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最高額面、5倍に引き上げ 紙幣価値はわずか1700円―アルゼンチン
辛坊 正記(株)TOASU特別研究員(経済評論家・コンサルタント)
通貨の対ドル価値が過去5年で20分の1に落ち、年率300%だ、400%だ、というインフレが続いているのですからそりゃそうなるでしょう。
ペソを捨てて通貨を米ドルにするといった極端な話も選挙戦の最中に出ていましたが、ここまで来ると、そのくらいの荒療治を覚悟をしないと、通貨価値の下落を止めるのは難しいかもしれません。流石に私も記憶はないですが、旧円の預金を封鎖して強制的に新円に切り換えてインフレを抑えた戦後の日本も、今のアルゼンチンと似た状況下にあったのだろうと想像します。預金封鎖で国債と円が紙くずになった話を両親がしているのを子供のころに聞きました。
中学生だったころ、先生からアルゼンチンは豊かな憧れの国だと教わりました。しかしその後、アルゼンチンの政府が放漫財政で借金を積み上げ、私が銀行に入って国際部門で働き始めた1980年代の初めころ、米国がインフレ退治のため金利を大きく引き上げた途端にデフォルトし、その後は立て直しがうまく行かず混乱に混乱を重ね、今では昔の豊かさは面影さえもありません。
借金と利息を借り換え続けることが出来る限り財政が行き詰ることはないですが、何かへん、ということが嵩じて借り換えが難しくなった瞬間、危機は突然やって来ます。かつてのアルゼンチンがそうでした。自国通貨を大量発行して凌ぐことは出来ますが、その代償は、通貨価値の毀損と激しいインフレです。たとえデフォルトにならずとも、これは、国民の豊かさを激しく毀損するという意味で、国家運営の破綻でしょう。
中学生だったころ、パンパを背景に躍動する若い女性の写真に憧れを抱いたアルゼンチンが、こんなことになろうとは・・・ (・・;
為替動向次第で金融政策対応が必要、円安けん制強める-日銀総裁
辛坊 正記(株)TOASU特別研究員(経済評論家・コンサルタント)
日銀が何と言おうとも、モノとサービスの裏付けのない円を大量にばら撒く異次元緩和が、円の価値の毀損策であることは明らかです。政府と日銀が組んでこれを進めるなかで元手に限りがある為替介入を財務省がやっても、その効果は限られます。150円を超える極端なインフレになって日本の労働力も日本の財とサービスも世界の中でバーゲンセール状態になる中で、そして輸入に頼る資源が円の購入力低下で買い負けかねない状態になる中で、物価に責任を負う、言い換えれば通貨の価値に責任を負う中央銀行として、日本銀行も流石に為替は財務省の問題で日銀の守備範囲ではないと言っていられなくなって来たということか・・・
とはいえ、長く続いた財政拡張と異次元緩和の組み合わせで、日本経済の背後には、利上げに耐えられない構図が生まれています。量的縮小で長期金利が上がったり、政策金利の引き上げで短期金利が上がったりしたら、景気が一気に失速しかねません。そういう意味で、円の魅力を高める利上げの容認は難しい。
口先だけの介入に終わるのか、それともリスク覚悟で金利上昇の容認に動くのか。火中の栗を拾われた植田総裁の難路が続きそう (^.^)/~~~フレ!
