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ワクチン廃棄の企業名公表 職場接種で厚労省
共同通信
高橋 義仁専修大学 商学部教授
職域接種は、接種予定者名簿、接種する医療従事者、会場の都合を企業(実施者)がつけることができると、ワクチンの希望数が入手できる仕組みでした。早く接種してもらう機会を従業員に与えるために早急に手配し、余れば返せばよいとも考え、多めに手配する傾向があったようです。 自社分確保優先の行動が、「隠れ余剰」を大幅に出していると思われます。制度設計で防ぐ手段があったはずですが、なぜ二重、三重予約が可能なシステムにしてしまったのか、いまさらながら悔やまれます。 ワクチンは、いったん企業に持ち出された分は、温度などの品質管理の保証ができないことから、信頼できる記録が備わっているもの以外は、他会場では使われず、残念ながら廃棄されると思います。 厚生労働省が、「ワクチンを廃棄した場合の企業名を公表する」と事後に決めたことに対してはまったく寝耳に水で不満をもつでしょう。当初は、ほぼノーリスクで実施できる「福利厚生」と考え、企業イメージの向上にもつながることから飛びついていたわけで、企業にはよいことづくめの福利厚生施策でした。 これがいまになって「廃棄した企業」などと実名を出されることにより、逆効果になるわけですから「当初からそういうことがわかっていれば、参加しなかった」と思う企業は少なからずあるかもしれません。 ワクチン自体の費用だけで考えると、1回あたりの価格は約3000円ほどといわれており、廃棄分については企業に費用負担させてもよいのではないでしょうか。大半は、「廃棄企業」のレッテルを張られるより、払った上で、公表されないほうを選ぶでしょう。 もちろん、有効活用を考える上では、金銭保証をしてもらったところで、意味はありません。当初より考えることができたこのようなリスクの回避方法は十分にあったはずですから、繰り返しになりますが悔やまれます。しかし、一時的な接種スピードアップには貢献してはいますし、使えなくなったワクチンはもう戻ってこないので、割り切って次の方法を考えるしかないでしょう。
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塩野義、コロナ治療薬の国内第I相臨床試験を開始
Reuters
高橋 義仁専修大学 商学部教授
企業発表は、臨床第1相試験といわれる、臨床試験としては最初に行う試験に関することです。このステージでは通常、健常成人男性に対して投与され、厳重なモニタリング下で主として体内動態(血中濃度など)と安全性の確認が行われます。この試験の成績において安全性上の懸念が許容範囲であれば、規模を拡大して、臨床第2相試験で有効性を確認します。 臨床試験の最初期のステージであり、ここまではヒトでの有効性の確認はまったくなされていない段階です。しかし、ウイルスの増殖に必要な酵素(プロテアーゼ)を選択的に阻害する薬効を有し、類似の作用機序を有する医薬品は、抗HIV薬としては汎用されています。 通常ですと、製薬企業はこの段階の「医薬品候補」はいくつも抱えており、一般的にはここからの道のりは遠く成功確率も高くないため、積極的にプレスリリースを行うことはありません。しかし、新型コロナウイルス薬に関しては日本の政策ポリシーに著しい変化がみられ、日本で臨床効果が確認できていない場合でさえ簡易に認可を出している事例が相次いでおり、この医薬品についても、安全性がある程度確認できれば、ごく少数例の臨床成績で特例承認される可能性があるでしょう。 抗ウイルス薬関連としては、日本では、当初エボラ出血熱に使われていた「レムデシビル」(ギリアド・サイエンシズ)が新型コロナウイルスに対する抗ウイルス薬として認可が取れています。より系統が近い既存抗ウイルス薬「ロピナビル/リトナビル」(アッヴィ)は、HIV感染症の治療薬として国内でも承認を取得していますが、海外の臨床試験において投与群とプラセボ群の死亡率に有意差が見られず、抗コロナウイルス薬としては承認に至っていません。 いまのところ、新型コロナウイルスに特化した抗ウイルス薬が存在しないため、臨床試験の成功が期待されます。
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バイオジェンが反論、アデュヘルム承認への批判は「著しい偽情報」
