大きく雨量が異なります。 こうした点で各国の数値予報モデルのばらつきが大きいため、予報の誤差も大きいものとして受け取る必要があります。 現時点での気象庁の予報では関東南部平野部ではおよそ24時間で100mm程度の降水が見込まれるとのことですが、これはまあまあな大雨で、台風が接近して通り過ぎたようなときに降るような雨です。道路が川のようになって低い道路が一部冠水したり、草地などではぬかるみに足をとられるほどの状態となります。そのような大雨になる可能性があるということを意識しておく必要があるでしょう。 また、いずれにしても大雨となりそうな伊豆半島や房総半島の海沿い、また伊豆諸島などでは土砂災害が発生するような雨となる可能性があります。今後の気象情報には十分ご注意ください。
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米アマゾンが「週5日」出勤を義務化…!フリー・アドレス制も廃止するビッグテックの「本当の狙い」
現代ビジネス
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日テレNEWS NNN
谷村 研人国内航空会社 気象予報士
NHKの以下リンクがよくまとまっていると感じます。 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240924/k10014590281000.html この辺りは海底火山の多い場所で、他の地域では津波がないような地震の規模でも数十cmの津波が発生することがあるとして気象庁が他の地域とは違う基準で津波情報を発表しています。24日も実際に地震を観測してすぐに津波注意報を発表したら、図ったように八丈島で津波を観測したというものになります。 昨年10月にも鳥島の南西で地震が相次ぎ津波が観測されることがあるなど、伊豆諸島は海底の火山活動による地震と津波が多い場所です(この火山活動は海底に火口を形成するような噴火であった可能性が指摘されています)。 今回の震源である須美寿島付近は海底に大きなカルデラ(ほぼ箱根のカルデラと同じ規模)があり、火山活動が活発な場所として知られています。今月19日には海水の変色が確認されており海底噴火の恐れがあるとして噴火警報が発表されていたばかりでした。 過去にも2015年などおよそ10年間隔で津波が発生するような地震があり、カルデラへのマグマの流入との関連が疑われています。 今回は海底の火山噴火が本格的に始まったわけではなく、マグマの動きによる地震と海底の地形変化による津波と考えられますので、これからの火山活動の推移によってはさらに大きな活動となり、より大きな津波が発生することも考えなければなりません。現時点で可能性が高いわけではありませんが、念のため注意しておくべきかと考えます。
能登、豪雨で1人死亡3人不明 作業員ら7人安否分からず
共同通信
谷村 研人国内航空会社 気象予報士
今回の能登地方での雨は記録的で、特に輪島のアメダスデータでは、まず午前9時22分までの1時間雨量が121.0mmでこれは1929年5月の輪島測候所設立以来の記録を塗り替えました(それまでのトップは1936年9月の73.7mmでした)。1時間に100mmを超える雨、また3時間に150mmを超える雨は災害が発生する目安の降水量と言われます。 また、24時間降水量についても21日23時現在ですが379.5mmとなりこれも比較可能な統計がある1976年以来最大となります。輪島では9月の平年雨量がおよそ200mmですので、平年のおよそ2か月分の雨が一日で降ってしまったことになります。よく九州や四国で線状降水帯が発生することがありますが、その時の24時間降水量がおよそ400mmというイメージで、今回の輪島の雨は九州や四国で見られるような大雨であったということが言えます。 また言うまでもなく能登半島は今年1月の地震により地盤そのものや砂防、治水設備に大きな損傷があったばかりで、大雨等の警報基準も平時より若干引き下げて運用していました。それでも特別警報については基準は引き下げていませんでしたし、平時でも大きな災害となったであろうと想像されるような雨量となっています。 台風14号の間接的な影響で、湿った空気が南から入り続けたことが原因ですが、普通なら四国や紀伊半島の山にぶつかって水を落とすはずのところが今回は気流が九州の西から北を回って対馬海峡から日本海を通って前線に向かっていたため、山にぶつかって水を落とすことがほとんどなく、むしろ日本海の海面水温が平年より5℃以上高くむしろ水を補給してしまったことが前線の周辺で九州のような大雨が降ったことにつながったと考えられます。 今後心配なのは明日の昼頃までは引き続き台風から変わった低気圧本体の雨雲がかかり続けるとみられ、さらに100mm以上の雨となると予想されていることです。今までの豪雨の事例においても、満身創痍で何とか耐えている地盤に最後の一撃のように雨が降ることで大きな土砂災害になった事例は枚挙にいとまがありません。今回もそうなる恐れが高く、警戒は最大級で構えておく必要があります。被災してしまった方の一刻も早い救助と避難が望まれます。
