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サンパウロの「極小物件」、中流以上の若者の間で人気急増
www.afpbb.com
藤井 勇人在ブラジル建築プロデューサー/隈研吾建築都市設計事務所ブラジル担当室長
ブラジルではこの手の極小物件はStudioと呼ばれていますが、ここ数年間サンパウロで建てられている新築物件のほとんどはこのタイプと言っても過言ではありません。 不動産データ会社EMBRAESPによれば、新築分譲住宅の76%が45㎡以下の広さで販売されているというデータがあります(2021年集計)。さらに、ここ10年間で新築ワンルームマンションの平均的な広さが46.1㎡から27.5㎡になるなど、かつては日本のワンルームマンションを見てあれはペット用の住宅だろう?とよく皮肉を言われていましたが、それはすっかり過去の話になりました。 とはいえ、日本の典型的なワンルームと違うのは、この記事にもあるようにランドリーやコワーキングスペース、ジム、イベントスペースなどが共有部にしっかり設置してある点で、住民同士でシェアするものがほとんどです。 こうした需要が増えてきたのは、都市部における単身者層の増加、1㎞進むのに1時間かかってしまうこともあるほど年々悪化する交通渋滞、そして都市の中に様々な娯楽や仕事ができるカフェやコワーキングスペースが増えたことで、多様なワークスタイルが可能になったことも大きな点でしょう。 極小住宅が増えたことで家電などもコンパクトが進み、日本のDaisoをはじめお手軽に住環境をコーディネートできる雑貨屋さんが急増しているのも一つの結果と言えるでしょう。限られたスペースを上手に使うため、片付けコンサルタントで日本人のコンマリさん(近藤麻理恵)がブラジルでも大ブームになっているのも合点がいきます。 とはいえ、たった数年でこれだけ多くのワンルームマンションが増えたことで、似通った間取りや外観をもつ建物が増え、都市景観的には非常に陳腐なものになってしまっているのは設計者的には悩ましいところです。 そういう意味で、ワンルーム文化が根付いている日本や他の都市からは多く学べることがあるのではと思っています。
バービーがマリオ抜く、今年最大のヒット映画に-世界興収2020億円
Bloomberg
藤井 勇人在ブラジル建築プロデューサー/隈研吾建築都市設計事務所ブラジル担当室長
ここブラジルでもバービー自体の人気は以前からありました。娘がいるので友達の誕生日プレゼントにバービー人形をあげれば最も無難という選択肢の一つですが、この映画が7月に上映され始めてからその人気は改めて大沸騰しています。ブラジル国内では、上映開始後1ヶ月間で1000万人の来館者、2億レアル(約60億円)の売り上げをあげ、紛れもなく過去最高のヒット作になっています。巷ではバービーピンクを纏った女性や男性が街に溢れ、先日はバービーピンクのバスまでありました。 私も上映開始後ゲイの友達と一緒に観に行きました。映画よりも彼のはしゃぎっぷりに圧倒されましたが、ブラジルでは今回のバービー人気を押し上げているのは国内に2000万人いるゲイ層だとも言われています。 ハイパーダイバーシティのこの国にいるとバービー映画に全人種が登場することや、体型や髪型なども様々な人が好きなように自己表現している姿は極々自然なことなので、この映画のその点が評価されているというよりは、単純にカワイイ世界に浸りたい、その世界に入って成り切りたい、という層が多いのかなと個人的に思います。 先日メッシが移籍したアメリカMLSのインターマイアミのユニフォームがバービーピンクだったこともあり、ブラジルでは相当な人気が出ています。それが戦略だったかどうかはさておき、ブラジルの複数のサッカーチームも早速バービーピンクを取り入れ始めているようです。こういう動きは早いんですこの国は。
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大絶賛の世界1位スタート。実写版「ワンピース」が日本のマンガの世界への扉を開く。
Yahoo!ニュース
藤井 勇人在ブラジル建築プロデューサー/隈研吾建築都市設計事務所ブラジル担当室長
