Picks
15フォロー
46フォロワー


投信、解約せず承継OK - 日本経済新聞
長澤 敏夫株式会社 日本資産運用基盤グループ - 主任研究員 主任研究員
個人金融資産については、老後に向けた資産形成も重要なテーマですが、家計金融資産の6割以上を60代以上の国民が保有し、今後高齢化の進展とともにその保有割合はさらに上昇する見込みと言われていますので、相続手続きをスムーズに行い、かつ、預かり資産残高を減らさないようにすることは、各金融機関にとって喫緊の課題かと思われます。
こうした中、記事にあるような相続の際に投信を解約せずに承継できるサービスというのは大変面白い取組みだと思います。ただし、よく聞く話として、息子さんなどの相続人が親の保有銘柄を見た時に、なんでこんなリスクがあり複雑な商品を高齢者に販売したのかと驚くケースがあるとも聞きますので、こうしたサービスを提供するのであれば、世代を跨ぎ長期に保有してもらえるような銘柄を推奨するといった点にも留意する必要があるのではないかと思いました。
外貨建て保険業績評価 地域銀、半数「見直し」 金融庁の指摘が影響
長澤 敏夫株式会社 日本資産運用基盤グループ - 主任研究員 主任研究員
外貨建て保険に係る業績評価の問題については、3年前にも金融庁のモニタリングレポートで指摘されていました。記事にある横浜銀行や福岡銀行はその時点ですでに体系の見直しを行っており、再度指摘されたことを受け、多くの銀行が見直しに着手したということかと思います。
記事には、保険商品だけではなく、投信などを含めて評価体系を一律に変更した事例も紹介されておりますが、特定の商品のみの業績評価の見直しは、別の商品での新たな偏りを引き起こすこともありうるため、販売商品全体で平仄をとりながら見直しを図るという流れになっていくものと思われます。
先日も書きましたが、業績評価体系を決めるのは経営陣であり、ほとんどの金融機関が、お客様本位とする経営理念を掲げているとは思いますが、それを踏まえたビジネスモデルの構築、それを実践する販売態勢の整備という一連の流れの中で、どのように営業員の業績を評価するかは重要なファクターであり、営業員にどう動いてほしいかの経営陣のメッセージだと思っています。
外貨建て保険に販売が偏り、顧客の意向に沿った販売になっていない可能性があるのであれば、それは経営陣として間違ったメッセージを発信してしまった結果かもしれませんので、見直しを図るというのは当然の流れであり、もし、顧客本位といいつつ、自社の利益を優先させたいというのが本音で、言っていることとやっていることが違うようであれば、いずれは顧客に見透かされてしまうのではないかと思われます。
3メガバンク、新NISAへ残り1カ月 資産運用立国へ牽引役期待
長澤 敏夫株式会社 日本資産運用基盤グループ - 主任研究員 主任研究員
新NISAの開始を1か月後に控える中、一部ではネット証券に顧客が流れているとの話もありますが、今まで資産運用に興味がなかった多くの投資初心者の方にとっては、身近な金融機関で相談ができることには、メリットを感じるのではないかと思われます。
先日一般紙の記者の方が、読者の中には新NISAをまだよく知らない人も多く、そういった人に向けて、新NISAを分かりやすく伝えていくことが使命だとおっしゃっていましたが、金融業界に身を置く者にとって当たり前のことも世間一般には認知度が十分ではないことも多く、そういった意味でも、アドバイスの重要性はますます高まると思われます。
個々のライフプランは人それぞれであり、さらに、人生の目標は一つではなく、いくつもあってもおかしくはありません。それぞれに相応しいアドバイスとなると、やはり人によるアドバイスが必要になろうかと思います。多様性の社会においてはこうした付加価値を提供できる金融機関の存在価値が高まるのではないかと思われます。
改正金商法が成立 四半期報告書廃止へ “最善利益”を義務化
長澤 敏夫株式会社 日本資産運用基盤グループ - 主任研究員 主任研究員
今回の金商法改正に伴い、金商法36条1項の誠実公正義務が削除され、「金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律」(旧金融サービスの提供に関する法律)2条1項で、顧客等の最善の利益を勘案しつつ、顧客等に対して誠実かつ公正に、その業務を遂行しなければならないとし、顧客の最善の利益の義務化がなされます。
これは、顧客本位タスクフォース中間報告にあった「顧客本位の業務運営に関する原則」に沿った顧客・最終受益者の最善の利益を図る取組みを一歩踏み込んだものとするという提言を受けての改正ですが、例えば金融商品を販売する事業者にとって、ルール化されることにより何が変わるのか非常に関心があるところです。
