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【本音】環境先進国、ドイツの「グリーン疲れ」が深刻だ
黒瀬 浩一りそなアセットマネジメント株式会社 チーフストラテジスト チーフエコノミスト
もはや全ての階層で疲れがたまってますね。一般庶民のレベルでは光熱費の高騰による生活苦です。イメージ的には一般家庭の光熱費が月10万円です。企業のレベルではグリーン対応でコストが上がり競争力が低下しています。主力の自動車産業は、このままでは中国のEVに完敗します。2000年代の家電がアナログからデジタルに移行する時代に、三洋電機やシャープなどが破綻し、日本勢が中国勢に完敗したのと似た構図になってきました。国家レベルでも、前メルケル首相の頻繁な中国詣でみられたように、グリーンを通じて中国と親密になりました。米国の中国制裁に全面的に同調できないのは、ドイツ企業が人質に取られているからです。ドイツが欧州の優等生ではなく「欧州の病人」になり始めたとみられています。
日銀のマイナス金利解除へ秒読み、リクルートHDなどトップの反応は
黒瀬 浩一りそなアセットマネジメント株式会社 チーフストラテジスト チーフエコノミスト
超金融緩和の弊害が住宅価格の高騰にも出ており、マイナス金利の解除は適切だと思います。もう若い人が家を変えない価格になっています。ただ企業の立場からすると、うるさ型の株主には自社株買いや配当増加など大判振る舞いする一方、処遇に不満を言わない社員に対して賃上げを渋るのは、問題です。マイナス金利解除は、企業に対し、しっかり賃上げする企業でないと、生き残れない環境になったという通告と理解して良いと思います。賃上げするためには利益を出さなければならない。そのためには為替変動、金利変動、人手不足への対応などが必要になります。マイナス金利解除は、そのほんの第一歩と位置付けるべきだと思います。
令和の日本は「バブルの豊かさ」を取り戻せない株価最高値を更新しても | 英紙が1989年との違いを徹底検証
黒瀬 浩一りそなアセットマネジメント株式会社 チーフストラテジスト チーフエコノミスト
これは相当な自虐ネタですね。当時の実質経済成長率が高かったのは不動産バブルのおかげです。借金して不動産を買い、その値上がりを原資に多くの人が「バブル消費」に酔いしれました。しかし、不動産価格が正常化して下落したら、負の遺産の処理に10年以上を費やしました。記事の見出しには、こうあります。「世界で爆買い、長者番付は常連…バブルにあって令和にない「野心と高揚感」」。これはちょっと酷い。世界で爆買いした日本人は、世界中で白眼視されました。英国のメディアは相当に日本人の爆買い批判的した。今になって礼賛するのは、いくら何でも度が過ぎます。長者番付の常連はバブル紳士で、多くは後にバブル崩壊で破綻、更には逮捕されています。野心と高揚感について、その中心はバブルへの投機の参加でした。まともな産業に投資しなかったから、バブル崩壊後に産業が発展しなかったのです。日本経済は地政学な優位性を活かして再生の機運が生まれています。企業経営は、「コストカット型」から「成長志向型」げと転換し始めています。この2つの変化を体現するのが株価だと理解して良いと思います。
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