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検査なしでも医師が感染と診断可能に コロナ感染拡大で 厚労相
NHKニュース
高橋 義仁専修大学 商学部教授
逼迫する医療が現実となる中、検査を省略するという判断はいままでなかった発想です。この決定がされれば抗ウイルス薬等の「とりあえず投与」を認めることになります。患者数の急増で、今週中にも外来医療が機能しなくなることを踏まえた窮余の策だと思います。このような状況になっているわけですからいたしかたないでしょう。 通常、医療においては、客観的な指標で確定診断が求められています。一般的には専門医が所属する学会等が科学的データに基づく指標を設定たものが、標準の位置づけを得ます。 この確定診断は保険医療の必要性の根拠にもなっています。実施せず投薬等の治療を行った場合(「疑い」を付記し、最低限の期間行ったものを除く)は、保険医療の支払い側である健康保険基金の査定を受けて、医療機関への支払いが拒否されますので、医療機関としてはしっかりした検査を行うように所属する医師等の職員に指示します。検査の実施は、不要(と思われる)医療行為の防止(支払い費用軽減)に活用されているというのが現状だと思います。このような背景がありますので、期間限定、極めて異例です。おそらく前例もないでしょう。 なお、抗ウイルス薬はその作用機序からみて、妊娠中の女性および妊娠の可能性のある女性には禁忌(絶対に投与してはならないの意)ですし、投与対象年齢は18歳以上に制限され、細胞分裂の活発な成長期の方への投与が外されています。医療機関や行政としては、このような注意を確実に伝える必要があるでしょう。
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富裕国が海外から看護師誘致、貧困国との格差拡大=国際団体
Reuters
高橋 義仁専修大学 商学部教授
看護師の国際団体の声明としては理解できますが、経済合理性から生まれている結果であり、看護師以外の利害関係者も多くいますので、「拡大を止める」ためには強い政治力(政策)が必要です。日本など富裕国が実施している技能実習(的)制度での主なステークホルダーの利害関係は次の通りです。 1 富裕国・富裕国に属する企業 低コストの仕組みから企業の利潤を上げて、納税を通じた国家収入を上げたい。高齢化や賃金上昇に伴い確保しにくい低賃金労働者を集め、企業が生み出す経済的付加価値を高めたい。 2 低所得国・低所得国に属する労働者 自国の労働者を派遣することにより富裕国の技術を学んでもらい、自国に導入させ、自国の経済発展につなげたい。富裕国での賃金は、本国と比較すると十分な魅力があるので富裕国で働きたい。 両者の利害は当面一致すると思われ、送り出し国側、受け入れ国側共に仲介企業が存在しています。 所得が高い地域への人口流出は、富裕国内でも普通に起こっている現象です。産業にヒエラルキー(階層構造)が作られてしまっていることからも、これを抑制することは容易ではありません。 対処するには、(1)上記の経済的効用を上回る価値を低所得国の労働者に対し低所得国が提供する仕組みを作ることが求められますが、喫緊の問題として(1)を待たずに実現させたい場合は、(2)低所得国が富裕国の技能実習(的)制度への参加に強い制限を出す(=制度的には難しい)、(3)富裕国が技能実習(的)制度に強い制限を加えるかしないとなくならないと思います。看護師団体の提言はこの点に踏み込む必要があると思います。
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WHOの全加盟国拠出増額の提案、米国が反対=消息筋
Reuters
高橋 義仁専修大学 商学部教授
米国の国連に対する拠出額は大きく(分担率22.0%、約7億ドル、世界1位)、これがWHOに分配されています。他方任意の拠出でもWHOは運営されていますが「任意分」には特定の意向が入るので良くないとWHOは主張しているようです。しかし米国は特定の意向が入るはずの「任意分」の拠出者トップの位置にもいます。 中国は(同12.0%、約3.5億ドル、世界2位)国連に対する拠出額は大きいのですが、「任意分」についてはランキング上位に入っていません。 資料1(国連への拠出国ランキング):「2019年~2021年 国連通常予算分担率・分担金」(外務省) https://www.mofa.go.jp/mofaj/kids/ranking/un.html 資料2(任意分への拠出者ランキング):「Contributors」(WHO) https://open.who.int/2018-19/contributors/contributor 記事は、 (1) 米国はWHOの裁量に口を挟まないように遠慮しているが、中国は遠慮してておらず政治的に利用しようとする。