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三連休は東北、北陸を中心に大雨 全国的に風が強く荒天のおそれ
ウェザーニュース
谷村 研人国内航空会社 気象予報士
台風14号は20日日中にいったん組織的な積乱雲を失い、風も弱くなり台風としての勢力はいったん失ったような状態となりましたが、数時間前から再び海上に出たところで暖かい海からの水蒸気の補給を受けて積乱雲が再び勢いを増しつつあります。 今後台風としてさらに発達してくる可能性は低いのですが、台風が発達できるかどうかというような湿った空気をまとったまま、上空の気圧の谷との兼ね合いで温帯低気圧として発達することが見込まれています。従ってただの温帯低気圧ではなく台風由来の湿った空気をエネルギー源とした積乱雲の塊が通過していくというイメージのほうが近くなります。 低気圧や前線が通過する韓国や本州の日本海側、特に東北地方ではまとまった雨量となりそうです(まだ秋雨っぽい気圧配置になっていませんでしたが、どちらかと言えば梅雨末期の東北地方への大雨という状況に近いものとなりそうです)。前線の南側でも雨はさほどではないものの強い風が吹き込む見込みです。行楽シーズンでもあることから、交通機関の情報も含めて気象情報には注意が必要となりますので特に東北へお出かけの方はお気を付けください。 また、連休明けにも本州付近を発達しながら低気圧が通過することが見込まれており、こちらについても交通機関へ影響を及ぼすことが懸念されます。こちらの動向にも注意が必要ですので、気象情報のチェックは欠かさずお願いいたします。
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異常気象で稼ぐ。ビジネスを任せられる「お天気AI」が超優秀
NewsPicks編集部
谷村 研人国内航空会社 気象予報士
天気予報そのものを出して商売しようというよりも、例えば気温が高いから熱中症対策が必要ですよとか、急な雨で傘が売れるよとか、そのように天気によって発生する変化のほうを予想して示すことで、より受け手にとって分かりやすく判断がつきやすい情報を提供しているということですね。まさに私が行っている仕事そのものということもできますが、要するにお天気コンサルタントともいえるものです。 日本でも似たようなビジネスの展開は進んでいて、有名なのは天気に関連するいろいろな要素を飲食店のデータと突き合わせてみたところ、晴れの日は来客数が多いものの滞在時間が短く客単価が低い傾向があるのに対し、雨の日は来客数は減るものの滞在時間が割合長くなり客単価も高くなり注文するメニューにも変化があるなどいろいろなことが分かり、アルバイトの人手を多く張る日程なども事前に考えることができるようになったというものが挙げられます。 また小売店や自動販売機の品ぞろえについても担当者の経験と勘によるものではなく、データドリブンな仕組みを作ることで担当者も知らなかったような気象その他のデータとの関連性が見つかり、より効率的なビジネスができるようになったという話もよく耳にします。 航空業界などのように、気象が特定のビジネスに直接影響してしまう場合はイメージしやすい分、すでにそれなりの経験と技術を持った人たちがいるのですが、小売店などとなると晴れの日雨の日の集客の違いくらいはすぐにイメージできるものの気温が高い日や低い日、湿度による差などいろいろな要素が絡む分析をきちんとは行えていないのが実態ではないかと思います。そうした層にアプローチするには「天気予報を買いませんか?」というよりは「AIによる販売データ分析をしてみませんか?」というほうがはるかにイメージが湧きやすいものと思います。 日本の気象ビジネスの現場では、そうした気象データとビジネスのデータを共に掛け合わせて分析するデータサイエンティストを増やそうという試みもあり、AIによる分析とどちらが受けるのか、また精度が高いのはどちらかという意味で興味はあります。
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【挑戦】JAL・ANAとは戦わない。「スタートアップ航空」の勝算
NewsPicks編集部
谷村 研人国内航空会社 気象予報士
