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医療AI「画像診断」はすでに「専門医と同等」 最大の壁は各医療機関の「データ」をどう共有するか
AERA
神立 進東京洪誠病院 画像診断専門医
まさしく、その画像診断を日常業務としてやっているのが放射線科医です。 一部、機械診断(≡コンピュータ診断)ができるようになってきたのは事実です。しかし、まだまだ全然未熟ですね。肺には結節が大量にあり、それを発見できるようになったのは数年前からです。AIを使わなくてもできます。しかし、発見はできたのはいいですが、それが悪性か良性かはまだわかりません。診断のためには経過観察が必要なことも多いですが(徐々に大きくなってくれば悪性の可能性が高くなる)、それはまだできていません。 現在、コンピュータ画像診断でほぼ満足できる状態なのは、CTでの肺の結節検出(以前から販売されています)、心臓の冠動脈の詰まり具合(研究段階)、脳動脈瘤(販売されています)、乳腺の石灰化(研究段階)、内視鏡による消化管の隆起性疾患(製品販売済み)、網膜症の診断(研究段階)、新型コロナ肺炎と通常の肺炎の区別(中国製、販売されているかどうか知りません)、子宮筋腫と肉腫の区別(研究段階)といったところだと思います。 検査が終わったら、人間の医師が関与せずに診断ができる時代が来る可能性はあると思いますが、可能性を言うなら、今人間がやっているすべての行為は、全てAI+ロボットで代替えできる時代が来る可能性だってあるでしょう。可能性があるところから、実際に100%できるところまでいくまでの距離はかなり長いです。今は、画像だけで疾患の診断することはなくなっています。いわゆる総合診断の時代です。画像だけではなく、年齢、血液検査、病理検査、症状、経過、家族歴、本人の生活歴などから、もっとも確からしい診断を下します。場合によっては、診断が完全にできる前に手術をしなければならないこともあります。コンピュータにより疾患の診断が完全にできるまでには、まだ大変な時間がかかると思います。20年や30年では無理だと思います。最終的にはできるだろうとは予測しています。 今、AIの世界では、大量にデータを集めれば、AIはより完璧に近づくだろうという前提で研究が行われていますが、そんなことはないと思います。 ちなみに、私は1985年頃の第二次人口ブームの時の研究者でした。分担執筆ですが、本も出してます。 “パソコンエキスパートシステム” 田中博編 海文堂
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