それを米国は気に入らない。 と伝えていますが、現況と整合性が取れないように見えます。 むしろ、 (2) 米国はWHOへの拠出金が安易に増やされ、WHOの権力を高めたくない。 という理由が強いのだと思います。 もともとWHOの枠組みを作ることには「各国の政治的思惑を避けながら低所得国の医療支援を国際的に行うことが理念的目的」だったはずですので、この米国の考え方はこの理念を後退させるインパクトを持つことになります。 また、現在WHOが行っている医療支援に代わり、各国が外交のカードとして利用し出す方向性は、すでにアフリカ地域に強い影響力を有する中国自身も強く望んでいることと思われますので、アメリカの方向性は中国が医療支援を外交カードに使うことの抑止に関してはむしろ逆効果、敵に塩を送る結果になりかねないと思います。
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東京都民10人に1人「濃厚接触者」の試算、田村前厚労相「さらに増えるかも」
FNNプライムオンライン
高橋 義仁専修大学 商学部教授
発言は以下ような試算をもとに話されているものだと思いますので、デルタ株流行時期の新規感染者数7日間移動平均の4倍=10万人に到達する可能性との意見は妥当性があると思います。これを前提とした体制を整える必要があります。 信頼できる統計を有し、オミクロン株の流行がピークに達したと思われる米、英の状況(感染者数とは1日あたり新規7日間移動平均)。 米国 デルタ株   ピーク時、感染者数 2021年9月1日頃、約16万人 オミクロン株 ピーク時、感染者数 2022年1月14日頃、約93万人        感染者数の底 2021年12月1日頃 ピーク時の感染者比較 オ/デ 約5.8倍 底からオ株でのピークまで 約45日 英国 デルタ株   ピーク時、感染者数 2021年7月16日頃、約5.1万人 オミクロン株 ピーク時、感染者数 2022年1月3日頃、約18.7万人        感染者数の底 2021年11月14日頃?(一定数の感染者が継続しており不明瞭) ピーク時の感染者比較 オ/デ 約3.7倍 底からオ株でのピークまで 約49日 資料:「COVID-19 Global tracker」(Reuters) https://graphics.reuters.com/world-coronavirus-tracker-and-maps/ja/?rpc=122 日本では? デルタ株   ピーク時、感染者数 2021年8月25日頃、約2.5万人 オミクロン株 感染者数の底 2021年12月10日頃?(感染者が継続して少なく不明瞭) 資料から推測すると、日本のピークは1月28日頃10~13万人程度と読めますが、初期の非常に厳しい水際対策に成功したあと、当時(12月上旬から下旬)に非常に感染者が低水準だったことなどを背景に、年末年始・成人式などでの活動への警戒対策が取られなかったことの影響から、底から15日ほど「じわじわ」の後に急増していると読め、結果、ピークまでの期間は先の2国よりも数日~10日程度伸びるかもしれません。それでも他国同様の厳しい対策をし、ワクチンの3回目がされていない影響も大きくなければ、2月上旬にはピークを迎えると思います。 (上記意見は極めて簡単に入手できる範囲の情報から、個人が簡便な方法で行ったひとつのインテリジェンス以上のものではありません)
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PCR検査の経験 64%が「0回」と回答 毎日新聞世論調査
毎日新聞
高橋 義仁専修大学 商学部教授
無料のPCR感染検査は「早期発見し、対象者の行動を制限させ、感染拡大を抑制する」という大きな利点があります。この戦略の実行は国家に非常に大きな経済的メリットを作り出します。経済学的な視点から極めて理にかなっています。しかし、実施判断を担う個人にとってPCR検査は、国が意図するメリットをもたらすでしょうか? (1) 個人が実施することの利点として、海外渡航などのケースで自己負担の必要があるところ、負担がなくなる(経済的メリット)。 感染を早期に知ることは本来は大きな利点ですが、オミクロン株ではその必要性を感じてもらうことができていないと思います。 (2) 欠点として、感染していた場合は隔離され、仕事、生活、子育てに支障をきたす(経済的デメリット)。 個人はこれらを判断し、経済学的な視点から検討していると思います。その結果、個人は「利点<欠点」と考えているから検査を受ける判断をしていないと考えられます(症状さえ出なければ黙っていてもわからないという不誠実者の存在)。 