【野口悠紀雄】円安信仰がもたらす3つの損失
辛坊 正記(株)TOASU特別研究員(経済評論家・コンサルタント)
円の実力が上がり続ける中で日本企業が世界を席巻し、ニューヨークに行ってもパリに行ってもロンドンに行ってもホテル代もレストラン代も随分安く感じるようになった時代を私が体験していたころは、政府の財政は均衡し、金利がインフレをそれなりにカバーして預金で蓄財ができました。ところが1990年代半ばになって日本の停滞が本格化すると、経済が思うように成長しないから税収が不足する、だから政府が赤字国債を発行して景気を刺激して、日銀が低金利でそれを側面支援することが始まりました。しかし景気刺激の効果は常に一時的に留まって、政府の借金と日銀のバランスシートが膨らみ続け、円の実力は下がり続けることになりました。金利が極端に低く抑えつけられて円の魅力が低下し、政府の借金が膨らんで日本経済の底力が落ち続けているのですから当然です。
デフレなり低インフレなりの国の通貨は高くなり続けてこそ購買力が維持できるのです。たとえばハンバーガーが日本で100円、米国で1ドル、ドル円が1ドル100円なら、100円玉で日本のハンバーガーも米国のハンバーガーも1個買えますが、インフレの米国でハンバーガーが2ドルになれば、100円玉では米国のハンバーガーは半分しか買えません。この時、1ドル50円の円高になれば元通り100円玉で米国のハンバーガーが買えますが、これを無理やり1ドル200円の円安に誘導すれば、米国のハンバーガーは4分の1しか買えなくなってしまいます。今起きていることは正にこれ。
異次元という名の異常な金融緩和と財政拡張で行った円の毀損策は、この状態を作り出すことでした。設備と人材と研究開発への投資を怠って競争力を失った企業と産業が、日本の労働力と製品・サービスを円安で世界にバーゲンセールすることで支えても、中長期的に日本が豊かになれるはずがありません。
異次元緩和が始まる前から、というより、リフレ策が叫ばれ始めた当初から、極端な金融緩和と財政拡張が引き起こす円安とインフレは真綿で首を絞めるように日本を貧しくすると言い続けて来ましたが、残念ながらそれが現実になり、遂にじわじわどころか一気に加速するに至った感じです。円の価値を毀損してインフレを起こせば日本が成長するという幻想は、そろそろ捨て去るべきじゃないのかな (・・?
記事が発する警鐘を、軽く受け流してはならないように思います。
【危機】グリコ、HOYAのトラブルが「他人事」じゃない理由
辛坊 正記(株)TOASU特別研究員(経済評論家・コンサルタント)
1980年代半ばに旧住友銀行で嫌がるシステム部門と闘ってパソコンを初めて公式に仕事で使い、転出先で顧客のシステムを開発する事業部門を担当した経験に照らしても、素人ながら「①基幹システムのカスタマイズ②人材の流動性の低 ③ベンダー企業とユーザー企業の関係」が問題だというのは良く分かります。
記事を多少離れて経験談を書きますと、米国に駐在していた当時は、普及している汎用システムから自社に合せてベストなものを選び、それに仕事のフローを合せるとの発想が一般的でした。汎用的なERPは、その業界で必要な作業を基本的にカバーしているがゆえ、そしてその業界にいる人なら転職組でも扱いが分かるゆえ、それに仕事を合せるのが事業を進める上で効率的だとういうのがその理由。
ところが日本では、社内のOJTとジョブローテーションで育った外の世界を知らない人達が自分の仕事に合せてシステムをカスタマイズするうえに、各社のシステムに合せる形で仕事をすることを下請け企業に求め、下請け各社のシステムも汎用的なERPの業務範囲を超える形で発注元に合せてシステムをカスタマイズせざるを得なくなるのです。転職したら、転職先の独特の仕事のやり方を学ぶところから始めなければなりません。
そしてベンダーとの関係も問題です。真っ白な新人を採用して年次横並びで出世を競わす伝統的な日本企業では、システムに特化した人材は、出世に限界があるのが常でした。だから工学部を出てシステム部門に配属された人材も、システムに関する最先端の能力を磨き続けることをせず、基本設計のみ自らやって、詳細設計以降は事業を知らないベンダーに丸投げし、時間を作って人脈と仕事の範囲を広げることに血道をあげて行くのです。だから日本の場合、社内よりベンダーの側にシステム要員が増えて行く。
私が一時関係した米国のフィンテック企業が一つの典型ですが、システムの価値を知っている経営者が自ら関与して稼げるシステムを作るので、システム人材の報酬は高く仕事も魅力的。ところがシステムを事務処理道具と捉える日本の経営者はシステムに高いカネを払うことをこころよしととせず、賃金も低いので優秀な人材が育たない。
日本も流石に変わり始めているだろうと化石のオジンも思いはするものの、この3つ、確かにあるあるでした (^_-)-☆
