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【検証】専門家は、KADOKAWAをどう見るか
星野 貴彦プレジデント 編集長
NewsPicksもニコニコも応援しているので、心苦しいのですが、今回の報道に反発が相次いでいる最大の理由は「このタイミングで報じる意義は、どこにあるのか」というのがわかりづらいからだと思います。
脅迫者の要求に屈するというのは、さらなる犯罪を助長することになり、絶対に避けるべきです。
「身代金は、払うべきか」というサムネイルが印象的ですが、「払うべき」と考えている人は皆無でしょう。KADOKAWAが支払いに応じたとすれば、それは、あらゆる意味で問題があります。また、KADOKAWA内部の情報が出てきているのも、栗田穣崇COOの「支払う」という判断に批判的な人が内部にいるからではないでしょうか。
他方で、犯人側の脅迫は現在進行形で進んでいます。データの流出がどの規模なのか。どれだけの被害が想定されるのか。関係各所と連携しながら、対応を見極めるべき局面です。だから川上さんや夏野さんの異例の抗議ぶりも理解できます。
手に入った情報をいちはやく出す、というのはメディアの本質です。それに対する規制は論外です。ただ、微妙な局面で報道が先行してしまうと、大きなクラッシュを引き起こす恐れがあります。「報道協定」はそうした悲劇を避けるために運用されてきました。「人質事件とはまったく違う」とは、私には思えないのです。
事態が落ち着いてから、「事件の裏側を解説する」として報じるという方法もあったと思います。このタイミングで報じる意義について、もっと深く説明してもらえるといいのかなと思います。
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【極秘文書】ハッカーが要求する「身代金」の全容
星野 貴彦プレジデント 編集長
すごい記事ですね。内容はかなり深くまで踏み込んでいます。これをどう評価するかは、たいへん悩ましいです。
すでにXなどで、ドワンゴ創業者の川上量生さんが「記事の中身についてはコメントしませんが、犯人と称するグループからの一方的な情報をスクープと称して喜んで記事にするnewspicksのやり方は、犯罪者の脅迫に加担する行動であり、メディアとしての良識を疑います。非常に残念です。」というメッセージを出しています。
わかったことを速報するのは、メディアの本質です。ただし、脅迫や誘拐などが進行中のときは、「スクープ」という抜け駆けは事態を悪化させる恐れがあり、注意が必要です。
日本では「報道協定」として、警察と記者クラブが報道自粛を取り交わすことがあります。記者クラブ制度は批判も多いですが、この報道協定については、意義があると思います。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A0%B1%E9%81%93%E5%8D%94%E5%AE%9A
ランサムウェアをめぐる報道では、こうした仕組みはありません。そもそも、NPは記者クラブとは関係ありません。今後、議論を呼ぶケースになることは間違いないので、注視しています。
※追記:反応が多いのでもう少し踏み込んで書くと、ニコニコには頑張ってほしいので、個人的には、犯人側を有利にさせる報道は控えたほうがいいと思います。メディアは犯人側の発信を完全無視したほうがいい。それは今の時代には不可能なのですが、「なぜこれまで他社が深い情報を出してこなかったのか」も理解してほしいです。
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【新現象】今、「紙の雑誌」が復活を遂げている
星野 貴彦プレジデント 編集長
諸外国と日本では雑誌流通の仕組みが違うので、読者の感覚も違うのですよね。日本の雑誌はコンビニでも売っている身近な商品でしたが、アメリカの雑誌は定期購読が多く、広告収入の割合が高いです。
おそらくこの記事が指しているのは、ニッチな販売重視の雑誌がアメリカでじわじわ来ているということなのですが、部数はかなり少ないのではないでしょうか。この記事に出てくる数字は少なく、7200部と2万8000人なのですが、米国市場を考えるとかなりニッチです。ZINEみたいな感覚なのかもしれません。
※小見出しが、<「スクロースが好き」な人はいない>となっています。え? と思ってスクロールしたら、ただの誤字でした……。
時価総額は4年で1000億円→77億円に急落…クラファン企業「マクアケ」伸び悩みの根本原因
星野 貴彦プレジデント 編集長
本稿の趣旨は「マクアケに頑張ってほしい」というものです。私は何度も利用したことがありますが、このところは利用から遠ざかっています。
以前はマクアケでしか買えない物が多かったのですが、最近は海外で販売済み商品の並行輸入が増えている印象です。そういうものは、Kickstarterで簡単に買えます。海外通販を利用できない(利用を考えない)人たちが対象になっているのかもしれません。マクアケをふらっと眺めていても、興奮させられることが減ったという感じがします。
マクアケは「世界をつなぎ、アタラシイを創る」というミッションを掲げています。田中先生は最後にこう指摘しています。
「ミッションに立ち返り、事業者だけでなく消費者を見て、双方をつないでいくことが、マクアケの次のステージの“幕開け”になることを期待する」
私もまったく同感です。
「京急蒲タコハイ駅」看板撤去へ NPO法人「公共性無視」と抗議 強まる酒広告規制
髙橋洋一「ホリエモンがフジテレビを買収していたらいまごろAmazonプライムみたいなことになっていたかも」世界的IT企業が日本で育たない理由とは?
