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新型コロナ治療薬を探すドクターが頼る「AIの力」
NewsPicks編集部
大村 淳一Laval university, Canada 循環器内科医、postdoctoral fellow
疾患に対する治療ターゲット(治療効果を示す遺伝子やたんぱく質()を過去の論文から検索するいうことは AI 以前から研究者たちは行なっています。 AI を介することでこの文献検索のプロセスが効率化することは良いことですね。 ですが、前臨床試験(疾患の動物モデルでの効果検証)で良い結果を示した多くの治療ターゲットが臨床試験において、その効果が実証されないことは珍しくありません。 また有効性が示されても有害事象(副作用のこと)から、安全性の理由より市場まで到達しない化合物も多いです。今回の記事で紹介されている薬剤(バリシチニブ)は既に臨床現場で使用されており、安全性が明らかになっていることは大きなポイントだと考えます。 AIによる文献検査での治療ターゲットの確定+ドラッグ・リポジショニング (ヒトでの安全性と体内動態が実績によって既に確認されている既存薬から,新たな薬効を見つけ出し,実用化につなげていこうという研究手法)は新規性があり興味深い。 市販実績があり,臨床レベルにおける安全性と体内動態が確認されていることによる「確実性」と,多くの既存データを使用できる「低コスト性」をバリシチニブは有しています。 COVID-19における治療薬としての可能性を検証する臨床試験の結果を待ちたいと思います。
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