Netflixのリサーチによると、アニメ視聴者が日本の次に多い国の一つとして挙げられているほど、ブラジルはアニメ人気が高い国です。アニメ関係のイベントを数えるとキリがありませんが、中でも毎年開催されるAnime Friendというラテンアメリカ最大のアニメイベントは20年の歴史があり、今年は4日間で12万人の集客がありました。実際に行ったこともありますが、コスプレチャンピオンシップの表現力の高さに驚かされました。ただでさえ顔の堀が深いのでアニメの顔がそのまま現実世界に出てきた本物感がハンパないのですが、それにブラジル人の圧倒的な表現力が加わってもう口がポカーンと空いてしまいます。 そんなアニメ大国とも言えるブラジルですが、昨日リオのコパカバーナ海岸を歩いていたら、いきなり人だかりがあってなんだなんだと覗いてみると、なんとワンピースのあの船ゴーイング・メリー号が海岸に漂着していました。😂😂 Netflixプレゼンツで8/30から9/10まで漂着しているそうですが、ネトフリユーザー数が米国に次いで2番目に多いこの国だからこそのマーケティングの力の入れようです。昨年あたりに国内ユーザー数がAmazonプライムに抜かれて巻き返しに必死というのもあるのかもしれません。 いずれにしても、この国のアニメ人気は加速する以外ありません。 https://youtu.be/Xgc5-TFnCi4?si=fcBzS8lXiNIol_Zc
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ペルーの食の叡知を日本に 世界No.1シェフが見込む逸材の使命
Forbes JAPAN
藤井 勇人在ブラジル建築プロデューサー/隈研吾建築都市設計事務所ブラジル担当室長
もう10年以上前から世界中でブームになっていたペルー料理なので、世界一という評価は当然ですし、むしろ遅すぎたのではと思います。記事にもありますが、南米のレストランで世界一を獲得したのは史上初ということで、在南米人にとってもとても嬉しいニュースです。 ペルー料理がここまで世界中に広まったのはペルー料理の伝道師ともいえるガストン・アクリオによるところが大きいと思いますが、彼の食への精神を引き継ぎ、それをさらに進化させているのがこの「セントラル」のヴィルヒリオ・マルティネスであり、彼の奥さんで現場の総指揮者であるピア・レオンでしょう。 数年前にセントラルにどうしても行きたくてペルーの首都リマに行きましたが、味はもちろん、建物の佇まいから、敷地内の農園、アンデス山脈から太平洋までの道のりに沿って高度ごとに順に出される料理、アート作品としか言いようがない器たち、そして最後まできめ細やかなスタッフのサービスと微笑み。 自分の中の食に対する意識がまさに破壊されたレストランでした。 今でもあのレストランを超えるところはありません。
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渋谷ツタヤ、CD・DVDレンタル終了へ、一時代の終焉全面改装をCCCに聞いた
ビジネスジャーナル
藤井 勇人在ブラジル建築プロデューサー/隈研吾建築都市設計事務所ブラジル担当室長
SHIBUYA TSUTAYAが入るこの建物QFRONTは渋谷のランドマークですが、1日の通行量が平日で約26万人、休日で約40万人というスクランブル交差点に面していることが重要で、外国人がその交差点を動画で撮影してSNSに投稿するともれなく画角に入ってくるのがこの建物です。 こうした視認性の高い建物に入っているということもあり、日本で外国の方と待ち合わせる際にはよくSHIBUYA TSUTAYAの1階で待ち合わせをしていました。1階には流行りの日本のカルチャーのトップランナーたちの曲がグッズがあったのでそれをネタにできますし、日本の今のカルチャーを説明する上で非常に分かりやすく、かつ行く度に何か驚きや発見があるカルチャーの玉手箱のような存在でした。 ブラジルでは毎年黒澤監督や小津監督、溝口監督をはじめとした日本映画の上映祭などが開催され、相当数のマニアの方々がいらっしゃいます。私の周りにもかなりの数のOZUファンがいますが、彼らが日本へ行く際にどこに行けば日本映画をもっと知ることができるのかとよく聞かれていましたが、迷うことなくSHIBUYA TSUTAYAの日本映画コーナーに行くことをお勧めしていました。