山形 康郎

「政権の決めたこと」に反対する幹部、と言っておられます。 これはある意味、当たり前のことのように思います。記者さん達には、「決める前の自由な議論は担保されているのか」を突っ込んで欲しいですね。

帝国の方もTSRの方も、倒産後、電話取材してこられると、「コロナも原因になってますよね？」と誘導するような質問をされて、「ええ、まぁ、それも否定できないですね」とコメントすると、『コロナ倒産』に分類されてしまうのです。 詳しく説明しだすと、背景はもっと複雑なものがたくさんありますが、直近の引き金はコロナであることは、間違いではないし、、データと言っても、まぁ、そういうもんだ、と思って、報道を見ていただきたいでな、と思います。

折角、ホテルを評価するのであれば、サービスが素晴らしい割に著しくリーズナブルな場合、きっとしわ寄せがどこかに寄せられているのではないか、という視点も取り入れて、数値的な観点も含めて評論されれば、より良い分析になるように思います。 良いサービスは、これを支える経済的基盤があって初めて永続性を持つので。

清算型の法的整理をする際の弁護士の社会的役割、意義としては、支払が困難になることによって、宙ぶらりんになりかけた様々な権利関係をきれいにしていくところにあると思っています（もちろんそれ以外にもありますが）。 昔、経営者が夜逃げをして、仕方なく従業員による債権者申立を準備していた時（現場は大混乱で従業員も弁護士も対応していました）、経営者が、戻ってきたと一報が入りました。 従業員に説明し、経営者に押印してもらう自己破産に切り替えることの了解を求めましたところ、当然のことですが、「まず、みなの前で謝罪するのが第一だ」という声が従業員達から上がりました。 私は「人としては、当然のことだし、私もそれかスジだと思う。しかし、皆さんの声を彼に伝えたら、どうでしょう、、折角、戻ってきてくれたのに、また居なくなりますよ。」と説明しました。 従業員達からは、いっせいに笑い声があがり、「腹は立つが先生の言う通りだ、とにかく、早く破産申立してもらおう」という合意形成ができ、そこから数日で破産開始決定を得ることができ、破産管財人により、債権者との権利関係の清算や未払賃金の立替払い手続が進みました。 成り立たなくなったときは、清算手続を進め、経済社会内での後始末まですることが辛いことではありますが経営者にとって、最重要事項だとお伝えしたいと思います。

就業規則や労働契約に賞与の支給の記載があったり、労使の協約などで合意していれば、使用者側も賞与を支給する義務が出てきますので、ANAならおそらくゼロにはできない何かしらの規定等があるんだろうと思います。 その中でできることとして、従業員にも負担を求める、ということなのでしょう。

早期対応ができていることは良いことだと思います。 きちんと評価するためには、何件、いくら支給したのかの発信も１ヶ月後に集計して、ではなく、速報として明日にでもしていただけることを期待したいです。 その姿勢があれば、仮に実態がまだまだだ、という時であっても、もっと伸ばせるように頑張れ、と皆が応援していきたいという気になると思います。