このように想定される中で、国家、所属団体(企業など)、家族等の小集団、個人の順でメリットが享受できる政策を、国家や地方の視点だけで個人に判断を委ねて実施しようとすることに無理があります。 経済学と心理学の視点を組み合わせて人間の経済行動をより現実に即して分析や誘導をしようという領域を「行動経済学」と呼びますが、「人間は必ずしも合理的には動かない」という考えをもとに、 合理的ではない人間の行動に焦点をあてて分析が行われます。この政策も、そのような視点での戦略の建てつけが必要でした。 今回の場合、現状の政策がうまくいくとすると、 ・生命の危機が個人に差し迫る(検査しなければ対処が遅れる状態の存在) ・検査を受けないと社会生活ができないような種類の制限が加わる などの場合が考えられます。 また、検査に強制力を持たせれば有効性が高まります。実際、中国などの国家で実施されている強制的手法は高いレベルの感染抑制に効果が出ています。 感情に訴える啓蒙活動にも一定の効果があると思います。米国政府は「多人数で会う前には必ず検査をするよう」伝えています。日本での現実的方法として「周囲に感染させない環境を作る(人を思いやる)という利点」を伝え、「社会的常識と啓蒙」すれば少しは有効に機能する可能性が高まるはずです。
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39都道府県で感染想定超え オミクロン株猛威、広島4.4倍
共同通信
高橋 義仁専修大学 商学部教授
この件については、都道府県が現状をとらえられず、感染想定を低く見積もりすぎていることにつきると思います。最も想定を上回っている広島は1日358人の想定(過去の最大感染者数と同値)に対し現時点での感染者数は1日1585人(4.4倍)とのことです。「想定」は昨年策定されています。 米国でのデルタ株流行期のピーク(2021年9月1日頃)では7日間移動平均ベースの最高値で1日の感染者数は約16万人、それに対して今回のオミクロン株流行期のピーク(2022年1月14日頃)では7日間移動平均ベースで93万人と5.8倍の数字になっています。 オミクロン株の重症化率がデルタ株の数分の1だったので、入院に関しては今のところ持ちこたえられているだけです。海外の動向を踏まえて、「ピークの数値は頻繁にアップデートされる必要がある」などの教訓は今後に生かされるべきだと思います。 昨年中策定だとしても、経時的に関連情報を追っていればその程度におさまらないことは十分予想できたはずですので、読めなかったのではなく政治的事情、忖度等個人的事情、事なかれ主義などにより、年末の行動制限、帰省の自粛要請、成人式の予定変更等の困難を伴う緊急政策の必要が生じる予想をしたくなかった結果ということもあり得るでしょう。
170Picks
AIで消化器疾患の診断支援、米Iterative Scopesが170億円調達
Forbes JAPAN
高橋 義仁専修大学 商学部教授
いくつかの論点が含まれている記事です。スタートアップを目指す企業全般に言えることですが、「死の谷」すなわち、事業化の段階においてゴールに近くなる段階で開発資金が増加する問題が存在しています。医療機器の場合(医薬品ほどではありませんが)、ゴールに向かうにしたがって急速に開発資金が増加していくことから「資金調達能力」が製品化の成否に強く影響します。その意味で、追加資金170億円を調達している米Iterative Scopes(イテラティブ社)の能力は担保されていると言えるでしょう。 しかし記事中下から4行目あたりの記載は懸念材料です。「イテラティブ社は新たに得た資金を使って、診断プラットフォームの改良を進める方針」とありますが、これが「現在FDAに申請中の製品に対してこの資金を使う」との意図であれば、開発の消化器疾患の画像診断サポートツールが暗礁に乗り上げている証拠になり得ます。 つまりは、記事後半部分に「昨年、AIを活用した大腸ポリープ検出機器『SKOUT(スカウト)』」の臨床データをFDAに提出しており、今年3月末までに(医療機器)承認される見通しとなっている」との記載と矛盾することになり、当初予定の承認取得の実現が不可能な見通しになっていると推察されます。一般に、承認申請のための追加成績提出は認められず、一旦却下または取り下げからの再提出が求められます。 また、AIによる「医師の診断補助機能」とのことですが、AIが自己学習能力を有していることを意味する場合、承認申請の可否を判断する「対象物」のベースが変わってきますので、審査を行う側には頭の痛い問題が発生します。おそらくそのような対象物(AI)そのものを主体的対象として、少なくとも当面の間(医療領域におけるAIの実績が完全に確立しない間)は、AIに診断権限を有する医療機器承認を与えることはないでしょう。将来完全に確立した場合は診断医をおく必要がなくなりますが、AIが医師に代わることについては、現時点では米国法制度で認められていません。 そうなると、あくまで「利便性の高い内視鏡」としての承認を目指すことになります。それでも商品としては成立しますが、プロモーションで「AIにより補助診断『も』ついています」以上のことを伝えることは禁止されることになります。このあたりが、この商品の妥協点でしょう。
