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SaaS Annual Report 2023-2024
岩澤 脩UB Ventures ベンチャーキャピタリスト
2023年の国内SaaSスタートアップの資金調達額は1,348億円、対前年比▲41%と3年ぶりに減少に転じ、資金調達ができた企業数も247社で▲37%減となりました。
上場SaaS企業のバリュエーション水準の低迷により、多くの投資家がSaaS投資から去りましたが、トップ企業のARRは300億円、ARRが200億円を超える企業数は6社に達するなど、SaaS企業の成長は加速しつづけています。
また、世界最速で人口減少社会に突入している日本で、「労働人口を増やすか」、「一人当たりの生産性 を上げるか」の二択に迫られる中、レガシー産業の生産性向上を実現するバーティカルSaaSへの期待値はより一層高くなっています。
米財務省など「シリコンバレー銀行の預金、完全保護」
岩澤 脩UB Ventures ベンチャーキャピタリスト
日本のマーケットが開く前の迅速な判断。預金者はFDIC保険対象にかかわらず13日月曜日から全ての預金にアクセスできるとのこと。
SVB預金者が一気に預金を引き出した場合の流動化リスクについては、銀行タームファンディングプログラム(BTFP)により最大$25 bn(約3.3兆円)を支援することで対応する。
これで瞬間的地盤沈下は免れたが、SVB口座しか保有していない企業も多く、他銀行口座の開設・資金移動・支払がスピード感を持ってできるかなど、オペレーションリスクに問題が移行するのではないでしょうか。
BTFPの概要:
https://www.federalreserve.gov/newsevents/pressreleases/monetary20230312a.htm
米SVBの英法人、UAE王室やソフトバンク系が買収検討か
岩澤 脩UB Ventures ベンチャーキャピタリスト
現地メディアのThe Informationは米国地方銀行がSVBを買収する可能性も報じています。
買収決定後も、即座に預金者の口座再開が出来るわけではないので、一刻を争うスタートアップの資金繰り懸念は払拭されず、当局の預金者救済施策も必要になる可能性が高いでしょう。
ヘッジファンドや投資銀行が預金者の預金買取に動いているとの報道もあり、民間からのボトムアップ対応が早いか、当局からトップダウン対応が早いか、注視です。
Yコンビネーターが提出した嘆願書は、SVBを唯一の口座として活用していたスタートアップが、30日以内に給与支払ができない場合、1万社10万人の雇用に影響を与える可能性が高いため、早期の預金者救済を政府に依頼する内容。
同日、イエレン財務長官は「政府はSVBは救済しないが、預金者の支援については努力する」とのコメントを出しています。
時事刻々と時が迫る中、当局は月曜日にどのような判断を下すのかに注目です。
出所:
YC 嘆願書:
https://www.ycombinator.com/blog/urgent-sign-the-petition-now-thousands-of-startups-and-hundreds-of-thousands-of-startup-jobs-are-at-risk
The Information報道
https://www.theinformation.com/articles/regional-banks-are-most-likely-to-prevail-in-svb-sale-process-sources-say
https://www.theinformation.com/articles/wall-street-firm-pounces-on-svb-implosion-with-offer-to-buy-deposit-claims?rc=bz8zvv
SVB破綻の波紋、世界に拡大-英国の起業家らは財務相に介入要請
岩澤 脩UB Ventures ベンチャーキャピタリスト
現地時間 3月12日に、Y Combinatorが主体となり議会に「預金者の救済を求める」嘆願書が提出されました。この嘆願書には、5000人以上の起業家が署名をしています。
嘆願書によると、YCのコミュニティに所属しSVB口座を持つスタートアップの内、1/3がSVBを唯一の口座として活用していたとのこと。その企業が、30日以内に給与支払ができない場合、1万社10万人の雇用に影響を与える可能性が高く、政府として預金者の救済をお願いしたいとの内容。
同日、イエレン財務長官は「政府はSVBは救済しないが、預金者の支援については努力する」とのコメントを出しています。
時事刻々と時が迫る中、米メディアは、ヘッジファンドやジェフリーズ証券のトレーダーが預金の買取に動いているもと報道しており、民間からのボトムアップ対応が早いか、当局からトップダウン対応が早いか、週明けの動向を注視です。
出所:
YC 嘆願書:
https://www.ycombinator.com/blog/urgent-sign-the-petition-now-thousands-of-startups-and-hundreds-of-thousands-of-startup-jobs-are-at-risk
イエレン財務長官コメント
https://techcrunch.com/2023/03/12/yellen-says-govt-concerned-about-silicon-valley-bank-depositors-but-dismisses-bailout/?tpcc=tcplustwitter
The Information報道
https://www.theinformation.com/articles/wall-street-firm-pounces-on-svb-implosion-with-offer-to-buy-deposit-claims?rc=bz8zvv
給与支払い不能ならレイオフも-SVB破綻、スタートアップを直撃
岩澤 脩UB Ventures ベンチャーキャピタリスト