金融庁では、今年の金融行政方針の中で、「法案の円滑な施行に向けて関連する政令・内閣府令の整備を行う。また、顧客の最善の利益が確保されるようモニタリングのあり方について検討を行う。」としていますが、銀行との意見交換会において、金融機関との双方向の議論の中で、「顧客の最善の利益の追求」などに向けた気付きを共有していきたいと考えているとしており、目先は事例の積み上げの段階で、具体的に何をすべきか、何が法令違反なのかまでの公表はすぐにはなされないのではないかと思われます。
生保協、代理店の評価運営見直し 「顧客本位」新設を検討
長澤 敏夫株式会社 日本資産運用基盤グループ - 主任研究員 主任研究員
生命保険協会が行っている生命保険乗合代理店の「業務品質評価運営」については、恥ずかしながら初めて知りました。昨年から始まったようですが、協会のHPには約200項目の「業務品質評価基準」をクリアした認定代理店として42社が掲載されていました。一方、金融庁が公表している「顧客本位の業務運営に関する原則」に基づく取組方針を公表した乗合代理店は572社となっております。掲載基準が違いますので一概に比較はできませんが、こうした顧客本位の様々な取り組みを熱心に進めている保険代理店が「見える化」されることは、一般生活者の一人として有難く思われます。
金融庁、仕組み債監視 機動的に 日証協と連携しデータ集約
長澤 敏夫株式会社 日本資産運用基盤グループ - 主任研究員 主任研究員
金融庁が日証協と連携して、仕組み債のデータを集約・分析するとのことです。金融庁では定期的に仕組み債、外貨建て保険、投資信託などのリスク性金融商品の販売状況を主要な銀行・証券会社に対してヒアリングを行っておりますが、それ以外にも金融商品仲介業者等を経由して仕組み債の販売も行われており、全体像を把握するため、組成・卸しを行っている証券会社のデータを収集することにしたものと思われます。
仕組み債販売を契機に、想定顧客層の特定や販売商品のリスク・リターン・コスト分析などのプロダクトガバナンスに注目が集まっています。仕組み債以外にも、投資信託の商品ラインアップの選定・見直し作業における分析をどのよう行えばいいのか、悩んでいる金融機関も多いと聞きます。これを機会に、他社で売れ筋の商品だからとか、グループ会社や親密会社の商品だからではなく、当社ではなぜこの商品を販売しているのか、さらに、なぜこの商品はあなたに最も相応しいと思われえるのか、をしっかり説明していただけるような販売手法が定着してくれればと思います。
広島銀、支店意識 競争から共創へ 業績評価撤廃7カ月
長澤 敏夫株式会社 日本資産運用基盤グループ - 主任研究員 主任研究員
業績評価体系の改革について、定着のポイントは当行が数年かけ試行錯誤を経ながら進めてきたところかと思います。収益評価を廃止することで、確かに手数料の高い商品を顧客に勧めるインセンティブが低下する一方、公平な評価を行い、営業職員のモチベーションの維持を如何に行うかなどの課題が出てくることも多かったのではないかと思われます。
また、支店間での数字の競争がなくなり成功事例を共有する動きが出てきたとのことですが、昔から同じ銀行でも似たような属性を持つ近隣店舗はライバルであり、成功事例などのノウハウの共有どころか、顧客が移転しても他店に譲らず遠距離訪問など非効率的な営業活動を続けることなど、よくあったのではないでしょうか。
販売手数料の低下傾向が続く中、対面でのアドバイスの付加価値提供が、これからの金融機関の生き残る道と思われ、顧客起点で提案するマーケットインの考え方の浸透の差が勝敗を決めるのではないかと思われます。
新NISA、人気投資信託は対象外も 隔月分配型で対応続々 - 日本経済新聞
長澤 敏夫株式会社 日本資産運用基盤グループ - 主任研究員 主任研究員
新NISAでは、成長投資枠でも毎月分配型の投信は対象外ですが、代替として同じ運用内容の隔月分配型の新規設定が急増しているとのことです。今まで高齢者を中心に年金の補完として毎月分配型の投信を販売してきたのが、金融庁に新NISAではダメと言われてしまったので、年金支給日のない奇数月決算の投信を設定しているようです。一時は、偶数月と奇数月の隔月分配型を作り、両方買ってもらう案もあったように聞いていますが、さすがにこれはなくなったようです。
分配型商品は高齢者を中心にニーズが根強い面があるということを全く否定するものではありませんが、以前ある証券会社で運用提案の際に顧客の分配金ニーズを確認する取り組みを強化したところ、分配金よりも値上がり益を望む顧客のニーズが顕在化したとの記事を読んだことがあります。
