ホーム
35フォロー
266694フォロワー
【現実】いくら稼げば、「理想の人生」が送れるのか
夏野 剛近畿大学 情報学研究所長 特別招聘教授
個人金融資産が2,000兆円を超える日本であっても、多額の資産を持っていてもフローの収入が少ない高齢者は、消費を抑え、貯蓄を切り崩さないようにしようとする。つまり、ストックをいくら持っていようがフローがあるかないかで、いくらあれば安心、というのも変わるのではないか。現在の日本の金利だと10億円現金で持っていても金利収入は年間2万円(みずほ銀行定期預金金利0.002%)。となると、貯金を切り崩して残り何年生きるか分からない人生をカバーしなければならないという恐怖感がある。残り人生30年で1年間で3,300万円使えますよ、と言われても、全部使ってしまったら子どもにも残せないし、そんなに使いたくないという気持ちになって、それはそれでぜんぜん幸せを感じないだろう。
やはりいくら稼ぐとか、いくらあれば、ではなく、何をしていれば幸せかを考えよう。
【新教養】一流は知っている、ワインの新常識
夏野 剛近畿大学 情報学研究所長 特別招聘教授
ワインの市場を語るときに、ブルゴーニュやボルドーの高級ワインを語るのと、フランスで一般的に飲まれているVdFを語るのでは話を変える必要がある。
AOCの高級ワインの場合、いいワインを判断する基準は、①テロワール、②作り手、③ヴィンテージだが(ちなみにこの三条件はソムリエ試験には出てこない)、これまで気候は③に集約されてきた。気候条件の変化でワインを作れる地域は北へ移動しても、①は長い年月をかけて判明・証明されるものであり、②はその地域での経験値を積み重ねて体得しているものなので、そんなに簡単に移転可能ではない。また世界的にアメリカワインのように、ヴィンテージをあまり意識しなくても味が変わらない旧大陸に比べると過熟気味のワインでも高く評価される今、ブルゴーニュやボルドーの高級ワインにとっても温暖化はウェルカムと考えることもできる。時季外れの雨や雹さえなければ、温暖化は収量を増やす効果があるから。
ただ長期的にはピノノワールのような繊細な葡萄品種をブルゴーニュで栽培するのが難しくなるのであれば、葡萄の品種を変えていくということが最も現実的な解になるか。いずれブルゴーニュ産のグルナッシュとかシラーという時代が来るのであれば、それはそれでDRCグルナッシュという新しい地平が開かれるかも。いずれにしろフランスワインの伝統と優位性はそんなに簡単には崩れないと思う。
サハリン2、ロシアが「接収」=プーチン氏が大統領令―日本商社出資のLNG事業
夏野 剛近畿大学 情報学研究所長 特別招聘教授
こういうことがまかり通るとなると、国際投資は今後停滞するだろうな。中国はこの状況を注視しているし、アフリカやその他の独裁国も、どこまでやっても大丈夫か、今回のロシアでベンチマークしようとしているだろう。21世紀にグローバライゼーションと完全逆行する事態が起こるとは全く予想できなかったし、この影響は今世紀中は続くかも知れない。唯一の道はプーチン失脚とロシアの政権交代、そしてウクライナ侵攻以降のロシア政府の執った措置の完全撤回だが、外交ではソフトランディングしかできないので、その解は極めて実現しにくい。ロシアは人類の歴史を50年くらい巻き戻してしまった。
NORMAL
投稿したコメント