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スタートアップCEOはファイナンスをCFOに”丸投げ”してはいけない理由
朝倉 祐介シニフィアン 共同代表
技術者出身の起業家の方から「ファイナンスを任せたいのでCFOを採用したい」というご相談を受けることがありますが、自分の会社の命運に関わるお金の話ですから、磯崎さんの本は必ず読んで、最低限の知識武装はすべきです。
幸い、難解な技術の話に比べれば、大して難しい内容でもありませんし。
その昔、自分で零細スタートアップを経営していた頃は磯崎さんの『起業のファイナンス』もなく、何も知らなかったので優先株や各条項の意味を交渉相手であるVCに教えてもらっていました。今思うと相手方にとっても迷惑な話だったよな〜と思います。
後から条項の意味を理解して「ひどい契約内容だ」と憤慨されても、投資家側も困ってしまいます。「書いてたじゃん」と。
まともな投資家であれば、相手の無知につけ込んでやろうなどとは考えませんし、コミュニケーションコストがかかるので、起業家にも最低限の知識を持っておいて欲しいと思うもの。
苦心惨憺して理解に努めたスタートアップのファイナンスに関する知識がたかだか数千円で身につくのですから、これを利用しない手はありません。
起業家として外部から資金を調達しようと思うのであれば、必ず磯崎さんの本には目を通してください。「必ず」です。
CFO云々はその後で間に合います。
(ま、ついでに余力があれば、拙著『ゼロからわかるファイナンス思考』も手に取ってみてください)
https://amzn.to/3oVWIQr
「新しい資本主義」の視点(中) 志すべきは「普通の資本主義」
朝倉 祐介シニフィアン 共同代表
平素思っていることが網羅された星先生の論考。
日本の行き詰まりは「行きすぎた資本主義」の結果ではなく、むしろ岩盤規制や市場に対する当局の恣意的な介入による資本主義の不徹底だと考えます。
現行の社会主義的慣行を修正する「新しい社会主義」を掲げるならまだしも、普通の資本主義すら全うできていない中で、「新しい資本主義」を掲げるのは語義矛盾ではないでしょうか。
種々の規制の中においても、解雇規制の見直しは働き方改革と日本経済の活性化のための核心部分だと思っています。そんなこと主張すると、袋叩きに遭うことが目に見えているので、なかなか表立って主張されませんが。
一見温情的にも思える「日本的雇用慣行」は非正規社員の犠牲の上に成り立っています。
終身雇用や正規/非正規の区分けは、固定的な身分制度や既得権益の温床となっているように思いますが、被害を被っている当人たちが、こうした構造に異議を申し立てるのではなく、自分達も既得権益側に入れろと主張し続ける限りにおいて、この構造を崩すのは困難なのでしょうね。
就活時の景気動向や一発芸にも似た面接次第でその後の生涯収入が半ば確定するような状況を身分制度と呼ばずして、一体何と呼ぶのでしょうか。
こうした矛盾をつく真っ当なリベラル政党が現れれば、支持することもやぶさかではありませんが、実際には「リベラル」を自称する政党が「正社員クラブ」の利益を代表しているようにしか見えません。
米シリコンバレーに今後5年で起業家1000人規模派遣へ 経産省
朝倉 祐介シニフィアン 共同代表
アメリカで活躍する日本人起業家が「最近は観光名所みたいなノリで毎日人が会いたいという連絡がくる。実務にも差し障って迷惑」と述べていました。これに尽きるのかなと。
私がベイエリアに住んでいた頃も似たようなものでした。そのうえ、断ると「後進に協力しないのか」と非難され、性質が悪い。
あからさまに出張レポートのために面談に来て、わざわざ時間を割いているのにやる気なく過ごす出張サラリーマン・学者に激怒しているベイエリアの住人もいますよね。
こうした受け入れを生業として営む類の方々は歓迎すると思いますが、そうした先に派遣することがどれだけ起業家に資するのか。冷静に考え直した方がいいと思います。