航空業界ではLCCなども含めるとここ10年ほどは新興企業が多く立ち上がっており、その動き自体は人材の流動化など良い面も多いと感じています。 ただ航空は金融機関に近い規制産業でもあり、ボトルネックが多く存在します。このエアラインについて心配なのは、 ・地上業務(チェックイン、保安検査、機体の誘導や搭載作業、警備や給油)は誰に委託するつもりなのか →既存大手航空会社の受託で手一杯の会社もあり、そう簡単に委託先が見つけられない場合あり ・機体整備はどこを基地としてどのように行うか →整備は特に規制当局の目も厳しく、本当に少ない機材を効率的に回せるのか(鳥に当たっただけで整備士の確認が必要として引き返しが必要なこともあります) ・規制当局(航空局)と適切な交渉を行えるか →当局側に既存大手からの出向者も多く、要するに新規参入を歓迎するどころか難癖をつけて潰そうとすることもあるのに対し、毅然とした態度と確かな知識や経験をもって対応できるか ・適切な財務基盤があるか →航空業界は新規参入から5年はまず黒字化せず、10年後になんとか黒字化できるか、累積債務解消はいつ?という感覚ですが、株主にしっかり理解されているか、経営者が適切な説明を行えるか パイロットは人手不足ではあるものの、何とかなるという感覚です。ところが上述の点で躓くことが多いという印象です。 そういう意味では既存大手との競合を可能な限り避けて新規需要の獲得に振り切っているのは良策と考えます。 これからの発展に期待です。
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台風13号が発生 今週末は3連休…大雨が降る可能性も 一方9月になっても続く暑さ かき氷店は夜でも満席に【news23】
TBS NEWS DIG
谷村 研人国内航空会社 気象予報士
この台風についてはいくつかの数値予報モデルごとのばらつきや、起算時刻の違いによるばらつきがあまりなく、太平洋高気圧の縁を回り込む形で安定して南西諸島方面への進路を示唆しています。現時点では気象庁の予報通りで、およそ14日の夜に南西諸島方面、その後15日夜には中国大陸へ接近という見込みとなっており、この海域を通過する台風としてはそれなりに足早に通過していく見込みです。 勢力については上空の風がやや強い状態が続き発生した雲が風で流れやすい状態が続くため、猛烈な勢力などとなる可能性は低いのですが、それでも南西諸島方面に強まりながら接近すると見込まれますので油断はできません。何でしたらその後東シナ海でも発達を続けて中国大陸へ接近すると見込まれており、強い台風が上陸することの少ない中国としてはかなりの警戒を要するレベルと見込まれます。 南でこのような台風があると、本州付近では上昇気流の反動で高気圧が勢力を強めます。少なくとも来週中ごろにかけては引き続き真夏のような残暑が残りそうですので、体調管理についてもご注意ください。 台風13号が通過した後も、南西諸島方面では熱帯低気圧が発生しやすい状況が続くと見込まれていますので、秋分の日の三連休への影響も気になるところです。最新の気象情報の確認をお願い致します。
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アトランタ空港で羽田行きのデルタ航空機が別の航空機に接触 双方の機体損傷もけが人なし
TBS NEWS DIG
谷村 研人国内航空会社 気象予報士
混雑空港ではこういうことに気を付けなければならないという最たる例、という印象です。昨年6月に羽田でもタイ航空機の右翼端がエバー航空機の水平尾翼と接触する事故がありましたが、似たような状況で発生しています。 写真からでは分かりにくいですがぶつけられた機体はもともとT字翼といって垂直尾翼の上部に水平尾翼がついている機体です。垂直尾翼がごっそり機体の左側にねじれて落ちています。 前にいたエンデバー航空機CRJのほうが先に離陸する順番であったものの滑走路手前で順番待ちで待機、その後にデルタ航空機A350が続いているという状況でした。 ここでデルタ機に何らかの異常があり、離陸せずに誘導路上で停止できる場所を管制官からもらっていたようです。指示された場所へ行こうとして先行していたエンデバー機に翼端をぶつけてしまった模様です。 推測ですが、視点の高いデルタ機側からはエンデバー機がよく見えていなかったかもしれませんし、またそもそも発生した異常(おそらくコンピュータが発した何らかの警告)への対応に気を取られて右斜め前への注意が散漫になったかもしれません。 航空機も、衝突防止装置の普及その他安全対策の浸透により空中で衝突という事故はめっきり聞かなくなりましたが、その代わり残っているのが地上での衝突です。航空機の地上での位置把握の技術も進んできているので、ここはテクノロジーでカバーしたいところです。
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ダブル熱帯低気圧が発生予想、一つは沖縄を西進、もう一つは日本の南に北上か(杉江勇次) - エキスパート