Bloomberg
高橋 義仁専修大学 商学部教授
「バイオジェンと承認審査に携わったFDAスタッフとの間について、審査結果が出る前の情報のやりとり」を疑う報道がでており、想像の域内ですが、バイオジェンが主張している「著しい偽情報」とは、これに対する否定だと思われます。 「エーザイ・バイオジェンの認知症薬、FDAトップが承認過程の調査要請」(Bloomberg 2021年7月10日) https://newspicks.com/news/6004155?ref=user_1310166 一方、臨床試験の結果が偽である可能性はほとんどないため、「偽情報」が仮に試験成績を指すものだったとしても、解析結果の「解釈」に限れられるはずです。 当医薬品の臨床効果の「解釈」については微妙でした。承認を得るためには、薬効薬理的特性から効果が認められると予想される効果をプライマリー・エンドポイント(主要評価項目)に設定した上で、臨床試験後に開封し、クリアする必要がありますが、当医薬品で認められた「これを満たさずに承認」という話はほとんど耳にしたことがありません。 「アルツハイマー薬、米で承認=世界初、エーザイが共同開発」(時事通信社2021年6月8日) https://newspicks.com/news/5915122?ref=user_1310166 実際、アルツハイマー型認知症の「進行を抑制する」として発売されている医薬品は「アデュヘルム」以前になく、介護に負担を強いられている患者団体は当医薬品を熱望していました。製薬企業も影響力を有する患者団体に対し、「社会貢献」として資金援助をするのは、最近の製薬業界の流れでもありました。 これまでは同種薬がない場合、たいていの民間健康保険(生活困窮者には政府の社会保障)は保険でカバーされていました。このケースでは、主に保険会社が費用の負担をするため、患者負担は大きくありません。患者家族にとっては、「医薬品」はあったほうがよいと考えるでしょう。ところが、当医薬品に対しては、「保険適応の基準変更(保険対象にしない)」をする保険会社が見られはじめてています。異例のことです。当医薬品には、年間約610万円の価格が付けられています。
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菅首相 ファイザーCEOと直接交渉へ 未納入ワクチン前倒しを
FNNプライムオンライン
高橋 義仁専修大学 商学部教授
交渉のテーブルにつく方が決定権か、それに近い権限を有しているというのが世界標準だと認識していますが、日本企業の場合は、ニコニコして頷きながらも(長い会議のあと)結論を出さず「社に持ち帰る」とだけ回答し、相手を待たせたうえ、(上役の回答をふまえて)あらためて会議の設定をお願いするような交渉手順をとるため、これが世界のビジネスには受け入れられず、他国に交渉で負けることが結構多いように思います。 このようなエピソードが、日本政府のワクチン購入交渉でも当初は見られており、本年3月上旬には、これにしびれを切らせたファイザー社側から、日本政府に対し「首相と交渉を」という要望が出ていました。 この時、日本への供給条件として、新型コロナワクチン接種に際し重篤な副反応が発生した場合には、供給企業に責任があった場合でも、企業側の免責を受け入れるように要望されていたようです。(すでにファイザー社のワクチンを購入していた国はこの条件を受け入れていたとみられます。)この点の折り合いがつかないため暗礁に乗り上げていましたが、首相とファイザー社の交渉により、日本がこれを受け入れた結果、優先供給が即座に決まった経緯があります。 「ファイザー『首相と交渉を』返答に関係者絶句、政府主導権取れず難航」 (SankeiBiz 2021年3月8日) https://newspicks.com/news/5669706?ref=user_1310166 決定権限を有する方同士の直接交渉は、日本政府としてもファイザー社としても、共に条件を伝え、合意点を見出すための合理的な方法です。世界中がワクチンの優先供給を求めていますので、権限を有する方が早期に交渉しないと、どんどん後回しになってくるものと思われます。日本の現状(ワクチンの供給不足による接種遅延)を踏まえると、当然に必要なアクションで、ここには3月の経験が生かされているのだろうと思います。
