蛯原 健

記事は間違ってはいないが、かなりミスリーディングなので読み解きが必要。 ハンターバイデンのスキャンダル記事を制限した事につき、当然トランプは隠蔽だと反発した。 それにつき今回ザッカーバーグは「制限すべきでなかった」と確かに書いた。それは事実。しかしその理由が重要。 記事を制限した理由はFBIからの圧力だった。ザッカーバーグはそれに屈して対応したのが間違いと今回述べたのだ。制限した事を後悔したというより、圧力に屈した事を後悔した。その違いが冒頭ミスリーディングの理由。 さておき、これまで比較的平穏だった米国政治に関する言論はもしトランプが当選したらこれから4年間こうしてずっとざわつき続ける。このニュースも良い例で「もし違法行為をすれば」と前置きしているのだから、少なくとも氏のこれまでの数々の失言に比べたらさほどのニュースバリューでもないだろうところ、メディアはこうしてセンセーショナルに煽り続ける、それが商売故。

興味に理由は要らない。若い時分のその純粋な憧れや好奇心こそが宝。

その間ずっと立法でも行政でもなく最高裁の判事なる個人がずっと主語なのがお国柄。という事でどっちもどっちな対決は国民が可哀想な結末になりそうですが、そういう人達を選んでいるのもまた国民。

ー　広いトピックについて話すときには苦戦する一方で、特定の論点を語らせればめっぽう強い。 合点がいくフレーズ。ただベリートップに求められる適性はどちらかと言うと前者。ここがこの人の最大の弱点。故に御祝儀相場が終わりつつある今再び接戦の様相を呈している。

同社に限らず米国ビッグテックは巨大なフリーキャッシュフローを生むバリュー銘柄でありながらかつ強烈な成長率を継続しているグロース銘柄でもある、という特殊な性質を有する。故に時価総額3兆ドルで世界トップスリーにもかかわらず些細な事で1日に8%も株価が動く、これが本質的理由のひとつ。つまりグロース銘柄とは将来の成長期待にベットする、将来即ち不確実性であるが故。 ちなみにそういう銘柄で見るべき株価指標はPEGレシオ。来年予測ベース1.3xの同社は割高でも割安でもないファンダメンタルズに即した水準まで戻している。 ここからみてもこのところコメントしている通り今回のAIブームはその初期過剰期待はげ落ちという地点にいる。

普通に考えるとまず無理でしょう。これまで協議されていたものが今リークしたとして、その間のAIをとりまく市況センチメントが急激に冷え込み過ぎているから。同セクタ上場株がこれだけ落ちていながら未上場というステイタスが違うだけでそこらの上場会社より大きな同社だけがアップラウンドというのは筋が通らない、それが普通の投資判断です。が、一点あるとすればリード投資家候補とされる人物がアルトマンに親いらしいが、アルトマンは一連のCEO解任クーデター騒動で報道が相次いだ通り結構グレーな事を秘密裏に色々やっていたような人物。なにがしかダウンサイドリスクをヘッジする密約を交わしたうえで表面的に企業評価額を上げるための増資を行う、などやりかねないとの邪推も働く。

時まさにセクターローテーションでついこの前までモテモテだったテックが振るわずヘルスケアや日用品などバリュー株が牽引する形でダウが史上最高値を更新しナスダックはイマイチという市況。もともとバリュー株投資の代名詞にてさもありなんと言えばそれまでだし、保有Apple株の大半をあのタイミングで売り切る神がかり、とも言える。

粛々と経済制裁で対抗すべきでしょう。もとより諸外国比でハイテク、精密機器など安保関連産業のそれは緩めという事もある故。

極左も極右も近年の用語使用がかなりルースになっており、ほとんどの場合レッテル貼り自体を目的として使用していている。極左とは文字通り社会主義や共産主義レベルの左を言うのであって、暴力革命すらも含蓄される。 政策の良し悪しの議論はいいが、この含み益課税も含めておよそそれとはほど遠いにもかかわらずレッテル貼りをする者にメディアが加担する事は罪深く、従ってオーナー経営者自らがそのような言説を振り撒くリバタリアニズム至上主義プラットフォームについて各国からの法的対抗包囲網は築かれつつある。

生成AIの真価が問われる最初の試金石のひとつがこれだろう。つまりCRM、もっといえばコールセンターのAI置き換え。日本だけでも一兆円市場。フィリピンやインド筆頭に世界はざっと100兆円。あの忌まわしい銀行やエアラインの何十分も待たされたらい回しにされる経験が無くなるか否か。 チャットボットが2016年に一瞬だけバブルとなった。その時に人々が期待したのはそれだった。専門のスタートアップが多数生まれ、特化ファンドまで現れた。しかしその後はご存知の通り、8年経ってもごく一部のものすごく単純で定型なやり取りに使われるのみでほとんど死滅した。 今回それがどうなるかは記事にあるいずれも生後1年の米国スタートアップの3〜5年後の成果により判別される。

ソフトウェア産業はネーミングとマーケティングの歴史、ノーコードとかDevOpsとか色々あるがなんとなく今いまこの瞬間はこの手のものがAIエージェントという概念、言葉に集約されつつあるという話。おそらく年々早まっているサイクルであと1年半くらいでまた別のネーミングが台頭してこの言葉も廃れてくる。そのたびに同じ会社のデックのキャッチフレーズがころころ変わる。要するに特定のタスクを自動でやってくれる主にLLMベースのソフトウェアの事。そう名乗ると資金調達やメディア露出で解りやすかったりモテたりする。そしてその代表者ポジションを取ると更に資金調達は捗るので皆それを名乗る。しかし結局はいくら調達しようがもって数年。AIエージェントだかRPAだか名前がなんであれライセンス料なりサブスクなりで何本いくらで売れるかどうかが全て。結局はそのほとんどがコンサルと称する受託SI業者として生き残るか、生き残りすらままならない。 と醒めたものいいばかりも良くない。一握りの次世代産業を担うソフトウェアカンパニーが数社は出るだろう、故にビリオンダラーが飛び交う。

オーストラリアでも当局と同じような対立をしているし、インドやEUもその一歩手前まで来ている。さすがのマスクといえどもどこかで折れない限りEUが予定通りコンテンツモデレーションに対する罰則規定強化の法例施行後は世界中それに習う、つまりマスクの世界観は国民国家の強制力に屈せざるを得ないと見るのが普通ではなかろうか。