Picks
21フォロー
15963フォロワー


イラン大統領、サウジ訪問へ 外交関係正常化合意で招待状
菅原 出国際政治アナリスト 危機管理コンサルタント
3月10日に中国で発表されたサウジ・イラン合意では、2ヶ月以内にテヘランとリヤドにある大使館を再開させること、2001年に署名された安全保障協力協定の復活や、貿易、投資、技術、文化に関する協力を強化するための1998年の協定を再開させることでも合意されています。
これらの協定は、イラン革命後の1980年代に両国が外交関係を断絶した後、当時の大きな打開策となったもので、これらの協定には多くの経済、安全保障、政治協力、ハイレベルな外交接触が含まれていました。
イランとサウジアラビアの関係は、1997年から2005-06年までの間かなり良好でしたが、両国間にあの頃に戻そうという意図があるようです。サウジはイランへの投資も活発化させるようですし、イランはイエメン・フーシ派への武器支援もストップさせました。中東は緊張緩和の方向に大きく進んでおり、イランに圧力をかけて緊張を高めようと思っていた米・イスラエルが完全にはしごを外された形です。
バーレーン・イランの国交正常化も続きます。一気にイスラエルが追い込まれる側に形勢が逆転。中国の仲介はまさにゲームチェンジャーになりそうです。

【驚愕】プーチンの私兵軍団「ワグネル」とは何者か
菅原 出国際政治アナリスト 危機管理コンサルタント
黒井さんが指摘している通り、バフムトの戦闘でワグネルは弱体化し「捨て駒」にされる可能性が高いと思います。プリゴジンは、ウクライナ戦争の初期で大失敗をやらかしてプーチンの信頼を失ったロシア軍指導部に代わり、一定期間プーチンの絶大なる信頼を勝ち得たようです。ワグネルは軍の武器弾薬などにアクセスすることを許され、刑務所から囚人たちをリクルートすることも許されましたが、昨年11月以降、その流れは変わりました。
プリゴジンが政治工作を進めて国防省内や政界に影響力を拡大させようとし、ロシア軍指導部に対する批判を展開しまくったこと等から、プーチンの信頼を失ったものと思われます。プーチンとロシア軍指導部は今、バフムトでワグネルとウクライナ軍が死闘を演じて両者が消耗するのを待っているようです。ワグネルは文字通り「捨て駒」です。
プリゴジンはロシア国防省に対して武器弾薬の補給を嘆願して代理人を送りましたが、ロシア軍司令部へ出入り禁止になったことが先週報じられました。ワグネルはもう刑務所から囚人をリクルートすることができず、代わってロシア軍が囚人たちのリクルートをはじめています。
影の部隊であるべきプリゴジンのような存在がこれだけ表に出てきたということは、その力がピークを過ぎたということを意味します。クレムリンは、すでにロシアの国有エネルギー企業ガスプロムを通じて、新しい民間軍事会社を設立する動きを見せています。
ワグネルの「最後」がウクライナ戦争にどのような影響を与えるのか、今後の動向に注目したいと思います。
バイデン米政権に痛手=中東での影響力低下警戒―サウジとイラン関係修復
菅原 出国際政治アナリスト 危機管理コンサルタント
バイデン政権は、米国に優位な「戦略的環境」を形成し、中国に対抗していく戦略を進めてきました。これはイランに対抗し、イランを孤立させるためにアラブ諸国とイスラエルの関係改善を進め、軍事的な同盟まで持っていき、いわゆる中東版NATOにしてイランを封じ込めようというもの。そのためにもサウジアラビアとイスラエルの関係正常化がカギで、水面下でこの交渉を続けていました。
「だが、サウジとイランの関係修復を中国が仲介したことは米国の思惑とは逆行する動き」とこの記事で書かれている通り、中国は米国に先んじてサウジとイランの関係正常化をまとめてしまいました。サウジは米国に対して、「イスラエルとの関係修復には米国による安全保障と核開発支援が必要」と条件を提示していましたが、米国がこの2つを提供しないとサウジは考えたのでしょう。それよりもむしろ、中国を介してイランと直接関係を持ち、イランから「サウジを攻撃しない」保証を得た方がいいと考えたのだと思います。イランがサウジに安全を保証し、そのディールを中国が保証する。それができればサウジが米国の提案するアラブ・イスラエル同盟に加わる意味はなくなります。
つまり、中国がサウジ・イランの関係修復をまとめたことで、米国の中東版NATO構想は崩れたことになります。これを受けて米国がどう巻き返すのか?ここで米国が黙っていれば、中東は事実上中国の勢力圏になってしまいます。
中東が米中覇権闘争の新しい舞台になってきました。
外交関係修復で合意=中国など仲介、大使館再開へ―サウジ・イラン
菅原 出国際政治アナリスト 危機管理コンサルタント
たった今、ビッグ・ディールについての情報が入ってきました!
