ホーム
4フォロー
1704フォロワー
![](/images/follow-button-off.48d7f47e.png)
![](/images/follow-button-on.6f2ba81f.png)
新紙幣の「隠れた狙い」はタンス預金のあぶり出し!福沢諭吉も真っ青な「税金」「裏ガネ」の未来とは? - 今週もナナメに考えた 鈴木貴博
山岡 浩巳フューチャー株式会社 取締役兼フューチャー経済・金融研究所長
国際的な評価は必ずしもそうではなく、最近の世界的傾向として、銀行券の改刷を行う場合、偽造防止の観点から旧札については一定の経過期間を置いた上で使用停止にする国々が増えています(例:最近の英国、スウェーデン等)。
https://www.bankofengland.co.uk/banknotes/exchanging-old-banknotes
https://www.riksbank.se/en-gb/payments--cash/notes--coins/notes/redeeming-invalid-banknotes/
これは、折角最新の偽造防止技術を取り込んだ新札を作っても、古い技術のままの旧札が流通し続けていたのでは効果が減殺されてしまうし、絵柄の異なる複数の銀行券が流通していると、店頭などの人々も偽造を見抜くことが難しくなってしまう、という問題意識があります。
このような世界の潮流との対比では、日本はなお、旧札の利用や退蔵にジェネラスな国であると捉えられているように思います。
元日銀総裁・黒田東彦が語ったデフレとの10年戦争。異次元のゼロ金利政策を支えた覚悟とは?──北野唯我「未来の職業道」ファイル【特別編】
中国、ビザとマスターカードに決済手数料引き下げを要請-関係者
山岡 浩巳フューチャー株式会社 取締役兼フューチャー経済・金融研究所長
新興国・途上国において「リテール型」のCBDC(中央銀行デジタル通貨)の実験が行われてきた一つの理由として、国際ブランドによるクレジット&デビットカード手数料が高いという国内事業者の不満が根強く、これを競争圧力をかけることで引き下げたいという狙いもありました。
例えば、2017年にCBDC”e-Peso”の実験を行ったウルグアイは、南米諸国で一般に高いカード手数料に競争圧力をかけたかったという意図を語っています。
https://www.bis.org/events/eopix_1810/licandro_pres.pdf
この問題は、新興国・途上国の金融インフラの動きを理解する上で、意外と重要なファクターと思います。
トレーダーがFRBの金利見通し無視、利下げで恩恵の株式に資金流入
山岡 浩巳フューチャー株式会社 取締役兼フューチャー経済・金融研究所長
「中央銀行による金利見通しの公表」という手法は、2000年前後に一部ニューケインジアン系の学者の方々によって一時流行した学説に、いくつかの中央銀行が乗ったという色彩が強いように思います。
その後、経済の不確実性(例:今次局面では物価見通しすら「インフレ圧力は一時的」と外しまくった)が強く意識される中、新たにこれを採用する中央銀行は減っていますが、既に始めてしまった中銀は「透明性後退」の批判を恐れて止めにくい面があります。
もちろん、見通しのパフォーマンスは芳しくなく、このことが(記事のように)これを無視する投資家の存在につながっていますし、最近ではFed自身からもドットチャートの見直し論が出てきていることは興味深いです。
なお、パウエル議長自身、もともとドットチャートに対しては慎重に捉えるべきとたびたび強調しておられます。
https://www.federalreserve.gov/newsevents/speech/powell20160226a.pdf
長期金利が急激に上昇する場合、機動的にオペ実施=植田日銀総裁
山岡 浩巳フューチャー株式会社 取締役兼フューチャー経済・金融研究所長
報道の本筋を外れますが、中央銀行デジタル通貨(CBDC)へのマイナス金利賦課の可能性を巡る議論を日本で先駆的にフォローしておられたのは植田先生です。ご関心のある向きは、例えば以下の2016年のコンファレンス(最終17頁)をご覧下さい。
https://www.boj.or.jp/research/conf/data/rel161201a8.pdf
この議論は元々、イングランド銀行が2015年に仮想実験として提起した上で、実務的にはこれを否定しています。その主な理由は、
・現金が残る以上、CBDCにマイナス金利を賦課すれば人々は現金を選好するだけ(⇒わざわざCBDCを発行する意味が無くなる)、
・人々が持つおカネの名目価値を当局が一方的に削減する行動が、経済やコンフィデンスにプラスの効果をもたらすかは疑わしい、
などです。
植田先生もこれらの議論を熟知した上で、上記コンファレンスでは
「突拍子もないことから申し上げれば、国民皆が中央銀行に口座を持つような世界では、 ―政策自体の良し悪しは別として― 名目金利のゼロ制約を超えてマイナス金利を深堀りしていくことが、技術的にはやり易くなるかもしれない。そのうえで、中央銀行等の公的な主体が、決済サービスを踏み込んで提供していくことについては、競争やイノベーション、効率性への影響といった潜在的コストの問題も考える必要が出てくるように思う」と、敢えて「政策自体の良し悪しは別として」、「技術的には」といった留保付きで解説しておられます。ややテクニカルですがご参考まで。
![](/images/lock.8efd3b68.png)
【3分解説】農林中金の「大赤字」って、そもそも何ですか?
