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【解剖】工具のアマゾン、MonotaROの必勝戦略3つのポイント
NewsPicks編集部
平岡 乾ジャーナリスト
「人がいない創業時にカタログ作成から何から何まで不眠不休で作り続けたモチベーションは何か」と聞かれた際、「モチベーションについてあまり考えない方がいいですよ」と。今回登場するモノタロウCEOの鈴木さんは、出身大学の立教大学で講演で、このような質疑応答をしたそうです。 その理由は、「今日より明日の方が良い」のような「ニンジンのぶら下げ」にも通じる「動機付け」によって「努力」するよりも、「好きだから」の好奇心で毎日やっている。後者の方が持続的だからだそうです。 つまり、「モチベーション」が必要な活動は「労働」の延長線上。むしろ、「好きなこと」であれば、はたから見ればどう見ても頑張っているようにみえても、本人は無理なく続けてられる、となるそうです。 私の友人がある時、「努力を努力だと思っていない人が最強」と話していました。それを聞いて妙に納得したことを思い出しました。これもまた、モノタロウの「持続的な高成長」の考え方に資すると思った次第です。 私自身も「努力していると思っていない」スレスレの活動量や、「どんな優秀な人でも努力だと思う」ことでも、自分にとっては「好きでやっている」(私の場合は読書)ことを改めて整理したいと思いました。
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【新機軸】ファイナンス理解が10倍加速する「発想法」
NewsPicks編集部
平岡 乾ジャーナリスト
船井電機という企業があります。ヤマダ電機と提携して、液晶テレビブランドを展開している企業です。大谷翔平選手が所属していた時代のエンゼルスとスポンサー契約を結んでいたので、お茶の間でもFUNAIブランドを目にしていた人もいらっしゃるでしょう。 同社は2010年ごろまで、アメリカ小売大手のウォルマートなどに廉価なテレビを納めて成長するも、その後はテレビのコモディティ化を受けてずっと赤字続き。しかし、企業の存亡に関わるほどの経営「危機」とはならず、あくまでも経営「不振」の範疇にとどまりました。 今は、秀和システムの傘下となっています。 一方、かつてプロ野球オールスターのスポンサーでおなじみの三洋電機。2000年ごろは、経営トップが「なにわのジャックウェルチ」などと称されて、勝ち組に認定されていましたが。ところが、2004年の新潟県中越地震を機に、経営が一気に傾いて自力再建は不能に。 家電事業は中国傘下で、残りはパナソニック傘下となりました。 こうした違いは、決算に出てくる利益や最終損益だけを見ていても判別できませんでした(予兆を掴めませんでした)。 結局、キャッシュフロー、バランスシート、資本コストの「新・三種神器」と私が勝手に決めた指標で追わないと分からないというのが私の現時点の結論です。 今回、この考えに基づき、2つの財務指標を大胆に健康に例えてみました。NPで過去4年ほど、CEOおよびCFO、またはコーポレートファイナンスに詳しい方々に質問をしてきた結果、厳密性には欠いていても、この記事で紹介するような感覚を身に付けている人が多いという実感を得ています。
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【解説】結局、何が東芝の「課題」なのか
NewsPicks編集部
平岡 乾ジャーナリスト
スポーツも経営も泥臭い──。 野球ならホームラン、サッカーやバスケならゴール、バレーやテニスならエースショットと、スポーツなら華やかな特典シーンが注目されます。 でも、本当に強いチームやアスリートはそれ以外の基礎的な動作ができ、ミスが少ないという共通傾向があります。 企業も、画期的な製品や新しいビジネスモデルが注目されるものの、現実にはその土台となる地味な組織運営が業績の差異を産み、10年単位では大きな違いとなる。 元々、技術系記者を目指してきた身として、愚直な組織運営の重要さを身に染みて感じています。 その点、今回の東芝の「再興」の名を冠した新・中計は、かつてないほど率直に組織課題に触れている点で前向きに捉えてもいいかと思います。 あとは、東芝の開示資料で公表されているのは主に営業利益率の改善。加えて、東芝自身がどれだけ投資してどれだけリターンを生むとみているのか、いわゆる「キャッシュアロケーション」と「ROIC」の観点で展望を公表すれば、なおさら成長の透明性が増すかと思っています。 最後に、東芝は2024年度の新卒採用計画として前年度比3割増の約1800人を計画しています。新卒増員とベテラン社員の削減のあべこべをいかに丁寧に社内に説明するかは重要だと思っています。また、ここ数年は新卒採用において同社も苦戦しているとも聞く中、転職によって去ることも視野に入れて個人のキャリアに寄り添う企業に変革することも欠かせないと思っています。