Yahoo!ニュース
谷村 研人国内航空会社 気象予報士
沖縄付近の熱帯低気圧は、さほど強く発達するようなものではないのですが、周辺の雨雲や風がやや強い状態で東シナ海を進んでいきそうです。沖縄や奄美周辺では11日にかけて熱帯低気圧周辺の雨や風が強い影響を受けそうですので局地的な大雨に注意が必要です。 いっぽうで問題なのはグアム島の南側の熱帯低気圧で、これが今後数日かけて北西方向に進みつつ発達してくる見込みです。上空の風がやや強い状況の中を進んでくるためにせっかく発達した雲も流れてしまうと見込まれるため急発達するなどということはなさそうですが、太平洋高気圧の縁を進むように北西方向に進んでくる見込みで、沖縄や西日本への接近が心配されるものです。これが一週間くらい後なのでしょうと思いがちなところですが、すでに14日には日本付近にかなり接近してくる見込みで、割と足早です。今後の情報には十分ご注意ください。 またさらに問題なのはこの後も16日ごろに同じような位置に熱帯低気圧が発生し、19日ごろにかけて南西諸島に接近すると予想している数値予報モデルがあることで、今後しばらく北西太平洋は熱帯低気圧の製造工場のような雰囲気となりそうです。 本州付近はというと、日本の南に熱帯低気圧があって雲の活動が活発だと、その反動で日本付近では高気圧が発達しやすく、夏の高気圧がしばらく居座ることになりそうです。残暑がしばらく続くことになりそうですし、今後接近が予想される熱帯低気圧の位置によっては本州付近も前回の台風10号のような大雨が大いにあり得る状況です。先月末から似たような状況が続きますが、気象情報はこまめに確認いただくようお願いいたします。
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エアバスA350、欧州当局がエンジン点検義務付けへ-火災発生確認
Bloomberg.com
谷村 研人国内航空会社 気象予報士
エアバスやロールスロイスを所管するEASA(欧州航空安全機関)が緊急の耐空性改善命令を発行しました。 https://ad.easa.europa.eu/ad/2024-0174-E 対象はA350-1000のTrent XWB-97というエンジンとなります。各社長距離国際線に投入している飛行機であり、全世界で87機が運用中です。 とりあえずのものであり、さらなる追加対応を指示する可能性があるとしていますが、燃料ホースについてまずは確認するようにという内容になっています。ある程度飛行時間や飛行サイクルを重ねているエンジンについては至急の確認を指示しており、新しいエンジンについても30日以内の確認を指示しています。 エンジンカウルを開ければ確認できる部分ですので、各社とも確認はすぐに終えるでしょう(事実日本で当該機を使うJALはすでに検査を終了しています)。 おそらくキャセイ機で発生した事象が、燃料ホースからの何らかの形での燃料漏れ→燃焼室外で着火してしまいエンジン火災に発展という流れであったのだろうと想像されます。飛行機の燃料ホースは当然ながらゴム製などではなく金属編組で高温高圧に耐えるホースなのですが、何らかの形でエロ―ジョン(機械的摩耗)を受けたのではないかと考えられます。 航空機にとって金属疲労やエロ―ジョンはよくあるケースで、今回もその一つということになりそうです。
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台風情報、発生可能性の早期発信を検討 1週間前や1カ月前から
毎日新聞
谷村 研人国内航空会社 気象予報士
日本は良くも悪くも台風に慣れているというのが私の理解です。 台風の位置と大きさ、風速を聞いてどんなものであるのか、予報円を見てどっちに行きそうなのかが瞬時に理解できる国はあまりありません。 台風に慣れていない国では、天変地異がやってくるなら避難は当然、鉄道も計画運休で当然、むしろ何でそんな日に社会を動かす必要があるのかというような調子であり、雨や風はそうでもなかった、新幹線も動かせたはずだ、などと後出しじゃんけんで批評されるようなことはありません。ところが日本のように日常的に台風が来る国では、毎回社会を止めていたのでは回らない部分もあり、うまく付き合っていく必要があるということになります。 また、台風で建築工事が進まないことや、農地が水浸しになって農産物がだめになること、また旅行の予定が台風でキャンセルになることなど、こうした台風でもたらされる有形無形の不利益にも慣れっこになってしまい、本当なら失わなくてもよかったものがあるはずで、今回の検討会においては社会の高度化を目指すにあたり改めて考えてみようというスタートラインに立っています。 