あそこに行けば予期していなかった”発見”があるからで、SHIBUYA TSUTAYAがきっかけで新しく知ることになった監督やアーティストの作品もきっと少なくありません。 そういうリアルな場所がなくなってしまうのは残念ですが、リニューアルされる店舗の中にどのような「偶発性」や「出会い」の要素を埋め込んでいくのか楽しみです。ますますリアル店舗にはそこでしかできない経験が求められていますが、渋谷、いや世界でも有数の通行量があるスクランブル交差点に面するこのSHIBUYA TSUTAYAが次に何を仕掛けてくるのか注目したいところです。
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ブラジルに日本語マック開店 「文化に敬意」東洋人街に
共同通信
藤井 勇人在ブラジル建築プロデューサー/隈研吾建築都市設計事務所ブラジル担当室長
I'm lovin' itを「これは大好きです」と訳してしまう点や、内部の日本”風な”庭園など、ディテールを突っ込むことは簡単ですが、日本人としてシンプルに嬉しいですし、こういう形で敬意をもって形にしてくれる、ブラジル人の心の広さというか、他者を受け入れてくれるおおらかさには本当に感謝したいですね。 この店舗ができたリベルダーヂ地区は、元々は黒人奴隷の処刑場と墓地があったところですが、そこに20世紀初頭から日本人移民が住み始め、戦後シネ・ニテロイという日本映画専門の映画館ができたことで日本人が集まるようになり日本人街として認知されるようになりました。近年では韓国人や中国人、台湾人も住むようになり、東洋人街としての特徴が強くなっていますが、今でも日本語で書かれた店舗が多いですし、売店には邦字新聞も販売されています。 さらに、記事に出てくるブラジルのマクドナルドを運営する「アルコス・ドラドス」社は今までにも独自性の高い店舗を作ってきており、例えば南米最大のパウリスタ通りにはMéqui1000という、国内1000店舗出店を記念したフラッグシップ店をマクドナルドのブラジルでの愛称であるMéquiというネーミングで出店したり、新ビジネス街にあるイタイン・ビビ地区にはインスタ映えする仕掛けがあらゆるところに仕込まれたアトラクション店舗をオープンさせたりと、マクドナルドブランドとして新しい挑戦を色々やられていて面白いです。イマジネーション豊かな国民性ですし、多様なバックグラウンドを持った移民が多い国なので、グローバルブランドがこういった新しい挑戦を行うにはブラジルは面白いマーケットなわけです。 ちなみに、同じリベルダーヂ地区にあるスターバックスも日本建築にオマージュしているような内装デザインを展開しています。 https://www.omelhordesampa.com/single-post/starbucks-liberdade 余談ですが、今回のこの店舗を設計したのは、ブラジル国内でも随一の内装デザイン設計事務所のSuperlimão(スーペルリマォン)。実力派の事務所で飲食店やオフィスを中心に数々の面白い空間を見せてくれています。マクドナルドの規定で設計者はあまり公開されないようですが、彼らがこっそり教えてくれました^^
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大阪万博海外館、日本が建設代行検討 着工申請なおゼロ
日本経済新聞
藤井 勇人在ブラジル建築プロデューサー/隈研吾建築都市設計事務所ブラジル担当室長
大阪万博のブラジル館の設計コンペに参加していました。残念ながら我々のチームは勝利できませんでしたが、設計者に選ばれたマルシオ・コーガン率いる設計事務所MK27をはじめ多くのコンペ参加者から日本の建設業界事情や日本国内のパートナー探しについて相談に乗って欲しいと言われました。 まず、分厚く煩雑でいかにも日本的な仕様書をそのまんま英訳したものを見て、そもそも外国人に向けて作られた資料書じゃないよねと思いました。