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【分析】あのニデックも参戦、AI特需を狙う「次」の企業
NewsPicks編集部
平岡 乾ジャーナリスト
新型NISAもあいまって、個人の株式投資に関心が集まっていることについて、知られざる「副次効果」があると思っています。 それが、いわゆる「黒子企業」に光が当たること。黒子とは、身の回りで目の当たりにことはないものの、社会に欠かせない製品サービスを手がける企業。その多くが「B2B」です。 キーエンスや東京エレクトロンなどすでに一定の知名度を勝ち得ていた企業はもとより、最近ではレーザーテックやディスコ(音楽関連みたい)、さらにはSMCといった企業も知られるようになってきました。 あるアナリストと話したところ、「元々半導体は門外漢であるものの、もはや避けて通れない領域」とのこと。日本では、半導体の製造に使う装置と素材の企業が多いので、必然的に信越化学やJSR、東京応化工業といった企業にも光が当たってきました。 今思い返すと、今や「知らないでは済まされない」TSMCも、4年前に、「米中貿易摩擦のカギを握る、そして超高収益企業としてTSMCという会社がある」と話したところ、「なんじゃその会社は」というリアクションが返ってきました。 隔世の感を禁じ得ません。 ついでに、2010年代は「ものづくりオワコン」のような「いわれなき酷評」も少なくなかったので、ものづくりに対する正当な評価がされている点も感慨深いです🥺
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【秘伝】利益率30%、元ソニー子会社を再生させた仕組み力
NewsPicks編集部
平岡 乾ジャーナリスト
私自身、10年ほど前、材料(機能化学)メーカーを取材していた時、衝撃を受けたことがあります。 なんと、おむつ材料も中国に大量輸出されていたこと。 吸水性の高さなどはさることながら、肌に触れるので、Made in Japanのニーズが高かったからとか。 あまり知られていませんが、日本では自動車、ロボット(機械・製造装置)などと並び、「材料/素材」も輸出を支える一大産業です。(最近ではコンテンツ産業も躍進中) ある面では「ローテク」の塊である材料の製造プロセスは、デジタル化と相性が悪いことがこれ幸いし、長い蓄積と(少ない予算)で何とか作り込むという、日本のやり方にマッチしたと理解しています。 ただし、今や昔。昨年、10年ぶりに取材を重ねてみたら、ディスプレイに使う「液晶」や「偏光板」といった材料などは、中国企業などにキャッチアップされ、撤退する、または大幅な事業再編が避けられない状況となっていました。 そんな厳しい環境でも、高いシェアを維持している企業は、やはり底知れぬ「営業マインド」がある。そのような仮説を深めています。 その1社がデクセリアルズです。 ちなみに新家社長に取材させていただいたところ、大変素朴で謙虚なお人柄の印象を受けました。営業利益率にして30%の到達した今、「ようやくスタートライン」に立てた段階だとか。 私の取材経験では、材料/素材系で1000億円~3000億点規模の中堅高収益企業は、技術系出身で、大言壮語を言わずに、どこまでも謙虚。「ニッチな事業をこなよく愛する」(?)方が多く、これは日本の良さだと思っています。 そのうえで、デクセリアルズもROICのようなファイナンスのほか、ガバナンス改革、本文では紹介できなかったものの人事改革など、経営の仕組みもアップデートしています。 このような事例が増えれば、日本の「黒子産業」は今後も発展していけると思っています。
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【総括】シャープもついに大幅縮小、今こそ問う液晶の未来
NewsPicks編集部
平岡 乾ジャーナリスト
