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「空」は新・経済圏になるか?~都市の未来とエアモビリティ〜
豊田 啓介建築家、東京大学生産技術研究所特任教授、noiz、gluon
連続でエアモビリティと都市というテーマで登壇させていただいていて、毎回いろいろと学びがあります。我々は都市や建築という主にハード環境側の視点ですが、もちろんそこにはデバイス(乗り物や制御装置)のハード、デバイスのソフト、さらには当然環境側のソフトなど多様な領域が混在し、お互いがお互いを与件とし合う複雑な状況があります。特に環境側のソフトという領域では、今回のNTT Comさんの領域である制御システムやデータに関するプラットフォームなどの技術的な領域に加え、社会規範や社会的な受容性などの感情に根差す部分、法律など、現時点では存在しない新しい構造を描き出し、その上でそれを多様なプレイヤーが使いやすい形でシステムに落とし込んでいくという、なかなかカロリーの高い作業が待ち構えています。 スマートシティと言われる領域がおしなべて陥る困難ですが、少なくともエアモビリティを何らかの条件下で飛ばす、実際に運航するという目に見える狭域のテーマベースで一つ一つの課題を紐解いていくことで、徐々に都市的な、社会的な課題も具体的に見えてくる可能性をあらためて感じることができました。 とはいえそうすると技術やサービスのサイロ化が進みかねない現実の中で、少しでも汎用性が高い都市環境を提供していく上で、都市や物理環境構築領域に求められる専門性が急速に変化、拡張していることもあらためて痛感しました。この領域、面白いです。
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米国ユニコーン企業のうち55%は、創業者が移民
Forbes JAPAN
豊田 啓介建築家、東京大学生産技術研究所特任教授、noiz、gluon
ここでの移民の定義と、各種統計の定義が不明瞭ですが、コロナ前の全米の大学生に占めるF-1やM-1ビザで学ぶ米国籍やそれに準じる資格を持たない「移民」学生の数が約150万人程度、それに対し全米で学ぶ大学生の数が2000万人程度とのことなので、単純にその比(10%以下)と比較しても、ユニコーン企業に占める「移民」出身者の数が多いというのは相応に言えそうです(ただし、移民の定義の不確定さや創業者が複数いる場合もその中に一人いればカウントされる方式から、実際にはもう少し割合は低いことも予想されます)。 僕も義理の従兄弟(台湾人)が昨年ユニコーン入りした某企業の共同創業者ですが、二人とも台湾で育ちMITで学び、シリコンバレーで創業してSand Hill RoadをまわってVCに出資してもらいと、典型的なアメリカの中華系ITユニコーンです。 彼らの周囲にいる、他のユニコーンやそれに準じる立場にいる人にも似たような経歴の人は多く、彼ら自身のアメリカの社会的マナーは既にとても洗練されているとはいえ、やはり純アメリア育ちではない、もっと直球に言えばWASPではないという見えない逆境に対する明確なハングリー精神を、ほぼ共通して持ち合わせているように思います。 日本の大学でも、一般に日本人学生と(特にアジアからの)留学生ではハングリーさが違い、結果として達成する成果の面でも(言語的なハンディを超えて)後者のほうが、特に国際的な一線級の成果という点で、到達する率は高い実感があります(最近は経済力と一緒にその傾向も逆転気味かもしれませんが)。 ハングリーさという、一昔前の根性論みたいなことを振り回したくはありませんが、やはり世界最先端の土俵で生き残るには素質に加え、並外れたハングリーさ、逆境をこじ開ける能力が不可欠です。学ぶ環境を与えられた人と勝ち取る人では、その先の突破力でも違いが出ることはある程度納得できます。 異なる国の教育や文化システムを複数体験しているということも、移民系の学生の強みかもしれません。アメリカでも日本でも、与えられた単一の環境だけで育ってきた人は、たとえ優秀でも、自分視点以外の感覚が持ちにくいという傾向はありそうです。アメリカだけ、日本だけをマーケットとして考えればよい時代が終わろうとしている今、こうしたクロスオリジン人材の強さは、より一層高まりそうです。