また、日本国内のローカルアーキテクトパートナーの候補者リストが配布されましたが、そのうちのほとんどはリストの名前があるものの、最低限求められる英語でのコミュケーションがNGだったり、そもそも協力の意図がなかったりと、パートナー探しが海外の事務所にとって最もハードルが高いものだと思いますし、日本国内での建築申請が遅れている大きな原因の一つはそこにあります。 だからと言って、日本が建設代行をするというのは筋違いなのではないでしょうか。各国は国内で選ばれた設計者が国の威信をもってプロジェクトに臨んでいるはずで、それを日本が代行して建設するというのは各国のプロジェクトにかけるプライドや意気込みを削いでしまう可能性もある、ある意味ホスト国による自分勝手な傲慢な対応と言えるのではないでしょうか。 結局日本の建設業界に皺寄せがいき、WIN-WINの真逆に進むことだけは避けて頂きたいところです。
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ネイマールに罰金4.8億円 邸宅に人工湖を建設 ブラジル
www.afpbb.com
藤井 勇人在ブラジル建築プロデューサー/隈研吾建築都市設計事務所ブラジル担当室長
川上さんからご指名を頂きまして恐縮です^ ^ このニュースはブラジル国内でもあらゆるメディアで報道され、22日の摘発時の生映像が赤裸々に放映されていました。(どう考えてもメディアと市当局が擦り合わせて摘発をしていた模様です。) が、国民からの反応は至って冷ややかで、「また31歳の子供がしでかした」といった見出しも見られました。 今回の罰金は、具体的には相応な環境制御装置の非設置、未申請のまま行った造成作業、無許可で樹木伐採、意図的な禁輸製品の輸入の4つの違反で、合計1600万レアル(約4億8000万円)だそうです。 各メディアによると、そもそもこの家は2016年に購入したもので、それを最近になって人口湖設計のスペシャリストであるGenesis Experience社のRicardo Caporossi氏が、設計手法と工事を一般生徒のために教えるリアリティーショー番組のために使用していたということで、今回はネイマールは半ば彼からとばっちりを食らった感じともいえなくもないです。 とはいえ、彼名義の家ですし、彼の月給は所属クラブのPSGからだけで想定2200万レアル(約6億6千万円)あります。さらに広告収入などを入れると、今回の罰金は痛くも痒くもないのでしょう。 それにしても、ネイマールはエージェントでもある親父さんから離れない限り、人間的な成長はもう見込めないと思います。。今回のリアリティショー番組のタイアップもきっと親父さんによるものだと思いますし。。
ワッツアップ・ビジネスのユーザー2億超、3年で4倍に増加
Reuters
藤井 勇人在ブラジル建築プロデューサー/隈研吾建築都市設計事務所ブラジル担当室長
インドに続いてWhatsApp ユーザーが多いここブラジル。一般のWhatsApp ユーザー数はブラジル国内だけで1億4700万人にのぼり、99%のスマホにappがインストールされ、94%のユーザーが一日最低一回はアクセスしているというデータがあります。(mobile time社調べ) その背景には多くのブラジル人はPCではなくスマホでネットを使用しているという点、もう一つは送受信が完全無料である点であると言われています。 記事にあるWhatsApp ビジネスのユーザーにおいても、WhatsApp ブラジルのギレルメ・ホーン氏によれば、約500万件の零細・中小企業による登録数があり、その4割はアパレルやアクセサリー関係、3割が家具雑貨、2割がオンラインスクール関係の業種とのことです。 一生活者としても、もはやWhatsApp 奴隷の如く、仕事でもプライベートでもスマホをいじっているほぼ9割の時間がWhatsAppを触っているという実態です。個人的にはSMSと違って文字ではなく音声でコミュニケーションが取れるため、活字文化が日本ほど進んでいないこの国で爆発的もユーザー数が増えている一つの要因だと思います。 Whatsappビジネスに関しては、ほぼあらゆるサイトやインスタなどのSNSを使ったオンライン販売を行う企業は、ほぼ全て最終的にWhatsappにリンクを飛ばせてマンツーマンでのアテンドに持っていくか、もしくはAIによる初動対応でターゲティングしていくのがごくごく一般的になっています。 今やブラジル人のコミュニケーションからこのappを取り除くのはもはや不可能ではないか、と思うほど老若男女関わらず浸透しています。
