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インテリ気取りで「受け売りの知識」を披露私たちはみんな「亜インテリ」なのかもしれない
現代ビジネス[講談社] | 最新記事
井澤 寛延ビジネスリスク・インテリジェンスコンサルタント CIPP/E(公認欧州情報プライバシー専門家) 中小企業診断士
この記事を読んだ感想は「それで何?」でした。評論の域を超えておらず、情報や知識の受け手であり所有者である我々がどのような態度を取るべきかについてのサジェスチョンが全然感じられませんでした。 社会の構造や価値観が複雑化している現代で、我々は日々多くの判断が求められます。しかも判断の基本となる知識となると、専門性を追い求めると「時間」という資源の制約に直面します。だから大多数の人は、著者が指摘するバイアスが原因となって判断を誤るリスクを負いながらも、耳学問と批判される限定的な知識で、大小さまざまな意思決定を日々行なっているわけです。それを「亜インテリ」で片付けるような議論には、乱暴さを感じざるを得ません。 「亜インテリ」の立場を受け入れるとして、それを生産している一例が、いわゆるテレビのワイドショーだと思います。議論の質はさておき、社会問題の専門的な知識を一般人が理解できるぐらいまで噛み砕いて解説する番組は、世界の中でも珍しいのではないでしょうか。私自身の経験からだと、欧米系では専門家による討論やパネルディスカッション形式の番組は多いですが、日本のワイドショーのような番組にはあまり触れたことがありません(私が知らないだけでしたらお詫びします)。ワイドショーにはさまざまな批判がありますが、一般人の社会問題に対する知識の底入れの役割を果たしていると思います。でもそうやって得られた知識も「耳学問」なのでしょう。 こうした議論の背景には、専門的知識が研究者や専門家などのインテリゲンチャーの独占的な所有物であるという意識があると感じます。今や高等教育の知識がインターネットで自由に手に入る時代であるにもかかわらず、それを「振り回す」市井の人々を批判するかのような論調は、筆者が専門知識をインテリゲンチャーの既得権益であると主張しているかのように感じざるを得ません。たしかに一部のネット右翼や左翼と呼ばれる集団の主張には首を傾げざるを得ないこともありますが、それはそれで意見であることも事実です。自分の意思決定に関係なければ受け手がそれを取り入れなければいいわけで、個人がその情報の必要性に応じて自律的に処理すればいいのです。少なくとも今の日本にはそのような「自由」があります。 インテリゲンチャーが「正しさ」を押し付けることも、一種の暴力なのかもしれません。
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Former adviser Sarah Chayes: The US failed to understand how Afghans wage war
The World from PRX
井澤 寛延ビジネスリスク・インテリジェンスコンサルタント CIPP/E(公認欧州情報プライバシー専門家) 中小企業診断士
アフガニスタン撤退の混乱を調査する議会下院委員会の聴聞会について、アフガニスタンでは、軍のインテリジェンスが「誰を殺すか」に集中するあまり、「アフガニスタン政府やアフガニスタン軍がどれほど腐敗しているか」に注意を払っていなかったという、元統合参謀本部特別補佐官の厳しい指摘です。死の危険があるにもかかわらず、なぜアフガニスタン人は戦うのか、軍は「psychological and social intelligence(心理的・社会的インテリジェンス)」が十分ではなかったと分析しています。ミリー統合参謀本部議長は、「トラックや部隊の動きは技術で探知できるが、human heart(人の心)を図ることができなかった』と証言しています。これは、軍事インテリジェンスの課題といえるところで、軍事ミッションの完遂を目指すあまり、「非軍事的アクター」の影響を分析する能力と基盤が、米軍でも十分ではなかったということです。戦も人の営みという根本を問い直すものです。 これはビジネスでもよくある課題です。モノやサービスを売らんがために、競合の動向や市場調査を熱心に行う企業が多いですが、購入の主体となる消費者がどのような心理や思考を持っているか、どのような文脈からそのような心理や思考が導かれるか、それにどのように働きかけていくかといった、より根本的な要素に関するインテリジェンスを地道に実行している企業は、さほど多くありません。逆にいえば、そこに深く刺さる財やサービス、経験を提供できれば、消費者からより深いコミットメントが獲得できると思います。
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「一人で車を運転していてもマスクをする」日本人の幸福度が世界62位に沈む本当の理由
PRESIDENT Online:プレジデント社の総合情報サイト
井澤 寛延ビジネスリスク・インテリジェンスコンサルタント CIPP/E(公認欧州情報プライバシー専門家) 中小企業診断士