350Picks
カタカナが多くて無理? トヨタウーブン・シティ地元、裾野市の未来構想が終了
レスポンス
豊田 啓介建築家、東京大学生産技術研究所特任教授、noiz、gluon
これは非常に示唆的な動きですね。いわゆるスマートシティに関わる立場としていろいろと考えさせられます。トロント市がグーグルのSidewalk LabにNoを突き付けたのに似た構図もあり、技術と現実、イメージの乖離がまだ大きい現実を突きつけられます。 こうした領域横断的な社会基盤を新しくつくるような試みは、どうしてもあまりなじみのない概念や技術を前提にせざるを得ず(そもそもそれが価値なので)、その仕組みや言葉は一般社会との「コモングラウンド(共通理解基盤)」を本質的に欠いています。そうした概念や技術、新しい価値を説明して一般に理解を共有する事は、ある程度価値世界自体の描き直し(新しい環世界の構築)を求める行為なので、本質的に相応の時間とエネルギーを必要とし、どうしても難しい印象を与えがちです。 カタカナ語が多くてわかりにくいと感じる人からは得てして、分かりにくいのは新しい概念が未成熟だからだ、伝える努力が足りないからだ等と言われがちです。もちろんそういう側面も大いにありますが、同時にそう簡単に切り捨てられるものでもありません。新しい感性(価値体系)を受け入れるということは、自ら(個人や社会)の価値評価や言語の体系を組み替えるという手間のかかる作業で、新しい言語を習得することに近い行為です。英語が苦手な人にシェイクスピアの原本を渡した時、理解できないからシェイクスピアの表現や価値世界が悪い、価値がないということにはならないのと同様です。 スマートシティに関わる世界は、正論やあるべき姿を示していくことが重要なのはもちろんですが、同時にとにかく楽しい・便利・楽という状況や体験を、小さく積み重ねられる仕掛けが重要です。日常の生活で定量的な価値が普通に感じられるのが理想ですが、同時に最初は直球にエンタメの姿を借りるのが良いのだろうとも感じています。楽しいことは誰にも、理屈や損得を超えて踏み込むモチベーションになり得ます。 社会的な複合度や熱量が大きければ大きいほど、それを動かすには巨大なエネルギーと相応な時間が必要、というありきたりの話に回収されてしまうわけですが、一休さんが人差し指で釣鐘を動かした逸話のように、少しずつ揺らし続けて、うまく周期とシンクロさせて、徐々に大きく動かしていくということを(多くの段階的な失敗も前提に)続けていくしかないなとあらためて感じます。
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水に浮かぶ近未来的なエコ住宅、現在建設中
CNN.co.jp
豊田 啓介建築家、東京大学生産技術研究所特任教授、noiz、gluon
もちろん相応に考えてあるのだとは思いますが、現実的に波や悪天候への対策、給排水や汚水・ゴミの処理、給電をはじめとしたエネルギーの安定供給などを考えると、どうやってもエコにはならないように見えますね。新しい試みを実行することには大いに敬意を表するものの、単独の住宅スケールでエコシステムがすべて完結するというのは、相当に原始的でラフな生活を受け入れない限り難しいはずです。 仮に本当に浮いている場合の波対策はとても簡単に解決できるものではないですし、そもそも流されないように海底へのアンカーなども必要になります。現実的には「浮いて」いるとはいいつつ、浅瀬で海底に基礎を打って海面上に「浮いて」いるように「突き出す」ということでしか、こんな住宅は実現できないだろうなと。そうなると、実は給排水やエネルギーも海面から来ているのかもしれず、単に地上なら簡易に済むそうしたインフラや基礎工事を、あえて海底を掘削するという土木工事レベルに拡張しているということになってしまいます。現時点で、現代生活の快適性を、何も接続しない単独のユニットが、継続的に享受し続ける(排泄も含めて)のは技術的にも社会的にも、一般にとても困難です。 現代の新しいイノベーションが単体、単システムでは難しいのは、いまどきのイノベーションが複合的なサービスにまたがり、異なるスケールおよびネットワークの効率と技術開発の相互作用やバランスを要求するからで、単独での斬新さはむしろエネルギー効率の悪さを助長してしまう傾向が強くなりがちです。今回の提案はもちろんチャレンジとして評価や期待はしたいところですが、少なくともこのニュースソースがアピールするところを見る限り、現代的な快適ライフとエコ性の高度の融合は難しそうに思えます。