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ニデック、空飛ぶクルマ部品に参入 エンブラエルと合弁
日本経済新聞
藤井 勇人在ブラジル建築プロデューサー/隈研吾建築都市設計事務所ブラジル担当室長
世界に誇るブラジル企業であるエンブラエル社。村上さんがおっしゃる通り、ボーイング社やエアバス社が独占する旅客機市場にありながら、この20年で大躍進を遂げているブラジルモノづくり企業の筆頭です。 躍進の要因は色々考えられますが、そもそもエンブラエル社が生まれた理由の一つに、ブラジルが世界第二位のプライベートジェット機保有国である点(第一位は米国)が挙げられます。また、もともと国営企業としてプロペラ旅客機を生産していましたが、経営難に陥った90年代半ば、50人程度の小型ジェット旅客機の生産に方向転換をし、これが世界の富裕層や民間企業からのニーズにマッチし大躍進へと繋がりました。 エンブラエル社は日系ブラジル人のサトシ・ヨコタ元副社長をはじめ、今まで多くの日系ブラジル人の方が要職で活躍されていたり、川崎重工業が一部の機体を生産するなど、日本とも繋がりが深いことはもっと知られてもいいと思います。 日伯間ビジネスの観点でも興味深い今回のニデック社との合併。ブラジル国内でも多くのメディアが報道しています。ブラジルのサンパウロ市は、約45秒に一本の頻度でヘリコプターが飛んでおり、ニューヨークや東京を抜き世界最大のヘリコプター運航数(毎日約2200機が運行)であることを考えると、この“空飛ぶクルマ”がサンパウロの空を席巻する日が来るのももうすぐそこかもしれません。
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A・ジルベルトさん死去 「イパネマの娘」の歌手
共同通信
藤井 勇人在ブラジル建築プロデューサー/隈研吾建築都市設計事務所ブラジル担当室長
日本の方には4年前に亡くなられたボサノヴァの神様ジョアン・ジルベルト氏の元奥様と言ったほうがわかりやすいかなと思います。と同時に1963年にジョアン・ジルベルト作曲、トム・ジョビン編曲、スタン・ゲッツがサックスで参加したボサノヴァのあの名曲、Garota de Ipanema(イパネマの娘)の英語バージョンを歌っていたシンガーが彼女でした。この曲は1965年のグラミー賞の年間最優秀アルバム賞と年間最優秀レコード賞を受賞し、あの絶妙なメロディーとアストラッドの歌声が世界中を席巻しました。 ジョアン・ジルベルトとの夫婦生活は5年でしたが、彼女はその後もアーティストとして生活を送り、特に海外で公演を続け、2002年4月には「国際ラテン音楽の殿堂」にノミネートされました。 晩年は自宅のアトリエでずっとカンバスに絵を描いていたようで、家の中は彼女のカンバスで溢れていたとか。 思い返せば、このイパネマの娘が作られた1960年代はブラジルにとっても大きな変革期で、世界最短で世界遺産に登録されたブラジルの首都ブラジリアが建設されたのが1960年。ルシオ・コスタのマスタープランとオスカー・ニーマイヤーの建築群で世界を驚かせたと言われていますが、ブラジリア建設とこのイパネマの娘がほぼ同時期に作られたことは決して偶然ではない、60年代に花開いたブラジルカルチャーの最たるものと言えると思います。
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「ゼレンスキー氏現れなかった」=ブラジル大統領、G7での会談なしで釈明
時事通信社
藤井 勇人在ブラジル建築プロデューサー/隈研吾建築都市設計事務所ブラジル担当室長
