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富士通、一律初任給廃止へ ジョブ型新卒、40万円超も
共同通信
松下 朋弘ユニヴィス法律事務所 弁護士
新卒からジョブ型採用と銘打たれてはいますが、労働契約上は以下の2点を別途合意したに過ぎないだろうと思われます。 ①職種や勤務地について限定を行う合意 ②他の総合職とは別の給与テーブルに基づき給与支給を行う合意 注意をしたいのが、職務限定の合意を行った場合には、旧来のメンバーシップ型雇用によって雇われている従業員に比べて整理解雇が行いやすくなる可能性が指摘されている点です。 整理解雇についてはいわゆる解雇避止義務(別のポストを見つけてあげる努力をしてあげたか等)が問題になりますが、従業員に対して検討・提案すべき配転実施が可能な範囲はより限定されるケースがあり得るという指摘もされています(⽵内寿「『ジョブ型雇⽤』が⽇本の労働法にもたらす影響」⽇本労働研究雑誌739号〔2022年〕35⾴、裁判例に関しては大阪地判平成24年11月9日:学校法人村上学園事件など)。 きちんとスキルが磨ける環境に、本当においてもらえるのであれば整理解雇を恐れる必要はないという強気の姿勢もないわけではないとは思いつつ、クビ切りがしやすいけど身に付いた専門性は社内独自スキルばかりの専門屋さんにならないかは少し心配になります。
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小池都知事の告発状提出 元側近、学歴詐称疑いで
共同通信
松下 朋弘ユニヴィス法律事務所 弁護士
公職選挙法第235条第1項は「身分、職業、若しくは経歴」に関し虚偽の事項を公にした者は2年以下の禁固又は30万円以下の罰金に処すとされています。国内の大学や機関に関する経歴詐称は比較的容易に捜査が行えますが、国外となると難易度が上がっていきます。 大学中退を卒業と偽った例としては元参議院議員の新間正次氏の例があり、大学の学生原簿の記録や周囲の人間の証言による故意の立証により、禁固6か月執行猶予4年の有罪判決を言い渡されています。 会社歴でいえば、2011年11月に福岡県古賀市の市長がすでに解散済みの会社の貿易会社代表をしていたという虚偽の経歴を公表していたとして書類送検、また捜査中ではありますが2022年の長崎県知事選で当選した長崎県知事も経歴詐称の疑いで刑事告発がされています。 有罪判決や書類送検に至った例は、いずれも国内の大学と機関に関する経歴詐称であり、客観的な証拠が集めやすかったため捜査がスムーズに進んだと考えられます。一方、カイロ大学は海外の大学であり、日本の捜査機関が証拠を集めるのは容易ではありません。カイロ大学から発行された卒業証書原本や、カイロ大学からの声明文の内容が虚偽であることを立証するためには、カイロ大学側の捜査協力(関わった人間や内部資料の精査含む)や、カイロ大学入学から「卒業」までに小池氏と関わりがあった周囲の人間の詳細な証言があることが望ましいです。一方、エジプト側が小池氏を「売る」ようなインセンティブは現状ほとんどなく、協力が得られる可能性は低いと考えられます。日本国内の人間の証言や連絡記録だけで切り崩せる事実にはなかなか限度があり、告発側がどこまで資料を掴めているのか注目されます。
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米連邦取引委、アドビを提訴 「手数料不明朗・解約手続き困難」
Reuters
松下 朋弘ユニヴィス法律事務所 弁護士