日経も、「イラン国営通信によると、両国は中国の仲介のもとで北京で協議を開いた。イラン側からは外交や国防を統括する最高安全保障委員会のシャムハニ事務局長らが交渉にあたった。イラン、サウジ、中国の3カ国が出した共同声明のなかで『主権の尊重と互いの内政への不干渉を強調する』と指摘したと伝えた」と報じています。
サウジのファイサル外相とイランのアブドラヒアン外相が近く会談する見通しだと伝えられていますが、サウジ国営メディアは合意について報じていないようです。
米ウォールストリート・ジャーナル紙もこれについて速報で伝えています。
サウジはバイデン政権に対してイスラエルとの関係正常化のための条件について協議していたことが昨日報じられていましたが、サウジはイスラエルではなく、その最大のライバルであるイランとの国交正常化を中国の仲介で行うことに合意した、ということになります。
この報道が正しければ、中東における中国の影響力の増大につながり、中東域外勢力の影響力含め、この地域のパワーバランスに変化が出てくる大きな出来事だと考えられます。続報を待ちたいと思います。
WSJスクープ
菅原 出国際政治アナリスト 危機管理コンサルタント
米国がサウジアラビアとイスラエルの国交正常化を進めようと密かに交渉を続けていますが、サウジは米政府に対して安全保障の確約と民生用核開発の支援を求めているというスクープ記事です。
同様の内容をニューヨーク・タイムズも報じています。これは非常に重要な内容です。
サウジ側は、イスラエルとの国交正常化の「条件」として、米国に対して安全保障の確約をしろという点と、民生用とはいいながらもウラン濃縮も含めた核開発をサウジができるような支援を要求しているとのことです。
米国内にはサウジとの原子力協定について反発する声が強いはずですし、中東における核の拡散にもつながりかねないわけで、それを認めることをサウジ側が条件にしているということでしょう。
この情報が今メディアにリークされている点も興味深く、今後の情報に注意したいと思います。
ノルドストリーム爆破背後に親ウクライナ派、米情報示唆=NYT
菅原 出国際政治アナリスト 危機管理コンサルタント
この事件は発生当初からロシア関与説が流れていましたが、先月、米国の著名な調査ジャーナリストのシーモア・ハーシュが、「バイデン氏の指示で米国がこの作戦を実行した」と結論づける記事を発表して話題を呼んでいました。
この記事は、「米国当局が検討した新たな情報」を基にしていて、「親ウクライナ派グループが攻撃を行った可能性が高い」というものです。
このパイプラインはロシアの重要な収入源でありモスクワがヨーロッパに影響力を行使する手段であることから、ロシアがパイプラインを破壊してしまう動機は考えにくい事案でした。
この記事でも触れられている通り、「ウクライナとその同盟国は、パイプラインを攻撃する最も論理的な潜在的動機を持っている」と考えられますが、米当局は、「ウクライナ政府・軍情報当局は、今回の攻撃には関与しておらず、誰が実行したのかも分からない」「破壊工作員はウクライナ人かロシア人、あるいは両者の組み合わせである可能性が高いと考えているという。米国当局によると、米国人や英国人は関与していない」とのことで、まだまだ不明な点だらけです。
個人的にはハーシュの記事の方が事実に近いのではないかと考えていますが、もっと時間が経たなければ真相は明らかにならないのでしょう。
WSJスクープ
菅原 出国際政治アナリスト 危機管理コンサルタント
「中国製のクレーンが新たなファーウェイになり得る」
米情報当局者らは、国内各地の港湾で操業している中国製の巨大クレーンが、中国政府の偵察ツールになっている可能性があるとの懸念を強めているそうです。
こうしたクレーンは、コンテナの出所や目的地を登録し追跡できる高度なセンサーを搭載しているため、「世界各地における米軍の作戦を支援するために国内外に輸送される物資に関する情報を中国が入手できるのではないか」との懸念が生じているとのこと。
やれやれ、もうこのように疑い始めると、何でもかんでも中国製であれば偵察のために使用されているということになってしまうかもしれません。この動き要注意です。
WSJスクープ
菅原 出国際政治アナリスト 危機管理コンサルタント
サウジとUAEの対立が、これまで知られていた以上に深まっていることを伝えるWSJのスクープ記事で大変興味深いです。