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オミクロン株 3回目接種で入院防ぐ効果90%に上昇 米CDC
NHKニュース
高橋 義仁専修大学 商学部教授
CDC(米国疾病予防管理センター)の発表は米10州の2021年8月-2022年1月間の総症例数222,772、総入院数87,904の解析によるものであり、現時点で最も信頼できる知見の1つだと思います。 これまで世界の機関から「オミクロン株では従来ワクチンの効果が減弱する、特に2回目接種後5~6カ月程度経過以降は抗体効果が期待できなくなる」ことが指摘されていました。世界でもっとも信頼できる機関の1つであるCDCの今回の発表は、英国での3回目接種効果の既報を「20%程度上方修正」するものと考察できます。 ワクチンにより入院を防ぐ効果は、2回目接種後6か月以上の場合、デルタ株が優勢だった時期には81%、オミクロン株が優勢になった時期には57%でした。両者には明確な差はありますが、2回目接種後6か月以上の場合でも「入院に至るほどの重症化を防ぐ効果」がある程度は期待できるとの結果が現れています。 3回目接種後には、入院を防ぐ効果は、デルタ株の時期は94%、オミクロン株の時期は90%に上昇、つまり「オミクロン株でのワクチンの3回目接種で2回目接種に対し、入院を防ぐ効果を57%→90%に増加させる」ことが推測できます。ワクチンの追加接種を受け受けていない50歳から64歳は入院リスクが44倍、65歳以上で同49倍になるとの結果も公表されています。 「接種が適格な未接種の人はできるだけ早く接種する必要があり、3回目の接種を受ける必要がある」と結論されています。 「Effectiveness of a Third Dose of mRNA Vaccines Against COVID-19–Associated Emergency Department and Urgent Care Encounters and Hospitalizations Among Adults During Periods of Delta and Omicron Variant Predominance」(CDC Early Release 2022年1月21日) https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/71/wr/mm7104e3.htm?s_cid=mm7104e3_x 以前からも言われていましたが、ワクチン3回目接種の重要性(特に高年齢者)が感じられます。
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尾身会長「罪深いスタンドプレー」と官邸 批判殺到で修正した専門家提言を入手
AERA dot. (アエラドット)
高橋 義仁専修大学 商学部教授
尾身茂氏は「新型インフルエンザ等対策有識者会議会長兼新型コロナウイルス感染症対策分科会長」という立場で、「諮問委員会会長」の位置づけで提言をまとめています。政府は、提言を重く見ることもあれば、提言通りの政策決定しないこともあります。提言を受けて政策決定をする権限は政府にあり責任も伴っています。一方、尾身会長には政策決定上の責任は何もありません。 出した提言と異なる政策を決定した政治に、あとから自らの意見を変えてまで迎合することは「むしろ悪」だと思います。独立した専門家である立場の尾身会長らがメディアのインタビューを受けることに問題があるとも思えません。ただし一般論として、諮問委員会側は決定した政策を批判することを控えるべきだと思いますが、政府側も出てきた提言を批判することを控えるべきだとは思います。しかし今回はそのような様相にはみえません。 メディアは尾身会長に「個人的意見」を伺っている時点で、政府の考え方と同じではない可能性を知っているはずです。そのようなインタビューを欲して機会を設定しながら、でてきた考え方の矛盾点をことさらに取り上げ、まるで尾身会長と政府(政治家)が対立しているような印象を与えることはいただけないと思います。 決定された政策がすべてです。尾身会長などの有識者意見は「単に専門的見識を有する個人の考え」であることを国民が理解していればよいことだと思います。
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政府、新たに11の道府県で「まん延防止措置」の適用検討