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Facebookが社運をかけたメタバースは、批判を乗り越えて存在感を見せることができるか
Yahoo!ニュース
豊田 啓介建築家、東京大学生産技術研究所特任教授、noiz、gluon
メタバースと呼ばれるものの定義や機能が人により、サービスにより千差万別なので評価が難しいところなのですが、正直見え方だけで評価するのは早計なように思います。 没入空間でのアバターによる交流で大事なのは、リアルタイムな空間情報やジェスチャー、表情などで、参加する人数が増えるほど、ジェスチャーや表情の情報が増えるほど、処理や通信にかかる遅延を短く志向すればするほど、技術的な難易度は指数関数的に増加していきます。 複数のMetaのデモを見ている限り、まずはあくまでビジネス用途に特化して(上半身だけでいい、移動を考慮しない等)、その上で上半身の身振り手振り、顔の向きや傾き、表情などはしっかりリアルタイムに扱う、10人程度以上の双方向同時接続処理を汎用環境で実現するという点に特化しているように見えます。そうだとすると、主に批判の対象になっている表現の簡便さは、むしろ戦略的な選択のはずです。 今回のデモ画像に今最先端のVRワールドの画像を比較して揶揄する投稿が目立っていますが、上記の条件をすべて揃えた上での比較なら意味があるものの、前提となる動作環境や同時接続数、遅延、付帯サービスの種類などの組み合わせが違う中で、一つの指標の優劣を比較して評価することにはあまり意味はありません。コンビニの食材の質と、フレンチレストランの質とを比較しても、前提や対象とする市場が異なるわけで、どちらが正しいというものではないのと同じです。 PCなどの端末やウェアラブルデバイスだけ、クラウド側だけでこれだけの同時接続環境をワールドワイドに、汎用に提供するとなると、意外にMetaクラスでないとできなことはいろいろあるように思いますし、一度没入型の空間情報がある環境に慣れてしまうと、なかなかフラットな画面を通したインターフェースには戻れないくらいに快適になる可能性も十分にあるでしょう。画質や表現などは、それらの快適さを一度プラットフォームに束ねてしまう価値に比べれば、いくらでも後から対処できる質という判断は大いにあり得ます。 我々が現在進めているコモングラウンドという考え方は、さらにここに環境側のサポートを加えることで、同時接続やモダリティの種類、制御点や遅延がおしなべて次レベルの環境構築を志向しているのですが、その視点から見るとMetaの動きは相応には意味があるように見えます。
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中国初、AIによる建築施工図が審査合格 「TransBIM」利用で完成まで最短3日
36Kr Japan | 最大級の中国テック・スタートアップ専門メディア
豊田 啓介建築家、東京大学生産技術研究所特任教授、noiz、gluon
実際の建築物やその設計内容、どんな与条件でどの程度までの実装をしているのかがこの記事だけではわかりませんが、非常に興味深い動きですね。 建築設計におけるAI実装の試みはこの10年ほどホットトピックではあるものの、建築設計という工程が圧倒的に非線形で同時に非常に確定的なので、これまでの人為的な作業の部分的な代替という形では、期待されたほどのブレイクスルーがAIによってなされたとは言い難い状況です。 ただし、それは人間の設計者の感覚的な判断を入力層もしくは出力層に持つような課程ばかりを試しているからで、今回のようにある程度の基本設計と、BIMモデルという出力層をいずれもCADやBIMという完全にデジタルデータに閉じることで、相応な学習と最適化、階層的な組み込みは確かにできそうに見えます。システムの組み込み方と評価のさせ方、学習のさせ方など、詳細が気になるところです。 AIの世界でも基盤モデルなど、ある程度複合的かつ汎用性の高い実装事例が登場しつつある中で、相応にビルディングタイプや部分行程を絞り込んだ過程であれば、AIによる建築設計の代替は意外に早く進行するのでしょう。AIの使いこなし方、育て方、餌の上げ方が設計者の腕の見せ所になるという未来も、そう遠くないかもしれません。
