米重 克洋

掲示板拡張は最初に必ず検討するオプションなので「検討したが断念した」という経緯は想像通りだった。結果選ばれた解決策が「クリアファイル」だったというのには大層驚いたが、それでもポスターが選挙期間の最初から掲示できることを優先するにはそれしかなかったということだろう。 今後は街角の公共掲示板をデジタルサイネージにして、選挙期間はそれをポスター表示に使う、あるいは民間のサイネージを借り上げるといった形も考え得るのではないか。

選挙報道に関わる立場上、以前からネット投票、オンライン投票をどう思うか（実現すべきではないか）という意見をぶつけられてきたが、いつも反対・慎重論を述べてきた。その理由が記事にまとまっている。

「愚問」と言われた当事者です。 世論調査、選挙報道をひとつの専門とする報道ベンチャーの代表なので、いつもTBSの開票速報でデータ解説させていただいています。 石丸さんは他局では広島1区に岸田首相の対抗馬で出る可能性にも自ら言及しています。そういう候補が果たして東京の知事選で「1位（当選）」を目指しているのか、それとも2位3位で満足なのか＝知名度向上が狙いなのかを問うのは、なぜ立候補したのかを知るのに必要な情報です。別に愚問とは思っていません。 ところで石丸さんとは実は面識もあります。長時間密に話すような感じではありませんが、腰低く好感の持てる人です。テレビ各局への独特な対応はひとつの「役回り」なのだと感じます。 今後も必要に応じて愚問していければと思います。 弊社の調査データに基づく、石丸現象分析の記事もご笑覧ください。 > 石丸現象とは何か 石丸伸二氏「165万票」の中身を独自データで分析する https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/3445aa21db852501d2b183d327408c69f5046910

拙稿です。 選挙戦序盤、6月半ばに「石丸現象」の萌芽に気付き、これは大ごとになると思いました。そこで、投開票日1週間前に、石丸現象の解剖を主目的にした調査を設計し、実施しました。 そのアウトラインを紹介したのが本稿です。

石破氏は安倍政権以降「ポストxx」としての認知度でもって世論調査で常に筆頭に挙げられている。石破氏自身の発信が評価されているというよりは、安倍氏らの路線への反対、反射のような観点で選好されている格好だ。かつての安倍氏のようなリーダーが自民党に不在な今、彼自身が総裁選に立つなら彼自身の発信や考えが問われてくる。 つまり、このまま最有力候補として勢いを維持して総裁選で勝てるかは分からないということだ。

通常国会が終わって、国政の次の大きな焦点は自民党総裁選だ。近い時期には立憲民主党の代表選もある。自民党の政党支持率が下がり、菅前総理も政権交代の可能性に言及するような状況なので、秋に向けて与野党とも中では慌ただしい動きになりそうだ。

総裁選に自ら出馬するか、推すべき候補を擁立して落とせば良い話。その方がオープンで国民にとっても分かりやすい。 どういう背後関係か分からない状態で若手議員が首相に不出馬を要求するのは、権力闘争のようで見え方が良くないと思う。

公選法は生活者が新聞やテレビ、掲示板で情報を得ていた時代の法律だ。現代の生活者は数多あるメディアの中でもスマホ、ネットで最も長い時間を使う時代になっており、情報の入手経路が変わっているのが実態だ。 街頭のポスターやテレビの政見放送でいくら候補者の公平性を担保したところで、結局は形式的で実態に合っていないがゆえに、選挙制度ハックの格好のターゲットになっている。 あくまで規制強化ではなく、選挙に関する情報を有権者により効果的に伝えるように公選法のあり方を見直すのも手だろう。

形式だけ英国議会の真似事をしているが、実態が伴わない行事だ。3年近く続く政権下で今回が初めての党首討論というのもなかなかだし、党首1人あたりの持ち時間も少ない。結果、党首が短時間で絵になることを言うしかなくなり、やれ「退陣要求」「解散要求」だの「いや断る」だのという話ばかり焦点が当たってしまう。議論ではなく、議論している風の絵作りに終始していて非常に勿体ない。 そんな中でも、岸田首相と立憲の泉代表のやりとりは一定時間があったためか、首相が立憲の主張の矛盾を突こうと攻めの姿勢で臨んでいたのが興味深かった。岸田首相については、党内でも退陣要求のような発言をする議員が出てくるなど何かと辛そうな状況だが、まだまだかなり「やる気」に見える。

小池氏と蓮舫氏の論戦という観点では、蓮舫氏が当初の出馬表明会見の「非小池都政」という言葉とは異なり、小池都政の子育て支援政策やDXについて評価する前提で、より若者の生活支援（非婚化の防止）に力点を置いて話していたのが印象的だった。

議会の最終日なので出馬表明はここしかなかった。現職で知名度抜群だから最後に自分のペースで手を挙げても問題ない立場だ。 蓮舫氏ら対抗馬を意識して物価高対策など何か新味のある政策を打ち出すのか、それとも今までの実績をご評価くださいという横綱相撲をするのか、「何を言うか」に注目だ。

自民党全体が不信を買っていることで政党支持率が下がっている。そんな現状からすればいかに党内で非主流派とはいえ「おなじみの名前」で反転攻勢とはなかなかいかないのではないか。まだ知られていないが改革意欲に富む若手とか、目が覚めるようなリーダーが必要なタイミングかもしれない。