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最近の投資方針/投資テーマ ~VCが投資テーマを考える意味はあるのか~
草刈 貴弘カタリスト投資顧問株式会社 取締役共同社長兼ポートフォリオマネージャー
こちらのお話を拝見し、とても考えさせられるなぁというのが率直な感想でした。
自分が運用者として走り出した2010頃は、まだ日本から小さな企業が世界で活躍する可能性を感じることができました。
上場企業への投資が前提でしたが、それでも今よりも期待感という意味が違った気がします。
VCの方の今回のお話では、日本発のグローバル化が意識されているという意見に勇気をもらいました。
これは近年はソフトウェアに投資が集まっており、なかなか日本はそこでグローバルにスケールアップできていないように思えるが、もっと長い目線で見ればその時々に注目される分野に変化があり、その変化の中で十分にチャンスはあるだろう。
そこに日本流グローバルが合わさる可能性というのは面白いと思います。
個人的に多くの人がゼロイチの発想で、良い悪いという思考に陥ってしまうが、本当はスペクトラムの中にあるはずで極端に偏ることが問題だと言っていますが、この件について(日本からベンチャー企業が育たないという一般論)自分がそうなってしまっていたことに
気がつきました。
可能性を信じ続けることは大切だなと純粋に思いました。
<独自>日本の名目GDP 2029年まで世界3位維持 円安是正なら 民間試算
草刈 貴弘カタリスト投資顧問株式会社 取締役共同社長兼ポートフォリオマネージャー
GDPがドイツに抜かれたことが一時的に話題となりました。
確かにドルベースではそうですが、為替による影響が大きいです。為替が国力を反映しているという側面があり、それを考えれば当然です。一方で金融政策や物価見通しも大きいのも事実。
今回の記事は、為替次第で順位が変わりうることを示しています。
労働生産性においても、国際比較の場合は分子がGDPとなり為替の影響を受けます。
こういった事を念頭に入れつつニュースを見ておく必要があるなと思います。
物価上昇率が低い方が通貨が強くなり、高い方が弱くなるといった教科書的内容が通用しない現状から、市場機能が必ずすぐに反応しないということを理解しなければならないなと思います。
円安「潮目変わる可能性」 全銀協の福留会長
草刈 貴弘カタリスト投資顧問株式会社 取締役共同社長兼ポートフォリオマネージャー
金利(≒物価)なのか政治(トランプ)なのか
直近ではトランプ氏の発言の影響が強そうですが、これまでの円安の理由が何んだったのか、事後的に理解できるのでしょう。
セオリー的には物価上昇の高い国の通貨の方が通貨の価値が下がる訳で、一物一価であればインフレ率の低い国の通貨の方が高くなるはず。
結局は後付けでしか説明できないわけですが、金利や物価の影響が本当に大きかったとするなら、政治も企業行動も含めて日本は円安に向かうべき行動であったということなのでしょう。
2000年から2012年ごろまでの日本はそのような状態だったと思います。ただ、リーマンショック前は米国にお金が集まり、ドルが円に対して強かったので輸出で稼げた。
それがリーマンショックで一転し円高、日本のグローバル企業の現地生産化が更に進み、円安となった今は輸出が伸びてない状況。アベノミクスの際に期待されたほどのJカーブ効果はなかったわけです。
それでも企業は現地で稼いでいるわけで、恩恵を受けているわけです。
国や国民がその穏健を受けにくくなっているのが問題で、だからといって企業行動を変えさせるのはおかしな話になります。
また、日銀の異次元金融緩和のおかげもあって、ようやくデフレノルムからの脱却がありそうですが、企業行動として内部留保を高め、労働分配率を抑え続けてきた結果、国民の消費マインドが抑圧され続けている間に高齢化が進んで更に悪化させてしまったと思います。
国としてはいかに立地として企業に選ばれるか、働く人が生き生きと働ける環境にするか、子育てをしたいと思う国にするかなのだと思います。
企業は資本効率を上げ、いかに付加価値を生み続けるか、労働生産性を高められるか。
それによって持続的に国家として魅力が高まれば為替に惑わされず、競争力を着実に高めていけるのではと思います。
エヌビディア株安に賭けて正解、1日で10億円超稼いだオプション取引
草刈 貴弘カタリスト投資顧問株式会社 取締役共同社長兼ポートフォリオマネージャー
プットオプションの売りと買いを組み合わせ、短期的にリターンを得たというのは純粋に凄いなと思います。