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理工系学部に「女子枠」、文科省が創設促す…名古屋大工学部は学校推薦定員の半数を女子限定
読売新聞
豊田 啓介建築家、東京大学生産技術研究所特任教授、noiz、gluon
なかなか難しい問題です。実際に現状として、特に理工系学部では教員も学生も女性の割合が特に低いので、各大学や企業としても何とかしたいと頭を悩ませているところ。とはいえ、数年でひっくり返るようなことでもないし、逆差別と呼びうるような施策が本当に良いのかなど、どこも試行錯誤の状況かと思います。 年度目標を決めてそれまでに女性教員比率を一定割合まで引き上げる等の話もよく出ますが、実際にそれを実現するには例えば現状の採用頻度ベースでは、今後5年間すべての新規採用を女性のみにしても達成不可能で、大学という各領域の高度な専門性を必要とする組織では、全ての新規採用が女性であることが義務化されることもまた不自然です。 これは学生の側にも言えることで、現状で社会の興味や受け皿、生き方としてのモデルが未整備な中で、不自然な形で数字だけを短期で追いかけてもあまり本質的な効果にはなり得ないように思います。実際僕の大学での専門領域(空間のデジタル記述)なども、そもそも女性の履修希望者が際立って少ない領域で、まずは興味を持ってもらうところから、ロールモデルや受け皿をつくるところからと、より若年層の興味の開拓や雰囲気の醸造から始めているような状況です。 90年代、日本でプロスポーツと言えばプロ野球のみ(相撲などもありましたが)といった状況で、サッカーやバスケ、ラグビーなどはほぼ同列で比較する対象ですらありませんでした。その中でJリーグは長期的な戦略に基づき、地域密着で若年層からの育成モデルを各地に構築し、モチベーションベースの科学的な育成や怒鳴らない指導などを体系的に導入し、数十年かけて野球を凌駕する(特に若年層では)ほどのメジャープロスポーツに変化をさせてきました。今では野球側がサッカーの組織や指導方法を学ぶ側です。 今回の記事にあるような、目に見える施策でわかりやすい目標や方針を伝えることも、特に過渡期においては相応に必要だとは理解しますが、より長期的な、10年20年計画で実行性のある構造的な教育システムや価値、仕事や家庭までを含めた社会の受け入れ体制のほうにこそ明確な方針と指標、気運の醸造をしていく必要があるように思います。
348Picks
ペロシ米下院議長、台湾TSMC会長と会談へ=WP
Reuters
豊田 啓介建築家、東京大学生産技術研究所特任教授、noiz、gluon
今のニュースだけ見ていると、中国の侵略脅威が高まっているのでTSMCは安全ではない、それを守ってあげるアメリカの正義みたいな論調が多いですが、事態はそう単純ではないと考えます。 アメリカ政府はTSMCに強制して、米国内に工場を造らせ、彼らの技術をIntelが学べるようにしています。さらにその上で、半導体サプライチェーンの中心にアメリカが復権できるように絵を描いています。TSMCはアメリカと中国、二つの大国の両方から、どちらに転んでもあまりうれしくないプレッシャーを受けている状況かと。 むしろ、アメリカ政府がこの緊張状態を演出して、TSMCは安全ではない、彼らの技術を米国企業に移転することがサプライチェーンの維持には重要だ(その上で悪役は中国、正義の味方は米国という役割もセット)とアピールしているように見えます。最終的にはIntelを勝たせ、半導体の米国内生産に引水するための壮大な布石と強制の一手でしょうし、その意味では今回のペロシ訪台は、台湾としては手放しで喜べる内容ではないと思います。むしろ、招かれざる客的な要素は、思うより強いのではないかと。 そういう視点で見ると、西側のニュースもかなり情報誘導の要素は強いなとあらためて感じます。
13Picks
全長120キロ高層ビル、サウジ計画の全容
NewsPicks編集部