それよりも、海外のトップ校で学ぶ意思のある学生を対象にした給付型奨学金制度を設け、1000人単位で派遣する方が遠回りに見えてもよほど効果があると思います。
政治や行政には即物的な視点ではなく、天下国家百年の視野で立案していただきたいと期待しています。そういう役割を担った方々なのですから。
【意外】スタートアップ投資、堅調な理由を徹底分析
朝倉 祐介シニフィアン 共同代表
「スタートアップ冬の時代」の声が高まっていますが、数字面で見ると調達額自体は昨年の半分強です。北米が如実に減っている状況と比較すると、上場グロース株軟調の影響は限定的にも見えます。
ただ記事中にもある通り、IPO延期を迫られた会社の大型調達があったこと、また調達総額の統計により大きな影響を及ぼすレイトステージの大型調達はリードタイムがかかることもあり、昨年来から続いていた調達の結果が今年になって数字に反映されているといった背景もあるように感じます。
この点、数字面により実態が反映されるのは下半期になると思いますが、現状においては「予断を許さぬものの、想定されていた程の劇的な影響は現段階において生じていない」という判断になるのかと思います。
加えて、投資の現場感としては海外のクロスオーバー投資家の急速な減少を感じる一方、国内投資家だけでも二桁億半ばのラウンドが組成できたという点では、日本のレイトステージ調達環境が整ってきた証左でもあり、ポジティブな発展と言えるのではないかとも思います。
2021年のスタートアップ資金調達規模上位20件の内、12件は海外投資家主導。
海外投資家はどうしても市況の影響をより受けやすい点を鑑みると、レイトステージでリスクマネーが安定供給されるためには、国内の大型プレイヤーの増加が必要なのではないかと思います。
以上の所感を踏まえつつ、8月にはこちらのレポートを基にしたINITIAL恒例のオンラインセミナーが開催されます。森さんと一緒に、私も資金調達動向の読み解き、解説に参加しますので、ご興味ある方はご参加ください。無料です。
https://initial.inc/events/20220818
GPIF、国内スタートアップ初投資 年金マネーの呼び水に
朝倉 祐介シニフィアン 共同代表
アメリカでスタートアップがここまで存在感を持つようになったのは、70年代のERISA法によって年金基金がVCをはじめとしたオルタナ資産に投資できるようになって以降。それ以前はアメリカと他国で有意な差はありません。
純粋なリターン目的の資金が流れ込むことが、いかにエコシステムの成長に寄与するかを物語っています。
日本におけるVCへの出資の主体は事業会社ですが、こうしたお金はどうしても戦略性や制約を帯びた紐付きの資金になってしまいがち。国内VCマネーのほとんどは、こうした紐付きの資金です。
各経済団体がスタートアップの振興に向けた議論を交わすのは良いのですが、そうした提言よりも自社の年金基金の一部でも、純粋なリターン目的でVCへのLP出資に回す方が、よほどスタートアップ・エコシステムの発展に大きく寄与すると考えます。
「月イチで」「女性なら誰でも」社外取“バブル”で兼務続出、高額報酬の呆れた実態
朝倉 祐介シニフィアン 共同代表
日本の取締役会においてありがちな矛盾は、経営者を監督すべき社外取締役が、多くの会社では選任のプロセス上、実態として経営者に選ばれているということです。
社外取締役を「稼業」として捉えると、独立性を持って取締役会で意見を述べるという、社外取締役本来の役割を下手に果たさない方が、経営者の心象を害さず、役員の地位を維持するうえで良いという構造にあります。
本来の役割を期待するうえでは、社外取締役の地位に経済的に依存するような人や、経営者との良好な人間関係を保つことを優先するような人は、社外取締役についてはいけないと思います。
この点、マネックス松本さんの「取締役選任議案を株主にしか提案できないように法律を変えること」というアイデアには考えさせられます。
https://newspicks.com/news/5381052

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