デング熱 ブラジルで700人以上死亡 一部の州で非常事態宣言
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元々デング熱は感染源であるネッタイシマカやヒトスジシマカと言われる種類の蚊が好む水たまり付近に多く発生し、給水・排水設備のインフラが脆弱な国で感染者数が多いと言われていますが、ブラジル国内でも特に地方都市や都市部でもファヴェーラと呼ばれるスラム地域での感染率が高い傾向でした。
この報道にあるように、今年の状況は明らかに例年とは違い、私が住むリオデジャネイロ市では今日(3/24)までの累計で今年の感染者数は7万5千件で、昨年1年間の感染者数約2万件をたった3ヶ月で大幅に上回っており、今年は国内全体で500万件に達するのではないかという試算があります。
そんな状況で投入されたのが、武田薬品工業のデング熱ワクチン「QDENGA(キューデンガ)」です。
昨年3月にブラジル国家衛生監督庁(ANVISA)よりワクチンとして許可され、今年の2月より公共保健医療施設にて無料で予防接種が開始されました。年内に660万本を保健省に納品することを確約しているようで、2025年には900万本の供給を見通しているとのこと。
今まで行政は毎年感染防止のために水たまりに近づかない、水たまりを作らないという注意喚起をするか、感染数が多い地域に殺虫剤を撒くことしか策がありませんでしたが、このQDENGAの誕生によりなんと9割もの入院患者を減らすことが可能とされています。
日本の製薬会社はコロナワクチンの開発で大きな遅れを取りましたが、地球の反対側で接種が始まった武田薬品のデングワクチンはブラジルや東南アジアなど蚊が多い亜熱帯性気候の国々ばかりではなく、年々気候が上がり続ける全世界の国々にとっても希望のワクチンとなっていくかもしれません。
ブラジルのデング熱ワクチンの状況については、以下のサンパウロ在住フォトグラファー仁尾さんの記事が最も詳しく書かれてあるので是非どうぞ。
https://president.jp/articles/-/79363