豊田 啓介建築家、東京大学生産技術研究所特任教授、noiz、gluon
アメリカなどでもよくありますが、プロジェクトへの関心と投資を集めるために、最初にプロジェクトのフィージビリティーはある程度度外視した、相応に具体的な建築や都市のイメージをセンセーショナルに提示して、その後から可能な限り投資を集めていくプロジェクトの進め方は(日本ではあまりなじみがないかもしれませんが)海外では普通にあることなので、あまり構成や画面、プロジェクトの実現性に目くじらを立てても意味はないように思います。計画を提示しているプロジェクトオーナーたちも、この絵を描いている建築家も、これがそのまま実現するなんて全く思っていないでしょう。 UAEのマスダールシティなどを見てもそうですが、UAEの財力をもってあの程度の規模ですら、十分な投資を集めて想定通りに実現してかつ維持していくのは本当に難しいこと。自然という圧倒的な力の前では、人間の経済や技術なんてまだまだ小さなものに過ぎません。このプロジェクトが持つ圧倒的な不可能性は誰が見ても明らかな中、ポイントはこれだけのスケールでものが考えられる、様々な技術を統合し実装する意思や財力があることを提示する、という点にあります。 まずビジョンと枠組みを作ってから、その具体的なイメージも提示しつつ、そこに大きく賛同する投資家を集めつつ具体的にできることを落とし込んでいく、まずは握手をしてから考える。流行の言葉で言えばアジャイルな、こうした開発や社会づくりの仕組みや感覚は、これからの世界基準でのスマートシティーのような領域では、事前に答えが見えないだけに、むしろより重要になっていきます。 もちろんこのプロジェクトが示唆する、ある意味人間のおごりや社会の不均衡を肯定する姿勢、エネルギーの消費と環境に関する問題は無視するべきではありませんが、とはいえどうせできもしないものを真面目に発表してなどと、現実視点からちょっと小馬鹿にする姿勢を持ってしまうことで、結局置いていかれるのは日本のような気がします。
223Picks
インスタグラム崩壊。10億ユーザーの巨大なSNSを蝕む危機の正体
AppBank
豊田 啓介建築家、東京大学生産技術研究所特任教授、noiz、gluon
この記事で指摘されているような事は、当然Facebookが誰よりもよく認識していて、だからこそこの規模の企業にしてはありえないような全振りギャンブルで、メタバースに突っ込むと言わざるを得ないほどお尻に火がついていると言うことですよね。 現状でFacebookの収益はGAFAMの中でも際立ってSNS広告(つまりはトラフィック)に偏っていて、かつ既にほぼInstagramオンリーで生かされているような状況のはずです。これで今後数年でInstagramが急速な下降線をたどるとすると、Facebookが急速にオワコン企業になっていくシナリオが見え始めているということになります。かといってプラットフォーム企業として情報を裏でマスに抑えることによるビジネスにあまりに特化してしまったがために、新しいビジネスのパラダイムシフト、例えばPtoPの非中心的PFの構築には企業体質として動けません。すでにFacebookは、バブル後の日本企業のジレンマに陥りつつあると言えるように見えます。 マルチモーダルでかつマルチユーザーによる双方向コミュニケーションをより促進していくことがメタバースの本質だとすると、そこには必ず現在バーチャル側に特化しているコミュニケーション空間の、物理空間との接続と言うパラダイムが入ってきます。GAFAMは特殊なIT機器以外、生活の日用品や建築や都市といった環境全体の製造やベタな取り扱いには未だ全くノウハウを持てていない中、まだ物理空間での生産や実装、製造に1日の朝が残っている日本企業は、今こそ責めどきなんですけどね。
1294Picks
アマゾンが低価格住宅を提供、イーロン・マスクも「プレハブ住まい」と噂の新潮流
ビジネス+IT
豊田 啓介建築家、東京大学生産技術研究所特任教授、noiz、gluon