世界3大投資家ジム・ロジャーズの残酷すぎる直言「日本の40代以上は日本以外の場所へ今すぐ引っ越しなさい」
辛坊 正記(株)TOASU特別研究員(経済評論家・コンサルタント)
「日本の40代以上は日本以外の場所へ今すぐ引っ越しなさい」 (@@。
若い人を救うためにそうしろ、ということかと思ったら、全く違う発想でした f(^^;
今年は年金財政検証の年ですが、前回、2019年の検証を見ても、若い世代ほど絶望的。企業負担分を含めて月収の18.3%という強烈な厚生年金保険料を取られながら、企業負担分を含めて考えれば、払った保険料を取り戻せる若い世代は比較的低所得のごく一部にとどまります。
厚労省は若い世代でも払った分の2.3倍の年金が貰えるとしているけれど、実態的には大ウソで、企業負担分を含めれば1.15倍に過ぎません。その1.15倍も、正社員の夫(妻)と専業主婦(主夫)の標準家庭が前提で、年金保険料を払わぬ主婦(主夫)と本人の基礎年金二人分と、夫(妻)の報酬比例部分を併せて漸く1.15倍という話です。最近増えているお一人様所帯だと、本人分と企業負担分を併せた年金保険料を年金で取り戻すのは不可能です。
既に高齢に達したお前が言うなと怒られそうですが、その高齢者も、働いて年金支給が停止されれば、自主的に受給開始年齢を遅らせた人と違い、年金保険料を取られ続けながら、受給開始を遅らせた報償としての年金額の上乗せはないのです。こんな損な投資はどう考えても理に叶いません。
若い世代と、自分で稼ぐ力のある高齢者は、共に日本以外の場所に引っ越した方がよいのかも (^_-)-☆
植田日銀総裁が岸田首相と会談、円安「注視していくこと確認」
辛坊 正記(株)TOASU特別研究員(経済評論家・コンサルタント)
「円安が今のところ基調的物価上昇率に大きな影響を与えているものではない」 (@@。
基調的物価上昇率なる摩訶不思議なものはいざ知らず、顕在的な物価上昇に大きく寄与しているのは間違いなさそうに思います。巨額の税金を投入する政府の物価対策がなければ、3%を超える高インフレがもう2年以上も続き、国民生活を圧迫しているのです。物価に責任を負う、言い換えれれば通貨の価値に責任を負う中央銀行は、対策に乗り出すべきところじゃないのかな (・・?
とはいえ長く続いた異次元緩和と財政拡張で金利の上昇に耐えられない構図が日本経済の背後に生まれた以上、円安を止める利上げに日銀が慎重にならざるを得ないのは当然で、こうおっしゃるほかないのでしょう、たぶん。円安を止めるために金利を上げれば、1200兆円の政府の借金の利払い、日銀が抱える600兆円の低利国債の評価損、バブル的に上がったマンションを低利の変動金利ローンで買った家計、長期運転資金と設備投資資金、果ては赤字資金まで低利の短期転がし借入で賄う企業の支払金利、といった問題に一斉に火がついて、景気が一気に冷えかねませんからね・・・ 火中の栗を拾われた植田総裁の難しい舵取りが続きそう (^.^)/~~~フレ!
日本経済強くして円高方向へ是正へ、150円超の円安は「安過ぎ」=経団連会長
辛坊 正記(株)TOASU特別研究員(経済評論家・コンサルタント)
「いくら何でも安過ぎる」 (@@。
そりゃそうでしょう。日本人が他の先進諸国に行って感じる物価と他の先進諸国の国民が日本に来て感じる物価が同じになるのは、ドル円が90円台から110円台前半の範囲にある時というのが通り相場ですからね・・・
日本経済の成長に急ブレーキが掛かり始めた1990年は、日経平均株価が暴落を始めた年というのを脇に置いても、極めて特殊な年でした。前年11月にベルリンの壁が崩れて世界の経済圏が一つになって価値観が多様化し、このころを境にインターネットが拡がってやがてクラウドが登場し、ビッグデータが集まって急速に普及したスマホでそれが取り出せるようになり、あらゆるものがインターネットに繋がるIoTが多様な価値観に合せて製品、サービス、生産方法、販売方法を目まぐるしく変える時代になったのです。そうした環境下、バブル崩壊で保守的になった日本企業は設備投資も人材投資も怠って、世界の中で次第に立ち遅れて行きました。そんな中、”六重苦”の筆頭に円高を挙げ、円の毀損策を政府に迫ったのが経団連。
デフレなり低インフレなりの環境下にある円は高くなるのが当然で、80円を切るような円高はともかく、90円台なら常識的な水準であったはず。日本経済の根幹を担う企業が集まる経団連がそれを悪者にして日本を空洞化させ、円安策を政府と日銀に迫ったのだから堪りません。とはいえそれは既に終わった話です。
ここまで円安になれば、我が国のサービスコストはもはや途上国と変わりません。経団連が望んだ円安です。円安を嘆く暇があるならば、これを利して一刻も早く世界に羽ばたく日本の生産力、即ち潜在成長率の回復を期して欲しいと念じます (^.^)/~~~フレ!