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コロナ治療薬「ロナプリーブ」、厚労省が承認 世界初
www.afpbb.com
高橋 義仁専修大学 商学部教授
中外製薬から、詳細がプレスリリースされていました。 「カシリビマブとイムデビマブの抗体カクテル療法、COVID-19に対する治療薬として製造販売承認申請」(中外製薬 2021年6月29日) https://www.chugai-pharm.co.jp/news/detail/20210629170000_1122.html この医薬品が7月19日夜、日本で承認されたとのことです。 「コロナ治療薬 中外製薬申請の薬 厚労省が承認 軽症患者用で初」(NHK 2021年7月19日) https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210719/k10013148501000.html 承認された医薬品は、抗体医薬品の「カシリビマブ」および「イムデビマブ」を組み合わせたものです。米国リジェネロン社およびスイスのロシュ社(中外製薬の親会社)により開発されましたが、日本ではごく少数例に対する臨床第1相の試験で安全性と忍容性、薬物動態の確認を行ったのみで、有効性に関する成績は海外の臨床第3相までの試験を用いています。申請後1か月での承認取得については驚愕のスピードです。新型コロナ感染症に関係する医薬品については、評価すべき臨床試験成績が海外にあれば「日本でも承認」の流れにはありましたが、今回はそれに加え、「海外で承認されていなくても日本で承認」ということで、驚きです。 中外製薬の抗体医薬品は、外部から抗体を補充することにより「短期間で」効果を発揮させる目的で使われます。ワクチンを接種した場合、体内での抗体産生までに時間がかかりますが、外部から抗体を投与する場合、短時間で効果が発揮できるため、緊急に外部から抗体の導入が必要な場合に効果が期待できます。 外部から人為的に抗体を入れるもの(抗体医薬品)、ウイルスの遺伝子を攻撃して減少させるもの(抗ウイルス薬)が初期~中等症向け治療薬として使われますが、ともに「ウイルス量が増加した状態」では効果が見込めないといわれます。また、添付文書(使用法に関する公式書類)には、選択基準として「50歳以上または基礎疾患を有する方」と書かれています。非常に高価ですし、重い副作用の懸念もあります。ウイルスの侵入時に発症を抑える「ワクチン」とは用途が異なりますのでワクチンの代替にならないことに注意する必要があると思います。
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「勇気ある経営大賞」グランプリに書店 なぜ?
ITmedia ビジネスオンライン
高橋 義仁専修大学 商学部教授
出版事業から訪問介護事業に多角化を行っても、「既存事業との関連が少ない(非関連多角化)ため、成功が難しい」と単純に発想してしまいそうです。介護事業の成長が見込まれるからといって、安易に参入しても甘くはないぞ・・・と。 出版業界の方は、出版物として扱う領域に関して、専門家レベルの高い知識と情報をもっていると感じるところですが、医学出版老舗の三輪書店が扱う出版物は、医学書の中でも、整形外科、理学療法の領域が多く、このような領域について、仕事を通じて広い知識と優良な人脈が構築されていたであろうと想像します。 つまりは、三輪書店の介護事業への展開には、強い多角化の源泉となりうる「シナジー効果」が有効に活用されていたのではないかと思われます。特に、ここでのシナジーの源泉は「人材や管理」の共通利用効果にあり、スキル、ノウハウを持った人材が複数事業で活躍することにより、強力なシナジー効果が得られているのだろうと思います。 また、出版を通じて知識の所在(所有者)を知り、実践の事業を通じて得られたノウハウを、次に「研修事業」に展開していくなど、多角化の発想に優れた企業であることが理解できます。 過去の事例を挙げるなら、三輪書店の多角化は、計量器大手タニタが外食事業、出版事業に展開したケースと似ています。
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クオールや日本調剤、処方薬宅配 オンライン服薬指導も
日本経済新聞
高橋 義仁専修大学 商学部教授