10代の頃、ゲーム雑誌で、任天堂が携帯ゲーム機の液晶画面をシャープと共同開発したといった趣旨の記事を読んだのが、この分野に関心を持つきっかけ(?)でした(当時は記者になるとは思っていません)。 また、ガラケー全盛期に当時おそらく世界最先端であった高精細カラー液晶画面はシャープ製。私は同社のガラケーを使ってきました。 これとは別に、液晶テレビに普及していった2000年代の半ば。家電量販店に行けば、シャープ製よりも松下製や三菱電機製、ビクター製の方が、漆黒の画質表現の完成度が高い印象を持ちました。 でも、シャープ製テレビの品質が高い印象を受けたのは、液晶カンパニーを打ち出すブランディングがうまかったのではないか、学生なりにそう思いました。 (ちなみに、その後はシャープ製液晶テレビのコントラストも急速に向上していきます) なお、有機EL(OLED)は日本が出遅れたと記しましたが、実際には世界で初めて市販化したのはソニーだったはず。2009年ごろ家電量販店でその商品を見ました(それほど売れてなさそうでした汗)。 それだけに、超高精細マイクロOLEDにおける躍進の可能性に着目しています。 最後に、今回は液晶にスポットを当てましたが、シャープを鴻海が買収した際、創業者は「シャープの苦戦の原因は液晶ではない。太陽電池だ」と明言したことをこちらで補足させていただきます。
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【トップ直撃】「ワークス」製品を継いだ企業の「今」
NewsPicks編集部
平岡 乾ジャーナリスト
JTC(我らニッポンの伝統的な大企業)、特にメーカーは事業部の力が強すぎる──。 コンサルを務めている友人がそう嘆いていました。 日本企業あるあるの「カスタム沼」には、「うちの会社は特殊だからね~」がまかり通ってしまうナゾの文化と、事業部ごとの特殊性が背景にあるそうです。 つまり、企業単位どころか、事業単位で業務プロセスがカスタマイズされていることになります汗 ちなみに「沼」とは、一度でも足を踏み入れたら最後、永遠に抜け出せなくなることを意味します。例えば、高級カメラレンズの良さを知ってしまった人が、さらに買い足したい誘惑から抜け出せなくなる「レンズ沼」といったフレーズがあります。 私自身は、金型産業を取材していた際に、かゆいところに手が届く国産設計ソフトが、標準を重視する欧州製ソフトに駆逐されていったことを目の当たりにした経験があります。 いくら便利でも、企業ごとに個別最適化(カスタマイゼーション)していては、「スタンダード」に最後は負ける...という教訓を学びました。 NewsPicks編集部では、内製の入稿システムを通じて記者自身が入稿と編集を行うため、自由自在に出来てしまいます。そうした良さを生かしつつも、フォーマットや文字数制限など制約を設けることも重要だと考えています。 ときに制約が創造性を生む点も踏まえて。
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【直撃】フィグマCEO、生成AI時代はデザインが勝敗を決める
NewsPicks編集部
平岡 乾ジャーナリスト
車輪の再発明── これは、すでに存在している設計やデザインを別の人が一から作ることの無駄のことを意味します。もちろんご存じの方も多いでしょう。 2022年にフィグマを取材して以来、デザインについては門外漢であったことで苦労もしましたが、学びだらけでした。その一つが車輪の再発明をやめよ。 確かにその通りで、我々もデジタルベースのメディアなので、一回作ったコンテンツはコピペで再利用できる。全部でなくとも、図や一部の文章は再利用する。 この再利用率が3割程度であれば、読者にとってもむしろ復讐になる、作り手にとっては仕事が即終わるとウィン-ウィンだと仮定して今日に至っています。そして、この仮定は今も生きています。 日本はデジタル活用が弱いとよく言われますが、単にITツールを導入したり、プログラミングを学んだりする以前に、デジタルの世界は一度作れば複製無料(いわゆる限界費用ゼロ)であるという発想転換から始めるべきだと思っています。 そして、Figmaをはじめとするソフトはほぼ海外製がほとんど。DX赤字とも言われていますが、その現状の背景には、技術よりも、「本当に価値を生むもの以外はコピペするくらい割り切る」くらいの仕事の発想転換が不十分だからだと思っています。 余談ですが、日本代表の川延さんのよれば、フィグマ日本法人の役割として、日本独自の「稟議」というプロセスを攻略しないとならない。こうしたJTCの慣習について改めて気づきを得たのも印象的です。
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【ブーム→危機】「定員割れ」マラソンの再生に必要なこと
NewsPicks編集部
平岡 乾ジャーナリスト