今回のSVBの破綻。リーマン・ショックのような金融システム崩壊になるかといえばNoですが、米国スタートアップエコシステムの局所的危機となる可能性はまだ否定できないので引き続き注視が必要です。
SVBの特徴として、下記2点があります。
①顧客基盤が著しく偏っており、預金の39%がアーリーステージのスタートアップ。13%がPE/VC。
②$175 billionの預金の内、89%がFDIC保証対象外。
FDICの保険は、預金250,000ドル/口座を上限に保証。それ以上は無保証という仕組みであり、全預金の89%の$156 billion(約21兆円)は、管財人が現金化し、時間をかけて返済をしていくことになります。
週明けにスポンサーが選定されるという報道もありますが、返済をするにしろ、M&AするにしろSVBの資産価値算定には時間を要し、長期間多額の資金が滞留することは間違いないといえるでしょう。
そして、この滞留資金のインパクトが直撃するのが、SVB顧客基盤の39%(約9兆円)を占めるアーリーステージのスタートアップです。
ただでさえ、ファイナンス環境が厳しい中、
創業者が自らの株式を売却したり、VCが資金を貸しつけたりというエマージェンシープランが発動されていますが、9兆円近い資金を全てカバーするのは難しく、少なくない数の企業が資金繰り破綻する可能性も否定できません。
創業者持ち分の流動化とつなぎ資金獲得のためのダウンラウンドが増えれば、バリュエーション切り下げにもつながります。来週の動向にも注目です。
出所:
https://jp.reuters.com/article/svb-financial-stock-offering-deposits-idCAKBN2VC1VL
UBV、2022年のSaaS業界分析レポートを公開——データで見る「業界第2章突入論」の全貌
岩澤 脩UB Ventures ベンチャーキャピタリスト
SaaSトレンドの終わりといわれた2022年。そんなタイミングだからこそSaaS各社のファンダメンタルに客観的に目を向けたSaaSアニュアルレポート2022を刊行いたしました。
2022年の国内SaaSスタートアップの資金調達額は2063億円に達し、対前年比183%増と昨年に続き驚異的な伸びをみせました。一方で、資金調達ができた企業数は259社で▲9%減。昨年に引き続き特定の企業への一極集中が加速する結果になりました。
株価は低迷する一方、SaaSトップ企業のARR (年間サブスク売上)が200億円を突破、ARR100億円超えの企業が7社に達するなど、ファンダメンタルは強い結果を示しています。SaaSがキャズムを超えマジョリティ層への普及フェーズに入った1年でした。
労働人口減少が著しい日本においてSaaSは旗艦産業になる可能性を秘めています。
今こそ継続的にSaaS業界の本質的な課題に向き合っていくことが必要だと思います。
【徹底分析】SaaS業界「冬の時代」はいつまで続くのか?
岩澤 脩UB Ventures ベンチャーキャピタリスト
昨今、上場・未上場ともにスタートアップ業界を牽引してきたSaaSが転換期をむかえています。
「SaaS=PSR=売上(ARR)の規模を見れば良い」という時代は終わり、「持続的な成長」「筋肉質なコスト構造」と黒字化への信頼が問われるようになりました。
特に、日本のSaaSが持続的な成長ができるかは分岐点にあり、ランキングトップSansanの売上高198億円に対し、日本最大のSaaS企業といわれるセールスフォース・ジャパンの売上高は1,587億円*と8倍近くの差があります。
産業として黎明期にある日本のSaaS。まだ、アーリーアダプター・イノベーター層にしかアプローチできていない可能性が高いといえます。さらなる進化をするには、「カスタマイズ性を高めた大企業への展開」「代理店・マーケットプレイスを活用した中小・地方企業への展開」「プロダクト・レッド・グロースを活用した海外展開」でキャズムを超えていく必要があります。
*株式会社セールスフォース・ジャパン 第22期決算公告より
【徹底分析】「SaaSバブル」は終わったのか?
岩澤 脩UB Ventures ベンチャーキャピタリスト
SaaSセクターが沈んだということではなく、セクター立ち上がり期の加熱が終わり、定常状態に入ったと見ています。
日本よりも早くSaaS市場が立ち上がった米国。昨今のSaaSブーム前の2011年には上場SaaSのPSR平均が5x、未上場が平均4x だったと言われています。
直近、日本ではPSR平均10xを下回っていますが、標準地点に戻っているという見方もできるでしょう。「SaaS=優良銘柄」というバイアスは払拭され、本質的な収益力や資本効率が株価評価に反映されてきています。
今後は持続的な成長を求められるSaaS各社が、①PLG、Finservなどプライシングの革新②パートナー戦略などセールスチャネルの革新、③クロスセルを目的にしたM&A などの一手を打っていくと予想しています。
SaaS Annual Report 2021
岩澤 脩UB Ventures ベンチャーキャピタリスト
UB Venturesより「SaaS Annual Report 2021」を発刊しました。
2021年、国内SaaSスタートアップの資金調達額は過去最高の1,465億円(前年比190%)に到達しました。一方で、資金調達した企業数は194社(前年比▲16%)と資金の一極集中化は昨年に引き続き継続傾向にあります。
上場SaaSの株価も調整局面にある中、2022年も引き続き未上場での大型調達傾向は継続するのか?今年を占う上でも、2021年のファクトをまとめました。
また、日本ではあまり注目されていませんが、お隣中国においてはSaaS市場が急速に立ち上がりつつあります。
当レポートは、SaaS市場の最新データをまとめたOverview、SaaS事業をつくる上での要諦を記載したPlaybook、2022年の最新トレンドについて説明するTrend、急拡大を見せる隣国中国のSaaS市場を分析したChina SaaSの4部構成になっていますので、ぜひご一読いただけましたら幸いです。
SaaSの新潮流、「PLG」とは?