サウジのムハンマド皇太子とUAEのムハンマド・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーン大統領が、外資誘致や石油市場での影響力、イエメン紛争などを巡って対立を強めている、という内容です。
昨年10月のOPECプラスの会合で減産を決めた時にもUAEはこの決定に反対だったことが伝えられていましたし、今年1月にアブダビで開催された中東の首脳会合にサウジが参加しなかったのは変だなと思っておりましたが、対立はこれまで伝えられていた以上に深刻なようです。
UAEのOPECからの脱退の情報も、こうした文脈から出てきているようです。イランの脅威に対してもサウジとUAEが異なるアプローチをとろうとしているのかどうかは定かではありませんが、今後この2国の対立が、中露対米国の戦略的な対立と相俟って、湾岸アラブの国際関係にどう影響するのか、注意深く追っていきたいと思います。

ロシアに浸透する人民元 「脱ドル化」加速
菅原 出国際政治アナリスト 危機管理コンサルタント
「ロシア経済が中国人民元への依存を強めている。西側の金融システムから排除され、ドルの調達が難しくなっていることで、代替の選択肢として元が急速に浸透してきた」ことを解説する興味深い記事です。
「ロシアは、中国が経済に対して過大な影響力を握ることへの懸念を捨てた」という指摘も興味深い。ロシアはもう中国のジュニアパートナーとしての地位に甘んじることを受け入れたという指摘です。
「ロシアの人民元利用がドル覇権の終わりを意味することにはならないが、一段と分断されたシステムの始まりになる可能性はある」というシラキュース大学のダニエル・マクドウェル教授の指摘にも頷けます。
バイデン氏のキーウ訪問、出発数時間前にロシアに通知=補佐官
菅原 出国際政治アナリスト 危機管理コンサルタント
イラクやアフガニスタンのように米軍が駐留している紛争国の場合には、米国大統領は現地の米軍基地まで大統領専用機で乗り付けるのが通常でした。なので、今回バイデン大統領がどうやってキーウまで行ったのかと不思議だったのですが、松田さんもコメントしている通り、ニューヨーク・タイムズが詳細に報じています。
なんとポーランド国境から夜行列車でキーウまで行ったとのこと。米国の大統領の行動としては異例中の異例です。セキュリティの観点からは自分たちでコントロールできない他国の公共交通機関を利用するのは極めてリスキーですから、普通ならやらない行動です。
バイデン大統領がいかにリスクをとってキーウまで行ったのか、また、それまでの調整や困難な警護に取り組んだシークレット・サービスの苦労は想像を絶します。本当にお疲れさまでした、という感じです。
WSJスクープ
菅原 出国際政治アナリスト 危機管理コンサルタント
中国がロシアに武器を供与する可能性がある、との警告を米政府が出していますが、中国はウクライナ戦争で偵察用に使用される民用品のドローンを今もロシアに売っているという記事です。昨日ウォールストリート・ジャーナルの英語版で掲載されていた記事が本日日本語版に掲載されています。
また本日付のウォールストリート・ジャーナル英語版には、中国のロシアへの武器供与に関する非常に大きな記事が掲載されており、ブリンケン国務長官だけでなく米国連大使や米下院議員等が一斉にこの問題で中国を非難しているようです。
中国のロシアへの武器供与がどれだけ差し迫った問題なのかは分かりませんが、米国がこの問題で中国を非難する一斉キャンペーンを始めたことは間違いありません。引き続き、中露関係注意しながらみていく必要ありそうです。
押収したイランの武器、米がウクライナに供与検討
菅原 出国際政治アナリスト 危機管理コンサルタント
これはすごい情報です。米軍は中東で押収したイランの武器をウクライナに供与することを検討しているそうです。
米軍は、過去数カ月間、イエメン沿岸でイランの指揮下にあるとみられる密輸業者からライフル銃5000丁以上、小火器弾薬160万発、対戦車ミサイル数基、近接信管7000個以上を押収してきましたが、これをウクライナに送ることを考えているというのです。
ウクライナ軍は武器弾薬が不足して困っているため、米国はこんなことまで考え始めているということですが、もちろんこんなことは国連決議違反にあたるため、バイデン政権は「法的に正当化する理由を見つける」ために躍起になっているようです。
もともとめちゃくちゃな戦争ですが、さらに収拾がつかなくなりそうです。

NORMAL
投稿したコメント