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【最新研究】反物質を落としたらどうなるか、実験してみた
NewsPicks編集部
須田 桃子NewsPicks 編集委員 / 科学ジャーナリスト
サイエンスの魅力や奥深さを伝える連載「ディープな科学」。今回のテーマは「反物質は地球の重力によって落下するか」です。 映画や漫画、アニメなどで時々、登場する「反物質」ですが、実は「落下するのか」というごく基本的なことがまだわかっていなかったんですね。(もちろん記事本文では、反物質とは何かというところから丁寧に解説されているので、反物質なんて初耳、という方もご安心を) 反物質はこの宇宙にはほとんど存在しない物質ですが、加速器を使ってほんの少しなら作り出すことができます。どうやって作り出し、どうやって「落下」するかどうかを調べるのか。創意工夫が詰まった実験の方法にご注目ください。 取材の際、物質と反物質とで重力の働き方が全く同じなのかが気になり、「同じ実験を(普通の物質の)水素でやったらどうなるのか」と質問してみました。藤原さんによると、意外にも水素は、今回使われた反物質以上に検出が難しいなどの課題があり、現時点では全く同じ実験はできないのだそうです。でも将来的には、水素でも実験して比較したいとのこと。今後の研究の進展も楽しみです。 言わずもながですが、バナーでリンゴの木の下にいるのは、万有引力の法則を発見したニュートンです。ニュートンの時代には反物質の存在すら予測されていませんでしたが、もし現代に蘇って今回の実験を知ったら、きっと大興奮したに違いありません。
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<神への挑戦>ゲノム編集ベビー「やがて世界は受け入れる」初作製の中国研究者(毎日新聞)
Yahoo!ニュース
須田 桃子NewsPicks 編集委員 / 科学ジャーナリスト
2018年にゲノム編集ベビーを誕生させたと発表し、約3年間収監されていた賀建奎氏が、人の胚(受精卵)を対象とした研究を再開したとのこと。日本メディアでは初の単独インタビューという意味でも要注目です。 賀氏は昨年6月、自身のSNSでアルツハイマー病の治療法開発の目的でマウスやヒトの胚をゲノム編集するという研究計画を公表していました。そこではゲノムを改変した胚を子宮に移植して子供を誕生させることはしないと書かれており、今回のインタビューでもそれを明言しています。 しかし、子宮に戻さないなら問題ないかというと、そう単純な話ではありません。ゲノム編集ベビーの誕生以前には、中国を中心とした複数の研究グループによりかなり拙速とも言えるヒト胚の改変研究が行われており、それが賀氏による「臨床応用」の呼び水になったとも言えるからです。 一方で、「難病の治療目的ならゲノム編集は許されるのか」については、まだ国際的なコンセンサスは得られていない状況です。たった一つの遺伝子改変であっても他の遺伝子の働き方に影響を及ぼすなど思わぬ副作用が起こり得ますし、「改変ミス」も防ぎきれません。人が人を改変していいのか、というさらに重大な倫理的な問題もあります。 重大なルール違反をした賀氏が再びヒト胚を使う研究に戻ること自体に対しての批判の声もあるでしょう。今回のインタビューでも過去の試みについて説明責任を果たしたとは言えません。
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【視点】ドイツは「核のごみ捨て場」をこうして選ぶ
NewsPicks編集部
須田 桃子NewsPicks 編集委員 / 科学ジャーナリスト
ドイツと日本。高レベル放射性廃棄物の処分場選定の進展具合という意味ではさほどの違いはないのですが、プロセスには大きな違いがあるように思います。透明性の高さや市民参画の仕組み作りという点で、ドイツは日本のだいぶ先を行っているというのが、今回の特集を終えての率直な印象です。 違いは取材への対応でも感じました。日本の実施主体のNUMOは面会取材に応じず、メールでこちらの質問に回答するのみでしたが、ドイツでは実施主体のBGE、規制機関のBASEともに気さくに取材に応じ、ドイツが現在のプロセスに至った理由や現状を丁寧に説明してくれました。 一方、選定プロセスにはすでに遅れも生じています。国民の関心を高め、理解を得ながら、候補地を選び、絞り込めるのか。脱原発に続くドイツの挑戦の行方に、今後も注目していきたいと思います。 そして、ミランダ・シュラーズ教授へのインタビューは今回が2回目。1回目はオンラインだったので、やっと対面でお会いできて嬉しかったです。 記事中で紹介したフォーラムの様子は特集の動画でも出てきますので、ぜひ併せてご覧ください。 https://newspicks.com/movie-series/14?movieId=3582
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