星野 貴彦プレジデント 編集長
思考実験としては面白いと思いますし、そうなってくれればと思いますが、残念ながらそうした未来はなかったと思います。
名著『イノベーションのジレンマ』で論じられているように、既存の大企業はつねに新興企業に脅かされる存在です。フジテレビのような企業から、Amazonプライムのようなサブスクビジネスが出てくることは、まずあり得ません。すでにそうなっていますが、凋落が分かっていても従来の産業にしがみついてしまうのです。
出版業界も同じですね。オンラインメディアは比較的、出版社系が優位ですが、これは珍しいことだと思います。NewsPicksがユーザーを集めているのも、外部の挑戦者だったからです。
今年2月、ユーザーベースは写真や見出しの無断使用を認め、著作権侵害について謝罪しています。すでに問題は解消していますが、初期のNewsPicksがユーザーに熱狂的に受け入れられたのも、法律的な問題より、ユーザーの使い勝手にフォーカスしていたからです。ここにジレンマがあります。
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【超速報】OpenAIが最強・最安の「新GPT」を発表した
星野 貴彦プレジデント 編集長
みなさん興奮しすぎです。まだ、AIには、東大数学1点の実力しかありません。しかも、東大より共通テストのほうが苦手なのです。
もちろん、AI活用で、飛躍的に効率化するものはあります。たとえば取材の仕事なら「テープおこし」は完全に機械化するでしょう。「記事の下書き」も、そこそこいけるかもしれません。他方で、「企画案を決める」や「話を聞く」ということはできません。当たり前ですが、われわれの仕事は後者の分量が相当あります。自動運転がなかなか難しいのも、「決める」というのは(いまのところ)人間の領分だからです。
社会は人間でできています。人間が進化しない限り、どんなAIがでてきても、社会は簡単に変わりません。
私たちは、医師や弁護士ではなく、AIに健康や法務を委ねられるでしょうか。そう考えれば、医師や弁護士が、すぐに職を失わないことは、自明です。落ち着きましょう。
ヨーカドーの跡地が「世界最大級の無印良品」に…過疎地の商業モールを復活させた「社会的品揃え」の魅力
星野 貴彦プレジデント 編集長
無印良品が大型店舗を次々としかけています。タイトルで「世界最大級」としているのは、22年4月に「無印良品 広島アルパーク」という世界最大の店ができているからです。この記事のる直江津は20年7月オープンで、さらに21年10月には「無印良品 イーアス春日井」という世界最大店舗ができています。要は「世界最大」の無印良品がどんどん増えているのです。
少し前の「蔦屋書店」に似た印象をもちますが、ツタヤが仕入れ商品であるのに対して、無印良品はほとんどが自社開発商品です(セレクトショップ的な仕入れも少しあります)。自分たちの品揃えだけで、巨大な店舗を埋め尽くす。そこにはラインナップの幅広さだけでなく、空間を演出するクリエイティビティがあります。
私は閉店してしまった「無印良品 有楽町」が大好きだったんですが、その売場にもさまざまな演出があり、シーズンごとに通う楽しみがありました。お客を「あっ!」と驚かせる仕掛けがたくさんありました。
記事の筆者は、神戸大学大学院の栗木契教授です。ぜひご覧ください。
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