アメリカ、特に都市部でのプレファブ住宅への投資と開発トレンドは何も今に始まった話ではなくて、2010年ごろからかなりの大規模再開発でも、中高層集合住宅をいかにプレファブ化するか(かつデザインや不動産価値を相応に高めるか)はずっと一定のトレンドとして存在してます。もちろん昨今の急速なインフレで低価格住宅へのニーズがより顕在化しているのも確かです。 例えばNYでは、イーストリバー沿いの再開発、特にドミノシュガー地区はプレファブ超高層にフォーカスしていますし、Netsの本拠地バークレーズセンターの集合住宅なども、あえて低所得者向けの賃貸を多めに設定したプレファブ超高層とのパッケージ開発です。アメリカは特に、20世紀後半に低所得者向けの「プロジェクト」と呼ばれる大規模団地を均質かつ大量に供給し続けた結果、犯罪と社会格差固定の温床となってより大きな社会問題化した経験があるので、今ではあえて高所得者向け地区と低所得者向け住宅を積極的に混在させる方向に動いています。 その中には税制優遇などでの民間投資の誘導などもうまく組み込まれていて、治安の悪い地区に市の誘導で新産業と再開発の誘致を行い、その規制緩和や税制優遇を利用して低所得者向けの相応に質の良い環境を作るというサイクルで、NYなどは全米でも最も治安のよい街に変化しつつあります。数年前にGoogle Sidewalk Labの撤退で話題になったカナダ・トロントのキーサイド地区の新しい再開発計画なども、かなりこの辺のトレンドにのっとった内容になっているようです。 大企業、高付加価値の産業であればあるほど、むしろ低所得者向けの環境を整備するインセンティブと圧力を受けるしくみになっている(そういうシステムを過去30年ほどをかけて構築してきている)のがアメリカなので、プレファブの技術やビジネスモデル単独で語れる内容ではないですが、そもそも2x4自体がプレファブに近い概念でつくられたシステムなので、社会的に相性はいいのでしょう。 プレファブでも文化的な生活は十分にできるし、むしろいろいろな社会階層が混ざっていた方がサスティナブルな都市になる。この辺はより長期的な視点で学ぶことが多そうです。 *ちなみにこの日本語記事の面積は誤訳で、元記事によると600㎡ではなく600sqft、つまりほぼ60㎡です。
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世界で最も細身の超高層ビル、米マンハッタンに完成
CNN.co.jp
豊田 啓介建築家、東京大学生産技術研究所特任教授、noiz、gluon
設計者のSHoPは僕の元所属事務所なので、まずは竣工おめでとうございます!NYのプロジェクトは計画から竣工まで長くかかることが多いんですが、これはほんとに長かった。僕の在籍時からやってるのでもう足掛け15年。。。ご苦労さまです。 日本ではあり得ないプロポーションというのはその通りですが、そもそも都市計画的にも地価やバリュー的にもこういう与条件が日本に無いだけであって、別に構造的に無理という訳ではありません。今はNYも日本の耐震基準と全く遜色ない基準を設けているので、少なくとも過去30年程度以内に建てられた建物であれば、日本と同等の強度があるとされています。 このビルも両側壁がガッチガチの構造体になっていて、いわば超巨大なH型鋼を地面に突き刺して、その間に人が住んでいる(なので南北方向のビューは最高です)という構図。そうはいっても、高層部分は風などで相応に揺れるとは思いますが、それは日本の超高層も同じ。 マンハッタンはミッドタウンあたりで地下の岩盤が地表近くまで上がってきているので、超高層が比較的効率的に建てやすい地理的条件をしています。それを最大限に活かして、セントラルパーク(ほぼ)ど真ん中の軸線を独り占めするこの立地は、世界のビリオネアのステータスと投資対象として十分にペイするでしょう。僕も近くの超高層から似たようなビュー見たことありますが、マジ最高です。 SHoPは、最先端のデジタル技術を最初期から実プロジェクトに活用した事務所としても知られていますが、同時に開発案件の投資側に積極的にコミットし、設計事務所なのに開発にも少額ながら一枚噛みすることで、投資家や開発者側の目線や立場でプロジェクトの価値最大化をするスタンスで、NY周辺の大きな再開発プロジェクトを多く手掛けていることでも知られています。本記事にもあるJDSなどは比較的初期から協業していたはず。民間の再開発であれば、そういう建築家の関わり方もありですよね。 日本の場合、逆に開発側にゼネコンが一部だけ噛むことで施工を随契で受けられる立場を獲得して、施工費を釣り上げて開発利益に反しても施工側で儲けるような、不思議な越境型開発が横行していますが(民間なので当事者がよければそれで問題はありません)、開発者が建築家と同じ目線で都市開発するという可能性は、もっと日本でも試みられて良いように思いいます。
