野原 弘輔

昨年からImmaculate recession (完璧なる景気後退)と言われる、高い成長率、雇用持続、インフレ抑制と三拍子揃うという事態がここまで続いています。 株価は完全にこれを織り込んでいるように見えるのですが、このImmaculate というのは、その名の通り超超ナローパスです。 地政学リスク、政治リスク、ちょっとしたことでも完璧シナリオは崩れるので、今週のような事は想定内ではないでしょうか。 特に、金融緩和の影響が残っているうちはインフレはしやすいでしょう。株価が下がって、資産効果が削ぎ落とされないと、インフレが全面的に落ち着かないでしょうから、結局は風船が萎むのを待つ形になるように思います。 年内に一度株価が下げて(来年になって？)やっと利下げの話になるのでは？ 結局、そこそこハードなランディングになると予想してます。 一方で、アメリカ経済、特にテックの強さは残るでしょうね。これは、欧州や日本からすると羨ましい限りですが、そういう世界経済のレジームなのでしょう。 アメリカには国内の分断という別の問題がありますからね。これから大変だと思います。

1989年の38,915円は早々に上回るのでしょうね。 今年に入ってからは、銘柄関係なく上がっている雰囲気でバブルっぽいですね。89年のバブルのピークは正にそんな感じで、全てが上がったという話を最近読んだので、余計に気になります。。 一方で、企業収益がついてきているのは心強いですね。 予想PERで16倍というのは、SP500の22倍、NASDAQの30倍からすると安心感があります。 日本国内の理由で崩れるというよりは、アメリカ市場のクラッシュ、地政学リスク、政治リスクなどに引っ張られる形での、大幅な下げはあるかもしれません。そこからの回復は、世界経済の行方と企業収益次第ですね。

人事の貸し借りを中心とした安倍政治もこれで本当に終わりになるのでしょう。 と、同時に自民党が、保守政党として前に進むのは難しくなったと思います(その政治劇の中でしか、こういう話しは進まないので。今の日本、政策論争だと、保守一辺倒にはなり得ません)。 この後は、岸田↔︎麻生の綱引きの結末次第でしょうか。このお二人、波長は合わないと思うけど、相互に必要としている感じがします。 そうだとすると、麻生さんは河野太郎さんは推さないかなぁ。。

こんなに悲観的にしか見れないならば絶対に成功しませんね。。。 これは、極めて単純な話だと思います。 競争力がない企業を排除する(創意工夫をする企業を意図して残す)。 その上で、 値上げを許容して(利益を出せるようにする)、 賃上げをする(必ず従業員に還元する)。 これが信じられないって何なんでしょうね。 世界で闘える日本の超大手は、否応なく賃上げしないといけないでしょうし、、多くの製造業はタイムラグはあるにしても引っ張られるでしょう。 後は、国内のサービス産業だと思います。

10万ドルが中間というのに、違和感はないです。 それだけ、昨今のインフレが急でしたし。 ただ、実際には、2010年以降、米国の平均賃金はジワジワと上がり続けて、物価はそこまで上がりませんでした。 コロナ禍になり、物価が過去の賃金上昇に追いついただけと言う見方もあります。

アメリカの国策としては、中国>ロシア>中東の順番で、優先順位があるはずです。アメリカの力の中心を削ごうという勢力(中国、と紐づくロシア)を抑え込まなければ、国としての未来が描けないからです。 ただ、国内世論がイスラエルを挟んで割れているので、そこに取られるエネルギーが必要以上に大きくなっていますね。アメリカの崩壊があるとすれば、間違いなく外部からではなく、内部からだと思います。 ただ、20年、30年経つと、支持層が高齢化している共和党の柱になるような政策(孤立主義、銃規制、女性の権利、移民)は一転していくと思います。両党は必然的に似たような政策を追いかけるのではないでしょうか。