「何も買えない」“歴史的円安”で海外旅行も物価高 夏休みの時期も続く?【ひるおび】
辛坊 正記(株)TOASU特別研究員(経済評論家・コンサルタント)
「何も買えない」 (@@。
海外旅行中に円が突然160円台の大安値をつけたのですからお気の毒様としか言いようがないですが、海外の物価が無茶苦茶高いと言われるなかでゴールデンウィーク中に海外旅行に行く人は、それなりのお金持ちであるに違いない。自宅で逼塞していた私を含め、多くの日本の庶民層は、”ざまぁみろ”とは思わないまでも、”それがどうした”という気持ちじゃないかしらん (^_-)-☆
という嫌がらせは脇に置き、諸先進国の物価が自国民にとって極端に高く、自国の物価が先進諸国の国民にとって極端に安いのは、途上国に特有の現象です。長く続いた財政拡張と異常な緊急緩和が引き起こした円安で、日本国民の購買力が途上国並みに落ちたということです。このまま異常な円安が定着すれば、我が国の世界の中での地位も落ちて行く。他人事ではありません。危機感をもって臨まなきゃ (・.・;)
コロナ期に積み上がった米余剰貯蓄、ついに枯渇-SF連銀調査
辛坊 正記(株)TOASU特別研究員(経済評論家・コンサルタント)
余剰貯蓄が底をつくと米国景気が冷えると言われ続けて来ましたが、「余剰貯蓄の枯渇が個人消費全体の落ち込みにつながる可能性は低い」との見方に期待します。
我が国でも0%から3%くらいの範囲であった家計の貯蓄率がコロナ禍中の2020年度に12%に駆け上がり、2021年度も6%を保って余剰貯蓄は60兆円ほどあるはずです。活動が正常化した2022年度は巡航速度の2%弱に戻りましたけど、積極的に余剰貯蓄が取り崩される様子がありません。賃上げがインフレ率を上回って将来に安心感が広がれば、余剰貯蓄も取り崩されて景気に寄与するはずなのに、残念なことではありますね。消費に意欲的な米国の消費者の態度が羨ましい (^_-)-☆
マーケット無秩序なら政府が適切な対応取る=神田財務官
辛坊 正記(株)TOASU特別研究員(経済評論家・コンサルタント)
「為替相場はファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)に従って安定的に推移することが好ましく」 (@@。
「無秩序なら政府が適切な対応取る」というのは為替介入の原則に照らして当然のこととして、極端な財政拡張と異常な金融緩和の組み合わせで一貫して進み続けた円の価値の毀損、即ち150円台にまで達した円安がファンダメンタルズに従うものならば、日本はもはや途上国並みの経済力になってしまったということですね・・・ 財政支出と金融緩和のカンフル効果に頼り切っているうちに、日本経済の実力がそこまで低下したということにほかなりません。
150円台という水準自体も我が国にとって大きな問題であるように感じますけれど、巨額の取引が行われる市場に政府が限られた外貨準備を使って介入しても、ファンダメンタルズに従って進む円安なら、効果のほどは限られます。介入できる回数に一定の制約がある中で、とりあえずは言葉で牽制するほかないのかも。利上げ、即ち円の魅力の向上策を取れない構図を財政拡張と金融緩和で作ってしまった我が国の経済構造につけこまれているとするならば、難儀なことではありますね。(*_*;
海外旅行で大出費「強烈でした」歴史的円安で悲鳴…食事を抜いて節約した夫婦も GW最終日は帰国&Uターンラッシュ
辛坊 正記(株)TOASU特別研究員(経済評論家・コンサルタント)
「歴史的円安のため、出費がかさんでしまったと嘆く声」 (@@。
GW中に、いきなり1ドル160円の円安が襲ったのですからむべなるかな。