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渋谷マルイが木造に建て替え 日本初の木造商業施設に
WWDJAPAN
豊田 啓介建築家、東京大学生産技術研究所特任教授、noiz、gluon
まだまだ過渡期な技術なのでこういう形で色々試して実績積むのは大賛成。やらないと見えないこことはとても多いから、それ自体は大事な社会投資。 ただ一点、元のリリースがそう言っているのかメディア側の問題なのか、「製造工程で二酸化炭素を排出する鉄と異なり、成長過程で二酸化炭素を吸収する木材」という表現は相応に悪意を感じる。 製造過程と成長過程を比較したって意味ないし、むしろ施工過程で言えば高層耐火木造と鉄骨ではむしろ後者の方がエネルギー負荷は低いくらい(どこで区切るかによる)。木材だってこういう現代工法に使うものは相応の選別過程があった上で集成加工等で相応の化学的負荷や加工負荷を必要とするし、そんなに単純に比較できるものではない。それを分かっていて、こういう半ば確信犯的な統計や数値分析の「伝え方」をするから、定量的な比較検討に基づく社会投資や評価の機運が生まれない。 こんなチートなキャッチ表現ベースではなく、短期的なコストや負荷の増も認めつつ、ちゃんと社会投資をしていきましょうという議論が、客観指標と判断ベースでしっかりできる日を待ってます。 フォスターの木造が渋谷のど真ん中にできるのは楽しみ!
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スタートアップにもっと機会を、宮坂副都知事が意欲-孫社長から薫陶
Bloomberg.com
豊田 啓介建築家、東京大学生産技術研究所特任教授、noiz、gluon
宮坂さんのような人が行政側のこうしたポジションにいるということ、本当に素晴らしいことですよね。 都庁に入って想像を絶する壁を、レンガを並び替えるように一つ一つ運びながら構造を変えていく作業と、とはいえ次の大きなグランドビジョンを見せる作業、どちらも軋轢をうまないように気を付けながら、同時にぐいぐい進めていく、考えただけでも気が遠くなります。でも、そこに意義を感じて取り組んでくれるこうした人がいるから、社会は少しだけ早く変われる可能性や選択肢を持ち得る。すばらしいことだと思います。 都庁内部の壁に加えて、行政と民間の壁はもっと大きいわけで、どうやっても悪意の有無にかかわらず多様なケースが生まれる環境下で、行政と民間をうまく攪拌していく作業は、調整や検証に時間もかかるし本当に骨が折れる作業のはず。おそらくは、外から来た宮坂さんのような人が、損得度外視で突っ込んでくれないと、永遠に変わらない領域のはず。義務があるわけではなく、あえて年収もはるかに下がるであろう中、難しい社会基盤開拓の土木の難工事に取り組む役割を選んでくれたことには、本当に頭が下がります。 僕も国立大学と民間の兼業をしている立場ですが、客観的に見ていても、両方の立場で動ける人、それぞれを内部からつなげられる人の価値が高まることは間違いないと思います。それは各々の専門性を否定するものではなく、現状でどちらかしかわからない・できない人が多すぎる、複数の領域の翻訳やそれぞれで動ける人があまりにも少ないということなのかと。こうした構造の切り崩しを行政側のリードで仕掛けられることの価値は大きいですし、どんどん成功事例を作っていってもらいたいところです。 デジタル庁でも霞が関出身者と民間出身者の働き方、ものの進め方のずれに関する話がいろいろと聞こえてきますが、ズレや軋轢があったからダメなのではなく、むしろ社会のより大きなズレや軋轢を、先行して体験して解決法を探ってくれている、最前線のヒーローなのだという意識を、周囲も内部の人もしっかり自覚してもらって、失敗も含めた過程を社会の財産にしていく姿勢、共有していきたいですね。
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