今年の元旦に大統領に就任したルーラ大統領にとって、9ヶ国目となる外交訪問。アジアの国々で見ると中国に次いで2ヶ国目の訪問が日本となりました。 ブラジルにとって最大の対輸出国は中国で、そのシェアは全体の2割を超えています。その数字だけ見ればブラジルにとって最重要国は中国となり、中道左派でアメリカとも一定の距離を置いているルーラ大統領が中国とタッグを組みたいと思われるのも腑に落ちると思います。 ですがルーラ大統領も実際に発言していますが、中国はあくまで経済的に重要なパートナーであって、それが政治的、外交的に重要なパートナーになるとは限りませんし、中国一辺倒になるリスクについてはブラジル政府も当然意識しています。 また、ブラジルはボウソナロ前大統領政権によって失われた(と言われる)諸外国との外交を一刻も早く取り戻すべく、ルーラ大統領は就任4ヶ月で既に9ヶ国を訪問し、ブラジルの存在感を世界にアピールすることで必死です。先月には大統領の愛弟子とも言えるジウマ元大統領を会頭に据えたBRICS銀行を一つの盾として、大きな枠組みを動かそうとする意図も伺えます。 ブラジル政府の外交姿勢でベースにあるのは、欧米やG7などの枠組みではないより多元的な外交ですが、根っこにあるのは南米だけではなく南半球の大国として世界のコモディティーの多くを握る資源大国としてのプライドだと個人的には思っています。 今回のウクライナ戦争におけるルーラ大統領の一連の発言はそれらを意図してのもので、単にロシアや中国側か、反米かという単元的なものではないため情勢を注視していく必要があるでしょう。 ちなみに、ブラジル国内メディアは今回のゼレンスキー大統領との面談が実現しなかったことについて、ゼレンスキー大統領側からスケジュールの不一致により断念せざるを得ないという連絡があったそうで、それに対してルーラ大統領は新たな日時を提示したところ、それも断られたという報道をしています。 また会談が実現しなかったことに失望したかと問われたゼレンスキー大統領は、「ルーラ大統領が失望するはずだと思う。」と皮肉った返答をしたとも。
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【爆増】世界は今、ニッポンに旅行したがっている
NewsPicks編集部
藤井 勇人在ブラジル建築プロデューサー/隈研吾建築都市設計事務所ブラジル担当室長
日本から最も遠い国の一つであるここブラジルからも、昨年から既に多くの方々が日本へ訪れており、オススメのホテルと面白い体験ができる場所を教えてくれと度々聞かれています。日本行きパッケージツアーなどを販売する旅行代理店の社長さん曰く、既にコロナ前の9割近くまで需要が戻ったと言われています。 ブラジルでは一年のうち一ヶ月は国民の義務で長期休暇を取得しなければいけない法律があるため、多くの方々がお子さんの学校の休暇に合わせて1月か7月に旅行されます。訪問先として多いのはアメリカ、アルゼンチン、フランス、ポルトガルなどが多いですが、アジア地区ではトップがタイのバンコク、そして2番目に日本の東京がランクインしています。 ブラジルから日本までは飛行機で乗り継ぎ時間を含めて26時間程度かかり、さらに12時間の時差もあるため移動だけで3日間は消えてしまいますが、それでも日本の和食やアート、歴史、建築、禅的なスピリチュアルツアーなどを求めてブラジルからの観光客が減ることはありません。バンコクと同様に日本は物価が安いからという理由もあるでしょう。 余談ですが、個人的にも昨年富裕層のブラジル人ご夫妻を日本へお連れしましたが、45日間の滞在で30を越えるラグジュアリー旅館に宿泊されました。その方曰く、まず自分たちの好みを踏まえて行き先を選んでくれる業者がいなかった、結局自分たちで旅館を一つずつ探したとおっしゃっていました。私は主にアーティストや職人さんのアトリエ、ギャラリーなどをご案内しましたが、この記事にもあるように値段に関係なく自分たちが気に入ったものは買うけれども余計なものは買わないという徹底したスタンスで、45日間の滞在でスーツケース8個に全ての物を収めていました。 ちなみに彼らが購入した物の中で最も高価だったものは一千数百万円のアート作品で、それもしっかりアーティストの方のギャリーを訪れて直接話をして吟味して買われた物でした。 一方で滞在中最も苦労したのは、ご主人がビーガンだったためそれに対応してくれるレストランがなんとも少なかったことです。世界の富裕層の中ではベジやビーガンの方は相当多くいらっしゃいますが、それに全く対応できていない、という印象で残念でした。