顧客のニーズといっても、販売員の聞き方にも左右され、例えば年1回しか貰えないのと、6回貰えるの、どちらがいいでしょうか、と聞かれたら、取り敢えず、貰えるものは貰っておこうという気になるのが一般投資家かと思います。結局分配金を使わずに再度投資をした場合、NISAの場合普通分配金にも税金はかかりませんが、成長投資枠では販売手数料などのコストがかかる場合もあり、特別分配金の仕組みまでしっかり説明すれば、違った結果になることもあろうかと思います。
横浜銀行やりそな銀行など、保険窓口販売の商品絞り込み - 日本経済新聞
長澤 敏夫株式会社 日本資産運用基盤グループ - 主任研究員 主任研究員
大手地銀等で窓販用の保険の商品数を絞り込んでおり、その理由の一つとして、取扱数が多すぎると、販売員が適切な説明ができずに顧客の不利益となる恐れがあるからとのことです。金融庁も、金融機関に対するモニタリングの結果として、「自社で取り扱っているリスク性金融商品の数が多く、営業現場で商品性の理解が十分に進まないため、顧客に対しても最適な商品説明・提案ができていなかった。また、顧客の総資産を把握した上で最適な提案を行うため、ライフプランシミュレーションツールを導入したものの、営業現場は十分に活用していなかった。」などと、かなり厳しい評価を下しており、それを受けた動きかと思います。
時々通勤電車の中で、新商品と思われる投信や保険のパンフレットを一生懸命勉強している姿を見かけ大変だなと思うことがあるのですが、金融商品に限らず電化製品なども同様に、時に過剰と思われる機能満載の新商品を好む顧客(日本人)にもその責任の一端があるかもしれないと思いました。顧客の真のニーズはもっとオーソドックスな商品でも満たすことができるかもしれず、そうしたアドバイスにこそ付加価値があるのではないかと思います。
【実像】 「ノルマ廃止」の試練 脱〝やらされ感〟が生む現場力
長澤 敏夫株式会社 日本資産運用基盤グループ - 主任研究員 主任研究員
自分も元銀行員ですが、全ての新入行員といっても過言ではないと思いますが、入行時には配属部署に関わらず顧客の役に立ちたいとの想いを抱いていたのではないでしょうか。それが時を経るうちに、必ずしも顧客本位とは言えない場面に遭遇し、思い悩みながら営業を続けたという人も少なからずいるのではないかと思われます。
リテール金融商品販売に係る業績評価体系については、目標設定としては銀行全体の収益目標額をトップダウン的に商品毎、支店毎に振り分ける方法が一般的ですが、記事にあるようなボトムアップ的に支店が自主的に目標を設定する方法は、現場を知る支店長が、地域マーケットの特性に応じた目標を設定することができるため、地域にそぐわない目標項目に対して無理やり数字作りを行うなど非効率的かつ顧客本位ではない営業をする必要がなくなる反面、意欲的な計画を立てようと無理をする支店長が出る、自分で建てた計画なので目標達成に対するプレッシャーが高まるといった面にも留意する必要があろうかと思います。
また、こうした目標を評価する軸としては、収益評価重視か、預り資産残高重視かという切り口がありますが、それぞれ一長一短あり、目標設定と評価方法というマトリクスの中で、各金融機関が試行錯誤を続けているところかと思います。
こうした中、銀行の業績と顧客本位の営業の両立に何が正解かは一概には言えないものの、個人的には、自主的な目標設定と残高重視の評価が、顧客の預り資産残高の拡大(=銀行のストック収益拡大)と銀行員のやりがい向上に繋がりやすいのではないかと考えます。
地域銀、外貨保険の業績評価見直し 円建てと差なくす
長澤 敏夫株式会社 日本資産運用基盤グループ - 主任研究員 主任研究員
業績評価の問題は、外貨建て保険に限らず、金融庁が以前より指摘してきた、手数料の高いテーマ型投信の販売やそれを使った回転売買、仕組み債の販売やノックアウト型仕組み債を使った回転売買類似行為などの問題に共通するものかと思います。
さらに掘り下げれば、業績評価体系を決めるのは経営陣であり、ほとんどの金融機関が、お客様本位とする経営理念を掲げているとは思いますが、それを踏まえたビジネスモデルの構築、それを実践する販売態勢の整備という一連の流れの中で、どのように営業員の業績を評価するかは重要なファクターであり、営業員にどう動いてほしいかの経営陣のメッセージだと思っています。
外貨建て保険に販売が偏り、顧客の意向に沿った販売になっていない可能性があるのであれば、それは経営陣として間違ったメッセージを発信してしまった結果かもしれませんので、見直しを図るというのは当然の流れであり、もし、顧客本位といいつつ、自社の利益を優先させたいというのが本音で、言っていることとやっていることが違うようであれば、いずれは顧客に見透かされてしまうのではないかと思われます。