テレビ電話でつないで患者とやりとりを行うオンライン薬局(オンライン服薬指導)は期待されていますが、いくつかの問題から普及が難しい状況にあります。 薬局の薬剤師は、患者と対面して患者が医師から受け取った「処方箋」をみて、理にかなった医薬品が処方されているかをチェックする責務を負います(医薬分業の主目的です)。疑問点がある場合(用法、用量、飲み合わせ、理にかなっていない処方内容など)は、処方箋を記載した医師に電話連絡し内容を確認、誤りであれば訂正の承諾を得ます。医薬品を患者に渡す時点では、服用する上での注意事項などを伝えます。 このような業務は、薬剤師の基本業務であり「服薬指導」と呼ばれますが、現在、これがオンラインで認められるのは、「付随する診療がオンラインである場合」に限られていますので、対面での診察を受けていれば、薬局はオンライン服薬指導を拒否せざるを得ません。 診療の場合、聴診、触診などのバイタルサインと検査データの取得ができなければ、診療の質は高くできませんが、オンライン服薬指導はそれほどまでには対面でないと困難な理由は見いだせず、なぜ認められないのか、首をかしげざるを得ない状況にあります。 薬局側がオンライン参入しないことについても、インセンティブ上の理由があります。最も大きいのは、オンラインであろうがなかろうが、薬剤師1名あたりの応需処方箋の枚数は40枚/日となっていることで、さらには、調剤設備などもオンラインであっても対面型の薬局と同基準の設備を作る必要があるため、オンラインでも無店舗にするなどの合理化は不可能です。(むしろオンラインへのシステム対応の費用が薬局からの持ち出しになります。) また、配送料を患者負担とするなら患者からクレームが発生する原因になり、薬局負担とするなら経費がかさみます。現状のオンライン薬局はコスト的にデメリットになるため、「医療用医薬品の入手はオンラインが普通」の世の中になるまでは、普及は難しい状況にあります。 それでも大手調剤薬局がオンライン服薬指導、宅配、ロッカー受け取りに設備投資をするのは、「法規制が変わった場合に業界地図が激変する」ことを期待してのことですので、動向から目が離せません。
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米薬品卸売3社、11.8億ドル支払いでNY州と和解 オピオイド訴訟
Reuters
株価3倍のメドレー、問われるオンライン診療草分けの実力
日本経済新聞
高橋 義仁専修大学 商学部教授
メドレーの株価が好調であることが書かれていますが、メドレーはオンライン診療の草分け的存在ながら、そこからは利益があげられておらず、実質的な収入は、医療人材の紹介業に偏っています。 それでもなお、株価が好調な理由は、オンライン診療への期待感だと思います。オンライン診療は、これまで「初診では認められない」とされていましたが、コロナ禍では、実施可能な場合には初診でも認めるとする条件緩和、その後、解釈があいまいだった「時間外・休日・深夜診療の加算も認める」と通知されるなど確かに追い風で、さらには、2021年6月に閣議決定された規制改革実施計画にも盛り込まれている通り、オンライン診療の恒久化が実現される見通しにもなっています。 それでも現状では、対面診療では得られる「外来管理加算」などに比べ、診療報酬が低く抑えられていることにより医療機関側にオンライン診療のインセンティブが働きにくく、さらにはメドレーなどプラットフォーマーに支払う費用が、患者(または病院)の負担となること(保険適用外)から、オンライン診療の方が患者負担額が上がる可能性が高い状況です。 電話やZOOMなどの既存のインフラで対応するだけなら、プラットフォーマーに加入しなくても実施できるため、加入が必須とも言えませんが、患者集客機能と支払い機能の付加がプラットフォーマーを使う理由であり、その意味から、プラットフォーマーの価値は、営業力の結果獲得するネットワーキング・パワーであることがわかります。 オンライン診療では、医学的な判断材料である、聴診、触診、各種検査データの入手に問題が生じるため、現在の技術では診療の質は高くなりません。また、「診療行為」よりもオンラインとの相性が良いと思われるオンライン薬局(オンライン服薬指導)については当局はより消極的で、現状ではオンライン薬局の採算性が非常に厳しい状況であるため、「医薬品の入手だけ対面で」などという状況も少なくありません。 米国は日本に比べ普及していますが、多くは「家庭医」カテゴリーでの普及で、家庭医の実務には資格のあるナースも参入開業しているなど、専門医受診の前ステップ(医療保険会社が指定)であるとの位置づけですので、日本と事情が異なります。オンライン診療が普及するまでには、乗り越えなければならない壁が多く存在しています。
