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日本人は死ぬ瞬間が「1番金持ち」…アメリカ人とまったく異なる「ゼロで死ぬ」の意味
現代ビジネス
小林 秀二早稲田大学 招聘研究員
経済学のライフサイクルモデルに王朝モデルっていうのがある。このモデルは、 家 ま た は 家 業 の 存 続 を 望 ん で お り 、そ の 目 的 を 達 成 す る た め に 子 に 遺 産 を 残 す。農家とか自営業、老舗店が代表である。これは遺産動機に関係して家族関係にも影響する。一方、利己主義は『DIE WITH ZERO』であるが、使い切りは狙ってできるものではない。むしろ残すほどの資産がないことが多い。 チャールズ∙ユウジ∙ホリオカ(2002)『日本人は利己的か、利他的か、王朝的か?』「日 本 に お い て も ア メ リ カ に お い て も 利 己主 義 を 前 提 と し た ラ イ フ ・ サ イ ク ル ・ モ デ ル が 最 も 適 用 度 が 高 い が 、 日 本 の 場合 の ほ う が こ の モ デ ル ( お よ び 王 朝 モ デ ル ) の 適 用 度 が は る か に 高 く 、 逆 に アメ リ カ の 場 合 の ほ う が 利 他 主 義 モ デ ル の 適 用 度 が は る か に 高 い」とする。中国との比較の研究もあって同じような結果が出ている。まあ記事のようにアメリカの方が超金持ちがいるから違うように見えるが、人間の本質はそれほど変わっていないはず。ただしこうしたマクロ分析では因果関係の解釈には注意が必要だ。 利己的な人は資産を使いきる。それは時間選好割引率が高く「将来の価値よりも現在の価値を重視する」「せっかち」で「目先の誘惑に負けやすく」「肥満、多重債務、依存症が多い」という残念な人でもある。行動経済学の知見(マシュマロ実験など)からは、成功者の多くは時間割引率が低く「忍耐強い」人である。だから遺産も残せる。結果的にも王朝となる。
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