ところで台風の予報については、肌感覚ですが台風発生がおよそ10日前ごろ、その台風のおよその進路がおよそ7日前、日本のどのあたりに来そうなのか(東日本か西日本か沖縄かという粒度で)がおよそ5日前というようなのが現在の数値予報を利用した台風予報の限界であるように感じます。それよりも前となるとAIを活用するのが近道なのかもしれません。応用すれば「来月は沖縄付近で台風が来る可能性が平年並みかやや高い」程度のことは言えるようになるかもしれません。 また今回の会議のもう一つの議題は、いろいろな個性や特徴がある台風についてどのようにそのポイントを伝えるかというものです。例えば先般の台風10号が良い例で、ふらふらと進路が定まらない中でヒタヒタと発達し、鹿児島付近にいるときには中心付近の風速が大きな問題でした。ところが台風が弱まるにつれ今度は周辺も含めた大雨のほうが問題となり始め、台風が九州を抜けるころにはもう中心付近ではなく関東や東海での大雨のほうが深刻になっていました。台風の位置や大きさだけではなく、台風がどのような特徴を持っているのかをどのような表現で伝えるのかという部分を追求したいというのが今回の検討会のもう一つの目標となっています。
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エアバスA350でエンジン問題か、キャセイ航空が全機点検へ
Bloomberg.com
谷村 研人国内航空会社 気象予報士
2日に香港発チューリヒ行のキャセイ航空383便(A350-1000)で離陸直後にエンジン火災を示す警報が作動し、指示に従いエンジン消火、燃料投棄後香港へ帰投したという事例がありました(燃料投棄は機体の重量を軽くするためのもので、今回の流れ自体はエンジン火災における流れとしてはスタンダードでありおかしな状況はありません)。 その後の調べでエンジンの燃料系統(燃料ノズルとの報道あり)についてキャセイ航空が不具合を見つけ、同型機のA350について一時全機を飛行停止、その後A350-1000に限定されることがわかり、保有する18機中3機について不具合のある部品を交換し現在は15機を飛行停止として部品交換を待っているとのことです。キャセイ航空は数日以内に残る15機についても部品交換が完了する見通しとしています。 この過程で当然エアバス社やエンジンメーカーであるロールスロイス社にも連絡が行っているはずで、全世界のA350-1000に共通の問題であるならばメーカー側から適切な指示が他の航空会社にも行くはず、ということになります。現時点ではキャセイと同様にA350-1000を飛行停止にしているエアラインはありませんが、今後同様の事例が波及していく懸念はあります(A350はロールスロイス社がエンジンを独占供給する機体であり、エンジンに共通の問題があれば全世界で飛行停止になる懸念は十分にあります)。 航空規制当局も当然黙ってはおらず、現時点で目立ったコメントや動きはないものの、特に機体やエンジンメーカーを直接見ている欧州航空安全機関(EASA)が飛行停止措置などを取らないかが注目されます(過去にあった737MAXの飛行停止措置の場合はまず2回目の事故があったインドネシア当局が、その後1回目のエチオピア、そして中国・欧州など他の国の航空規制当局による動きが続いたという状況でした)。
2年連続で最も暑かった 日本の今夏の平均気温が統計史上最高タイに 平年差+1.76℃で2023年に並ぶ
TBS NEWS DIG
谷村 研人国内航空会社 気象予報士
気象庁が運営する異常気象分析検討会の検討結果が気象庁HPでリリースされていますが、それに関する記事となります。 ・昨年と平均気温こそ同じですがアメダス地点での猛暑日の日数は断トツで9000回近くで、昨年や2018年よりも2000回ほど多くトップになりました。 ・日本近海については平均海面水温が平年比で+1.5℃で、データがあるここ40年で最高を更新しました。 気圧配置が日本各地にフェーン現象をもたらしやすかったこと、対流圏そのものの気温も高くさらに上空の高気圧に覆われ海の気温も高かったことから猛暑日を観測する地点数が多くなったと考えられます。 また海の温度が高いことが日本付近が全体に熱帯のように湿っている原因となっており、これが今度の台風10号の大雨や、その他不安定な天気、また7月の山形・秋田での大雨などにつながったと考えられます(気温が1℃高いと空気が含むことができる水蒸気量は7%増えます。乱暴に言えば降水量がその分増えるということを意味します)。 特に海については、現在は太平洋はエルニーニョからラニーニャへの移行期でありニュートラル、またインド洋もインド洋ダイポールモードはニュートラルであることがポイントです。ニュートラルでありながら全般に水温が高くなっている傾向です。 世界的にも高温傾向・多雨傾向が各地で出ており、少雨傾向はメキシコと東欧の一部くらいでしかありません。地球温暖化と単純な対応というわけではありませんが、海の温度が高くなっていることが気候全体に地味に効いてきているような印象を持ちます。 ちなみに7月の日本付近における高温傾向および多雨傾向については地球温暖化の関与が強く疑われる結果がイベントアトリビューションという手法を用いて示されています。例えば高温傾向については現在気候でも10年に一回のレベルですが、温暖化がない気候においてはほぼ発生しない確率の現象であるとのことです。 温暖化による地球の気候への影響は今後も出てくるものと思われます。防災予算の増大や農業への影響が当面の心配事となります。