FNNプライムオンライン
高橋 義仁専修大学 商学部教授
「まん延防止等重点措置(まん延防止措置)」の適用は、2021年2月13日に施行される新型コロナウイルス対策の改正特別措置法で新設されました。緊急事態宣言が出されていなくても集中的な対策を都道府県知事裁量で可能にするもので、都道府県が申請、および市区町村など特定の地域を限定することができます(緊急事態宣言は都道府県単位)。 まん延防止措置は、「ステージ3」が想定されていますが、感染が局地的または急速に広がっている場合は「ステージ2」での適用可能と規定されていました。主な基準として、医療の提供に支障が生じるおそれがあると認められることと定めていますが、今回の措置に際しては「外来医療への支障」が考慮されているものと思われます(従来は「病床数の逼迫」が想定)。 繰り返し外来医療崩壊と社会機能不全の危険性が伝えられながらも感染者の急増を止めることが出来なければ、次いで行政による強制的な行動様式を変える方針に移行することについては、一般論として理解できます。 現時点で、以下の都道府県が対象、または対象として検討されています。 ・第一次適用:沖縄、山口、広島 ・第二次適用:東京、埼玉、千葉、神奈川、群馬、新潟、岐阜、愛知、三重、香川、長崎、熊本、宮崎 ・第三次適用(検討中):北海道、静岡、京都、大阪、兵庫、福岡、佐賀、大分 ・第三次追加適用(検討中):栃木、茨城、鹿児島 適用申請には対象の都道府県知事の意向が大きく影響していると思われ、人口当たりの感染者数とは、必ずしも一致しません。例えば、奈良県は直近1週間の人口10万人あたりの感染者数で全国12位(151.95人)と高い位置にありますが、第三次適用の範囲では申請されておらず、隣接する三重県は同32位(94.27人)ながら第二次適用のグループで申請されています。不謹慎な言い方ですが、感染対策と経済影響を見極める社会実験の様相を呈しています。 「現在の人口当たり感染者数」(NHKまとめ) https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/data/#latest-weeks-card
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ビル・ゲイツも賞賛コロナワクチン開発の立役者シャヒンCEOの「驚くべき先見性」
現代ビジネス[講談社] | 最新記事
高橋 義仁専修大学 商学部教授
独ビオンテック社のシャヒンCEO本人監修で書かれているわけですから当然ですが良記事です。もともとmRNAの技術を最初にワクチンに使うことになろうとはシャヒンCEOさえも想定の範囲外で、とりわけコロナウイルスの変異によって現れたパンデミックから世界を救うことになろうとは夢にも思っていなかっただろうと思います。 mRNAの技術とは、ヒトの細胞にmRNAを挿入する技術を総称したものです。同社は遺伝子治療やワクチンヘの幅広い応用を狙い、地道に研究を進めていたところ、世界を恐怖に陥れはじめた「新型コロナウイルス」をみて、急遽技術を新型コロナウイルス用のワクチン開発に転用したというのが実情だと思います。 たまたま(といってよいでしょう)、それまで臨床成績に乏しかったmRNA技術を用いたワクチンの臨床使用に叶う優れた有効性、安全性が認められ、同社ワクチンが世界で優先的に使用されるポジションを得たのであって、新型コロナワクチンでの同社の躍進には、同社が一番驚いていることと思います。 基本的に新型コロナウイルスの mRNA ワクチンは、次の3つの成分から構成されています。 (1) mRNA 本体 (2) mRNA を包む部分:壊れやすいRNAを細胞内まで保護して届ける役目 (3) 塩類、糖類、緩衝剤:薬剤の安定性や保存性を高める役目 (2)と(3)はメーカー各社異なるもので、それぞれに企業秘密です。この差が有効率と副反応発現率に影響していると思われます。(2)は非常に壊れやすいとされるmRNAを保護して体内に届ける役目を担っています。同社が最初に開発に成功できたのは地道な基礎研究の成果だと思います。 医薬品、特にワクチンは、最初の何社かの成功者が市場を席巻し、他の多く(少なくとも5~10番手程度以下)は人類に抗体がいきわたると、研究開発費を失ったまま市場がクローズするといった非常にリスクの高いビジネスと言えます。 ビオンテック社にとって、ファイザー社を通じて販売された新型コロナウイルスワクチンは「おまけ」ですが、緊急にこの製品を欲した世界各国で緊急にかつ大量に使われた結果、相当な有効性と安全性のデータが得られています。同社が以前から取り組んでいた研究開発はこれから実現されることと思いますが、貴重なデータは今後の取り組みにも大きく貢献すると思います。
