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トヨタ、BMWに水素車部品供給 普及向け提携強化、量産車販売へ
共同通信
高田 敦史A.T. Marketing Solution 代表 VISOLAB(株)CMO マーケティング、ブランディング
水素を使う自動車には下記の2つがあるが、多くの方が混同しています。 ①FCEV(Fuel-Cell Electric Vehicle…燃料電池車) トヨタのMIRAIのように水素を充填し、「酸素と反応させることで自ら発電」して走るクルマ。 これはBEV(Battery Electric Vehicle)と同じく純粋電気自動車で、この記事の「水素車」はこちらです。 世界で一番FCEVを売っているのはトヨタではなく韓国のヒョンデ(現代)です。 ②水素エンジン車 水素自体を「ガソリンのように燃焼させて」走る内燃機関車(ICE)です。 20世紀から多くの自動車会社が研究していましたが、現在取り組んでいるのはトヨタだけ。BMWも最近までやっていたが開発を中止し、水素活用はFCEVに集中している。 両者の欠点は水素ステーションの設置コストです。水素は着火性、拡散性が高く、通常のガソリンスタンドの数倍の建設費がかかり、普及の大きな妨げになっている。現在日本の水素ステーションは150カ所程度しかないので、不便さはEVどころではない。 また、充填する水素がグリーン水素(再エネ発電の電気と回収CO2を使って作る水素)でないとカーボンニュートラルにならないので、生産量は限定されてコストも高い。 上記の観点から「FCEV」は一般の乗用車ではなく、バスやトラックのような自前の水素充填拠点が持てる業種から普及する可能性が高い。(ただし普及するかどうかは不透明でもある) 一方、「水素エンジン車」は基本的な構造は既存ガソリン車と同じながら、ガソリン車とは別の設計が必要。同じ水素を使うのであれば合成燃料(水素とCO2を合成した人工ガソリン)にして、既存車両にも使える方が脱炭素に大きな貢献ができると思う。ただし水素エンジン車や合成燃料は、グリーン水素を使ってもNox(窒素酸化物)が出るという(EVにはない)問題もある。 水素は次世代燃料の有力候補ではあるが、その前提は(水素をつくる際に使う)電力の再エネ化(または原子力化)と回収CO2の活用です。それができないと水素にする意味はないし、電気で直接動かすBEVの方が数倍エネルギー効率も高い。 「火力発電が7割を占める日本ではEVはエコではない」とよく言われますが、水素を使う車(FCEV、水素エンジン車)も全く同じです。
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