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「航空機が飛べない…」なぜ日本だけで燃料不足?背景にある石油業界の深刻問題とは - ガソリンの三重苦
Diamond Online
西村 勇毅日揮ホールディングス株式会社 プログラムマネージャー /合同会社SAFFAIRE SKY ENERGY 最高執行責任者COO
製油所からは様々な石油製品が生産されますが、記事にもあるように製油所のメインプロダクトはガソリンやディーゼルであって、それらの需要に合わせて製油所の稼働率が決定されます。ガソリンやディーゼルの需要減に伴って製油所での原油処理量は2000年をピークに日量約535万バレルから日量約330万バレルまで低下しています。製油所から生産される全石油製品の中で唯一需要が下がることなく、むしろ増加しているのがジェット燃料なので、ジェット燃料の不足は以前より問題視はされていたもののコロナ禍でジェット燃料の需要が落ち込んだため問題にはなっていませんでした。需要が一気に回復した今、俄にジェット燃料不足の問題が表面化しているという状況です。それでは単純に輸入すれば解決できるかというと、そうではありません。海外から輸入する際は輸送効率を高める為に数万トン積載できるサイズの船で輸入されますが、大型の船を受け入れ可能な空港は非常に限られていて、輸入したジェット燃料輸は内航船と呼ばれる数千トン規模のサイズの船に移しかえて各空港に輸送されます。そしてこれも記事にあるように内航船も人手不足などによって手配が難しい状態に陥っています。単純には解決出来ない状況なので官民で問題解決をはかるタスクフォースが組成されています。
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本当に世界の石油供給は2030年に「驚くほど過剰」になるのか?
Forbes JAPAN
西村 勇毅日揮ホールディングス株式会社 プログラムマネージャー /合同会社SAFFAIRE SKY ENERGY 最高執行責任者COO
記事にもあるようにエネルギー需給の将来予測は非常に難しいですが、足元で生じている変化をご紹介します。日本国内では、人口減、燃費向上によってほぼ全ての石油製品の需要が減少していますが、唯一航空機燃料需要だけが増加しています。製油所では航空機燃料油のほか、ガソリン、プロピレンなどの化学製品原料、軽油、灯油、重油、LPGなど様々な製品が製造されます。これらは連産品と呼ばれ、原油を精製すると連なって製造され、特定の製品だけを都合よく生産することは基本的に出来ません(設備投資により、ある程度調整は可能)。製油所の中で最も生産量の大きなものはおおよそガソリンなので、ガソリンの需要が減ってしまうと、ガソリン需要に合わせて製油所の稼働率を下げなければなりません(あるいは閉鎖)。そうなるとその他の製品の生産量も減ってしまうわけですが、前述の通り、ほぼ全ての石油製品の需要が減っているため、何とかバランスしています。ところが、航空機燃料油は需要が増加しているにも関わらず、製油所での生産量が落ちているため、足元で航空機燃料が不足して飛行機が飛べない事態が発生しています。自動車などのEV化が進んでいくと、その影響はより顕著となっていくものと思われます。エネルギー需給構造の変化によって、既に身近なところにも影響がで始めています。
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「まさかこのゴミを売るのか?」と社内で大反対…からの過去最高益!ハードオフ社長がいま明かす「ジャンク品」誕生秘話
現代ビジネス
石炭火力、35年までに廃止 G7環境相会合で合意―伊報道
Jiji Press
西村 勇毅日揮ホールディングス株式会社 プログラムマネージャー /合同会社SAFFAIRE SKY ENERGY 最高執行責任者COO
そもそも石炭が何故悪者とされるのかというと、燃料を燃焼させて得られるエネルギーあたりの二酸化炭素排出量が多いからなのですが、何故多くなるのか説明します。モノを燃やすと燃焼熱という形でエネルギーが得られ、これを利用して発電したり、蒸気を発生したりさせています。石油や石炭などの化石燃料は炭化水素と呼ばれるもので構成されていますが、炭化水素とは文字通り炭素と水素の集合体です。これを燃やすと炭素は二酸化炭素に、水素は水になります。また、燃焼時にそれぞれ燃焼熱(=エネルギー)を発生させます。化石燃料は石炭以外にもLNGや、ガソリン、灯油、軽油、重油など様々な種類があり、どれも炭化水素ですが、それぞれの炭化水素における炭素と水素の割合が異なります。当然炭素の割合が大きな化石燃料ほど燃焼時に発生する二酸化炭素の排出量が多くなり、水素の割合が大きな化石燃料ほど二酸化炭素の排出量が少なくなります。化石燃料のなかで炭素の割合が最も大きな部類に入るのが石炭で、水素の割合が最も大きな部類に入るのがLNG(天然ガス)です。
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