晩秋の富士を車窓から眺め、「今年はよき1年だった」と。 それは10年ほど前、11月後半開催の神戸マラソンからの帰りの東海道新幹線でのこと。 「目標はサブスリー(3時間切り)。未達なら坊主」とかなんとかをランニング仲間に宣言して挑んだところ、本人も「まさか」の達成してしまいました。 達成が現実的になった35km以降は、「足がもげてでも走り切る。ようやくつかんだチャンスなんだ(スラムダンクの一節的)」と無駄に意気込んでいました笑 私にとってマラソンは第二の青春です。 「そこまでマラソンにハマるのは人生の無駄」とよく言われました。それは経済合理性からすれば「もっとも」なこと。 なので、反論することはあまりありませんでした。とはいえ、人生100年時代に、経済合理性とは真逆な趣味に命をかけることも悪くない。「たった一度の人生なのだから」とも思っています。 ちなみに、マラソンでの出会いから、その後の仕事で恩恵を受けたことが大いにあります。「ガチランナー」は何でも本気。なのでビジネスの一線にいる人多し。 もっと言うと、年に1、2回しかない本命レースで結果を出すことで、「絶対に負けられない」場面でのプレッシャーにも強くなりました。 人生、楽しみも苦しさもやりがいもいろいろ、です。
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【教養】なぜ優れたビジネスは「引き算」されているのか
NewsPicks編集部
平岡 乾ジャーナリスト
変化対応力が求められる時代とされています。しかしながら、「根なし」(?)の変化一辺倒でも限界があると思っています。 その原点は記者の駆け出し時代。ある中小企業を取材したところ、社長が興奮気味に「自動車産業はこれまでとは劇的に異なる」と話していました。 その会社は、家電のプラスチック部品を主に手がけてきました。家電生産の国内空洞化を受けて、新たに自動車部品に参入したとのこと。 家電部品は一気に作っては生産が終わり、また新しい部品を一気に作るの繰り返し。一方、自動車部品は一定量を作り続ける。別の文化と呼べるほどの違いだそうです。 同様の経験を繊維産業の取材でもしました。 ある企業の社長が、自動車シート部品の縫製に進出したところ、アパレルならではの瞬間的に大量発注が来てはまた別の発注に変わるのに対し、車では同じ部品を作り続けるのを目の当たりにしたとのこと。 「だから、自動車産業ではカイゼン活動ができるのか」と話していました。 ちなみに、当時の所属は群馬県。群馬県桐生市は西の西陣(京都)、東の桐生と呼ばれ、大正時代のGNPの1割を担うほどの繊維産業の集積地。横浜港を通じて輸出していたので、横浜銀行の支店もあったほどです。 さてさて、私たちNP記者も狩猟民族的な時代変化(?)への対応が求められます。一方、農耕民族的(?)に、「コツコツ」と改善していくことも忘れないようにしたいと思う今日この頃です。
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【復活へ】パナ社長が賭ける「値引きしない」家電の勝算
NewsPicks編集部
平岡 乾ジャーナリスト
私には「B2Bの血が流れている」...と(勝手に)思っています。 これまでも、自動車部品加工に始まり、半導体製造材料や産業機械などのB2B領域の取材を主にやってきました。 社内でも、法人向けSaaSプロダクトを担当している他部署の人と話すと、むしろウマが会うこともしばしばあります。 電機業界を取材している中で、例外的に家電だけは「B2C」系の領域でした。 と、思っていたものの、実際には「B2C」ではなく「B2B2C」だとすぐに理解しました。つまり、直接の顧客は家電量販店のような流通系の企業であり、その先にユーザーがいるのでした。 私自身は家電の専門記者ではありませんが、家電メーカーの悩みは「じかにユーザーとつながっていない」ことだとたびたび認識させられました。 (もちろん、マイナーチェンジ地獄の中で、新製品の目玉機能が「左右のどちらからでも開閉できる」だとか「泡立ちがいい」だとかで、記事の見出しを立てるのに苦労したこともありました) ちなみに、私自身は駆け出し時代に支局にいた時は、取材先の中小企業経営者が読者でもあったので、記事のフィードバックをじかにいただきました。それもあって、本社配属時代よりもモチベーション高く仕事していたのはここだけの話。 NewsPicksでも、コメントをはじめとするフィードバックがじかにあることが最大のモチベーションです。
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