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「上場企業の役員報酬額ランキング」最終結果発表 最高額は18億8200万円、トップ10に外国人が7人
ITmedia ビジネスオンライン
高橋 義仁専修大学 商学部教授
ソフトバンクグループからはベスト20に6名、武田薬品工業からはベスト20に3名の役員がはいっています。武田薬品工業でリストに入っている役員の方々はグローバル役員報酬の基準が適用されている方(外国人)です。武田薬品の社内取締役で日本人の(共同)代表取締役は1名いますが、同企業トップ((共同)代表取締役)はその方の約6~7倍の報酬とかなり大きな格差がついています。何を区別して報酬に大差がついているのかは、もはや明らかではありません。 ソフトバンクについても、トップの報酬が外国人役員の水準を下回っていることから、グローバル採用加算があるものと推測します。 報酬額については、株主総会で株主の承認を得ているものですので、外部がとやかく言うものではないでしょう。ただ、日本企業が優秀な外国人を採用する必要に迫られて策定した報酬基準であるなら、もはや日本人であることを理由に区別する必要については疑問を感じます。 また、日本においては、従業員側が平等主義(新卒給与が同一、社員間の給料に大きな格差をつけない)が一般的に理解されている一方で、役員報酬だけが極端に高額である場合、理解されにくいのではないかと感じます。 トップが創業者であるなど場合を除いて、役員報酬額と従業員平均給与の差が大きいと従業員のモチベーションを下げる傾向があると言われています。経営者はあるべき姿を意識しておかないと、有能な社員の人材の流出の試練を経験することになりかねないと思いますので、常に自己のポジションを把握する必要があるでしょう。
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「接種したら無期限の自宅待機」タマホーム社長が社員に“ワクチン禁止令”
文春オンライン
高橋 義仁専修大学 商学部教授
いろいろな考え方があってもかまわないとは思いますが、企業の責任ある方の発言として出されているであろうことについては、にわかに信じがたいというのが感想です。 業務に関係がない個人的信条である「ワクチンを接種する」ことで不利益な取り扱いをすることは、憲法第13条に定める、「すべて国民は、個人として尊重される。」ことの侵害にあたると思います。記事にもありますが、企業の都合で自宅待機を命じた場合の責任は企業にあるため、給与の支払い義務も発生します。無給は明らかに違法です。 労働契約法では、「企業は従業員に対して生命や身体の安全を確保しながら働けるように配慮する義務がある」と明文化されていますので、接種していない場合に(社員の健康管理に配慮して)自宅待機させるならまだ少しはわかります。その場合も、給与の支払い義務が発生します。今回の、「接種して自宅待機」については、合理性があるとは思えず、理解できません。 さらに、写真で確認できる図で、PCR検査の実施を実施する前に企業に報告する義務が書かれていますが、普通の状況では報告義務はありません。結果を報告する必要もありません。健康管理情報の提出を強要させるなら、プライバシー侵害にあたります。 発信文書の全般にわたり、論理的な思考をもって理解できるような内容がほとんど書かれておらず、驚きを禁じ得ません。これに強制力を伴わせている結果、従業員の権利をただちに侵害していると思いますので、この週刊誌報道をもって、おそらく労働基準監督署が査察に入ると思います。
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台湾、「国産ワクチン」初承認=8月にも投入、接種加速へ―新型コロナ
時事通信社
高橋 義仁専修大学 商学部教授
