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「霞が関は変われる」異色の官僚が仕掛ける“意識改革”作戦
吉井 弘和VOLVE / 慶應義塾大学 / ソトナカプロジェクト
国と自治体の関係は企業の本社と支社・支店の関係とは異なるので単純な比較はできませんが、霞が関(中央省庁の本府省庁)で働く数万人の方々は、国家公務員60万人、公務員300万人全体が行う行政全体の舵取りを行なっていて、さらにはその意思決定基準が経済合理性だけではなく、相矛盾する価値に基づく判断となるので、政策を変えることが容易ではないのはある意味当然のことです。
誰がどんな組織で働いても100%ハッピーということはほとんどない中で、大切なことは、この記事でも触れられている通り、自らの選択で公務を選択すること、それが入り口だけではなくキャリア全体にわたって、その意思決定を自分自身が現在進行形で行なっていると思えることだと思います。それにより、結果的に同じ組織で働き続けるにしても、よりモチベーションは高まるでしょう。また、働く人たちが「選択肢」を持ち続けることで初めて、選ばれる対象となった組織(と行政の場合は、その組織をとりまくステークホルダー)に変革のモチベーションが生まれると思います。
内閣支持15.5%、最低更新 「政権交代を期待」4割―時事世論調査
吉井 弘和VOLVE / 慶應義塾大学 / ソトナカプロジェクト
政権交代を望む声が自民党政権を望む声より多い調査は2012年以降の調査で初めて見た気がします。他方で政党支持率をみると、どのような与党構成の政権交代がありえるのか、その選択肢が見えづらいところです。
直近の英国総選挙では650議席に対して労働党は前回202議席から倍増以上の411議席を獲得しました。その大前提は、それだけの候補者を立てることができているということです。イギリスでは仕事を続けながら休暇をとって選挙に出る人が多数います。落選したらまた普通にキャリア継続をする前提ですので、候補者のリスクが小さいことが特徴です。
それに対して日本は「身を賭して戦う」候補者がほとんどであり、1年や2年もの期間をフルタイムで政治活動に身を投じます。われわれ有権者の投票行動から、そのような活動をしないと当選が難しいからでしょう。まして野党の場合は、一般的に当選の可能性は高くありません。野党が、政権交代可能な数で、かつ質の高い候補者を常に揃えられるような政治環境はまだまだ遠いと感じます。その原因には制度も非制度もあると思いますが、われわれ自身の投票行動も要因の一つであり、投票行動の意味合いをよく考えたいものです。
政党間の候補者調整の考え方や戦略性は全く異なると思いますので比較は難しいですが、イギリスは今回の総選挙で2大政党の労働党や保守党に加え、英国改革党、自由民主党、緑の党の5党が650の選挙区に600名前後の候補者を立てています。日本の前回の総選挙で300の小選挙区に対して自民党は277、立憲は214、共産と維新が100前後の候補者を立てています。
低知名度の石丸伸二氏躍進 「国政当然考える。例えば衆院広島1区」
吉井 弘和VOLVE / 慶應義塾大学 / ソトナカプロジェクト
投票総数数十万票を超える大規模な選挙で、当初大手メディアから黙殺されながら、ネットの拡散力を駆使して無党派層や30代以下のセグメントで得票率1位にまで浸透した候補者は、かつていなかったかもしれません。
選挙の世界ではよくバンドワゴン効果という、有権者の「勝ち馬に乗る」投票行動が指摘されて来ました。また、意中の候補者に当選の可能性が低い場合には、自分の1票を実質的な競争に活かすため、第二、第三で支持する候補者に投票する、戦略的な投票行動も指摘されて来たところです。これらは、価値判断は別として、大手メディアから黙殺されることは、そのまま敗北につながる理由でした。