先進国の物価が自国より強烈に高く、自国の物価が先進国の国民にとって圧倒的に安いのは、途上国に特有の現象です。政府と日銀が組んで長く続けた通貨毀損策の結果、世界における日本国民の経済的な豊かさは、ついに途上国並みに落ちたということか・・・
ニューヨークに行ってもロンドンに行ってもパリに行っても物価が安く、アジア諸国で受けるサービスなぞははタダ同然、という時代が今となっては懐かしい。あの当時、アジア諸国の国民にとって日本旅行は高嶺の花で、日本で旅行者を見ることなぞ滅多になかったです。欧米諸国からもアジア諸国からも観光客が挙って来て下さる現況を、喜ぶべきか悲しむべきか、複雑な思いを抱かないでもありません f(^^;
「6月は地獄」祝日なく悲痛な声 GW後に待ち構える”空白期間”
辛坊 正記(株)TOASU特別研究員(経済評論家・コンサルタント)
振替休日があったりするのでややこしいですが、G7諸国の祝祭日による年間休日数をざっくり見積もると、日本の休日数が圧倒的に多いことは確かです。
日本 16日
アメリカ 10日
カナダ 5~10日(州による)
イギリス 8日
フランス 11日
ドイツ 9~13日(州による)
イタリア 12日
OECDが集計する年間労働時間も以下の通りで、日本が特に長いわけではありません。
米国 1,811時間
イタリア 1,694時間
カナダ 1,686時間
日本 1,607時間
イギリス 1,532時間
フランス 1,511時間
ドイツ 1,341時間
働きすぎと言われたかつての日本は、働き方改革による規制と新たな休日づくりの結果、とっくに消え去っているのです。祝日が無い月など、諸外国では当たり前。それを「『6月は地獄』 祝日なく悲痛な声」として取り上げるこの記事は、一体、何を企図しているものなのか・・・
売ればすぐカネになる天然資源の乏しい我が国で、国民を経済的に豊かにする元手は、国民が国内で働いて生み出すモノとサービスの価値しかないのです。これ以上休みを追い求める風潮を拡げると、日本の経済的な豊かさは、本当に消え去ってしまうかも (・・;ウーン
派閥の裏金事件受け、政治資金規正法改正に向けた自民党案「評価しない」72% JNN世論調査
辛坊 正記(株)TOASU特別研究員(経済評論家・コンサルタント)
「政策活動費の使いみちの公開などは『検討項目』として各党と議論」 (@@。
各政党には国民一人当たり250円、総額300億円を超える政党交付金が渡っています。原資が何であれ、政党から議員にわたったカネは、「政策活動費」とされる限り、何に使おうが領収書も収支報告書への記載も無用です。このカネを政治活動と無関係なことにつかっても、第三者が咎めて議員に税金を払わすことはできません。「収支報告書に関する監督責任の強化を明記」してみても、政策活動費の使い道が闇の中では、本質的な改善になりません。
政党交付金は、政党と政治家が既得権益を持つ企業等の献金に頼ってそちらの側にばかり目を向けて、国民にとって何が大事かを考えなくなる弊害を除去するために始まった制度です。ところがいろいろな抜け道を作って献金を集める仕組みを残し、今なお、一人当たり250円を払う国民より、パーティー券を買ってくれる既得権益者に目を向けた政治が続いています。しかも、政党交付金もパーティー券等で集めたカネも、実質無税で政治家の懐に入ります。
今回の改正案でこうした悪弊の土台が改まるとは思えません。政党交付金の趣旨に則って企業献金を始めとする権益まみれのカネと手を切って、国民の血税から払われる政党交付金の使い道をクリーンにしない限り、国民が真に納得することはないでしょう。しかし、自民党に限らず、カネを欲しがる日本の政党と議員にそんな改革が出来るものなのか。各党と議論してもまともな答えに行き着くとは思えません。暗澹たる気分になって来る・・・ (._.)