山岡 浩巳フューチャー株式会社 取締役兼フューチャー経済・金融研究所長
元バーゼル委、および元金融市場調節担当の立場から、いくつかテクニカルな面のみ、申し述べさせていただきます。
・農林中金は「国際統一基準行」であり、バーゼル自己資本比率規制の対象となる「銀行」です。この観点から、リスクウエイトがきわめて高く「キャピタルを食う」エクイティ投資は自ずと制約を受けますし、系統預け金に対して定期的にリターンを出さなければならない立場上、どうしても米国債のようなデット投資を中心とせざるを得ない構造にあります。
・系統預け金はいわば、JAバンク単体で地元では運用しきれない余資が農林中金に上がってくるものですので、農林中金がこれを地域向けの融資に充てることにも制約があります(⇒JAバンクと競合してしまう)。この面からも、マーケット運用が中心となります。
・メガバンクは海外でも店舗網を持ちリテール業務も行っていますが、農林中金はその性質上、海外業務はリテール皆無で市場運用に特化した形となります。このことは、米国のFHC(金融持株会社)免許を最初に受けた邦銀が農林中金であったことの背景でもありました。一方で、海外においては調達も含めマーケットリスクに晒されやすいことにもつながります。
いろいろ大変ですが、頑張って頂きたいと願っております。
IMF、日本の変動相場制へのコミットメントを支持
山岡 浩巳フューチャー株式会社 取締役兼フューチャー経済・金融研究所長
IMFの4条協議のプレスリリースは、4条報告書に関し24理事室が見解を提出し、これを踏まえて事務方が執筆します。実際に殆ど出なかった見解をプレスリリースに書いてしまうとさすがに理事会で怒られるので、それなりに各理事室の実際の見解を踏まえたものです。この中で、変動相場制の意義を改めて再確認するような文言が織り込まれるのは、ちょっと珍しいことかなと感じます。
もちろん、財務省は介入に際し、あくまで急激な変動に対処するものと説明し、「円高」「円安」といった水準判断に関する文言は一切使っていませんし、植田総裁も「為替レートが『物価に影響を及ぼすのであれば』政策対応の事由となる」と説明しておられます。このように今の政策当局者が国際的なマクロ政策の共通理解を熟知しておられることは良かったなと感じます。
イエレン米財務長官、G7国による為替介入に後ろ向きな見方繰り返す
山岡 浩巳フューチャー株式会社 取締役兼フューチャー経済・金融研究所長
インタビューを動画で拝聴しましたが、イエレンさんは慎重にG7の共通見解を繰り返しておられ、これは日本も同意しているものです。
https://www.youtube.com/watch?v=FckAFhAWpZk
(12分頃から)“Major countries like those in the G7, and this has been agreed in the G7, should have market determined exchange rates. And if intervention occurs, it should be rare, well communicated and largely address excessive fluctuations" "Difference in the stance of monetary policy across countries is a factor that influences the value of exchange rates"
このように、イエレンさんの発言は個人的見解ではなくG7の共通見解ですし、日本も介入についてはあくまで「極端な変動に対応」と説明している訳ですので、日本語版の記事のタイトルに敢えて「後ろ向き」とつけてしまうのは、日本が特殊な国と思われないかとちょっと心配してしまいます。
![](/images/lock.8efd3b68.png)
【緊急解説】いま「超円安」が止まらない理由
山岡 浩巳フューチャー株式会社 取締役兼フューチャー経済・金融研究所長
IMFのOBとして、テクニカルですが内容について一点。
変動相場制を採る先進国において為替介入は極めて限定的な手段であるべきという事はIMFも共有する共通認識ですが、同時に、IMFは主権国家に政策を「命令」する主体ではありません。したがって「介入は半年間に3回まで」といったルールをIMFが定めることはありません。
IMFの考え方はPrinciples for the Use of Foreign Exchange Interventionに纏められており、その記述は以下の通りです。(https://www.imf.org/en/Publications/Policy-Papers/Issues/2023/12/20/Integrated-Policy-Framework-Principles-for-the-Use-of-Foreign-Exchange-Intervention-542881)
