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(1)ハイブリッド車(HEV)の歴史 〜その黎明期〜
ものづくりの地図
原田 直一大手自動車メーカー Data analyst/Staff Engineer
トヨタがハイブリッドに加え、EVやマイルドハイブリッドも幅広く検討していたことがよくわかります。2000年初頭、GMやフォードは時価総額でトップでしたが、彼らの主力車種であるピックアップトラックは車体が重く、ハイブリッド技術による燃費改善の恩恵を十分に受けられませんでした。そのため、当時のGMやフォードはハイブリッドを大きな脅威とは見なしていなかったと考えられます。 この現象は、クリステンセンの「イノベーションのジレンマ」と呼ばれる現象と重なります。成功した大企業は既存のビジネスモデルに固執し、破壊的イノベーションに対応するのが難しいということです。クリステンセンは電気自動車がこのような破壊的イノベーションになる可能性を示唆しており、今日の電気自動車のトレンドが、企業戦略に与える影響は大きいと考えられます。 クリステンセンは破壊的イノベーションの特質として、以下の3点を挙げています: 1. 単純で便利であること 2. 短期間で低コストで変更できる製品プラットフォーム 3. 低価格 これを現在の技術動向に置き換えると、①高速充電技術の開発、②車載OSの開発、③電池の低コスト化が該当します。「イノベーションのジレンマ」が提唱された1997年に、既にクリステンセンがこれらを示唆していたことは驚きです。また、1997年に発売された初代プリウス(ハイブリッド技術)がこの3つの特質を満たしていたこともまた興味深いです。 過去の開発の歴史を学び、未来に向けた次の開発に繋げられたら素晴らしいですね。
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ホンダ・日産連合はトヨタと合流を、生き残りにはOS統一が鍵との声
Bloomberg.com
原田 直一大手自動車メーカー Data analyst/Staff Engineer
名古屋大学の高田広章教授(車載OSの第一人者)は、日本企業がソフトウェア開発において得意でないことを指摘しています。これは、数十年にわたる努力にもかかわらず大きな進歩が見られなかったことを意味します。 自動車メーカーはこれまでOS開発をサプライヤーに任せていたため、ノウハウやエンジニアが不足しています。現在、車載OSの重要性が高まり、中途採用を含めてリソースを強化しています。車載OS開発には、独断で決定するビジョンが求められ、合併による合意形成の遅れが問題です。 個人的には、企業間の共同研究と一部オープンソース化が解決策の一つだと考えています。 [過去コメントの引用] 車載OSとは、PCでいうWindowsのようなものを開発するのではなく、既存のQNXやLinuxをベースに開発されます。車載OS開発の主な目的は、ハードウェアアブストラクションレイヤー(HAL)の構築です。HALは、異なるハードウェアの違いを吸収するための層です。ハードウェアの変更があってもソフトウェアの変更は不要になります。これにより、異なる車種でも同じアプリを使用でき、コスト削減に大きく貢献します。 参考記事[車載OSとは?目指す姿と各自動車メーカーの車載OS開発状況] https://www.automotiveworld.jp/hub/ja-jp/blog/blog04.html
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トヨタ、研究開発費が過去最高1.3兆円!使い道は「自動運転」「Woven City」?
自動運転ラボ
原田 直一大手自動車メーカー Data analyst/Staff Engineer
トヨタ自動車の研究開発費が過去最高の1.3兆円に達した背景には、データの重要性が大きく関与しています。佐藤社長は「変革の鍵は、エンルギーとデータの可動性を高めて行くこと(中略)そして、データが生み出すモビリティの価値で暮らしをもっと豊かにしていくことを目指す」とコメントしています。今回はデータについて2点触れたいと思います。 まず1点目は、オーナーからのデータ取得です。トヨタ車に搭載されているカメラから、商品性能向上のためにデータ収集が行われています。多くの車両から収集されるデータの量と質が向上することで、より良い製品が開発されることが期待されます。しかし、顧客情報のセキュリティを確保することが重要な課題となっています。 https://global.toyota/jp/sustainability/privacy/on-board-cameras-initiatives/ 次に2点目は、「Woven City」による実証実験です。Woven Cityは工場の跡地に建設され、トヨタ自動車の私有地で行われます。このため、パブリックな場よりもデータ収集や検証のスピードが加速されることが予想されます。米国で技術進化が速いのも、早期に公道での走行が許可され、データ収集を積極的に行っているためです。 トヨタがこのような投資を日本で行うことは、新しいモビリティの導入における障壁を下げ、検証のスピードを加速させる重要なステップとなるでしょう。
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