他方でネットメディアは、one to oneマーケティングで自らが好んで消費する情報に接する可能性の高いメディアです。何かのきっかけで関心を持った候補者がいると、その候補者が「勝ち馬である」と感じる情報に多く触れることになります。私も石丸氏がどのような主張をしているのか関心を持ってyoutube動画を見たら、選挙終盤には、石丸氏の当選も現実的だと感じさせられるような動画が私のyoutubeアプリに溢れました。
石丸氏の躍進は、このような、ネットのone to oneマーケティングによる、従来とはことなるバンドワゴン効果の力学が働いた結果ではないかと感じます。繰り返しながら、これが良いか悪いかは別として、選挙の戦い方が大きく変わる現象かと思います。
石破茂氏「次の選挙はかなり厳しい気がする」 自民、衆院3補選全敗で
吉井 弘和VOLVE / 慶應義塾大学 / ソトナカプロジェクト
(※TBSの速報記事へのコメントと同じ内容です)
3補選での立憲の全勝/自民の(不戦敗も含めた)全敗を見て、自民党は次の総選挙に向けて、窮地に立たされたとの見方が大勢です。他方で、人は単純に自分の望む候補者に最も近い候補者に投票をするだけではなく、足元の政策への影響や選挙全体への影響、結果的な政権選択への影響などへの考慮も含めた、戦略的な投票をするものです。
この補選では、東京15区が顕著ですが、多くの無党派層が立憲候補者に、多くの自民支持層が立憲候補者を含むその他候補者に投票をしたようです。それが、投票締切直後の立憲3候補当確という、極端な結果となったことで、旧民主党政権への忌避感を持つ層に対しては、「『お灸を据える』では済まないかもしれない」という警戒感を生じさせている可能性もあります。
「政治とカネで自民に呆れ」、「旧民主に忌避感を持つ」有権者の心理を読むことが、次期衆院選を占うことにつながると思います。
衆院3補選、自民全敗 「政治とカネ」直撃 岸田政権に打撃
吉井 弘和VOLVE / 慶應義塾大学 / ソトナカプロジェクト
(※TBSの速報記事へのコメントと同じ内容です)
3補選での立憲の全勝/自民の(不戦敗も含めた)全敗を見て、自民党は次の総選挙に向けて、窮地に立たされたとの見方が大勢です。他方で、人は単純に自分の望む候補者に最も近い候補者に投票をするだけではなく、足元の政策への影響や選挙全体への影響、結果的な政権選択への影響などへの考慮も含めた、戦略的な投票をするものです。
この補選では、東京15区が顕著ですが、多くの無党派層が立憲候補者に、多くの自民支持層が立憲候補者を含むその他候補者に投票をしたようです。それが、投票締切直後の立憲3候補当確という、極端な結果となったことで、旧民主党政権への忌避感を持つ層に対しては、「『お灸を据える』では済まないかもしれない」という警戒感を生じさせている可能性もあります。
「政治とカネで自民に呆れ」、「旧民主に忌避感を持つ」有権者の心理を読むことが、次期衆院選を占うことにつながると思います。
【速報】茂木幹事長が敗戦の弁「国民の信頼を回復できるように努めたい」 自民が衆院3補選“全敗”【衆議院補欠選挙】
吉井 弘和VOLVE / 慶應義塾大学 / ソトナカプロジェクト
3補選での立憲の全勝/自民の(不戦敗も含めた)全敗を見て、自民党は次の総選挙に向けて、窮地に立たされたとの見方が大勢です。他方で、人は単純に自分の望む候補者に最も近い候補者に投票をするだけではなく、足元の政策への影響や選挙全体への影響、結果的な政権選択への影響などへの考慮も含めた、戦略的な投票をするものです。
この補選では、東京15区が顕著ですが、多くの無党派層が立憲候補者に、多くの自民支持層が立憲候補者を含むその他候補者に投票をしたようです。それが、投票締切直後の立憲3候補当確という、極端な結果となったことで、旧民主党政権への忌避感を持つ層に対しては、「『お灸を据える』では済まないかもしれない」という警戒感を生じさせている可能性もあります。
「政治とカネで自民に呆れ」、「旧民主に忌避感を持つ」有権者の心理を読むことが、次期衆院選を占うことにつながると思います。
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