この対談ではマスクが一人歩きしている印象ですが、最も印象に残ったのは『「能力の輪」を確立させ、その中に納まる情報だけを集めればいい』という主張です。世界のニュースをシャットアウトすると言うのはやや極端な考えかもしれませんが、自分に与えられたミッション、自分がこうあるべきだと思う方針に外から影響与える情報には、ノイズが数多く含まれます。ノイズが多いと、人はノイズと他の情報との関係を無理矢理作り出そうとします。そして本来のミッション遂行から離れた状況判断をすることになりがちです。 自分のミッションにとって有益な情報であるかを見分けるコツは、情報がミッションの成果に与える影響のメカニズムを考えることです。そのためには正しくミッションを立てることと、ミッションに関する広く深い知識と洞察を得ることが必要となります。そしてその前提として、自分の頭でミッションを考えられる「個を確立すること」の重要性を訴えたかったのでしょう。 玉石混交の情報が簡単に手に入るデジタル時代だからこそ、大事にしたい考え方です。
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真偽不明の情報・陰謀論の拡散、どう対処?専門家に聞く…[虚実のはざま]第4部 深まる断絶<5> : 社会 : ニュース
読売新聞
井澤 寛延ビジネスリスク・インテリジェンスコンサルタント CIPP/E(公認欧州情報プライバシー専門家) 中小企業診断士
世の中には事実(Fact)と意見(Opinion)がありますが、どれが事実でどれが意見かを見分けるのは極めて難しいです。一般的に事実だと認識されがちな一次データも、取得の前提によっては事実といえない例もこれまで数多くあります。インテリジェンスでは、一次データであっても必ず情報源の信頼性を評価するのはそのためです。極端にいえば、世の中の事実は前提で定義され、純粋な真実は存在しないということです。 なので、何が事実で何が嘘(あるいは誰かさんの意見)なのかを時間をかけて分析するより、そのデータや情報が正しいと仮定して、自分の判断がどのような影響を受けるのか、判断の結果がどのようなものになるのかを考え、その結果が想定より悪い場合の被害をどのように限定するかを考えることの方が意味があります。どうしても真実を区別したい場合は、そのデータや情報がどうやって出てきたかを5W1Hで説明できるか、データや情報の背後のメカニズムが説明できるかなどを考えてみてください。 世の中にはデマやフェイクで得しようとする者が一定数いますので、その対象となるリスクをコントロールするためにも、自分の頭で考える訓練を普段から行うことが大事です。そして、現実が判断の逆に行った場合、すぐ立ち止まって引き返せる余裕をもっておくことです。
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失敗学の研究者が見た、日本人の「ゼロリスク」信奉
ニューズウィーク日本版
井澤 寛延ビジネスリスク・インテリジェンスコンサルタント CIPP/E(公認欧州情報プライバシー専門家) 中小企業診断士
ゼロリスクの議論の前提として、リスクの定義を理解する必要があります。ISO(JIS Q)31000では、リスクは「目的に対する不確かさの影響  影響とは,期待されていることからかい(乖)離することをいう。」と定義されます。この基本的な理解が進んでいないため、次のような基本的な理解が共有されないという問題が起きていると考えます。 1. リスクとは影響であって、事象そのものではありません。例えば、ワクチンを打ったことで副反応が出ることがリスクでは無く、副反応が想定より多く(または少なく)発生することがリスクです。 2. リスクには悪い結果につながるダウンサイドリスクだけではなく、良い結果につながるアップサイドリスクも存在します。「薬が思ったよりも効いた」のは、アップサイドリスクの結果です。リスクの意味は「悪いこと、よくないこと」ではありません。 3. リスクは、その起こりやすさと影響から定量的に評価可能なものであり、評価不可能なものは「不確実性」といわれます。リスクはコントロール可能ですが、不確実性はコントロールできません。 4. リスクの程度が同じでも、その影響は人によって異なります。リスクに耐える力(または許容する力)がある人も、そうでない人も存在します。 5. リスクは、条件が変化するとその大きさや影響も変化します。そのため、リスクを取らないという選択(条件の変化)の結果、新たなリスクが発生することもあります。 理想的には、こうしたリスクの基本は学校教育でしっかりと教えるべきでしょうが、その基礎となる確率統計の知識事項の教育で止まっているのが現状でしょう。なので、リスクとは何かをしっかりと理解することがないまま、「リスク=悪いこと、よくないこと」であり、「ゼロリスクが最善」という意識が国民レベルで広まっているのだと考えます。 有識者の中にもこのような考えの方がたびたび見受けられます。中には、ゼロリスクを持ち出して自分の主張を推し進める「政治的利用」もみられます。リスクの無知につけ込むような主張に対しては、リスクの取り扱いを業とする立場から嫌悪感を覚えることも少なくありません。
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