突然の「台湾製」ワクチン報道ですが、別報道では「臨床第2相で良好な成績」を上げたため、8月にも緊急使用許可を出す計画があるとのことです。 医薬品の基本的な開発の手順をふまえた見解としては、おそらく数百例程度の検討と思われる医薬品(ワクチン)をいきなり市場に出した場合、数百分の1以下で発生する副作用(副反応)を検出できないため、市場で一気に使用されて健康被害が現れはじめた場合、これを止める手段をもちえず、開発手法としては望ましくはありません。 アストラゼネカ製ワクチンの英国での血栓症の副反応(因果関係が不明を含む)は、3,300万人にアストラゼネカのワクチンが接種されたところ、重篤・重症・中等症の血栓症があらわれたのは309人(2021年5月時点)で、確率0.001%(10万人に1名)ほどの超低頻度ですが、これよりは極めて高頻度の副反応さえも検出できないことを認識する必要があります。 一般的に、臨床試験は段階的に使用範囲を拡大する手順を踏むことが基本で、新型コロナ・ワクチンの場合、米国では、緊急使用許可でさえ、治験薬群2万人規模での実績を積んで認可されるといった基準でした。いまも緊急使用許可にとどめられていますが、長期使用のデータが確認できていないという基準(許可時点では、数カ月間の追跡のみ)があるためです。したがって、パンデミック終息後は、米国では緊急使用許可が取り消されることになります。(これを避けるためにファイザー社は正式薬事承認を受ける準備を進めています。) 「台湾製」のワクチンについて、もし数百例規模の実績をもって薬事承認を行うのであれば、そのようなリスクを考慮の上、極めて慎重にモニタリングしながら(臨床試験と同基準で)使用されるべきです。台湾での「緊急使用許可」は、第3相に相当する規模でのプラセボとの無作為化二重盲検試験を省略する意味合いにすぎない(厳格なモニタリングを義務化)とした場合は、台湾で承認されたとしてもおそらく世界の基準に達せず、先進国に輸出できる医薬品にはなりません。 しかしながら、台湾特有の事情として、中国からの圧力でワクチンを入手できないこととのバランスを考えなければならず、ワクチンが存在しない中、緊急に使用する許可を台湾国内向けローカルルールで出さざるを得ない事情としてとらえるなら、止むをえない判断になるのかもしれません。
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J&J、ベビーパウダー訴訟関連の負債対応で破産法活用を検討-報道
Bloomberg.com
高橋 義仁専修大学 商学部教授
米ジョンソン・エンド・ジョンソンの有名な商品の1つにベビーオイルがありますが、同じ顧客層の「ベビーパウダー」に発がん性のあるアスベスト(石綿)が混入していたことが明らかになり、これが原因で20名が卵巣がんを発症したとして、ミズーリ州セントルイスの控訴裁では、21億ドル(約2300億円)の賠償金支払いが確定していました。他の州の判決も、続々と続くと思われます。 同商品は使用者が多く、2万6000件を超える訴訟を抱えているとのことで、天文学的に賠償金が増加する可能性がありますので、関連事業を別企業に分離し、破産法を適用させることで他の訴訟からの本体破産のリスクを分離したいということだろうと思いますが、そう簡単には世論が許さないのではないかと思います。J&Jがもともと社内分社の組織構造をもち、数々のブランドでヘルスケア関係の優良商品を送り出している企業です。訴訟問題以外は、概ね極めて好業績です。本体が破産リスクにさらされるほどの大きな問題になっているのでしょう。 一方で客観的に見て、(おそらく、すべての使用例においては因果関係も明確とは言えない状態で)高額すぎると思える賠償額を命じる判決に見えます。J&Jは、オピオイド系ペプチドでも数百億円単位の賠償金を数回にわたって支払っており、数々の訴訟リスクに直面しています。裁判に協力し、早期に罪を認めないと敗訴したとき非常に高額の「懲罰的損害賠償金」が追加されるシステムです。 陪審団による裁判は、民間から無作為で選ばれた陪審員からなる、日本の裁判員裁判の原型ですが、極めて権限が強い一方、論理や判例よりも感情で量刑・罰金を決めてくる傾向にあるため、原告弁護団は「感情的に訴える」策をとることに頭を使うと言われており、これが功を奏しているのか、高額賠償が次々に確定しています。 日本の製薬企業も、米国事業に進出している企業は、度々訴えられ、有罪判決を受けています。米国での事業の最大のリスクは消費者対応だとつくづく感じます。(それ以前に問題のある商品を出さず、偽りのマーケティングもしないことが重要ですが。)
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