一方で、この文面だけでは分からないですが、単純に賭けではなく保険的なトレードとも思います。
NVIDIAの株価があまりに急激に高まっていること、トランプ当選の現実味から台湾問題と半導体規制の強化を想定して、ボラティリティの上昇を見込んで、NVIDIAの株を保有しつつオプションで急落時に儲ける。そして単純にプットを買うだけでなく、さらに下値のプットを売ることで一定のキャッシュフローも得る。
ロング(買い持ちポジション)の運用を基本としてきた自分にとっては距離を感じる手法ですが学ぶべきことはあるなと思います。
また、個別株のオプションの充実が欧米にはあることから、日本株では構築するのが難しいのかなと思い、そういった点でも日本は改善の余地があるなと思います。
日本株市場で高まるGPIF期待、物価上昇で10年ぶり比率引き上げか
草刈 貴弘カタリスト投資顧問株式会社 取締役共同社長兼ポートフォリオマネージャー
GPIFは国民の将来のための運用ですから、超長期でやらなければならない。となると、株式の方がボラティリティがあっても長期で見ればならされて、結果的に高いリターンになる。
だからと言って外国資産に今投資するのは、わざわざ円安の時に投資することにもなりかねないし、円安を助長してしまう側面もあり、現状では選択として難しい面もあるかもしれない。
もちろんこれらも長期ではならされてしまうが。
そういう意味では、年金のような超長期の資金こそ新興企業やベンチャー企業へのシードや成長段階でのマネーとして1%でもまわれば2兆円強が動くことになり、企業の新陳代謝や産業の構造改革に大きく寄与するかもしれないと思います。
年内1・2回の利下げ適切、CPIで調整正当化=米SF連銀総裁
草刈 貴弘カタリスト投資顧問株式会社 取締役共同社長兼ポートフォリオマネージャー
一部米国の消費に陰りが見えているようですね。セブンアンドアイの決算からも推察できます。
ここで悩ましいのは、金利を下げる株が上昇することでしょうか。そうなると結局資産効果で消費が堅調になってしまう。株価上昇で余裕が出てしまうわけですね。
米国市場は一部企業の上昇に引っ張られているので、その株価が高すぎると考える投資家も一定程度います。
金利が下がっても警戒されればネガティヴですが、AIなどは始まったばかりのテーマで、まだまだ成長への期待も高く投資が集まるかもしれません。
そうなると、市場全体が上昇していくことになるかもしれず、ディスインフレで金利が低くなり、消費は堅調さを取り戻していくかもしれないですね。
米国、ドイツと比べると差は歴然 教科書通りでなかった日本の賃金
草刈 貴弘カタリスト投資顧問株式会社 取締役共同社長兼ポートフォリオマネージャー
労働生産性の分母に労働投入量(人数✖️時間)、分子は成果となります。成果には物的と付加価値に分かれ、物的では生産量で付加価値は生み出したモノやサービスの販売額(売上高)-外部から購入した費用となり、利益だけでなく人件費(保険料なども含む)や税金、賃借料なども含むわけです。
しかし、日本では人件費を無視して単純に利益ばかりに注目されてきたと思います。それによって、労働生産性が実質的に上昇しても賃金に影響しなかったという今回のデータに納得できます。
日本は付加価値ではなく価格競争にしか目を向けなかったので、労働生産性という効率は高まっても価格転嫁や投資に向かわなかった。最近こそ株主還元には進んだが、賃金にはようやくこれから向かうことが期待されています。
消費者も価格のみに注目してきた面もあり、あらゆる立場で適切な価格設定、利益率を無視してきたわけで、強すぎたノルムなのだと思います。
消費者の4割が65歳以上の高齢者ということもあり、価格に対してシビアな事は理解できますが、物価は上がっていく、人件費は上がっていくと言った感覚が日本でも根付いていけば、ジワジワと出遅れてきた日本の変化となっていくと期待します。
ビットコイン急落、マウントゴックスの「1兆円を超える売却」への懸念で
草刈 貴弘カタリスト投資顧問株式会社 取締役共同社長兼ポートフォリオマネージャー
暗号資産はテクノロジーに意味があり、その本質的価値の裏付けに疑問が長らく持たれてきました。
私自身も同様に思ってきました。
今回の件で分かるように、完全な需要と供給による影響でしかないと。
一方で、短期的に見れば通貨そのものも同じではないかと思えてきました。と言うのも、私たちは通貨の裏付けを考えて生活している訳ではなく使用しているからです。日本円は日銀の信用が裏付けになる訳ですが、それは何か?結局は国家への信任につながっていく訳ですが、過去の金本位制のような目に見えるものがあれば良いですが、政策や人事などソフト面の影響が強いと考えるとまさに為替取引を連想させます。
