ホーム
490フォロー
2492フォロワー
NISA初心者に試練 株価急落で広がる動揺
Jiji Press
大原 啓一株式会社日本資産運用基盤グループ 代表取締役社長
このような短期的な市場下落に対して慌てて保有投信等の売却に動くのは非合理的であるというのは全くその通りなのですが、人間はそもそも非合理性からは逃れられないのでそこを指摘するだけでは十分ではないように感じます。 現代ポートフォリオ理論は全ての投資家が合理的であることを前提としていますが、そのように100%合理的な投資家は現実世界には存在しません。従って、現代ポートフォリオ理論にのみ基づく金融サービス、例えば効率的なポートフォリオを提供することのみを付加価値とする投信商品等では非合理性に対して十分に対応することができないという限界が存在します。 これに対し、人間の非合理性に正面から向き合い、それを抑制するために発展してきたのが行動ファイナンス理論です。例えば、弊社・日本資産運用基盤が推進しているゴールベースアプローチという考え方やそれに基づく資産運用アドバイスサービスは、「メンタルアカウンティング」や「サリエンス」、「ナッジ」等の行動ファイナンス理論に基づく技術を取り入れており、長期的な資産運用を合理的に行うために非合理性を抑制するような仕掛けが講じられています。 リーマンショック等の金融危機を経て、米国でゴールベースアプローチの考え方やそれに基づく資産運用アドバイスサービスが広がったように、日本でも今回のような市場変動を経験しながら、同様のサービスが広がっていくのかもしれません。
651Picks
NORMAL