ホーム
21フォロー
69フォロワー
反論も歓迎。求む、循環型社会を“本気で”目指す共創者
小河 義美(株)ダイセル 代表取締役社長
私の記事に興味を持っていただいている皆様に心から感謝いたします。これまでの掲載に対し、ご賛同や激励のお言葉、懸念事項やアドバイスといった貴重なご意見を頂き、心より御礼申し上げます。 私共は第四次長期ビジョンに基づき中期計画accelerate2025を策定し、その中でバイオマスバリューチェーン構想に向け、以下のような議論を尽くしてきました。 ①日本の森の資源で現状の石油資源由来からの生産物を補えるか? そのためには更なる省エネが必要。 解決策は、個々の省エネや技術革新は勿論、各処の重なる領域での取り組みが抜けがちなので、部門を超えた省エネに取り組む。さらに会社の枠を超え、サプライチェーン全体でダイセル方式などDXを駆使し川下工程の安定化を図り、産業構造における川上工程の過剰能力を川下工程と同期させ、ムダ取りをする。 ②木を丸ごと資源化出来るか? 木は現状丸ごと使えず、過酷な溶解条件で反応性に富んだリグニンやヘミセルロースが廃液に。木の全てを資源化しないと。 解決策は『木を丸ごと、マイルドな条件で溶かす』こと。溶けないから反応性も成型性も操作性も悪い。結果、重厚で長い工程の設備となってエネルギー多消費になり、反応の柔軟性も少なく様々な有価物への応用も効かない。  『溶かす』とは、溶解、融解、解離、微砕化、、、これだけでも複数の大学と共同研究する体制を築いた。この技術が出来たら、農業廃棄物や漁業廃棄物も資源化できる。石油製品の製法の効率が上がり、更なる省エネを実現できる。今まで困難とされた技術革新も誘発される。例えばマイクロリアクター。 また、省エネの側面だけではなく、二酸化炭素を活用するべく、今までより還元性が高い触媒を開発している。この技術革新はバイオマスのネガティブフローのリサイクルを強化するだけでなく、石化においても効果を発揮するだろう。 次から次へとアイデアはつきません。 でも、言うのは簡単となりがちです。ダイセル方式も散々無理だと言われました。私の一貫した考えは、全ての事象には理由があり、それは論理的な原則に基づくもので解決しない課題はない。要はやるかやらないかです。 そして今、一企業の域をはみ出した領域に手付かずの課題が多く残っています。だからこそ私はこのタイミングで、あえて「バイオマスバリューチェーン」という分を超えた提唱をさせていただいているのです。
782Picks
【提言】大量生産社会は「森を溶かす」ことで終わりを告げる
小河 義美(株)ダイセル 代表取締役社長
私の記事に興味を持っていただいている皆様に心から感謝いたします。 この場をお借りして、なぜ私がバイオマスバリューチェーンという構想に辿り着いたのかをお話しさせています。今回はその2回目です。   ダイセルに入社して、先輩達が歩んで来られたカーバイト→アセチレン→石化を経由してC1ケミカルと常に石油化学に依存しないための技術革新に取り組み、ダイセルがつくる植物由来素材のセルロースもまた、写真フィルムを難燃化するためセルロースに化学修飾を実施したり、セルロイド→酢酸セルロースの道行きは反応性アップと省エネの絶え間ない技術革新の連続であったりと、常により良い進化を遂げてきた歴史があります。 その中で私がセルロース生産部時代に取り組んだのが「ダイセル式生産革新」ともう一つ、サルファイト法パルプからクラフト法パルプへの転換です。これはそれまでの針葉樹だけでなく、反応性が悪いとされる広葉樹を使えるようにすることでした。セルロースの生産は天然物である木材を相手にする事です。それが故に、研究では、出来ない理由、つまり言い訳が蔓延していました。私は論理的に解析出来ることを実証し、製造工程を安定化するために、原料起因のパラメータ、工程起因のパラメータなどが石化プラントより桁違いに多い未知数を一つ一つ解いていく、初期の人工知能を利用し、ノウハウを顕在化・標準化する手法をつくり、一千万以上のノウハウを紐解き、大きな成果を出しましたが、このような複雑解を解くためにダイセル式を編み出さないといけなくなった要因も、反応性が悪いため生産工程が長く、固相になるため品質管理も容易でなく、固相が故の嵩密度換算で液相に対し巨大なプラントになるという結果がもたらせたことによるもので、抜本的解決のためには『溶かす』技術の開発が必須という結論に達したのです。
956Picks
【技術革命】国土の7割を占める森林は「資源に変えられる」
小河 義美(株)ダイセル 代表取締役社長
私の記事に興味を持っていただいている皆様に心から感謝いたします。また様々なご意見を頂き、この領域は多様な学説もあり、反対のご意見があるのも然りだと思います。 この場をお借りして、なぜ私がバイオマスバリューチェーンという構想に辿り着いたのかをお話しさせてください。長くなりますので何回かに分けてお話しします。   まずは私の生い立ちから振り返らせていただきます。 私の父は、建具店を経営していましたが、根っからの職人で、酒もタバコもやらず、新しい細工を思いついたら夜中でも工場でそのアイデアを試さずにはおれない人でした。その父が、私が小学校の時に「後を継ごうか?』というと「ダメだ」と答えた後にこう言ったのです。「これからは山の手入れも思うようにならず、木に節が入る率は上がる。美しい木目が命の建具屋だけはなるものではない。」 その頃山口県の母方の田舎にもよく行っていたのですが、持ち山の手入れは祖母と叔母の担当でした。誰もいない母の実家に荷物を置き、家族全員で山に入りしばらく歩くと山林を切り開いた平地があり、そこで目の前に連なる山に向かって『来たぞー』と大声で叫ぶのです。何度か木霊の余韻を待つと、はるか向こうから『おおい』と返事が帰ってくる。その返事から一時間ほど経つと突如茂みのなかから祖母が現れるのでした。そんな大変で危険な管理を、女性たちがするしかなかった。その山も今では山の境界線の目印が伝承されず、結果的に山は放置せざるを得なかったのです。 こんなことが日本中で起きています。日本の山林の実態を垣間見た思いがします。だからこそ日本の国土のおよそ7割もある森林を活かした未来を創造したいと思うようになったのです。
2203Picks
NORMAL