金融庁、内部監査の改善へ対話 銀行に4年ぶり情報還元
長澤 敏夫株式会社 日本資産運用基盤グループ - 主任研究員 主任研究員
リスク性金融商品の販売に係る内部監査については、金融庁が6月末に公表したモニタリング結果の中でも、多くの金融機関が準拠性の検証・監査に留まる中、営業現場の実態と経営戦略との整合性(言っていることと、やっていることが違っていないか)や企業文化(顧客本位の意識が浸透し、かつ実践に結びついているか)に関する監査をあるべき姿として慫慂していました。
企業文化に関する監査といってもピンときませんが、従業員意識調査など行って、経営陣の顧客本位の取組みに関する理念が浸透しているか、実践の障害となっているものは何かなどを調査している金融機関もあったかと思います。いずれにせよ、リスク性金融商品販売業務における内部監査部門の重要性がますます高まることが見込まれます。
三井住友銀行、運用者をDSアセットに転籍 成果で厚遇 - 日本経済新聞
長澤 敏夫株式会社 日本資産運用基盤グループ - 主任研究員 主任研究員
メガバンクであれば、既にグループ内に投資信託等を運用している資産運用会社があるので、こうした人材を転籍させることは比較的容易で、過去には証券会社に異動先の報酬体系で転籍させるといったこともあったかと思います。
一方、地域金融機関においても、最近、資産運用会社を設立する機運が高まっていますが、新たにフル装備で会社を立ち上げるとなると、投信計理システムの導入や事務担当者等の確保にコストがかかることになり、本来の目的である運用専門人材の確保・育成や投資哲学の具現化に必ずしも注力しにくいのではないかと思われます。こうした状況を金融庁のプログレスレポートでは、本邦では「事務」と「運用」が同一組織内で一体的に運営され、欧米に比べ専門化・効率化が遅れ、新規参入が進まない要因なっていると指摘しています。
こうした中、手前味噌にはなってしまいますが、弊社ではファンドマネジメントカンパニーを立上げ、三菱UFJ信託銀行と連携し投資信託の設定やその運営・管理等に係る全ての業務を引受ける一方、肥後銀行の子会社の投資助言会社には投資判断業務に注力していただくというスキームを構築し、このたび第一号案件の私募投信を設定しております。「資産運用立国」が業界全体の課題となる中、こうしたスキームを活用して資産運用会社の参入が活発化していくことを期待致したく思います。
金融庁、外貨保険販売にメス 不十分な説明・報酬是正も - 日本経済新聞
長澤 敏夫株式会社 日本資産運用基盤グループ - 主任研究員 主任研究員
外貨建て一時払い保険を含むいわゆる貯蓄性保険は、リスク性金融商品の中でも、契約期間が長いという特徴や、相続や生前贈与などを目的として契約するケースが多いことから高齢顧客が多いという特徴があり、そのため、募集時に十分な説明が必要であることに加え、契約後のフォローアップの必要性・重要性は他の商品と比べても非常に高い商品です。
また、記事にあるように「顧客の最善利益」を図ることが義務化される予定であることを踏まえれば、販売金融機関は単に苦情の発生を抑えるだけではなく、当該保険を提案し、契約してもらうことが、顧客のライフステージ・ライフプラン・資産状況等からみて、真に顧客の最善の利益につながると言えるような販売が必要であり、時には顧客が欲しいと言ってもその顧客に相応しくないケースには他の商品を薦めるといったことも必要になってくると思われます。
金融庁、「隔月分配」けん制 新NISAへ趣旨強調
長澤 敏夫株式会社 日本資産運用基盤グループ - 主任研究員 主任研究員
分配型商品は高齢者を中心にニーズが根強い面があるということを全く否定するものではありませんが、以前ある証券会社で運用提案の際に顧客の分配金ニーズを確認する取り組みを強化したところ、分配金よりも値上がり益を望む顧客のニーズが顕在化したとの記事を読んだことがあります。
顧客のニーズといっても、販売員の聞き方にも左右され、例えば年1回しか貰えないのと、毎月貰えるの、どちらがいいでしょうか、と聞かれたら、取り敢えず、貰えるものは貰っておこうという気になるのが一般投資家かと思います。分配金を使わずに再度投資をした場合、NISAの場合普通分配金にも税金はかかりませんが、販売手数料などのコストはかかる場合もあり、特別分配金の仕組みまでしっかり説明すれば、違った結果になることもあろうかと思います。
今後法制化が見込まれる顧客の最善の利益の観点からは、様々な顧客のライフプランに対して、一定期間の据え置き、その後の定期的な取崩し、など柔軟なキャッシュフローに対応できるような仕組みづくりが求められるような流れになっていくのではないかと思われます。

NORMAL
投稿したコメント