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ソフトバンクGのアームIPO、エヌビディアへの売却ほどうまみない
津田 建二国際技術ジャーナリスト
個人的にはその通りだと思う。
有料のArmコアよりは無料のRISC-Vコアの方が注目が集まっているし、Armは強みのある企業だが、将来もしRSC-Vの勢いがついてしまうと、あっという間にArmが転がってしまうことも十分考えられる。
ファンドのソフトバンクグループにとってNvidiaへの売却が最もおいしかったが、キャピタルゲインが希望の額に達するかどうか誰もわからない。
ソフトバンクG傘下アーム、21年売上高は過去最高 先行きも堅調
津田 建二国際技術ジャーナリスト
Armが好調ですが、フリーのCPUコアであるRISC-Vも会員数を順調に伸ばしてきています。Armの最大の特長は1000社に上るエコシステムです。CPUというソフトウエアで差別化するハードウエアは、ソフトウエアをユーザーのために書いてくれる仲間が必要です。日本がいくら独自CPUだ、独自OSだ、と言ってもそれを使うための開発ツールを作ってくれる人がいなければただの石や紙切れです。
Armのすごさは、巨大なエコシステムがあるために誰でもソフトを書いてくれるので、誰が使っても独自の機能を盛り込むことができるのです。
ただ、売り上げ規模が小さいというご指摘がありますが、IPコアビジネスではこの規模が最大の業界です。
残念ながらソフトバンクが熱心に手に入れたのは、世界一のIPコアだという点でした。企業を売ったり買ったりするファンドなので、資金を回収するためNvidiaに買収提案しましたが、次はキャピタルゲインを狙っているだけのようです。
Armは顧客が誰でも簡単にシステムLSIを設計できるようにするために開発ツールに力を入れて、特に今期の決算ではロイヤルティ収入は20%増しかありませんが、ライセンス収入は60%増もあります。つまり量産よりも新規開発顧客を多数獲得できる可能性が大きい、ということです。
先端半導体「日米一体で」 経産相、IBM幹部らに意向
津田 建二国際技術ジャーナリスト
日米連携は大切ですが、日本自身の半導体とITを強化する方がもっと重要だと思います。日米でIBMの開発した2nmプロセスノードの技術を日本で確立してもそれを製造してくれる企業がありません。となるとIBMのテクノロジーエコシステムに参加しているIntelとSamsungのどちらかが2nmプロセスノードで製造するはずです。となると日米で連携しても製造をファウンドリのSamsungに取られてしまう恐れがあります。IBMの機械学習機能を搭載したワトソン向けのPower 10プロセッサはSamsungが量産しています。一刻も早くロジックファウンドリを日本に作る必要があると思います。

Mac復活のカギ、チップ内製までの長い道のり
津田 建二国際技術ジャーナリスト
Appleの売り上げがM1チップの内製化でこれほどまで急に伸びるとは予想していませんでした。しかし、考えてみれば当たり前なんです。性能が良く、消費電力も少ないチップなので、電池が長持ちするだけではなくグラフィック性能がサクサク動くため誰もが使いたくなるからです。
技術的には、IntelのようなCISCからArmのRISCアーキテクチャに変え、しかもArmコアの内部までいじるというスパコン「富岳」並みのCPU技術を使っています。2020年11月の最初のM1チップよりもさらに性能・消費電力を改良したM1 ProやM1 Maxを21年10月に発表し、今年の3月にはM1 Maxを2個並べるM1 Ultraと高性能・低消費電力のチップを次々と発表したため、Appleの自前半導体に対する本気度は本物であることがわかりました。もちろん製造にはTSMCの先端プロセスを使っています。
またApple PCのようにグラフィックデザイナーや芸術家が使うPCではGPUの強化が欠かせませんが、M1のこれまでの進化はGPUを強化したため、もはやIntelチップではできない領域まで先端的になりました。Imaginationのエンジニアを連れてきてグラフィックス機能を強化できたことがグラフィックスデザイナーを魅了したのだと感じています。
クアルコム、今期売上高見通しが予想上回る 1─3月も好調
津田 建二国際技術ジャーナリスト
クアルコムの2022年1~3月期(同社の2022年度第2四半期)売上額は前年同期比で41%増の112億ドルに達した。税引前利益率は35%。まさに絶好調が続いている。むしろ市場の見通しよりも上振れしている。
元々携帯電話技術で、盗聴されにくいCDMA方式を開発、この通信モデム技術を武器に発展してきたが、近年はSnapdragonという名称のモバイルプロセッサが主力としてきた。台湾のMediaTekが追い上げてきたものの、5G技術では圧倒的に強い。モデム(ベースバンド)だけではなく、次世代5Gであるミリ波にもアンテナ技術でもリードしている。