米財務長官、為替介入「まれであるべきだ」-慎重姿勢示す
辛坊 正記(株)TOASU特別研究員(経済評論家・コンサルタント)
「こうした介入はまれであるべきで、協議が行われることが期待される」 (@@。
為替は自然な調整に任せるべきで、みだりに介入してはならないというのは、先進国間の合意事項ですから、米財務長官が理念として「まれであるべき」というのは当然です。とはいえ、その心のうちは如何なるものか・・・
日本が持つ外貨準備のうち比較的取り崩し易い預金は1550億ドル(約24兆円)で、2度行った介入額が8兆円なら、3セット分に当たります。それを超えると、外貨準備の多くを占める米国債を売ることにもなりかねません。そうなると米国金利に上昇圧力が掛り、米国の景気を冷やすかも。大統領選挙を控えるアメリカ政府にとって、決して有難いことではないはずです。
介入について、米国政府とどこまで摺合せが出来ているものか。気になるところではありますね。 (・・;
【緊急解説】いま「超円安」が止まらない理由
辛坊 正記(株)TOASU特別研究員(経済評論家・コンサルタント)
記事中の実質実効為替レートを見ると、1990年代半ば以降、円の実力が一貫して下がり続けていることが分かります。これは、日本政府が赤字国債を急増させ始めた時期と重なります。経済が思うように成長しないから税収が不足する、だから国債を発行して景気を刺激する、ということを我が国は繰り返して来たのです。それを側面支援したのが日銀による低金利政策で、これを極端にしたのが、大胆な金融緩和と機動的な財政支出を標榜するアベノミクスでした。こうした形で国力を弱めれば、円の実力が下がるのは当然です。
円の実力が上がり続けた1970年代から1980年代は、電機と自動車を中心に日本企業が世界を席巻し続けていた時代で、1989年には、世界の時価総額ランキングトップ50社のうち32社を日本企業が占めるまでになりました。1990年代初めにニューヨークに駐在しましたが、着任当時のドル円は125円程度です。しかし当時の125円は近時の125円と違って大きな購買力を持ち、1ドルの使い勝手は200円分くらいあるね、と言い合ったものでした。ロンドンに行ってもパリに行っても物価は安く、自分らはこんなホテルに平気で泊まるけど、現地の人たちには難しいだろうね、なんて失礼な会話を交わしたこともありました。通貨の強さは国の強さの反映ということを、如実に感じることが出来ました。
アベノミクスが始まって間もないころ、西村内閣府副大臣(当時)の講演で、極端な金融緩和と財政支出で景気を刺激しても、金利が上がれば大変なことになる構図を作って却って日本経済を中長期的に弱らせることにならないか、という趣旨の質問をしたことがありました。その時の答えは、私の記憶に間違いがなければ「金融緩和と財政支出がカンフル効果しか持たないことは分かっている。しかし日本には岩盤のような既得権益があり、構造改革を進めるにはカンフル効果で既得権益を持つ人たちに気持ちよくなって貰う必要がある。然る後に構造改革を進める」というものでした。なるほど、と納得しましたが、遂に始まった極端な円の価値の劣化と、それを修正しようにも利上げを許さぬ日本経済の構造を見ていると、当時抱いた私の懸念が残念ながら現実になってしまったように感じます。
円の価値を毀損してインフレを起こせば日本が成長軌道に戻って国民が豊かになるとの幻想は、そろそろ捨て去るべきじゃないのかな (・・?
「週5日労働がふつう」は大間違いである…仕事でへとへとになってしまう人に決定的に欠けている視点
辛坊 正記(株)TOASU特別研究員(経済評論家・コンサルタント)
”やらされ感”を持って労働すれば、一日5時間、週4日でもたぶんかなり辛いはず。自分の天命、と感じる仕事を選び、”やるべきこと”とや”りたいこと”がぴったり合えば、成果がやる気を生み、やる気が成果を生んで汲めど尽きない自己実現の世界に入れます。そうなると、一日24時間、月月火水木金金とは言わないまでも、幾ら働いても時間が足りず、まだまだ働き足りないと感じるかもしれません。化石世代のオッサンの戯言と一笑に付されるかもしれませんけれど、若かりし頃の一定期間、終電に間に合うのは月に数日、土日も含め相当に働いた時期がありました(土曜が休日になったのはかなり後の話です)。たいしてモノにはなりませんでしたけれど、曲がりなりにも今なお化石になり切らずにいられるのは、あのころの頑張りの賜物だと感じています。ン? お前がそう思っているだけで、完全に化石だろ、ですか? ゴメンナサイ f(^^;
自分のキャパを知ることは重要ですが、キャパは出会う仕事、選ぶ仕事次第で変わるかも。自らスキルを磨いて仕事を選び、自律的に活動できる自分を確立することが、自分を潰す”へとへと感”に襲われない最大のポイントであるような気がします。天命と信じるところを自らの意思で突き進み、それで辿り着いた”へとへと感”は、ひょっとしたら、非常に心地よいものであるかもしれません。
売れば直ぐカネになる天然資源に乏しい我が国では、国民が国内で働いて生み出す価値だけが、国民を経済的に豊かにする資源です。如何にすれば国民がへとへとにならず元気に頑張って働けるのか、その枠組みを整えることが肝要であるように思います。やらされ感が残る雇用の仕組みを放置して、楽に働ける枠組みばかりを追求すると、日本は本当に貧しい国に戻ってしまいそう (・・;
NORMAL
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