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TBS NEWS DIG
谷村 研人国内航空会社 気象予報士
今回の台風はまさに雨台風で、この10日間の雨量は静岡の多いところで平年比16倍に達したところがあり、8月の雨量としても平年の6倍となりました。その他全国的にも8月の雨量が平年比で2倍以上という地点がほとんど(一部の日本海側で雨が平年比で少なかった程度)です。一方で事前の洪水対策が功を奏した面が大きく、これほどの大雨にも関わらず河川の氾濫や大規模な水害はあまり発生しませんでした。 また東海道新幹線は3年前に熱海で発生した土石流災害の反省から沿線の土壌雨量指数が基準を上回ると運転を見合わせるようになっており、これにより基準超過と運転見合わせが急増した中で無理に運転しようとしてたびたびトラブルが発生した経緯から、計画運休をどんどん出すようになった、というものでした。これの是非はまた議論されることになりますが、下手をすれば数万人が新幹線車内で夜を明かすようなことになっていたと考えると、無理をしない姿勢にはそれなりに意味があったというものでしょう。一方で足を失った外国人観光客が途方に暮れてしまうなど、これまでとは別の面での課題もあり、対策が急がれる部分もあります。 次の台風は今週末にかけて中国南部へ向かう見込みですが、これと対になるように太平洋上にも新たな熱帯低気圧が発生する見込みで、引き続き上空のジェット気流は北海道付近まで北上していることから台風を流す風がなく台風10号と似たように複雑な進路を取る可能性もあります。日本付近は9月ごろが台風シーズンど真ん中となりますので、引き続き台風にはご注意ください。
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「台風10号」は「熱帯低気圧」に SNSでも話題…なぜ「温帯低気圧」ではない? 「熱帯低気圧」「温帯低気圧」の違いは?(BSS山陰放送)
Yahoo!ニュース
谷村 研人国内航空会社 気象予報士
気象に詳しい方ならば、熱帯低気圧→台風への昇格基準(風速17.2m/s)はご存知です。したがって、その逆(台風→熱帯低気圧への降格)は容易に想像できますし、実際に風速を基準としてその通りに運用されています(今回もそうですが、実際には海上に置き換えた風速で考えますので降格はかなり慎重に取り扱われます)。 ところでよくあるのは台風→温帯低気圧への変更です。ただの降格というイメージがありますが熱帯低気圧への降格とは意味が全く異なります。記事中にあるように、台風や熱帯低気圧はいわゆる熱帯の暖かい海からのエネルギーを集めた存在であり、一方で温帯低気圧は寒気と暖気の温度差によって駆動されるものであり、性質が全く異なります。 したがって台風から温帯低気圧へ変化したというのは、野球選手がサッカー選手に転向したようなイメージで、全く違う競技に鞍替えしたようなものになります。 防災上の注意点については、台風とは中心付近に最大風速をもたらす強い積乱雲があるというのが一般的で、中心から数百キロ以上離れれば直接的な影響はないのが普通ですが、温帯低気圧については爆弾低気圧のように発達する場合においては下手な台風よりも広い範囲に強風や暴風が吹くことがあり、被害も広い範囲に及ぶことがあります。 例えば歴史に見る洞爺丸台風はこの典型例で、台風が温帯低気圧になりながら猛烈に発達する状態となり、北日本を中心に暴風による被害を与えたほか、函館で待機していた青函連絡船が風が落ち着いた隙を狙って出港したところすぐに吹き返しの風となり一網打尽となって大きな海難事故となり台風の名前の由来ともなりました。 したがって台風が熱帯低気圧になるというのは一軍選手が二軍選手になるというような意味合いに近い(それでもプロの選手なので、大雨を降らせるくらいの力はあります)のですが、台風が温帯低気圧になるというのはプロとして参加する競技を変えてさらに活躍する、というイメージに近い場合があり、もう雨や風がないという意味ではありません。十分に気を付けたいところです。
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