そうなると次は携帯電話やスマホだけに留まらない。主力の携帯電話関係は1年前よりも56%成長したが、それ以外の自動車関係も41%成長、IoTは61%成長を果たしている。今後はコンピュータにも本格的に参入する。それもXRをはじめとするメタバースの世界だ。
CEOのアモン氏のプレゼンを聞いていると、Qualcommはどこまで視聴していくのか全くわからない様相に聞こえる。今のSnapdragonではメタバースのグラフィックスを描くためにはまだ力不足だが、それを認識していて、Snapdragonはメタバース行きの切符だ、との言い方をしている。アモン氏はリーダーとしても素晴らしい素質を持っているようだ。
コロナ禍のApple Silicon開発、どう乗り切ったか Appleのスルージ上級副社長が語る
津田 建二国際技術ジャーナリスト
わかりにくいストーリーでしたが、要はApple Silicnをテストするための顕微鏡によるチェックをリモートでできるようにしたことですね。ファブレスのAppleがなぜ顕微鏡でのチェックが必要としたのかが全く抜けているので正確なことはわかりませんが。チップをPCB(プリント回路基板)に実装した時のボンディング状態を見ようとしたのかもしれません。そうだとすれば、電気的には端子をスキャンして調べるJTAG手法のための回路をチップ上に集積していれば済んだのかもしれません。また、First siliconでうまく動作しなかったために、チップ内の回路の接続状態を見ようとして、電子顕微鏡(SEM)や測長SEMなどをリモートで見たかったのかもしれません。いずれにしてもなぜ顕微鏡による目視検査が必要だったのか、書かれていないのでわかりませんが、深く突っ込めとは言いませんが、せめてその目的くらいは書いてほしかったです。
SK Hynixが投資家集団などとArmの共同買収を模索、海外メディア報道
津田 建二国際技術ジャーナリスト
良くまとめられた記事だと思います。ただ、Armの中立性を保つために、SK Hynixを中心とするコンソーシアムがどれだけ多くの半導体を網羅するのでしょうか?Armの現在の顧客よりは少なければArmにとってはメリットがありません。また、Armの顧客となりうる潜在顧客が大勢コンソーシアムのメンバーとなれば、このコンソーシアムを作る意味がありません。現在通りに中立性が担保されるだけで十分ですから。
一方で、ライセンスフリーのRISC-Vがどれだけ成長するかによって、Armから見るメリットが違ってきます。SKが本当にメモリ以外のSoCに進出するのならむしろRICS-VのIPベンダーを買う方がメリットは大きいでしょう。ひたすら大量生産に注力するメモリーと、少量多品種でも利益を出すようにするSoCとはビジネスが全く違いますので、SKのようなメモリメーカーがArmに手を出すのはやめた方がいいのではないかと思います。Armコアを使ってまず自分のSoCを設計してみることが先決でしょう。
Intelなど半導体大手、Google、Meta、Microsoftがチップレット推進で新標準「UCIe」のコンソーシアム結成
津田 建二国際技術ジャーナリスト
UCIeコンソーシアムは、1つの半導体パッケージの中に、7nmのIPコアや16nmのプロセッサ、高集積メモリなどを集積して専用のICを作るために必要な部品の配線や通信プロトコルを標準化するためのコンソーシアムです。このアイデアはチップレットと呼ばれるIPコアや小さなチップ(ダイ)をパケージ内で組合わせて、新しいIC製品を作るための規格です。例えばArmのIPコアとXilinxのI/Oインターフェイス、村田製作所のチップコンデンサなどを組み合わせて1パッケージ内に集積する場合、配線幅や間隔を統一していなければ、使いやすくなります。
同じような考えが子供のおもちゃの「レゴ」です。レゴは凸部と凹部のサイズと深さを標準化して揃えているため、さまざまなレゴブロックを組み合わせて、子供は独自の物体を作ります。これと同様、IPコアやチップレットの部品のインターフェイス仕様を整えておけば、さまざまな企業の小さな半導体チップ(ダイ)をつなぎ合わせて独自のシステムLSI製品を作ることができます。
ただし、デジタル半導体チップの場合、1と0しか出てきませんので、最初の4ビットは送るという合図、次の8ビットはアドレス、次の32ビットはデータ、というように通信の約束事(プロトコル)を決めておく必要があります。さらにソフトウエアスタックやモデルなども共通化していれば、入手可能なソフトウエア部品も使えるようになります。
一つ残念なことは、このエコシステムに日本企業が1社も入っていないことです。一刻も早く参加して、インターフェイスを揃えて、独自のシステムLSIで世界に打って出てほしいものです。
SBG、英アーム売却を断念 欧米当局が懸念、22年度上場へ
津田 建二国際技術ジャーナリスト