ソフト面の影響が大きいと言う点が短期的に同じように見えているのかなと思います。
「氷河期世代」念頭に低年金対策 厚生年金活用、負担増で難航も
草刈 貴弘カタリスト投資顧問株式会社 取締役共同社長兼ポートフォリオマネージャー
今の年金制度には二つ問題があると思う。
一つは世代間扶助の仕組み。これは人口動態の影響をもろに受けるので、世代による人口差の影響はもちろんのこと、世代によって受けた影響も大きい。
就職氷河期がまさにそれ。
私はその世代ですが、たまたま運良く正社員になれましたが、タイミングによっては未だ非正規で働いていたと思われます。今では若い人が貴重になり待遇も変わってますが、あまりの変わりぶりに不公平感は拭えません。世代間格差は社会にとって燻り続ける問題となるでしょう。
もう一つが年金を国が関与し続ける事。
金融機関は個人情報保護や顧客資産の分別保管を徹底させられ、システムにも莫大なお金を稼いだ中から出している。
であれば年金は民間に任せてしまえばし良いのでは?と思ってしまう。行政と民間で二重コストになっているから。
年金特別便と同様のことを残高証明書として送られているし、UIとしての改善も常に行われている。
結局、自分は幾ら貰えるか分からない年金より、確実に残高がわかったほうがユーザーは理解しやすいのでは、と思う。
所得代替え率で説明されても、人によって現役の平均所得は違うし、高齢化が進みジリジリ下がっている現状では、今後も下がり続けるとしか思えず疑義しか生まれない。
年金こそ民に託し、その代わり検査の拡充と金融教育の拡充に力を国が注げば良いのではと思います。
米テスラ販売2四半期連続減 4~6月期、EV需要低迷
草刈 貴弘カタリスト投資顧問株式会社 取締役共同社長兼ポートフォリオマネージャー
テスラはモデル数が少ないことも特徴の一つ。
確かに新しいラインナップがサイバートラックだけであり、既存の自動車会社の様なマイナーチェンジとフルモデルチェンジを繰り返すといったことが無いにも関わらず、これだけの台数が売れることはかなり凄いことだと思います。
確かに徐々に減速していくでしょうが、新しいモデルを出すという対策ではなく、ロボタクシーやロボットなど、ただのEVメーカーとして考えてはいけないかもしれないですね。
ファーストソーラーを買収し、電池を活かしたことや製造技術の革新など、周辺技術を買収で取り込んで事業範囲を大きく成長していくというのが強さの秘訣なのかもしれません。
住宅ローン変動金利、大手維持 auじぶん銀は初の上げ
草刈 貴弘カタリスト投資顧問株式会社 取締役共同社長兼ポートフォリオマネージャー
確かに住宅ローンの貸付金利はジリジリ上昇していますね。
ただ、まだまだ低い状態からの戻りの途中という状況かと思います。
過去に固定型住宅ローンの仕事をしていた際は、今後金利が上がるかもしれないという営業トークでしたが、結局は金利は下がり続けてマイナスまで進みました。
今、現場はまだまだ金利は低いという説明をしているなら、その逆が起きてしまうかもしれない。
とはいえ、市場金利(10年国債)に連動する固定型と日銀の金融政策に影響受ける短期プライムレートに連動する変動を比べると、悩ましいですね。
市場は金利引き上げを織り込みに行くことで先に上昇し始めており、これからの日銀に要注目です?
無登録で800億円超集めたか 監視委、禁止を申し立て
草刈 貴弘カタリスト投資顧問株式会社 取締役共同社長兼ポートフォリオマネージャー
無登録業者が多額の事件を集めたこと、投資詐欺が横行していることがよく報道されています。
金融業界にいる身としては、なぜこれだけ多くの人が名前も知られていない無登録業者に約2万人も集まる、ポンジースキーム業者に1300人も集まってしまうのか。
既存の金融機関が信じられていない事もあるかもしれませんが、かなり厳しい規制の中で行動していることから考えると、規制のあり方がおかしいのではと思ってしまう。
規制をかけて既存金融機関が正しく運営されることは勿論必要ですが、明らかに無登録業者や詐欺行為を行う人たちには全く関係ないし牽制にもなっていない。
必ずお金の移動はあるわけだから、それらを把握できる様にしないと被害は続くばかり。
個人は特定できなくとも、おかしなお金の移動の挙動を発見することができれば、特殊詐欺でも応用出来るのではないか。
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