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米メルクのコロナ経口薬、27社が廉価版を製造へ 低所得国向け
Reuters
高橋 義仁専修大学 商学部教授
いうまでもなく、先進国への販売価格が1治療あたり700ドル(約8万円)程度と想定されている「モルヌピラビル」が、感染蔓延期の期間限定ながら低所得国に20ドル(約2300円)で供給されることに対して、低所得国にはメリットがあります。低所得国に対する社会貢献でメルク社の評判を上げることが目的に見えますが、特許期間が十分に残っている医薬品の製品戦略的視点から分析すると、メルク社にも十分なメリットがある方法と言えます。 メルク社側にとっては、ジェネリック医薬品(=別ブランド)とすることに意味があります。ジェネリックメーカー側は、個別に販売国で承認申請を得ないと(薬事未承認のままでは)使用することは法的に不可能です。この方法により、先進国の価格を守ることができるという目算だと思います。 ジェネリック企業側にライセンスを与える条件として、厳しい制限を付けるはずですが、特にメルク社自身が承認申請を行い販売する先進国に対する販売行為を将来にわたって厳しく禁止することにより、低価格のジェネリック医薬品を高価格地域に流通させることをシャットアウトできます(並行輸入の防止)。現状、欧州など医薬品価格差が存在する地域で並行輸入ビジネスが多く存在しますが、対抗策になります。 現状、メルク社の「モルヌピラビル」は、後発の抗ウイルス薬に対して競争力があるとは思えず、先進国で優先的地位を得るには「企業努力を要する状態」と思います。そこで感染拡大時(現在)はライセンス料免除として協力することとの引き換えに、WHOライセンスによる低所得国での市場を開拓し、収束時以降にはライセンス料の支払いを求めることにより、低所得国での優先的地位を築く狙いがあると思います。 米国の承認内容(日本はモルヌピラビルのみ米国と同じ使用対象への承認済) 名称      モルヌピラビル  パクスロビド 販売企業    米メルク     米ファイザー 分類      抗ウイルス薬   抗ウイルス薬 作用機序    mRNA合成阻害  3CLプロテアーゼ阻害 臨床試験成績  約30%重症化   約90%の重症化         リスク減少    リスク減少 米国の調達価格 1回約700ドル   1回約530ドル 使用対象抜粋  18歳以上     13歳以上         他の治療法が選択         できない患者
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濃厚接触者への連絡「感染した本人から」を検討をと東京都 自宅療養者急増、保健所業務の逼迫で
東京新聞 TOKYO Web
高橋 義仁専修大学 商学部教授
今回の感染急拡大で沖縄県に次ぐ措置です。東京都だけで1日あたり1万人弱の感染者が出ている現状においては限られた行政の人的資源を「感染者本人」に振り分ける必要があり、止むを得ないと考えざるを得ません。 東京都の方針変更は、事実上「濃厚接触者」の追跡をあきらめたことを意味しますが、追跡する業務は感染症法第15条等の法規で規定され、行わないわけにはいきません。したがって「法規に基づき感染者本人に実施させる」という実施形態の変更だと解釈できます。しかし「感染者本人」では広く自身の感染を伝えられないことが想定されますので、一時的には感染が拡大することになると思います。 「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律等の改正について(新型インフルエンザ等対策特別措置法等の一部を改正する法律関係)」 https://www.mhlw.go.jp/content/000737653.pdf さらに拡大した場合、行政自身からも「手間がかかり受け入れ先を探すことも困難」との意見が出て、本音としてこの業務をやりたくない(切り離したい)と考えるでしょう。そのためには、現行法規上では指定感染症2類から5類に変更させる必要がありますが、実施できれば行政の労務負担はほとんどなくなり、行政の費用負担が激減します。 しかし、感染者自らが医療機関を見つけなければ治療を受けることができなくなります(順番待ちなどのレベルではなくなります)。新型コロナウイルス感染が疑われる患者について、現在も医療機関が保健所を通さずに来院した患者を受けることは、医師法第19条に規定する応召義務によれば本来拒否できないはずながら「やむを得ない事情により拒否」している医療機関が多数に上っているのが現状でしょう。やむを得ない事情を受診者が検証することは難しいと思います。この状況が5類に変更された後も大きな変化がないものだとすると、行政が関与しなくなれば治療難民が多く出てしまい、本当の混乱(外来医療崩壊を引き金とする社会騒乱)が始まることまでもが想定されます。 したがって、感染症の影響が現状よりも小さくならない限りは(オミクロン株程度の病毒性がある限りは)移行させられないと思います。なお、移行させた場合は、保険適用ながら治療費はすべて自己負担になることから、この影響も織り込む必要があります。