岩澤 脩UB Ventures ベンチャーキャピタリスト
日刊工業新聞で、PLGに関して取材を頂きました。
PLG(プロダクトレッドグロース)の考え方は、まだSaaS関係者の域を出ていないので、こうして日本の実例ととも産業紙で記事化していただけること嬉しく思っています。
記事中でも言及されていますが、「PLG」と「The Model」は、どちらが正しいという2元論ではありません。
SaaSビジネスだからといって盲目的に「The Model」を選択するのではなく、まずはグローバルスタンダードとなっている「PLG」を正しく理解した上で、自分たちのプロダクトの特性や市場に合わせて選択するということが重要なのだと思います。また、直近では「PLG+営業チーム」というハイブリッドの成長手法も北米では体系化されてきています。
【解説】中国のSaaS市場黄金期は今まさに始まろうとしている
岩澤 脩UB Ventures ベンチャーキャピタリスト
全貌が明らかになっていなかった中国SaaS動向。UB Venturesマネージング・パートナーの頼による解説です。
経済成長が一服し、人件費上昇が顕著になったタイミングと大規模オンプレシステムの更新のタイミングが重なり、立ち上がるSaaS市場。それは欧米でも日本でも証明されていますが、中国がまさにその変曲点を迎えています。
B2Cでは急速な進化を見せた中国スタートアップ、B2B/SaaSの領域でも急速な成長が予想されており、3年で日本市場の3倍になるとも言われています。
今後の中国SaaS市場はアジアスタートアップの注目トレンドの一つです。
【秘録】シリコンバレーが無視した、ZOOMに投資した異端児
岩澤 脩UB Ventures ベンチャーキャピタリスト
日本においてEmergence の知名度は高くありませんが、2010年代の世界のSaaSトレンドのきっかけを作ったVCといっても過言ではありません。
投資先もプロダクト・ドリブンのスタートアップが多く、今回のサンティのエピソードで、プロダクトに向き合っているからこそであることがわかります。
Emergenceの創業者、ゴードン・リッターが2002年にSalesforceに投資したことが始まりですが、なぜSaaSへの投資をはじめたのか、下記のインタビューも聞き応えがあります。
https://www.realvision.com/understanding-the-saas-investment-model
なお、記事中に登場するzoom創業者エリック・ヤンの企業ストーリーは下記記事で語られています。
https://newspicks.com/news/3849908
【必読】クラブハウスを流行らせた投資集団「a16z」
岩澤 脩UB Ventures ベンチャーキャピタリスト
a16zはパートナーの半数以上はVC投資以外の担当であり、①ベンチャーキャピタル、②メディア、③商社、④投資銀行、⑤人材会社、が融合したコングロマリット企業であるとも言えます。
2010年代に起きた「大型VCファンド乱立によるリスクマネーの肥大化」と「クラウドサービスの進展による起業コストの減少」という大きなトレンドの中で、「お金のコモディティ化」を察知して「お金以外の価値」を見出したことが今のa16zのポジションに繋がっています。
時流を読んでビジネスを創造する。
Founderの2名が起業家出身だからこその着眼でもありました。
国内においても、昨今VCがメディア、採用支援、事業サポートをする事例が増えつつあります。
日本のVCも米国のトレンド追いかけ資本集約的x総合サービス化の方向に向かうのか、独自の進化をするのか、米国に遅れつつ日本のVC産業もまさに転換期にあります。
企業事務サービスWorkdayが従業員フィードバックのプラットフォームPeakonを約733億円で買収
岩澤 脩UB Ventures ベンチャーキャピタリスト
Workdayはこれまでの給与水準、人事評価、離職率のデータに加えて、社員のエンゲージメントや企業カルチャーという非定型データを手にすることになる。
今後は企業カルチャー、エンゲージメントと業績の相関などのベンチマークデータも出てくるのではないでしょうか?
Peakonは、従業員向けサーベイツールで、リアルタイムで部門、個人のエンゲージメントを計測することができる。
これまでは年に数回のアンケート実施が主であったエンゲージメント計測も、個人ごとにカスタマイズされ、より簡単に、リアルタイムで計測される時代になっています。Peakonではエンゲージメントスコアの結果によってマネージャーの打ち手もサジェストされる機能もあり、日々のOne on oneでも活用されているようです。
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