このような問題は、いわゆる「ダークパターン」と呼ばれていて、世界各国で規制の議論が進んでいます。 ダークパターンとは、「消費者が気付かない間に不利な判断・意思決定をしてしまうよう誘導する仕組みのウェブデザイン」のことで、世界を見渡してみると、EUのDigital Services Actによるオンライン・インターフェースの設計規制、連邦取引委員会法によるダークパターン規制、カリフォルニア州のCalifornia Privacy Rights Actによる規制が有名です。 FTCは、連邦取引委員会法に基づき今回動いていると思われ、今後ダークパターンに対する規制と取締りは強化されていくものと思われます。 一方日本ではダークパターンを狙い打ちにする規制はなかなか法制化できておらず、景品表示法検討会などで中長期的な検討課題とされていはいるものの、本格的な規制は至っていません。私個人としては諸外国の動きを見るに、早急な対応が求められるべきだと考えています。日本における法改正対応が遅れれば、日本の消費者だけがグローバル企業による緻密なダークパターン被害を被り続けることになり、そういった意味でも足並みは揃えていかざるを得ないだろうと思われるためです。
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IBM、楽天に対する特許侵害訴訟で和解成立
Reuters
松下 朋弘ユニヴィス法律事務所 弁護士
IBMは長らく米国特許取得件数首位の企業であるものの、アグレッシブな権利行使をするようなこともほとんどなく、パテントトロールのようなことをするイメージはありません。一方でライセンス交渉に応じない場合はきっちり訴訟をしてくる企業だとはいえます。IBMはインターネット黎明期から、インターネット技術に関する特許を複数取得しており、いまだに強力な古いネット関係の特許を所持しています。 本件も、いくつか論点になった特許はありますが、US7,072,849などパソコン通信サービスPRODIGY時代の非常に古く且つ強力なネット広告に関する特許などについて、楽天側は当該特許技術を使っていたにもかかわらずライセンス料を支払っていないことをIBMに指摘されていました。6年近いライセンス料交渉の末、楽天側が特許技術を利用していたにもかかわらずライセンス交渉を放棄し、IBMから訴えられたという経緯があるといわれています。推測になりますが、おそらくいくらかのライセンス料を払う方向で和解が進んだのだろうと思われます。 ちなみにグルーポンも過去に同じ特許を侵害して2018年頃にIBMから訴えられており、ライセンス料を支払う旨の和解をしています。
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損保ジャパン77%で不適切行為 営業担う125の部や支店のうち
共同通信
松下 朋弘ユニヴィス法律事務所 弁護士
どの法律のどの規制に損保ジャパンのどの行為が抵触したと報告されたのかまでニュースは書いてもらわないと読み手は困ってしまいますね。なので私が700字程度で解説します。 損保ジャパンは、独占禁止法第2条第6項が禁止する「不当な取引制限」の規制(カルテルとかの規制ですね)に抵触するような、談合やカルテルを通じた保険料の調整をしていたんじゃないかということで金融庁から報告徴求を受けており、その一貫として第三者委員会が設置され、報告書が作成されました。 本件は、損保ジャパン(と複数の保険会社)と保険需要者が締結する保険契約の保険料調整に、損保ジャパンの従業員が関与したと認められました(損保ジャパンの全191の部店・室のうち、営業部門である125部店中、96部店で不適切行為が確認されています)。 指摘された不適切行為をざっくりまとめてしまうと以下のようになります。 ・管財保険については官公庁等の入札案件で入札実施前に情報交換をし落札価格水準を確認、保険料を調整した行為 ・共同保険契約の改定の際に保険契約者や代理店に対する見積前に情報交換をし条件を調整した行為(いわゆる価格カルテル) ・保険契約ごとにどの損保会社が引き受け、または幹事会社になるか合意をするような行為(いわゆる市場分割カルテル) ・団体保険料率の割引率改定の際に、割引率の事前情報交換を損保会社間で行っていた行為 不当な取引制限をやってしまった場合には、当該不当な取引制限の排除措置命令を受ける可能性があり(独占禁止法第7条)、また被害者に対する無過失責任での損害賠償義務を負う他(独占禁止法第25条)、5年以下の懲役又は500万円以下の罰金という罰則も用意されています(独占禁止法第89条第1項第1号)。