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「Jリーグがなかったら僕は生きていない」ポルトガル語通訳を約30年 高井蘭童氏が歩んで来た道
Yahoo!ニュース
藤井 勇人在ブラジル建築プロデューサー/隈研吾建築都市設計事務所ブラジル担当室長
Jリーグのチームスタッフやフロント、運営、もしくは代理人として活躍されている日系ブラジル人の方は沢山いらっしゃいますが、高井さんのように第一線でずっと活躍されている方は珍しいのではと思います。 15歳という多感な時期に家族の都合で日本へいらっしゃったということですが、当時のカルチャーショックは想像に難くありません。日本とブラジル両国に住んだ経験のある日系ブラジル人の方がよく言われるのは、ブラジルではジャポネース(日本人)として呼ばれ、日本では「ガイジン」と呼ばれ、自分たちが一体何人なのかよく分からないとおっしゃいます。この日系人子弟のアイデンティティ問題は、思春期などの多感な時期に親や家族の都合で移住を余儀なくされた方に多く見られます。高井さんもそのお一人だったと思います。 そんな社会環境や境遇の中で、戸田奈津子さんの姿を見て通訳という仕事を知るきっかけがあったことは高井さんにとって運命でもあり、そのきっかけを逃さずチャンスを掴み取った高井さんの努力の賜物が今のお姿だと察します。 日本国内には今現在20万人近いブラジル人の方、さらに在留外国人という枠で見ると300万人近い方が暮らしています。高井さんのように記事に登場されるような方はほんのごく一部で、多くの方は日々日本経済のためにコツコツと働いていらっしゃいます。 高井さんはあるきっかけがあったことで、自分の能力を差異化して独自のポジションを築かれたのだと思いますが、日本にいらっしゃる外国人の方にももっときっかけがあり、違いを認めて生かせる社会環境があれば高井さんのような人材はもっともっと出てくると思います。 以前も書きましたが、元来日本の文化は引き算が得意な文化だと言われますしそれはそれで素晴らしいですが、部分部分でそろそろ足し算的な考え方をしていかないと本当に世界から取り残されてしまうと、世界有数のダイバーシティを持つ国であるブラジルに住む私は強く思います。 それにしても、高井さんが言葉も喋れない来日当初、J-Waveのブラジル音楽番組サウーヂ・サウダーヂを聞いていたというのは微笑ましいお話ですね。35年近く続いている長寿番組で私も当然のように毎週聞いて育ちました。^ ^
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Googleは都市1つを破壊した
AppBank
藤井 勇人在ブラジル建築プロデューサー/隈研吾建築都市設計事務所ブラジル担当室長
アメリカもブラジルも、日本以外の国々はほとんど同じだと思いますが、都市スケールの大きなプロジェクトを始める際は、まず大袈裟にプロジェクトのイメージを採算度外視で発表することから始めるのが普通です。まずは注目されることで投資家からの投資を呼び込み、それによってプロジェクトスケールを落とし込んでいくというのが常套手段です。 ブラジルなど南米の国々においては、こう言ったパブリック要素の高い大きな案件が発表されても、そのほとんどが実現しません。とはいえ、発表すること自体がそもそも重要であり、その行政の姿勢や目論見が一般に知られ、他の新しい案件を呼び込むことに繋がります。 ということを踏まえると、今回もGoogleによるキャンパス計画撤退の発表もなんら不思議なことではありませんし、むしろサンノゼ市にとってはチャンスなのではないでしょうか。 フィージビリティ調査後、マスタープランの段階で詳細まで準備をしてからリリースする日本の多くの都市開発。その手法が悪いとは言いませんし、「発表したら必ず実現させる」という日本人の実直さは今後も世界で唯一無二のものとして存在価値を高めていくと思います。しかしながら、殊に都市計画というスケールで言うのであれば、欧米をはじめとした海外のやり方である、詳細までは踏み込まず先にイメージをシェアするというやり方には学ぶべき点もたくさんあるはずです。
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