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オミクロンが「自然のワクチン」にならない理由
Yahoo!ニュース
高橋 義仁専修大学 商学部教授
免疫学の専門家により科学的事実が正確に伝えられている記事だと思います。家族が反対する中、意図的に感染するように行動して感染した方が亡くなった事例も伝えられており、(少数例ながら)教訓になるかもしれません。 よほどの弱毒ウイルスに自然感染することは「仕方ない」で片づけられると思いますが、病毒性のあるウイルスに対しては、ワクチンで非常にマイルドな感染状態を作って備えることは、これまでの実績からみて定石だと思います。 「新型コロナに故意に感染した、チェコの歌手が死去『ワクチンより感染を選んだ』」(2022年01月20日 HUFFPOST)https://www.huffingtonpost.jp/entry/czech-folk-singer-deliberately-contracting-covid_jp_61e8a279e4b0d8b66574269d (記事要約) 1 オミクロンは「弱毒株」だから感染しても大丈夫か 大丈夫ではない。病原性はデルタに比べると「低い」が、入院治療が必要になる程度の重症化率は、とくにワクチンをしていない人や、2回目接種から長い時間がたっている人のあいだではそれほど下がらない。コロナで重症化しやすいひとは、オミクロンでも同様に危険があるので、感染予防やブースター接種で身を守る必要がある。オミクロンでの後遺症や心筋炎の頻度も不明。 2 オミクロンで免疫ができれば他のコロナにかからないか かかる可能性は否定できない。デルタでできる免疫からオミクロンは逃避するので、デルタ感染したことがある人にも簡単に感染できてしまう。この逆もまた理論的に考えられる。 3 オミクロンでT細胞免疫が誘導されて長期免疫ができてパンデミックが終わるか 終わらない。自然にコロナに感染することでできる抗体は半年以内に相当減弱する。ワクチン接種もワクチンで誘導される免疫は半年単位で減弱する。高齢者などコロナ感染でリスクが高い人ほど免疫は不安定になりがちなので、ブースター接種が重要になる。 4 オミクロンがデルタを駆逐してパンデミックが終わるか 終わらない。変異株の発生は終わらないという事実は変わらない。
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全コロナウイルスに効く「万能ワクチン」はできるのか?
クーリエ・ジャポン
高橋 義仁専修大学 商学部教授
記事の「万能ワクチン」のような働きは、現在のワクチンにも(効果レベルに達していないかもしれませんが)存在している可能性があります。 抗原に暴露されると「中和抗体が高くなった(=液性免疫の高まり)」「T細胞が活性化した(=細胞性免疫の高まり)」という2つの経路により免疫獲得されることが知られています。中和抗体の変化(臨床検査値の変化)だけではワクチンの効果は正確に測定できない(臨床試験での効果の確認が必要)と言われるのはこれが理由です。 記事中「SARSウイルス感染から回復した人はCOVID-19ウイルスと戦う力のある抗体を持っているかもしれない」というのは本当に「ワンの新しい説」と言えるのでしょうか。 同じく記事中の「SARS生存者の多くもCOVID-19ワクチンを接種済みだったので、複数の関連したコロナウイルス由来のタンパク質にさらされたことがある免疫系を持った珍しい集団が生まれていた」という点も、単に「細胞性免疫の働き」と説明できるように思います。 記事中「COVID-19ワクチン接種済みのSARS生存者に見られたのと同じような幅広い免疫反応を生み出せるプロトタイプワクチンの研究を進めている。ワンの考えるワクチン接種方法は、1回目の接種でCOVID-19のスパイクタンパク質を含むワクチンを使い、2回目の接種でさまざまな種類のSARSタンパク質を含むワクチンを使う」については有意義な研究と思いますが、他にワクチン自体を混合する方法も投与法としてあり得ることから、いくつかの方法との比較が有益でしょう。実際「混合ワクチン」という発想から生まれた製品は昔から存在しています。副反応さえ見られなければ、異なるワクチンを別々に摂取するより簡便なので重宝されています。 これまで「ワクチンの開発ターゲットをT細胞に見出せるかもしれないアイディアからT細胞の活性化を開発時に見ていく」という次世代のワクチン設計思想も報道されています。 「風邪と闘うT細胞が新型コロナを防御も=英研究」(Reuters 2022年1月11日) https://newspicks.com/news/6554996/body/?ref=user_1310166 記事においては、既知の免疫機能である「細胞免疫」を持ち出して説明されるべきでしょう。それがないので説得性に欠ける印象を受けます。