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「人を安くこき使うのも経営手腕」30年間賃金を上げなかった日本の経営者の"残念すぎる"体質
PRESIDENT Online
松下 朋弘ユニヴィス法律事務所 弁護士
従業員の給与を絞れば絞るほど中小企業のオーナーは大儲けできるわけですから(人件費を下げた分を価格に転嫁すれば販売取引先も喜びますね)、給与の上昇圧がかかるようなインセンティブ制度や給与金額に対するドラスティックな規制がなく(むしろ最近は社会保険料額の上昇がさらに労働者の足を引っ張っていますね)、雇用流動性がまだまだ高くない本邦において、従業員の給与を積極的に上げようと考える方が珍しいとすら思います。実際には良心で給与を上げているようなオーナーもたくさんいらっしゃいますが。 近年では人材獲得競争の面から従業員の給与を上げようという圧がやっと出てきたというところですが、労働者の賃金は最低賃金制度以外は法令による保護はほとんどない裸の状態で市場の需給に晒され続けているような状態です。 資本をもっている人間と資本をもっていない人間の格差がSNS等で可視化されている現代では、従業員の給与の上昇を強く望む声がより民意として表れていくだろうと思っており、それが最低賃金の上昇によるものなのか別の制度の創設によるものなのかは分かりませんが、今の民意の傾向を踏まえると、10年後はもう少しマシになっているかもしれないくらいには考えています。
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M&A仲介銘柄が下落率上位を独占、一部報道受け規制強化を懸念
Bloomberg
松下 朋弘ユニヴィス法律事務所 弁護士
大手M&A仲介業者にはM&A需要の掘り起こし観点から感謝をいつもしているところなのですが、それはそれとして、もともと大手M&A仲介業者は大量の訴訟を抱えていました(その訴訟が正当なものかどうかは別としてです)。その理由として、①M&A仲介事業者として通常やるべきこと、やってはいけないことが公的な水準として定まっておらず品質が担当者レベルでもバラバラなこと、②買手と売手の双方から委任を受けることで、買手か売手どちらかにパワーバランスが寄った場合に責任追及がされやすいことが挙げられると考えます。 M&A仲介業者は、両手仲介という建前で買い手売り手の双方から報酬を取っており、双方に対して注意義務を負う立場にあります。 しかし、一部の悪質な担当者の下で、買手売手のどちらかが不利益を被るような強引な成約、デュー・ディリジェンスプロセスでの不誠実な対応(なるべくリスクの小さいディールと見せかけるために情報を隠す、売主意向を笠に着てDDプロセスを縮小する)、売手買手に歪んだ情報を与えてディール自体を不当にコントロールしようとするなど、M&Aのクロージングを目指すあまり、当事者の意思や利益に反するようなことが行われることもありました。 正しくディールを進めようとするM&A仲介担当者にとっても、悪質な担当者による行いは、業界全体の評判を下げ、モラルハザードを引き起こす迷惑な行いだと思われます。MAIAの自主規制ガイドライン上もこういった行為は咎められているとは思われますが、裁判では自主規制ガイドラインがそのまま業界慣行として素直に認められるわけでもなかったため、M&Aの当事者を守るためにもこうした規制に踏み込まざるを得なかったものと思われます。
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M&A仲介業者に「死刑宣告」/自民党が「規制の網」/「利益相反」「高額手数料」にメス!