FXI should be used only when shocks are assessed
as large enough to approach the tails of the distribution.(介入は過大な変動への対処としてのみ用いられるべき)
FXI should not be used as a substitute for warranted adjustment of macroeconomic (monetary and fiscal) policies.(介入は金融政策・財政政策の代替として用いられるべきではない)
FXI should be integrated within the overall policy response.(介入は政策運営全体と整合的であるべき)
これらはあくまで、世界の政策当局者が共有する常識的理解を記述したものです。
![](/images/lock.8efd3b68.png)
【3分解説】円安は158円台に。それでも日銀が「動かない」理由
山岡 浩巳フューチャー株式会社 取締役兼フューチャー経済・金融研究所長
良く整理しておられると思いますが、取り上げられていない論点を一点。
いわゆる「非伝統的緩和」の中で、長期金利ペッグ政策(米国ではYCT、日本ではYCCと呼ばれていました)は最もエグジットが容易ではない手段です。この手段は、財政も含めさまざまな経済主体による、低金利継続を前提とする行動に繋がるものであり、まさにそこに緩和効果を生み出そうとしたものとも言えます。それだけに、「先行きの政策の機動性」という、非常に分かりにくいものを犠牲にする面があります。
米国FRBが2020年6月に包括的な議論の末、長期金利ペッグ政策について、プラスよりマイナスが大きいとしてこれを採用しなかったのもこの事情によるものです。また日本銀行も現時点では従来同様のペースでの国債買入れ継続を余儀なくされています。現在の状況は、まさに非伝統緩和からのエグジットのhardshipの一側面という見方もできるように思います。https://www.federalreserve.gov/monetarypolicy/fomcminutes20200610.htm
なお、非伝統緩和からのエグジットの大変さについては、植田先生自身が、約20年前の審議委員からのご退任時に以下のように示唆に富む発言をしておられます。ご関心があればご一読ください。
「上手く出口に行くとすると、今日出たような、あるいは出ていないような様々な問題が待ち構えていることは間違いない訳であり、これまで以上に難しいかもしれないし、もしも出口に行けなかったとすると、これはこれまで以上にまた大変な目に遭われることも間違いない訳である。」
https://www.boj.or.jp/mopo/mpmsche_minu/record_2005/gjrk050406a.pdf
日銀・植田総裁「基調インフレ上昇続けば利上げ」 ワシントンの講演で
山岡 浩巳フューチャー株式会社 取締役兼フューチャー経済・金融研究所長
当局側の事務方が原稿や想定問答を書く際には「メディアにどこを切り取らせるか」は当然気にします。報道されている発言も、当局側は「あくまで『物価に跳ねれば』と言っているのだからオーソドックスな政策運営の考え方の範囲内」と言うでしょう。一方で、受け止める側の相当数が「『緩和継続』を強調していたマイナス金利解除前とは変わってきたな」と受け止めるのも当然と感じます。
問題は、メディアを通じた刷り込みの手法を多用し過ぎると、メディアや市場が総裁発言の一字一句に過度に注目し、それがボラティリティを高めかねない、ということかと思います。
「普通の政策」に戻ったのであれば、説明も中央銀行としての「普通の説明」、すなわち、政策委員会から正式に公表される物価見通しと物価目標などの相対的関係を中心に据え、それ以外の発信は慎重に行うといったコミュニケーションに徐々に移行していくことが、長期的には望ましいと感じます。
![](/images/lock.8efd3b68.png)
【3分解説】円安が止まらない3つの理由
山岡 浩巳フューチャー株式会社 取締役兼フューチャー経済・金融研究所長
理由をいくつかに分けることはできても、結局は経済のファンダメンタルズが根源だと思います。米国があれだけ利上げをしても経済が強くインフレ率もなかなか下がらないので利下げができないというのは「ファンダメンタルズの強さ」と言えます。同様に、「日本は『緩和的環境が続きます』と敢えて強調しないと実体経済や財政が耐えられない」と市場が見透かしているのであれば、それもファンダメンタルズの一要素です。為替の議論をするのであれば、表層的な交換比率の奥にあるファンダメンタルズの差をどう埋めていくのかという政策論に繋げていくことが大事だと思います。
![](/images/loading.99efa390.gif)
NORMAL
投稿したコメント