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【最新研究】私たちには「静寂(無音)」が聞こえている
NewsPicks編集部
萬 寧々
コンサート業界で音響、楽器テックに従事していました。 音を扱う仕事をしている人の中では 一般に言われていたと思うが人間は聞こえない音を無意識のうちに聞いている。 例えばCD音源をスピーカーで聴いているとき イコライザーで 人間の可聴域(だいたい20hz〜20hz、個人差があり加齢とともに高音が聞こえなくなってくる)の外側 21khzや22khzなどの周波数を上げたり下げたりしても 聞こえていないのだから変化しないように思われるだろうが 実際は聴感上かなり変化する。 オペレーターの中には、わざわざ聞こえないはずの周波数をめちゃくちゃいじる人もいた。 これは、倍音構成が変わるからということも 当然あるだろうが 人間は聞こえない音を実際は聞いていて聴感上のバランスを取っているとも考えられる。 また、人間の心理状況に音は深く影響していて 低い帯域(20hzあたり)は 人間にとってほぼ音として聞こえない、風のように感じる帯域だが ディズニーランドのアトラクションでアナライザーを用いて計測するとここが爆音で出ていたりする。 これは、この帯域が人間に恐怖心を与えるためだ。 記事にある静寂には そういった音として聞こえていない領域が影響している可能性もあると思った。 交響曲に、「4分33秒」という曲がある。 これは、オーケストラがステージに上がっても楽器を鳴らすことはなく4分33秒のあいだ、観客は静寂に耳を傾ける曲だ。 電車に乗っていても、歩いていても イヤホンをして外音をシャットダウンしている人が多いが 聞こえていないはずの音が人間にもたらす影響は大きい。 たまには、イヤホンを外して 聞こえない音を聞く時間を増やすと良いのではないだろうか。
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