ソフトバンクグループがArmをNvidiaに売却することを断念したことは、Armにとっても全ての半導体メーカーにとってもよかった。もともとNvidiaという一つの半導体メーカーにArmを売ることは、他の半導体メーカーにとって迷惑な話だった。Armの最大の武器であるエコシステムと中立性が、特定半導体1社によって失われてしまうからだ。
この話は、孫正義氏がスタートアップのWeWorkというシェアオフィス企業に1兆円もの大金を投資したことで、本体が揺らいだことに発している。Armの価値は高いため売却することで現金化しようと思ったのだろうが、Armの強みを孫会長が本当に理解していなかったためにNvidiaへの売却、ということになった。
https://blog.newsandchips.com/2020-08-02-13-33.html
https://blog.newsandchips.com/2020-09-15-23-31.html
独占禁止法の視点からこのディールが成立しなかったことはとても良かった。ただ、上場することは、Armの立場からすると必ずしも100%万歳ではない。株主によっては短期的な利益の追求のために長期的な研究開発が出来なくなってしまう恐れがあるからだ。SBグループが買収する前との比較でかつての経営陣の一人がそう語っていた。
米国、対中競争力高めるため半導体生産に6兆円…中国に依存しない供給網構築目指す
津田 建二国際技術ジャーナリスト
バイデン大統領が提唱していた半導体産業への支援520億ドルの法案がようやく議会を通過しました。米国の半導体産業は世界一の強さを誇る。サプライチェーンのなかで、ITサービス企業→コンピュタ・通信企業→半導体設計→設計ツール→半導体製造→製造装置→材料、といった一連の流れの中で、米国が弱いのは、半導体製造の部分だけ。それ以外は圧倒的な強さを誇ります。にもかかわらず「製造が弱くて米国は中国に負けてしまう」というロビー活動をうまく利用し、法案成立にこぎ着けました。
翻って日本は、上記のサプライチェーンの中で強いのは製造装置と材料だけ。それ以外は全く弱くなりました。半導体製造だけを強くしても国全体の経済は強くなりません。日本で経済安全保障という言葉は、米国とは全く違います。
ノキア・NTTなど通信48社、トヨタやホンダに特許料要求
津田 建二国際技術ジャーナリスト
4G (LTE)の接続技術の特許料とは何を意味するのでしょうか?例えば、日産リーフにはセルラー通信を利用して本部とつながり、EVステーションの情報、あと何km先に充電ステーションがあるとかといった情報を提供していますが、日産が3G通信モジュールをNTTドコモなどから購入しセルラーネットワークを使っています。通信モジュールの代金とは別に特許料とは何でしょうか?よくわかりません。
また、5Gではリリース16でコネクテッドカーの接続シナリオを規定しています。その規約通りの通信モジュールを搭載する場合も通信キャリアなどからクルマメーカーが購入するだけではなぜいけないのでしょうか?さらに特許料も払うとは、どのようなことでしょうか?どなたか説明してください。
データセンター、消費電力急膨張 10年で15倍の試算も
津田 建二国際技術ジャーナリスト
データセンターではコンピュータからの発熱と、コンピュータを冷却するためのファンなどの消費電力の二つの内、特に後者の冷却のための電力が大きくなっています。このため空冷ではなく液冷を使うところも現れています。
GoogleやAmazonなどが独自チップを開発する理由には性能の向上もありますが消費電力の削減も大いにあります。データセンターの電力は一般に原発1基分といわれていますので、それ以上電力を増やせないのが実情です。自分の仕様に合わせた独自チップを開発すると、消費電力を増やさずにコンピュータ 台数を増やしたり、性能を上げたりできます。だから、GAFAMたちは競争して独自チップを開発しているのです。
日本ではさくらインターネットが北海道石狩にデータセンターを設置していますが、まさに発熱の問題を解決するためです。
インテル、米オハイオ州に半導体工場 2兆円超で建設へ
津田 建二国際技術ジャーナリスト
1週間ほど前から、この話は噂になっていましたが、Intelはとうとう正式に発表しました。ミシガン州の隣りのオハイオ州はミシガン同様、自動車産業が盛んでしたが、ハイテクのIntelが来ることを誘致していたのでしょう。コロンバス市近郊に工場を作るそうです。プロセスノードは発表していませんが、自動車市場向けに作る製品を中心に作るのでしょう。バイデン政権が半導体支援することで、二つの工場設立を決めました。
CEOのPat Gelsinger氏は、オハイオが製造業がしっかりしていることを主張しています。すでにここの教育機関とも1億ドルのパートナーシップを結び、人材確保に動いています。今年の後半に着工し、2025年末に稼働させる計画です。
キヤノンが国内生産に回帰、御手洗CEOが明かしたその理由

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