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【驚愕】「若返り」のため、孫の血を注入してみた
NewsPicks編集部
山田 悠史マウントサイナイ大学 アシスタントプロフェッサー
素晴らしい好奇心と探究心だとは思いますが、残念ながら本人たちには百害あって一利なしになる可能性が十分あるばかりか、後世にもエビデンスとして残すことが難しい結果になってしまうと思います。 根拠にされたマウスでの結果は、哺乳類ひいては人類では全く逆の結果になることも珍しくありません。実際この長寿の研究においても、シリコンバレーの人々が根拠にしているマウスの研究でカロリー制限が20%から最大50%まで寿命を延長した結果が示されても、ひとたび齧歯類を離れると、他の実験動物では寿命延長効果を示すことが難しくなっています。 カロリー制限ならば実害がまだ少なくて済むかもしれませんが、血漿交換は読んで字のとごく血の入れ換えが行われます。どれだけ合併症のリスクがあるかは想像に難しくないことでしょう。逆に合併症の影響で、その炎症からエイジングを加速するリスクもあるわけです。 また、仮に彼らの間で何らかの結果が得られたとしても、それが偶然の結果なのか、別の要因が働いたのか、本当に血漿交換の効果と言っていたのかは、この一例だけで結論づけることは難しいでしょう。実は「壮大」ではなく、「とても小さな実験」になってしまっているのです。まずはこの親子に何の合併症も起きないことを願うばかりです。
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マスク氏医療機器会社、脳インプラントのヒト試験へFDA承認取得
Reuters
ソフトコンタクトに有害な化学物質が含まれている可能性
NewsPicks編集部
山田 悠史マウントサイナイ大学 アシスタントプロフェッサー
PFASは、食品の容器や包装、焦げ付き防止機能のついた調理器具、汚れ防止加工されたカーペットや衣類、防水の衣類、さまざまな化粧品など、身近な幅広い製品に使用されています。 このため、PFASへの曝露は飲料水、空気、食品の容器、調理器具などのさまざまな経路を介して起こっている可能性があります。先進国のほとんどの人はこのPFAS に曝露されていると考えられています。 記事で紹介されているような健康リスクの可能性から、血液中の PFAS を測定する血液検査が必要かという疑問も起こります。しかし、どのぐらいのレベルで有害なのかのエビデンスは限られており、 結果に基づいた対応も難しいため、今のところ血液検査は推奨されていません。 ただし、よりエビデンスが蓄積されてくれば、そのようなことが今後推奨されるようになる可能性もあります。今回のコンタクトレンズの件も、現状の内容では三段論法や四段論法になっており、だからどうすれば良いかの具体的なアクションには結びつかない内容となっています。 コンタクトレンズの使用中止を推奨するアクションに繋がりうるとすれば、該当の製品の使用者の血液中の濃度を調査し、高濃度に検出されるケースが多いのであれば、そうなるのかもしれません。この場合、現時点では PFASを体から除去したり、排泄を促進したりする方法がないことに留意する必要があり、該当者は甲状腺機能検査や一部のがんの兆候がないかを評価する必要があるのかもしれません。逆に、全く無視できるものなのかもしれません。
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壮大なアンチエイジング実験-IT起業家、親子3世代の血漿交換実践
Bloomberg.com
山田 悠史マウントサイナイ大学 アシスタントプロフェッサー
素晴らしい好奇心と探究心だとは思いますが、残念ながら本人たちには百害あって一利なしになる可能性が十分あるばかりか、後世にもエビデンスとして残すことが難しい結果になってしまうと思います。 根拠にされたマウスでの結果は、哺乳類ひいては人類では全く逆の結果になることも珍しくありません。実際この長寿の研究においても、シリコンバレーの人々が根拠にしているマウスの研究でカロリー制限が20%から最大50%まで寿命を延長した結果が示されても、ひとたび齧歯類を離れると、他の実験動物では寿命延長効果を示すことが難しくなっています。 カロリー制限ならば実害がまだ少なくて済むかもしれませんが、血漿交換は読んで字のとごく血の入れ換えが行われます。どれだけ合併症のリスクがあるかは想像に難しくないことでしょう。逆に合併症の影響で、その炎症からエイジングを加速するリスクもあるわけです。 また、仮に彼らの間で何らかの結果が得られたとしても、それが偶然の結果なのか、別の要因が働いたのか、本当に血漿交換の効果と言っていたのかは、この一例だけで結論づけることは難しいでしょう。実は「壮大」ではなく、「とても小さな実験」になってしまっているのです。まずはこの親子に何の合併症も起きないことを願うばかりです。
米、子の肺炎予防ワクチン承認へ 妊婦に接種
共同通信
山田 悠史マウントサイナイ大学 アシスタントプロフェッサー
RSウイルスワクチンは、米国では先に高齢者を対象としてGSK社製のワクチンの承認が行われています。今回はファイザー社のもので、接種対象は妊婦となっていますが、実際に肺炎を予防する対象となっているのは生後6ヶ月以内のお子さんです。 このRSウイルス感染症は特に生後6ヶ月以内で重症化しやすいことが知られているからです。これらの世代では命を守るワクチンとなりうるため、「待望のワクチン」でもありました。 背景となった研究の結果はすでにNEJM誌に報告されています(参考文献)。 その結果によると、生後90日以内に重度の肺炎が発生したのは、ワクチン群では乳児6名、プラセボ群では乳児33名でした。この結果から、ワクチンの有効性は81.8%と算出されています。また、生後180日以内で評価すると、ワクチンの有効性は69.4%と算出されました。 有害事象の発生率は、ワクチン群(母親13.8%、乳児37.1%)とプラセボ群(それぞれ13.1%、34.5%)で差を認めませんでした。 以上から、ワクチンが有効で安全であると示唆されています。順当にいけば、まずは高齢者や子ども世代でこのRSウイルスワクチンが標準化していくものと考えられます。 参考文献 https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2216480
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【必読】冷凍食品、ファストフードが「危険」なもう一つの理由
NewsPicks編集部
山田 悠史マウントサイナイ大学 アシスタントプロフェッサー
米国の良心的な記事で、因果関係と関連性をしっかりと区別して記述しているところに好感がもてます。 実際のところ、認知症やメンタルヘルスと超加工食品の摂取との間に因果関係があるのかは十分にはわかっていません。ただし、繰り返しの研究の積み重ねから、がんや心臓の病気への影響は確からしいものになっており、いずれにせよ、減らしたい食品だと考えるべきでしょう。 これら超加工食品の摂取が習慣的に多いという場合、あまりに生活に浸透してしまっており、突然やめるというのは難しい選択でしょう。いきなり極力減らそうとするのではなく、どうすれば少しでも減らせるか、その第一歩を検討することが大切です。 超加工食品は、特定の栄養素の血液中の濃度を急上昇させ、違法ドラッグのようなプロセスで習慣性をもたらす可能性も指摘されてきています。「美味しい」「また食べたい」と思わされるのは、サブスクリプションを導く徹底した加工食品企業の追求の賜物である可能性があるということです。あなたの「幸せ」はコントロールされたものかもしれません。 そう思うと、「それでも好きだから食べる」という思考過程、景色は少し変わって見えてくるかもしれません。
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