FACTA ONLINE
松下 朋弘ユニヴィス法律事務所 弁護士
M&Aのリーガルアドバイザーとして生きている身としては、大手M&A仲介事業者様によるM&A需要の掘り出しは革命的で、M&Aを必要とする事業者にとってアクセシビリティを飛躍的に高めた功績があると思っています。一方、これまでM&A実務に身を浸かってきた身としては、M&A仲介業に特段の規制がない状態が、売主・買主へ悪影響を及ぼしているのではないかと思うことが少なからずありました。 M&Aの成約報酬欲しさに、売主・買主意向を歪めて伝えるようなケース、売主・買主の無知に乗じて無理矢理クロージングをして直ちに紛争を顕在化させるケース、デュー・ディリジェンスへ不当な介入を行いリスクを隠蔽し、クロージングに向けた不安要素を買主へ見えないようにするようなケースも少なからずありました。M&A仲介業者として一般的に求められる注意義務の程度や、やってはいけない事項は早急にまとめられるべきです(現状もMAIAの自主規制ガイドラインはありますが、当該内容が裁判上実務慣行として必ずしも参照されるわけではなく、やはり国主導の規制が必要だと考えます)。 また、M&A仲介報酬の透明化に関し、自主規制団体ができたとしても、自主規制団体が真に「規制」を自主的に行えるかは疑問が残り、カルテル的な動きをしないかも含めて注目されます。さらに、自主規制団体からはみ出したM&A仲介事業者が不適切な行為をする場合に、セカンドオピニオンができるような制度も必要なのではないかと考えます。 直近では、債務超過状態にあり本来であれば再生のルートに乗せるべき事業者について無理矢理成約させるような悪質性のある事案(いってしまえば会社を売り物にした詐欺ですね)も見聞きします。本来は、裁判所の手続によって再生させられるべき会社をM&Aによって売り買いすることは、専門の弁護士や税理士によるオピニオンが求められるべきだと考えており、債務超過状態の事業者のM&Aを行うにあたっては、専門家が関与するような一定の手続規制がなされるべきでしょう。 事業者であったとしても、M&Aの経験が薄ければ容易に騙されてしまうほどM&Aの世界は奥深く、また被害金額も膨大になり得るような危険性も孕んでいます。消費者保護法制と同レベルまでとはいわないにせよ、情報の非対称性が非常に大きな世界であるため、今後の規制強化は不可避であると考えられます。
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日本は「普通の人」のレベルが普通ではない…ジョージア大使がザ・日本企業に就職して驚いたこと
PRESIDENT Online
松下 朋弘ユニヴィス法律事務所 弁護士
協調性がいい意味で業務に影響を強く与えるのは日本の職場の特徴かもしれません。一方、従業員が協調性を欠き、会社秩序を乱す場合には解雇が認められてしまうケースは勿論存在します。「優秀な中途マネージャーだが自分の仕事以外には協力せず、チームメンバーの人間に全く配慮も反省しなかった」という社員に対する試用期間明け解雇がギリギリで通らなかった裁判例を紹介いたします(東京地判平成29年1月25日)。会社側の対応が100点ならば解雇は通ったかもしれません。 行状としては、試用期間中に以下のような行為が問題視されました。 ・入社時オリエンテーションの度重なる一方的キャンセル(自分の部下を認められていないのに代理出席させる) ・フレックスタイム制のコアタイムに無断遅刻 ・自分の仕事を優先し、開催された会議に出席拒否 ・業務に必要なツールの導入をサボる ・自分のやりたい仕事しかやらないといった態度を周囲に取る ・取引先が出席する会議で、取引先の信頼を損ないかねるような勝手な言動をしたこと ・入社早々部下へパワーハラスメントを行ったこと パワーハラスメントという強力な問題と、これらの細かい事情が合わさり、解雇の合理性までは認められましたが、相当性までは認められませんでした。 このとき、会社と解雇された従業員(原告)との間では二回まで面談が行われていましたが、第二回面談では原告が業務がうまく回っていないことに対して困惑していることが吐露され、また原告において冷静さを欠くような言動があったことに対し、会社側は「みんな困ってる、そのやり方だとついてけない」など抽象的な指摘に終始してしまいました。裁判所からは、「原告が冷静さを取り戻すのをまって、あるいは第三者を交えて改めて面談を行い,原告において了解又は反論が可能な程度の具体的な事実を示しつつ,原告の反省を促すとともに,必要な業務上の指示を具体的に行うべきものであった」と判断され、面談においての寄り沿いが少なったことが原因で解雇は無効となりました。 この裁判例でいえることは、以下の2点だろうと思われます。 ・協調性を欠く従業員に対する解雇の合理性は認められること ・しかし、問題のある従業員へ改善指導をする側にも「協調性」と冷静さが求められること 一見協調性のない従業員に寄り沿う協調性も、解雇の裁判では求められていることにご留意ください。
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