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コロナ感染による肺炎で、認知症の発症リスクが上昇
Forbes JAPAN
山田 悠史マウントサイナイ大学病院 米国内科専門医
この研究からコロナ肺炎と認知症発症リスクの関連を結論づけて良いのかは、明らかでない点も多いと感じます。だからこそ、CIDと呼ばれる上位の医学雑誌に掲載とはならず、OFIDと呼ばれる下位の雑誌への掲載が決まったのではないかとも深読みします。 数字を素直に受けとると、コロナによる肺炎と一般の肺炎で0.5%の差がついた、すなわち1000人中5人の差がついたということになるのですが、この研究では一部の持病の差は調整されているものの、例えば背景の教育レベルなど比較的クリティカルと思われる要素について調整を十分できていません。 新型コロナのパンデミックでは、ワクチン未接種の層が圧倒的に多く肺炎を発症してきたため、その層に偏りがある可能性が高いと思います。 あるいは、新型コロナの「後遺症」としてよく見られている抑うつ症状や集中力の低下が長期に認知機能に影響を及ぼしている可能性が否定できず、「認知症」の過剰診断につながっている可能性も懸念します。これはまさに、現場で私たちが頭を悩ましている点でもあるからです。 これらの点から、本研究から新型コロナ肺炎と認知症の関連を結論づけられるかには疑問が残ります。まだ引き続き研究の蓄積が望まれる領域であると考えます。 (にもかかわらず、雑誌記事のタイトルでは割り切って言い切られてしまうことも多いのですが、そんなに物事はシンプルではないのです。) 引用文献:https://academic.oup.com/ofid/article/9/4/ofac115/6543929
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リリーが開発中の肥満治療薬、体重20%の減量に効果-後期臨床試験
Bloomberg
山田 悠史マウントサイナイ大学病院 米国内科専門医
ここで紹介されているチルゼパチドという薬は、GLP-1とGIPと呼ばれる2種類のホルモン(いずれもインクレチンという大きな括りに属するホルモン)のように作用して働く薬です。GLP-1として働く薬はこれまでも使われていますが、両者の作用を持つ薬としては、はじめてのものになるかと思います。 このインクレチンと呼ばれるホルモンは、体の中のインスリンの分泌を助けて血糖値を下げるだけでなく、胃の動きを抑えるので、食事を摂れる量が減り、体重減少につながります。 この薬は、皮下注射しなければいけない点がインスリンや他のGLP-1作動薬同様、障壁になると思いますが、血糖値のコントロールおよび体重減少への効果は、第3相試験の結果で著しく見られており、今後重宝される薬になりうると思います。 今後の懸念点は、GLP-1作動薬同様、肥満のない方への不適切なダイエットのために自由診療や個人輸入で用いられうることです。そこに健康へのベネフィットは考えにくく、むしろ悪影響が考えられますが、すでにGLP-1作動薬でも行われており、懸念されます。 参考文献 https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(21)01324-6/fulltext
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