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5~11歳のファイザー製ワクチン接種を了承 厚労省専門部会
毎日新聞
高橋 義仁専修大学 商学部教授
承認の根拠になった臨床試験は、米国で2268名の児童が参加して実施されています。5-11歳の小児へのワクチン接種については、製薬企業が実施する臨床試験や同水準の臨床研究が行われ、当該年齢への適用が望まれるとの判断されたことによるものです。 小児への臨床試験は、デルタ株などの変異株蔓延下において、成人の1/3量で試験されました。「新型コロナ感染者は実薬3名に対しプラセボ16名の有効率で有効率90.7%」ですので、両群の参加者の人数が揃っていた場合は「実薬93名発症、プラセボ1000名が発症」という感覚です。参加人数はプラセボ投与群750名程度の参加者に対して16名ですので、期間中の実感染者数と推定される割合が2%、これを0.2%強まで抑えたという感覚です。両群とも死亡者はいませんでした。 今回日本でのオミクロン株の急速な感染蔓延では、これまでワクチン接種を選択できなかった5-11歳や接種率が低い12-18歳の年齢層の方が学校等で感染し、児童の世話のために親の欠勤が拡大すると思います。さらには、児童から家庭内に感染もたらされ家族全員の生活が著しく不便になると思います。特に現在のように外来医療が逼迫している状態で感染すると、家族全員が治療を受けられない事態が発生する可能性が高まると思います。もしこれらが想定以上に一気に進むと、社会機能の維持が困難になる可能性もありうると思います。 この投与対象(5-11歳)は、米国では米食品医薬品局(FDA)が2021年10月29日に緊急使用を許可しており、日本でも厚生労働省に対し2021年11月10日の時点で承認を申請していました。 日本のタイミングでは、今回のオミクロン株流行への対策としては間に合いませんが、今後の流行に備える意味では有益な選択肢が出来たと考えられます。
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クレベリン、広告根拠なし 大幸薬品に再発防止命令
産経ニュース
高橋 義仁専修大学 商学部教授
消費者庁は大幸薬品に対し、同社の「クレベリン スティック ペンタイプ」と称する商品、「クレベリン スティック フックタイプ」、「クレベリン スプレー」及び「クレベリン ミニスプレー」に係る表示について、措置命令を行いました。理由は、景品表示法に違反する行為(同法第5条第1号(優良誤認)に該当)が認められたことからというもので、同法第7条第1項の規定に基づき発せられたものです。 特殊な環境で実験した場合にはウイルス・菌が減ることが確認できても、実際の使用法はこれとは異なり、表示・宣伝で謳う効果は実現できないことから「(優良誤認しないよう)表示を改善させる命令」です。同社から説明資料が提出されたものの、当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示すものではないと判断されました。 一方、商品は物質の性状を紹介しているだけであり、薬機法違反には問えなかったたものの「悪質」であることから、消費者庁所管の法規適用により指導したということでしょう。この物質(商品)に対し、優良誤認にあたる文言を使った表示や広告をしないように命令しているにすぎず、当該商品の販売については「強制差し止めできない」ということでもあります。 「大幸薬品株式会社に対する景品表示法に基づく措置命令について」(消費者庁 2022年1月20日) https://www.caa.go.jp/notice/assets/representation_220120_01.pdf 同様の性格の商品に、単なる化学物質として発売されている薬事未承認の検査キットなど、多数考えられますので、このような性格の商品に騙されないようにしたいものです。「この程度の処分で済むなら」と考え、今後も同種の商品販売が意図的に行われる危惧すらあります。甘い処分だと感じます。 同じタイプの商品(空間除菌に効果などと標榜する商品では)については、先だって大木製薬、CLO2 Labが販売ていた商品も消費者庁から同様の趣旨の処分を受けています(消費者庁 2021年12月17日)。
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